6月10日第2日目

610日第2日目
議案8

議長
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂下しげき議員。
 
通告に従って質疑をさせていただきます。
 第1に、指定期間の設定でございますが、他の議案でご答弁いただいた中で、市川市の基本が3年及び5年ということで大体理解はいたしましたので、まず議案第14号については、指定管理者が管理費などを捻出するなど予算の積算が複雑になっておりますので、市川市としては投下費用の回収などを含めた試算で、5年とそれ以外の設定年数との費用対効果の検証はどのように行われたのか、お答えください。
 


 第2の透明性の確保についてお尋ねをいたします。文化施設の指定管理は、他の議案と比べて特殊性が少なく、応募しやすいように思われますが、そういう意味では、本市の基本となるべく選定過程を確立する事業であったと思われます。指定管理者制度は3年の猶予期間が過ぎると、本市でも大事業となり、市川市の説明責任、情報公開に対する姿勢が問われる事業になるわけであります。そして、その先駆けとなる事業が当該議案であると認識しておりました。そこで、何度も申し上げておりますが、指定管理者となる団体が適切であるかを議会で判断できるようにするために、選考過程の透明性についてどのように配慮したか、お答えください。
 次に、第3の指定管理者となる団体の適格性についてお尋ねをいたします。まず、当該団体にはできて他の応募団体ではできないことは何か、お答えください。また、当該団体の安定性及び審査会での主な意見についてお答えください。
 続いて、第4の管理運営費用と予算についてお尋ねをいたします。まず、予算積算内訳についてお答えください。次に、5年分の収支予算書の提案内容と17年度以降の予算措置についてお答えください。
 最後に、協定についてお尋ねをいたします。協定書のリスク負担規定についてお答えください。
 以上、第1回目の質疑とさせていただきます。なお、ご答弁により再質疑させていただきます。

