2004年01月  金沢市役所・新潟市役所

平成16年2月13日

市川市議会議長 岩井 清郎様
 

市川市議会議員
三橋 二三男
加藤 武央
坂下 しげき
 

 
地方自治法第100条第12項及び会議規則第159条第1項ただし書きの規定により下記のとおり派遣されたので、報告致します。
 
 

 
1、派遣目的
(1)別紙
(2)別紙
2、派遣場所
(1)金沢市
(2)新潟市
3、派遣期間
平成16年1月27日(火)から1月29日(木)まで
 
 


金沢市役所
 
1、派遣日時 平成16127日(火)午前1100分~午後400
2、説明者  金沢市議会事務局 議事調査課長 津山 正勝  主査 朝倉 豊
    前田土佐守家資料館副館長 丹羽 勇 
3、場 所  金沢市役所・前田土佐守家資料館
4、派遣議員 三橋 二三男・加藤 武央・坂下しげき
5、目的
第一に金沢市が推進する「まちづくり条例」について伺い、その街並みを視察し市川市のまちづくりと比較検討する。
第二にこの「まちづくり条例」は、市民参加でつくられる条例であり、市川市でいう市民が主役の条例であるので今後の条例作りの参考とする。
第三に前田土佐守家資料館を訪ね、文化施策の一環としての歴史資料館の運営及び財政側面を調査する。
金沢市は、自然が豊かでかおり高い伝統文化を誇りとして、希望と活力にみちたはたらく基盤と、創造性あふれる教育・文化の華さくまちづくりにつとめている45万の人口をもつ、中核市であります。
以上三点から伝統と文化を守り続けている金沢市を視察し、市川市の向上に資することを目的とする。
 
6、視察内容
まちづくり条例の概要
 住民みずからが自分たちの住む地域の目標とする将来像を描き、まちづくりのルールを決めて実現していく仕組みを定めたものです。
 街づくりやマナーに関する条例は、市民モラルに訴えるものであるので、市民の同意と協力が得られる仕組みにしなければ条例は有名無実なものになる恐れがある。そこで、金沢市では、住民自らがまちづくりのルールーを作り、さまざまな開発計画に評価を下し、地域に付加価値を加えられるような仕組みをつくりあげていた。
また、当該条例の基本理念は「市民主体」「市民参加」にあるので、条例に具体的な市民参加の条項が盛り込まれるなど工夫がなされていた。
本市で同様の条例を扱う場合の問題点としては以下のことが考えられる。
この条例に基づくまちづくり計画の策定は、自治会が中心となって行っているので、金沢市では自治会の組織率・参加意識が強いが、本市は金沢市より住民の自治会組織への意識が希薄に感じられるので、住民意見の集約が難しいというところにあると思われる。また、街づくりは、関係法令や条例が密接に関わり合うので、計画策定には専門的な知識が必要となり、専門アドバイザーを確保するなど市のサポートが必要であると感じられた。更に、当該条例によるまちづくり協定は80%の同意が必要となるなど市民が主体となるルールづくりとしては、ハードルが高い。また、審議会が条例設置されているが、審議委員の任命要素などにもう少し住民主体色を強く打ち出す工夫が必要であると考えられる。そして肝心なことは、このような条例の効果を確実なものとするための市民へのPR・周知活動の難しさがある。金沢市では自治会への説明で終わっているが、本市のような住民生活形態が多様な地域では自治会だけの周知では不十分であり、その実効性をあげるための費用対効果を追求する余地がある。
歴史資料館については、オープンが平成14年の4月ということであるので、まず、公共建設物の入札方法が多様化され、国土交通省方針が示されているので、いわゆるハコモノの入札を金沢市ではどのように考えているのか、また、歴史文化都市である金沢市の文化政策について重点的に視察した。
まず入札については、金沢市ではまちづくり条例からも分るように、歴史文化都市としての景観面も重視して、プロポーザルによって落札業者を決定したということです。プロポーザルの業者選定内容については積極的には公表していないということです。本市も来年度は文化関連予算が多くつくとのことであるので、文化施設の建設の際の入札には、金沢市のようにプロポーザルを導入するなど個々の物件ごとにベストな方法を選択する必要がある。プロポーザルの場合は通常の入札よりも業者選定の過程が不透明になりやすいので、本市でおこなう場合には透明性を確保する手段や一定の公開ルールづくりが必要であると思う。
文化政策として注目されるのは、金沢市の文化施設について、地方自治法第244条の改正に伴う管理の変更はあるのか尋ねたところ、文化財保護・地域との関わりを重視しているので管理形態の変更は行わないと言うことであった。本市の文化財についても全て安易な法改正に伴う変更は行わず、個々に具体的な検討が必要であると思った。
 
 
新潟市役所
1、派遣日時 平成16128日(水)午後330分~午後510
2、説明者  新潟市開発公社専務理事兼アクアパークにいがた館長 中島 正雄
    新潟市ふあい健康センター主事 田中 勉
    新潟市議会事務局調査係主事 小林 秀明
3、場 所  新潟市ふれあい健康センター(アクアパークにいがた)
4、派遣議員 三橋 二三男・加藤 武央・坂下しげき
 
5、目的
第一に、迷惑施設である清掃工場の余熱を大切なエネルギーと捉え、余熱を利用した市民サービスの提供をおこなっている施設を視察し、市川市で着工する余熱利用施設の参考とする。
以上について視察し、市川市の向上に資することを目的とする。
 
6、視察内容
 余熱利用施設・新潟市ふれあい健康センターは新潟市内から12km以上あり、オープンは平成124月ということでした。
 大型施設の建設・管理にはPFI法の成立や地方自治法の改正などにより様々な建設運営方法が各自治体で選択できるようになったので、新潟市の考えと予算運用について伺った。
 まず、建設についてはPFI法成立前の建設であったので、通常の入札により決定されたということでした。運営管理は財団法人新潟市開発公社がおこなっているということで、新潟市の予算から公社人件費として年間2900万円が計上されている。歳入は歳出を賄いきれず赤字決算となっている。今後の運営についても、既に公社があるので、地方自治法の改正による指定管理者制度の適用も考えていないとのことであった。
 余熱利用施設の利用料収入については、楽観視できないものであると痛感した。本市での建設の是非は今の時点では問題化できないが、PFIによる業務委託形態については議会として監視を強める点であると考えた。選定業者が収入を上げようとすると、市民サービスの観点からは厳しいものになりうるし、市民サービスに重点を置くと選定業者にかかる負担が多大なものになり破綻の危険性も伴うものである。本市が唯一楽観できる点は、新潟の施設よりも本市の施設が市の各中心部から近いと言う点である。
 今後も余熱利用施設の選定業者及び関連金融機関団体と市が緊密に連絡をとり、企業の自主性を尊重しながらも市が主導権を確保できるように模索し続ける必要があると考えた。
 そのための方策として、モニタリングの公開・選定業者の収支報告の公開・市と業者との関連契約の公開・選定業者と下請け業者との契約の公開など透明性を強めていくよう議会として求めて行きたい。