9月8日第3日目

98日第3日目
議案26
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂下しげき議員。
議案第26号を通告に従って質疑いたします。
 第1の落札率についてお尋ねいたします。この契約は、契約額が2億8,770万円で、予定価格が2億9,4074,550円になりますので、落札率は約90%になっております。今ここにあります9月議会の議会資料としていただいた平成15年度の工事発注状況一覧を見ますと、15件の工事発注状況が載っており、この15件中5件が議案第26号と同じ建築工事であります。そして、その5件の平均落札率は90.3%になっております。この中の建築工事で一番低い落札率のものは85%であります。そう考えますと、今回の制限つき一般競争入札は、落札率が約98%ですので、競争性が発揮されにくかったと言えます。単純には比較できませんが、もし今回の案件について、平均である90.3%の落札率であれば、約2億6,554万円余りの契約金額になり、2,000万円以上低い金額で契約できたことになります。また、私の計算によると、平成14年度の平均落札率は約95%ぐらいでありますので、やはり議案案件については落札率が高かったと言わざるを得ません。そこで、第1の1点目といたしまして、この議案案件については、なぜ落札率が高かったのかご説明いただければと思います。
 


 次に、今回の議案案件は設計金額が高額なので、入札参加資格要件がAランクの業者に絞られます。したがって、議案の入札は9社という、設計金額の割には少ない業者により入札が行われたので、競争性が発揮されにくい環境にあったと言えます。そして、次の議案第27号もそうですが、26号議案も27号議案も、入札順位1位、2位は上條建設と大城組で、全く同じ業者なんです。これは偶然でしょうか。つまり、ここでもわかるように、少ない業者による入札では競争性が発揮されにくくなります。そこで、競争性の問題として、第1の2点目といたしまして、この議案案件の入札は、参加業者をふやすことにより競争性を高められなかったものなのかお答えください。これについてお答えいただく際には、以下の点を考慮に入れてお答えいただきたいと思います。
 まず、その1として、昭和41年の法律であります官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律で中小中堅建設業者の受注機会の確保について定められておりますが、平成12年の法律を受けて平成13年3月に閣議決定された公共工事の入札及び契約化の適正化を図るための措置に関する指針によれば、いわゆる地域要件の設定は、過度に競争性を低下させることのないように運用に留意することとなっております。つまり、市内のAランクの建築業者は12社しかありませんので、地域要件を緩和することは議案案件についてどうお考えだったのか。
 その2といたしまして、市川市建設工事等請負業者選定要領の第3条によると、設計金額5,000万円以上の入札の場合は12社以上となっております。これは制限つき一般競争入札には当てはまらないのかもしれませんが、12社以上というのは、競争性を考えると妥当な線であります。市内の建築工事Aランクの業者は、全部で12社しかないわけですから、市川市建設工事等請負業者選定要領運用基準の第1条第3号の基準を準用して、議案案件について準市内業者の参加を考慮に入れることはできなかったのか。議案契約は高額な契約になりますので、市内業者の育成という大事な側面もありますが、この2つを考慮に入れて、この案件の競争性についてお答えいただきたいと思います。
 また、競争性の問題としまして、この議案について市内業者のみの入札しか考えられなかった場合、競争性を考えると、会計法29条の6第2項、地方自治法施行令第167条の10の2及び同施行令第167条の13において、いわゆる総合評価システムの規定がありますが、この議案の入札に際しましては、このシステム導入についてどのようにお考えだったのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、第1の3点目として、この落札率は設計金額、予定価格を基準にして求めるものですから、設計金額、予定価格の設定方法、予定価格事前公表の是非についてお答えいただきたいと思います。予定価格の事前公表につきましては、国の公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針において、地方公共団体は、適切と判断する場合には、事前公表を行うものとされています。しかし、今回の議案案件については、入札参加業者が少ないと工事前に予想できるわけですから、予定価格を事前公表すると、業者が見積もりをする際に予定価格が目安となって競争が制限され、見積もり努力が損なわれ、落札価格が高どまりすることが多分に予測されます。このような場合の予定価格の事前公表は、国の指針の「適切」に当てはまるのでしょうか。議案案件につき、予定価格の事前公表を検討する余地はなかったのか、お答えください。
 また、予定価格は市川市財務規則第98条第2項で設定について規定されておりますが、国の適正化指針では、予定価格の設定に当たっては、設計金額の一部を正当な理由なく控除する歩切りについては、厳に慎むものとされておりますが、議案案件についてはどのように設定されたのか、お答えください。
 そして、低入札の調査価格については、市川市低入札価格調査制度運営要綱第3条で定められておりますが、この議案案件については第1項、または第2項のどちらが該当したのか。第2項の場合は、その割合を設定した理由についてお答えいただきたいと思います。