文化部長。

文化活動施設の指定管理者の指定についてお答えいたします。
 先ほどもご説明いたしましたが、今回、芳澤ギャラリー、木内ギャラリーにつきましては、本市で初めて文化的ギャラリーとして整備した施設でございます。そのようなことから、両ギャラリーの指定管理者の選定に当たりましては、単なる施設管理の経験だけでなく、両施設を活用して芸術文化事業を行っていただくために、今までどのような事業を展開してきた実績があるのか、企画力はどうなのかなどを中心に評価をいたしました。その結果、芸術文化事業の経験が豊富で企画力もすぐれている財団法人市川市文化振興財団を候補者として選定したものでございます。
 そこで、1点目の指定期間設定の考え方と、その検証の方法ですが、この芳澤ガーデンギャラリー及び木内ギャラリーに係る指定管理者の指定期間は、平成16年9月26日から平成21年3月31日までの4年6カ月といたしました。両ギャラリーにつきましての設備や備品につきましては、市ですべて整備いたしますことから、指定管理者による投下費用は想定しておりません。そこで、指定期間の設定につきましては、芸術文化活動施設として両ギャラリーを管理する場合、指定管理者としての芸術文化に関する基本的な方針に基づき創意工夫を十分に発揮するためにはある程度の期間が必要なこと、また事業の実現性や管理運営経費の収支などについても検証し、総合的な判断を行うためにも相当な期間が必要なことと、長期的な期間として約5カ年程度は必要かなというふうに考えたところでございます。また、その検証の方法といたしましては、会計年度終了後に行います事業報告や、毎月の業務に関する報告書で確認するとともに、また、その間の事業の効果も見計らいながら、必要に応じて助言、指導を随時行ってまいりたいというふうに考えております。
 次に、透明性の確保についてでありますが、この件につきましては、基本的な考え方といたしまして、他の施設と同様に統一的に対応することが必要なことから、昨日、その考え方につきまして、管財部長から総括的に答弁させていただきました。この文化活動施設の最終的な応募の締め切りまでに、5団体からの申請の提出がありました。その内訳は、施設管理の業務委託を中心に事業を展開する株式会社が2社、施設管理及びイベント等の企画を行い、公の施設の指定管理者としての実績のある株式会社が1社、地域で文化や福祉活動を行っているNPO法人が1つ、芸術文化の振興、公の施設の管理運営を行っている財団法人が1社の計5団体であります。第1次審査といたしまして、選考委員会基準に従い、部内の関係者3名と部外の職員1名、それから芸術文化に関する専門的知識を有する外部の1名を加えた5名の選考委員会で申請団体から出された事業計画、収支計画書等の関係書類に基づいてプレゼンテーション並びにヒアリングによる審査を行ったところです。既にご案内の評価表に基づいて、5人の選考委員により点数評価で、合計得点500点満点として順位を決定したところです。この最高得点者となった財団法人市川市文化振興財団は、評価項目それぞれで高得点を得、2番の得点を得た団体と比較して、トータルで50点以上の差がありました。これは特に同市の文化活動施設の管理運営の実績のあること、それから、芸術文化の振興のための事業として自主事業の内容について他の団体よりすぐれていたことによるものであります。この選考結果を選考審査会に付議し、そこではこの第1次審査が公平に行われたのか、選考した団体は妥当かなどの視点から審議が加えられ、その後、市長の承認を得て指定管理者の候補者として選定されたものであります。今回の他の施設と同様の手続によって基本的には選定手続を行いましたが、財団法人市川市文化振興財団につきましては、公の施設の指定管理者の指定の手続に関する条例第2条の指定管理者の指定の基準として規定してございます市民の平等な利用を確保することができること、市が管理する場合に提供するサービスと同等以上のサービスを提供することができること、それから施設管理を安定して行う物的能力、財政的能力及び人的能力を有していること、市が管理する場合に要する経費と同等以下の費用で管理することができることの基本的基準を十分満たす指定管理者としての候補者として適格であるというふうに判断したところです。
 次に、管理運営費の積算についてのご質問ですが、積算に当たりましては、市でこの施設を直営で管理した場合を想定し、管理業務についての委託予算を積算したところでございます。その内訳といたしましては、賃金で4546,000円、事務費146,000円、管理費3513,000円を見積もったものでございます。また、事業費につきましても、当施設で行われます企画展の費用等312万円を積算し、9月後半からのオープンになりますので、半年分として総額1,1325,000円を管理運営費として盛り込んだものでございます。
 指定管理者候補者の16年度から5カ年分の収支予算書の内容でありますが、16年度は自主事業を含めた収入合計1,3218,000円と予想しており、支出合計額1,3958,000円で、収支予算では初年度74万円の赤字というふうに見込んでおります。17年度以降に黒字に転換するという予想でございます。この考え方は5カ年間の総費用額で見ますと、収入合計額1億2,0896,000円に対して、支出合計額1億1,4468,000円で、6248,000円の収益を見込んでおります。この考え方は、17年度以降に指定管理者がみずから行う自主事業からの収益を当て込んでおるものでございます。
 次に、17年度以降の市の予算の考え方でありますが、人件費、事務費、それから維持管理費等、一般的な施設管理費は17年度から通年ベースとなりますので、当然それに見合った予算を計上する予定でございます。さらに、施設の性格を考慮しまして事業の充実を図るため、特別展や企画展の増設に伴う予算を加算していきたいというふうに考えております。
 最後に、協定の内容についてのご質問ですけれども、指定管理者の指定を議決いただいた後に、指定管理者に対する委託料や細目事項につきましては、市と指定管理者の間での協議により協定書を締結する予定でおります。協定書は指定期間内すべてにかかわる基本協定書と年度協定書の2本立てを考えております。基本協定書に盛り込むべき事項といたしましては、協定の目的、それから指定期間、基本的な業務の範囲、情報公開、協定の解除、リスク分担などを考えており、また、年度協定書には年度協定の期間、対価の支払い額、支払い方法、施設の維持修繕等について締結をしていきたいと思っております。
 以上でございます。

坂下しげき議員。

ご答弁ありがとうございました。
 まず、1点目といたしましては、私が伺っているところでは、審査員について、学芸員を入れたということですが、他市では市とは雇用関係のない学芸員を入れており、審査に要する報酬も予算措置をして透明性を確保しておりますが、学芸員の方を本市ではどのように選考したのか、お答えください。
 2点目といたしまして、指定管理者となる団体にはできて他の団体にはできないことについての中のご答弁で、市は自主事業や実績を重視しているのであります。他市のように文化事業企画系の事業者とビル管理系の事業者でジョイントを組ませて公募させる方法があると考えられますが、そして、その方が地元業者の育成や実績にもなります。そのことについて、どのようにお考えになるのか、お答えください。
 3点目といたしまして、指定団体の経営安定性については、議案第12号の報告にもあるように、指定団体の収入の約80%は市の施設の管理委託に依存しております。しかし、先ほども申し上げましたように、あと2年ちょっとで指定管理に移行するということは、管理委託業務は指定管理者制度に移行されるわけでありますから、これからのことを考慮すると、決して安定しているとは考えられません。当該指定管理期間は約5年でありますから、指定期間中に当該団体の収入が激減することもあり得ると思います。そうなると、安定した団体として判断できませんので、市川市では、現在、当該団体の行っている管理委託業務につきましては、2年後も公募なしで1社選定をするということなのでしょうか、お答えください。
 4点目といたしまして、議案第13号でも質疑させていただきましたが、評価項目がほぼ同じ。非常に理解のできないところなんですが、各施設ごとに特色があり、利用者も異なります。評価項目はおのずと違ってしかるべきであります。また、どれも単純な加点方式であります。文化事業を前面に押し出すならば、係数を乗ずる加点方式でも可能であったはずであります。評価についても、同じ物差しで評価が出るような事項でも、ばらつきがあるところが気になるところであります。そこで、評価項目の作成に当たっては、どのようなお考えなのか、お答えください。
 5点目といたしましては、評価の公表ですが、昨日のご答弁によりますと、インターネットを使ったりして、提案書を含めた公表についてございました。募集要項には、公表等必要なときは、市が無償で提案内容を使用できるとありますので、提案内容についても、事業者には事前に了解を得ております。さらに、市川市では審議会等については公開を原則としております。これは市川市の指針であります市川市における審議会等の会議公開に関する指針第2項のイに定められており、今回、非公開とした理由がわからないのであります。また、同指針では、非公開の場合は理由を明らかにし、公表することになっております。本市の今後の情報公開に対する姿勢が問われる重要な事項ですので、非公開審査となった理由について、募集要項記載事項及び同指針の趣旨をどのように理解された上で決定されたのか、お答えください。
 次に、議案第13号では時間がなくてお答えがいただけなかった予算の債務負担行為についてお尋ねいたします。委託費等の経費を要する指定管理者の指定に当たっては予算を確保することが必要であり、指定管理を行うと判断したときは予算措置について考慮する必要があります。その予算的担保として債務負担行為を行うことが通例であると思いますので、市としての見解を財政部長にお答えいただきたいと思います。
 以上、2回目の質疑とさせていただきます。

文化部長。

お答えいたします。
 1点目の、審査員に学芸員をどのような形で選定したのかということです。私ども今回の審査員に加わっていただいた学芸員は、文化部として今まで文化事業をしていたときに、市川の文化人展というのをやってまいりました。そのときにかかわっていただいた学芸員を、今回、外部の学芸員ということで審査員に加えさせていただいたところです。
 それから、他の団体とのジョイントの考え方です。確かにいろんな形での施設運営にたけているもの、それから芸術文化の企画にたけているもの等々の性格はあろうかと思いますが、今回の申請者5社の中では、それらを両方賄える申請者がありましたことから、総合審査の中で、今回は候補者を選定させていただいたもので、ジョイントの考え方は理解できますが、その導入はいたすという考えは持ち合わせてございません。
 それから、財団の経営が決して安定ではないというご指摘ですけれども、そもそも財団法人市川市文化振興財団は、今回の指定管理者の候補団体になるということではなく、平成14年3月に今までの文化会館、市民会館の施設管理、またはそこで展開される文化事業だけでなく、もっと広く公の施設を管理し、また、そこで展開される文化事業の経営もということで寄附行為を変更し、経営の強化を図っております。当然に市の委託が現状で公の施設の委託管理ということで収入が80%を超えておりますが、それに甘えることなく経営強化を図っていく、経営基盤を強めていくというのが財団自体の経営ポリシーかなというふうに考えております。
 それから、評価表の加点の方法もあったのではないかということですが、評価表をつくることにおける今回の5施設の評価表の作成の考え方については一定の考え方を統一させていただきましたが、でき上がった評価表にはそれぞれの施設の特色が盛られてございます。私どもの個別項目の中に、特に文化事業に力を入れていただきたいということを願いまして、文化事業の企画の要素、それから、私どもが今総体的に進めております街かどミュージアム都市構想に対する理解の方法だとかいったようなものも、事前のプレゼンも含めてヒアリングの中で判断させていただいたものです。
 それから、先ほどの公表のことでございます。非公開の考え方ということでございましたが、今回の指定管理者にかかわる情報の公開につきましては、その透明性を確保する考え方も含めまして統一的な対応をということで、個々個別の対応の姿勢は持ってございません。その件につきましては、先ほども答弁させていただきましたとおり、市としての統一的な考え方を管財部長より総括的に報告させていただいたものでございます。
 以上でございます。