 次に、2番目として契約保証金についてお尋ねいたします。仮契約書によると、契約保証金は市川市財務規則第117条第3項第1号により免除となっておりますが、ご承知のとおり、契約保証金については地方自治法及び同施行令第167条の16第1項による規定があり、工事請負契約保証金の納付は市川市財務規則第117条に規定され、一般的には同条第2項第1号及び第2号による保証の提供並びに同条第3項第1号と第2号による免除であります。議決に付すべき契約の場合は、今回適用の履行保証保険による免除が妥当なのでしょうか。総合的に考えますと、保証は違約金などの金銭的保証措置よりも、工事の履行が保証される財務規則第117条第3項第2号による免除の役務的保証措置の方が、市の利益には適します。この議案契約は請負金額が高額なので、契約保証金も市の利益を考えるなら重要事項であります。国の適正化指針では、適切に選択するものとされております。制限つき一般競争入札では、施工業者にとっても議会の議決を得るまでは仮契約になるという不安定要素もありますので、この議案契約について、契約保証金はどのような考えに基づいて設定され、適用されたのかお答えください。
 そして、第3に契約内容についてお尋ねいたします。今回の議案の場合は、設計・施工一括発注方式をとっておらず、電気設備工事や管工事についても分離発注されているようですが、当該議案契約は大型の建築工事で、それぞれの設計金額も高く、一括発注もしくは分離発注になるか、競争性も含め微妙なところだと思いますが、一括発注と分離発注の経済的メリット、デメリットをお答えいただきたいと思います。
 以上、1回目の質疑とさせていただきます。

財政部長。
お答えいたします。
 まず、落札率についてでございますが、落札率が高かったというようなご指摘でございますけれども、この案件の落札率は97.83%となりましたけれども、まず、今年度において入札を行った建設工事の落札率について見ますと、7月末現在で件数が132件ございまして、平均落札率は94.6%となっております。落札率の分布を見ますと、最高で99.38%、最低では67.25%となっておりますが、97%台が44件となっており最も多く、全体の33.3%でございます。したがいまして、今回の案件の落札率97.83%といいますのは、現状におけるほぼ標準的な率であると考えられるところでございます。
 また、競争性は発揮されたのかどうかという点につきましては、今回の入札におきましては、入札参加資格要件として、市川市内に本店がある者という住所要件を設定いたしました。これは工事の内容が比較的容易で、市内業者で履行が可能であること、また、本市の工事の発注額が年々減少していることもございまして、市内業者育成の観点を考慮したことによるものでございます。このような要件を付して入札参加業者を募集した結果、9社の応募がありました。いずれも適格と認められましたことから、この9社で入札を行ったところ、先ほど申し上げましたとおり、落札率は97.83%となったものでございまして、適正な手続を踏まえた上で競争性が発揮され、公正に入札が行われたものであると理解しております。
 次に、予定価格の事前公表することになった経緯でありますが、本市では財務規則第98条第2項で、予定価格は「入札に付する事項の取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多少、履行期間等を考慮して公正に決定しなければならない」と定め、また、予定価格設定基準を作成して個々の案件の予定価格を設定しております。この予定価格につきまして、本市では入札の競争性、透明性及び公平性をより向上させるため、予定価格の事前公表の試行に関する要領を定めまして、平成11年9月から制限つき一般競争入札と公募型指名競争入札の一部で予定価格の事前公表を試行として実施し、その後、順次対象工事を拡大してまいりまして、現在は入札を行うすべての建設工事において予定価格を事前公表しております。予定価格の事前公表は落札額が高どまりとなる、業者の見積もり意欲を損なわせるなどの短所が言われますが、一方、確実に予定価格より低いところで競争が行われる、応札者側の積算間違いのリスクが軽減できるなどの長所を有するとされております。事前公表を試行して実施してから、公表した場合と公表しなかった場合の落札率を比較しても、落札率が高どまりするなどの弊害はなかったことによりまして、平成14年度以降は入札の透明性、公平性を一層図るため、全面的に実施することとしたものでございます。
 また、予定価格の事前公表の法的な問題につきましては、平成13年3月に国が定めた公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針の中で、「地方公共団体においては、法令上の制約はないことから、各団体において適切と判断する場合には、事前公表を行うこともできる」旨の見解が示されているところでございます。
 次に、低入札基準価格の設定でございますけれども、予定価格は発注者としての見積もり価格、言いかえれば契約可能な額の上限ということができます。これに対して低入札調査基準価格は契約可能な額の下限の目安であると考えられます。本市では、平成1011月に最低制限価格制度から低入札調査価格制度へ移行いたしました。この制度は、予定価格に対して一定の計算式で得られた率を乗じ、そこで得られた額を低入札調査基準価格とし、契約可能な額の下限の目安とするものでございます。この低入札調査基準価格の設定方法につきましては、市川市低入札価格調査制度運営要綱で規定しております。具体的には、直接工事の額、共通仮設費の額及び現場管理費の5分の1の額を合算しまして、この合算額を予定価格で除して得た割合を低入札調査基準としておりまして、これは個々の案件ごとに設定し、その割合は100分の85から100分の66.6の範囲内で設定しております。この低入札調査基準を予定価格に乗じて得た額が低入札調査基準価格でございまして、今回の案件では低入札調査基準を85%、調査基準価格を2億4,9963,000円と設定して入札を行ったものでございます。