財政部長。

債務負担行為の設定が必要ではないか、こういうご指摘でございます。
 以上であります。
 
坂下しげき議員。
 
それぞれご答弁ありがとうございました。
 審査員の件なんですが、文化部として文化事業に携わっていた方だから外部だというようなことですけれども、果たしてそれが外部の方と言えるのかなと思うわけでありますね。それについては結構でございます。
 また、ヒアリングで判断したということでございますが、そういったことについても、すべてのことにそうですが、もうヒアリングも終わってしまった、審査会も終わってしまった、そういった中で、こうやって議会に、こうなりましたと、その中で我々は議決をしなければいけないわけでありますから、本当にもっともっとしっかりとした情報、資料を提供していただきたいと思います。
 また、債務負担行為についてなんですが、例えば5年の指定を行っている。5年の指定を行っていて、何年目かに予算が否決された場合は、どのように判断されるのでしょうか。そういうことが起きないように、総務省では債務負担行為をしっかりととりなさい、そういう見解なんですが、再度財政部長にお伺いしたいと思います。
 また、市川市では債務負担行為を組まないようにするための1つとして協定書を分けた、そういうふうに聞こえるのですが、そのように理解してもよろしいのでしょうか、お答えください。

財政部長。

債務負担行為の設定につきましては、先ほどお答えしたとおり年度ごとに協定を行うということで理解をしております。
 また、参考までに申し上げますと、債務負担行為の設定でありますが、例えば船橋市でありますとか、市原でありますとか、あるいは中野区でありますとか、そういったところにつきましては債務負担行為の設定はしていないというふうに確認をしているところであります。

坂下しげき議員。

これで最後にさせていただきますが、先進都市、船橋とかいろいろと挙げられていましたが、もっともっといろんなところでこの指定管理者制度は行われております。
 予算措置と審査会については、さらに市の内部で議論をしていただく必要があると思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、その他もろもろのことについては委員会で審査したいと思います。以上でございます。

 
議案15
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので発言を許します。
 坂下しげき議員。
 
通告に従い、質疑をさせていただきます。
 まず初めに、第1の事件の概要について、相手方のプライバシーに触れない程度にお答えいただければと思います。
 第2に、和解の内容についてお尋ねをいたします。まず、和解に至るまでの経緯についてお答えください。
 次に、賠償金についてお尋ねをいたします。通常の交通事故における損害額の積算は治療費、入院費用、通院費用、これらにかかわる交通費、慰謝料、逸失利益、物損、その他の損害に過失割合をしんしゃくして決定されます。そこでまず、当該事件における過失相殺割合についてと、その割合が妥当であると判断された根拠及び相手側との争点についてお答えください。
 次に、慰謝料についてお尋ねをいたします。慰謝料の算定は被害者の方の入院及び通院実日数並びに治療期間などにより積算されると思われますが、市川市の慰謝料算出基準をお答えください。
 また、逸失利益について、休業補償をしておりますが、算定に当たっての基準についてお答えください。 続きまして、後遺障害についてお尋ねをいたします。交通事故についての和解は、後遺障害の発生がないことを確認してから行うことが通例です。また、後遺障害について和解するには、後遺症が固定してからでないとできません。そこで、当該事件におきましては、後遺障害の認定はどのように行われたのか、お答えください。
 次に、第3の市川市の和解基準についてお尋ねをいたします。市川市では、以上の質疑事項を踏まえて、和解と裁判での決定をどのように判断されているのか、お答えください。
 また、市川市の相手方となる方は行政を相手に訴訟を行うことになり、大変な労力が必要であると思われますので、その点についてのお考えについてお答えください。
 以上でございます。