 次に、契約保証金につきましては、契約を締結する場合に、契約の完全な履行を確保するとともに、債務不履行の場合に受ける損害の賠償を容易にするため、相手方から徴する保証金のことでございますが、契約の相手方が契約上の義務を履行しないときは、その契約保証金は地方公共団体に帰属することになるという性質のものであります。契約保証金の納付については、ご質問者もご指摘ございましたように、地方自治法施行令第167条の16第1項において、「普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体と契約を締結する者をして当該普通地方公共団体の規則で定める率又は額の契約保証金を納めさせなければならない」と規定しておりまして、この規定を受けまして、本市におきましては市川市財務規則第117条で契約保証金について定めております。財務規則第117条では、契約を締結するときは、直ちに「契約金額の100分の10以上の契約保証金を納めさせなければならない」としております。また、同時に一定の場合には契約保証金の納入を免除することができる旨の規定もあります。その主な例としては、契約者が保険会社との間に本市を被保険者とする履行保証保険契約を締結したとき、2点目として、「契約の相手方から委託を受けた保険会社と公共工事履行保証契約を締結したとき、3点目としましては、国若しくは公社、公団、公庫等の政府機関又は地方公共団体と契約するときなどがございます。本件では、契約保証金につきまして、市川市財務規則第117条第3項第1号により免除としておりますが、これは先ほど申し上げました契約者が保険会社との間に本市を被保険者とする履行保証保険契約を締結したときに該当するものでございます。履行保証保険といいますのは、保険契約者である契約の相手方が契約を履行しないときは、保険会社が地方公共団体に対して保険金額を支払うという保険でございまして、このような場合は契約保証金を免除するという規定になってございます。本件につきましては、このようなことで保証金を免除したものでございまして、多くの案件がこの履行保証保険を締結し、契約保証金は免除となっているところでございます。
 次に、契約内容についてでございます。分離発注についてお答えいたします。分離発注といいますのは、建設工事において本体建築工事、電気設備工事、給排水衛生設備工事に分離するなど、工事を細分化して発注することですが、本件の工事におきましては、建築、電気設備、機械設備、ガス設備、昇降機設備の各工事に分離して発注しております。このメリットといたしましては、適正な発注規模を確保することにより中小建設業者である市内業者の受注機会の確保、拡大を図ることができることでございます。また、本市で行う入札に参加するためには入札参加資格審査申請をしなければなりませんが、建設工事においては建設業法に定められた土木工事、建築工事のほか、電気工事、管工事、防水工事、舗装工事など28工種について工種を分けて申請をさせております。また、中小企業向け発注につきましては、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律及び中小企業者に関する国等の契約の方針の中で、「中小企業者の受注の機会の増大を図るように努めなければならない」、「可能な限り分離・分割して発注を行うよう努めるものとする」と定められているところでございます。このようなことから、中小建設業者である市内業者の受注機会の確保、拡大を図るために、市川市では分離発注をしているところでございます。
 以上でございます。
坂下議員。
ご答弁をいただきましてありがとうございました。
 また、2点目といたしまして、予定価格の事前公表についてですが、ご答弁によりますと、予定価格の事前公表の試行に関する要領で決められているとのことでしたが、事前公表がなければ業者見積もりの高どまりが少しは抑えられたように感じますが、この点について、ご答弁では、事前公表については本市の予定価格の事前公表の試行に関する要領で決められているとのことでしたが、先ほど申しましたように、国の適正化指針によりますと、一律事前公表ではなく、「適切と判断する場合には、事前公表を行うこともできるもの」とされております。この指針を受けて、今回のような入札参加業者が限られてしまうような場合は、事前公表が適切かどうか指名審査会では議論されなかったのかどうか、お答えいただきたいと思います。
 そして、3点目ですが、Aランクの業者が落札すると落札率が高いようですが、やはり何か要因があるのかお答えください。
 以上、3点につきまして、再度ご答弁いただきたいと思います。
財政部長。
指名審査会の中の議論ということでございますけれども、制限つき一般競争入札で公募しまして、そこに応募された事業が審査の対象の中で適切であるかどうかということの範囲でございまして、具体的にこれに対して、指名をすることについての内容については議論という議論はございません。
 それから、事前公表をしなければ高どまりにならないだろうというようなことでございますけれども、これにつきましては先ほどもお答えいたしましたように、透明性の問題でありますとか、公平性の問題でありますとか、そのような面から予定価格の公表に踏み切っているところでございまして、この公表があって高いか低くないのかという、そういう判断にはならないというふうに私は考えております。
 それから、落札率がやはり高いのではないかというようなことでございますけれども、これにつきましては、ただいま申し上げましたように、入札の結果でございまして、初めにお答えしましたように、それに対して、私どもは平均的な落札率ではないかというふうに判断しております。
 以上でございます。
坂下議員。
ご答弁をいただきましてありがとうございました。
 時間もありませんので、以上でございます。
 

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