水と緑の部長。

事故の概要と和解の内容についてお答えいたします。
 本交通事故は平成12年の6月1日午前9時35分ごろ、南八幡2丁目312番地先の八幡分庁舎前の市道で、公園緑地課職員が運転していた普通貨物自動車が、片側2車線のうち進行方向右側の車線を鬼高4丁目方面から南八幡1丁目方面に向かい進行中、左折しようとしたところ、その左側の車線を後方から直進してきました当時52歳の主婦が運転する原動機付自転車の前輪付近と市普通貨物自動車の左側面が衝突して、乗車しておりました主婦と原動機付自転車が路上に転倒しまして、主婦が左下下腿骨を負傷した人身事故でございます。事故当時、事故現場の手前の市川商工会議所前に路上駐車する車両がありまして、このため市所有車が左側車線を走行することができず、やむを得ずセンターライン沿いの車線を走行したもので、後方から走行してきました原動機付自転車に気づくのがおくれたことにより、このような事故を引き起こしたものでございます。
 次に、和解までの経緯についてでございますが、事故発生後、担当課と市川市交通事故相談員とともに示談交渉を行いましたが、相手方が代理人弁護士を立てて、自分には全く過失がないことを主張していること、また、休業損害額についても、相手方と市の主張している額との格差があったことから、示談交渉が難航しました。このため、私どもでは加入している保険会社の全国市有物件災害共済の委任弁護士を立てまして代理人交渉を行いました。その後、市が依頼しました保険会社の受任弁護士の要請に対しまして、相手方の代理人弁護士が損害額の確定に必要な手続を行わなかったことから、この間、示談交渉は約2年間中断しておりました。しかしながら、相手側の方の代理人弁護士が平成15年7月26日に辞任しまして、平成15年8月12日に新たに就任したことで、この新たな弁護士と交渉が再開されまして、協議を経まして、平成16年3月16日に合意されたものでございます。
 次に、過失相殺の件でございますが、先ほど言いましたように、相手方は市の10割過失を主張しまして見解の相違がございました。一般的に自動車交通事故による過失相殺につきましては、双方の車両が走行中であれば双方に過失が生じることが通例でございます。本事故のように先行する左折車が左後方直前に迫っている原動機付自転車を見落としたことによる事故についての過失相殺は、市が9割、相手方が1割となるものでございます。この過失相殺につきましては、市川市が依頼した保険会社の全国市有物件災害共済会の受任弁護士が交通事故の状況、過去の裁判事例等を踏まえた上で、相手方との合意により定めたところでございます。
 次に、自動車交通事故の慰謝料についてでございますが、被害者が事故によって精神的、肉体的にこうむった苦痛に対する損害とされております。今回の相手方は左足下腿骨骨折で2回にわたり手術を行い、退院後も左ひざの機能回復訓練をしております。入通院の慰謝料額の算出基準でございますが、慰謝料は入通院期間、後遺症の程度により、その算定額が変わってまいります。今回の自動車交通事故の入通院は、入院が3カ月、92日、通院期間が14カ月でありまして、東京三弁護士会と財団法人日本弁護士連合会交通事故相談センターの損害賠償額算定基準による入通院慰謝料に照らし合わせて算出した額でございます。
 次に、逸失利益でございますが、労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の昇進、また転職、失業等の不利益の可能性、日常生活上の不便等を考慮しまして算出されるものでございます。今回の被害額の場合は、症状固定年齢の53歳の女子の平均年収額に後遺障害12級の労働能力喪失率を乗じまして、それに労働者の就労の終期とされます67歳までの13年を算定した額で、結果、4894,239円となったものでございます。
 最後に、後遺障害慰謝料についてでございますが、後遺障害は治療を続けても交通事故で受傷したけがは治らず、治療が効果なく症状が固定した場合に後遺障害として認定されます。その等級につきましては、自動車損害賠償保障法施行例で定められている後遺障害の等級が適用されます。この等級は第1級から第14級までありまして、障害の度合いが大きいほど等級が下がります。今回の相手方の後遺障害につきましては、第12級7と認定がされました。この認定された第12級の7につきましては、下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すものとされております。相手方の後遺障害でございますが、左ひざ関節に障害を残しまして、外見的には左ひざが変形しておりまして、日常生活における障害としましては、長時間立っていられない、また正座ができない、片足立ちができない、階段を交互に上りおりができない、このような状況となっております。
 以上でございます。

総務部長。

市は和解と裁判の判定をどのように判断しているのかというご質問と、もう1つ、住民にとって市を相手にするということは大変労力が必要となるが、市は相手方への配慮をどのように考えているのかという2つのご質問にお答えいたします。
 一口に損害賠償請求事件と申しましても、今回のこの議案のような交通事故のほかに、今回、専決処分の方でも報告させていただいておりますような道路の段差による転倒事故とか、あるいは今までもありましたが、学校における事故など、その内容はさまざまでありまして、また同じ交通事故であっても、その対応は1件1件異なりますので、なかなか統一的な和解の基準を設けるということは難しいところがございます。したがいまして、本市では、これまで特に損害賠償請求事件の和解の基準としての文章化したものは設けておりません。しかし、損害賠償請求事件について、裁判や調停の場で争うことは、相手方にとっても、また市川市本市にとっても負担が大きいことは事実でございますので、当事者間で話し合い、裁判外で和解により解決するか、裁判所の審理を経た上で解決するかを判断する際には、おおむね次のような点を基準としております。
 1つ目として、事故の相手方との間で事実関係、賠償金額、過失割合について争いがあるか、また、今後の他の事例に対する影響を考慮して裁判で争う必要があるか否か、2つ目として、交通事故や道路管理上の事故などについては、本市では保険会社が運営している市有物件災害共済会等の責任賠償保険に加入しておりますが、本市が支払うべき賠償金について保険会社が補てんすることを認めているか否か、3つ目としまして、裁判等に移行したとしましても、市川市が支払う賠償金にさほど大きな差がないかなどを含め、市の顧問弁護士からも和解により解決することについて妥当である旨の意見が得られているか否か、このような以上の判断基準に照らしまして、事故の相手方との間で事実関係、賠償額、過失相殺の割合について争いがなく、本市が支払うべき賠償金について保険会社が補てんすることを認めている場合で、裁判等に移行したとしても市川市が支払う賠償金にさほど大きな差がないと見込まれる場合には、被害者である相手方の負担や感情等にも十分配慮して、裁判等で争うことなく、裁判外の和解により早期解決を図ってきているというのが実態でございます。
 次に、市を相手にすることに大変な労力を必要とする市民に対する配慮というご質問ですが、できるだけ早期に解決を図るということが一番大切だとは思いますが、事故の発生から解決するまで、ある程度の期間を要する事案が一般的でありますので、市が明らかに損害賠償責任を負う事案の場合には、被害者である相手方に対して、その治療費等の負担の軽減に配慮して損害賠償金の一部を内払い金として支払うという対応もしてきております。ちなみに今回の事案につきましても、内払い金として3775,480円が支払われております。以上のような対応をしております。
 以上でございます。

坂下議員。
 
ご丁寧なご答弁ありがとうございました。
 1点目といたしまして、事件の概要を伺いまして、これは路上駐車の問題がこの事故に深くつながっております。路上駐車の問題は、この事故に限らず、市内全体で危険な交通状況をつくり出しておりますので、今後、警察を初め、関係機関と真剣に解消に向けて取り組むべき問題であると考えますが、今後の市の対応についてお答えください。
 2点目といたしまして、逸失利益約4894,000円の内訳について、もう1度お答えいただければと思います。
 3点目といたしまして、交通事故において、1度和解した後に後遺障害が発生した場合、さらに後遺障害について損害賠償請求が可能かどうか、よく問題となります。議案の仮示談書の第4項第2号には、次の文章が入っております。「相手方は、今後いかなる事情が生じても前号の基金額以外には、市川市に対し損害賠償その他名目の如何を問わず、一切の請求をしない」とあります。しかし、これについては最高裁判所の昭和43年3月15日に判決において、示談当時発生していない予想できなかった後遺障害については、その後さらに損害賠償の請求ができるとなっています。そこで、現在予測し得ない後遺障害が万一将来発生した場合には、この規定はいたずらに相手方を拘束し、不当な状況を招くおそれがありますので、この規定が実際の和解契約ではどのようになるのか、お答えください。
 以上でございます。

水と緑の部長。

点目の違法駐車対策についてお答えいたします。
 違法駐車車両の対策としましては、関係部署において現地実態調査を行いまして、チラシの配布、また注意看板の設置とあわせて所轄警察と連携を図りまして違法駐車の取り締まりに対応しているところでございます。今後につきましても、関係部署に協力をお願いしまして対応させていただきたいと思います。
 次に、2点目の逸失利益の算出根拠についてということでございますが、この額の算出には収入に一定の労働能力喪失率を乗じまして、これに労働能力喪失期間に対応する逸失利益の算定基準として使用されておりますライプニッツ係数をさらに乗じるものでございます。先ほどもお答えしましたように、今回の場合は症状固定年齢の53歳の女子の平均年収額として厚生労働省政策調査部編集の「賃金センサス」による平均給与額表から女子労働者の平均給与年収額に後遺障害12級の労働能力喪失率14%を乗じまして、それに労働者の就労の終期とされます67歳までの13年のライプニッツ係数9.3935を乗じまして算定した額でございます。
 以上でございます。

総務部長。

3点目のご質問にお答えいたします。
 和解後に後遺障害が発生し、相手方から申し出があった場合、どのように対応するかということだと思いますが、先ほどご質問者もおっしゃっておられましたけれども、やはり後遺障害が固定してから示談が始まるというのが一般的でございます。市川市におきましても、まさにそのとおりでございまして、事故による後遺障害が生じる可能性がある場合には、症状が固定するまで待って、後遺障害がどの程度のものかを把握した上で相手方と話し合い、和解を成立させることとしております。ちなみに、今お話がございました最高裁の43年の判決は、全損害、いわゆる障害の全体の把握につきまして正確に把握しがたい状況のもとにおいて、早急に少額の賠償金をもって満足する旨の示談がされた場合の事案でありまして、今回の事案につきましては、症状の固定を待って障害12級という認定を得た中での示談を進めておりますので、この事例として出されたようなことは可能性はないものと考えております。なお、そのような申し出がもしあった場合には、その時点で事故が原因で、さらに障害の度数が重くなった、状況が悪くなったというようなことがあった場合などは、現状を十分検討し、専門家とも協議していきたいと思っております。
 以上でございます。

報告
議長
日程第21報告第10号市川市土地開発公社の平成15年度決算及び平成16年度事業計画に関する報告についてから日程第24報告第13号財団法人市川市福祉公社の平成15年度決算及び平成16年度事業計画に関する報告についてまでを一括報告いたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂下しげき議員。

通告に従いまして順次質疑をいたします。
 第1といたしまして、経営状況についてお尋ねをいたします。まず、財団法人市川市文化振興財団の経営状況全般について、過去の事業報告と比較しながら、市川市としての評価と課題についてお答えください。
 次に、平成17年4月に全面的にペイオフになります。そこで、預金の預け入れ銀行が千葉銀行ほか5行になっておりますが、ほか5行の内訳についてお答えください。また、財団法人市川市文化振興財団は独自でペイオフ対策を行っているのか、お答えください。
 続いて、事業収入の現状と今後の見通しについてお尋ねをいたします。議案第14号の質疑のときも申し上げましたが、公の施設の管理委託については、地方自治法の改正により、あと2年余りですべて指定管理者制度の対象となります。そこでまず、事業収入の現状についてお答えください。次に、3年後以降、つまり指定管理者制度が全面適用になった後の見通しについてお答えください。
 続きまして、第4の業務委託の状況についてお尋ねいたします。財団法人市川市文化振興財団では、専門業者に対する業務の委託を行っております。委託料の年間支出額は約3億円に上り、事業支出の約半分、46%にも及んでおります。そこで、業務委託の契約方法について詳しくお答えください。また、コスト削減に向けて、市と当該財団との話し合いはあるのか、お答えください。
 以上で第1回目の質疑とさせていただきます。
 
 
文化部長。

財団法人市川市文化振興財団の決算についてご報告いたします。
 財団の経営状況につきまして、過去の事業報告と比較して15年度の決算状況はどのように把握しているかということですが、まず大きく変わりましたことは、平成14年3月に財団寄附行為を変更し、従来の財団法人市川市文化財団から財団法人市川市文化振興財団に名称も変わり、これに伴い業務内容が大幅に増加し、それに伴った経営内容となっていることでございます。寄附行為変更前の平成13年度当初は、管理受託事業として文化会館と市民会館の2つの施設に限られておりましたが、平成14年度には文化施設――これは清華園、旧片桐邸、旧芳澤邸――の管理業務を受託、さらに平成15年度からは市川市市民談話室の管理運営も受託するようになりました。この公の施設管理の受託収入が、平成15年度は平成13年度と比較して約4,958万円、11%の増となっております。平成14年度と比較しますと約3,963万円、8.6%の増となっております。また、事業収入といたしまして、平成13年度には公の施設の管理受託だけが計上されておりましたが、こうした文化施設の管理運営に加えて、15年度は財団の自主事業のほかに、市川市移動収蔵美術展などの市からの文化事業も受託し、市内の小中学校に出向き、教室を展覧会場として、児童生徒に本物の美術作品に触れてもらう機会をつくるなどの事業を実施しております。
 そこで、15年度の事業収入について内訳を申し上げますと、公の施設管理受託収入、これは文化会館、市民会館、八幡市民談話室の管理運営委託ですが、合計で4億9,8331,000円、その内訳としましては、文化会館が4億4,1432,000円、市民会館が約3,7683,000円、市民談話室が約1,9215,000円となっており、先ほども申し上げましたように、昨年度より8.6%の増となっております。次に、文化施設業務受託収入ですが、清華園、片桐邸、旧芳澤邸の管理委託料で約8075,000円、その内訳は清華園が約288万円、旧片桐邸が2376,000円、旧芳澤邸が2889,000円となっております。また、文化事業受託収入では179万円で、その内訳は市川市移動収蔵美術展が89万円、ニューイヤーコンサート90万円となっておりまして、昨年より15.9%の増となっております。このほかに自主事業に対する補助金収入として約1,689万円、これは35事業に対しての市からの補助金となっております。
 次に、財団の預金の預け入れ先の内訳についてでございますが、千葉銀行市川支店、約6,8726,000円のほか、東京ベイ信用金庫八幡南口支店、300万円、京葉銀行本八幡支店、400万円、東京預金事務センター、約1456,000円、千葉興業銀行八幡支店、約582,000円、市川市農業共同組合中央支店、約300万円の6行でございます。
 次に、財団が独自でペイオフ対策を行っているかということでございます。来年4月に予定されておりますペイオフの全面解禁に対する対応としましては、既にことしの4月におきまして、千葉銀行の定期預金に預けておりました財団の基本財産であります3,000万円を解約し、ペイオフの対象外であります国債に切りかえておりますし、その他の普通預金に対しましては、本年度中に1,000万円を超えないよう、信頼できる銀行等に振り分けていく予定であると聞いております。
 次に、財団経営状況に対する今後の課題といたしましては、財団として経営基盤を確立させるために、市からの委託料だけに頼るという従来の考え方を見直し、より自立した財団を目指さなければならないと考えておりますし、財団もまた寄附行為を変更し、自主的経営基盤の強化を図ったところでございます。具体的には、文化振興財団としてチケット販売の一層の努力を図るなど、事業に対しての収益を確保するとともに、今年度は市からの自主事業の補助金に加えて、文化庁や宝くじの収益を活用した財団法人地域創造からの補助金などの交付を受けるなど、文化都市市川にふさわしい企画を立てて事業を実施しております。また、行政改革の一環として、昨年から財団と市の関係各課により文化振興財団改革プロジェクトを立ち上げまして協議、検討を行っておりますが、現在までに開館日の拡大や組織の見直し、スタッフ制の導入など幾つかの改革も行われております。いずれにいたしましても、平成14年に寄附行為を変更して財団法人市川市文化振興財団に組織を変えて以来、3年目を迎えておりますが、市川市の文化施策の一翼を担う財団として、市との連携を図りながら、その役割を果たすべく努力をしているところでございます。
 次に、業務委託について、随意契約と入札の割合、コスト削減について市と財団で話し合っているかということについてですが、文化会館の施設の規模は、敷地面積で1万444.01㎡、延べ床面積2万117.35㎡、地下2階、地上4階建ての大規模な施設でございます。そこで、この施設の維持管理を行うとともに、利用者に気持ちよく利用していただくために多様な業務を外部に再委託しております。例えば館全体の給排水衛生関係及び電気設備や空調運転管理などを監視担当する施設管理業務、館内の各施設及び敷地内を清掃する清掃管理業務、館内及び駐車場や敷地内に警備員を配置する警備保安管理業務、舞台照明や音響、舞台機構の操作を担当する舞台管理業務、館内受付案内及び自主事業のチケット販売やチケットぴあなどを担当する受付案内等業務など5業務、また設備機器の保守点検など保守点検業務18業務を合わせ、合計25の業務を再委託しております。このほかにも市民会館、八幡市民談話室の管理業務もありますが、その契約方法は、平成15年度におきましてはすべてが随意契約となっております。契約の方法やコストの削減につきましては、平素から財団と市と話し合っているところでございますが、平成15年度の決算から見てもすべてが随意契約になっておりますことから、できる限り入札の方法に切りかえていくよう、今後、財団とも協議をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
 それから、指定管理者制度への移行の中で、どのように将来を考えているかというご質問でしたが、寄附行為の中に市川市文化会館、市民会館につきましては、財団の管理施設ということで明記してございますので、この2つの施設につきましては、財団が従前どおり直接管理していくことが正しいのだろうというふうに理解しているところでございます。
 以上でございます。

坂下しげき議員。

ご答弁ありがとうございました。
 1点だけ、清華園のところで288万円とおっしゃったんですが、これは280万円……。細かいところですが、いかがだったでしょうか、確認していただければと思います。
 そして、確認というか、一応伺っておきたいのは、指定管理者制度導入後の財団と市川市の関係を、今後どのように整理していくのか、具体的にお答えいただければと思います。
 以上です。

文化部長。

お答えします。
 清華園の管理委託料は約2808,000円でございます。
 それから、指定管理者制度と財団の関係でございますが、先ほど寄附行為の中に文化振興財団の主たる管理施設という形で文化会館と市民会館を位置づけてございます。ただ、財団が寄附行為を変更して、こうした文化事業の経営に積極的に参画していくということにおきましては、他の公の施設は、当然、指定管理者の一対象団体という形になるのではないかというふうに今考えているところでございます。
 以上です。

坂下しげき議員。

ありがとうございます。
 以上です。