2009年(平成21年)6月議会 議案質疑

2009年(平成21年)6月議会 議案質疑
第4日目 2009年6月10日
発言者:竹内清海議長
次に、坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
4番手で、ニューガバナンスの坂下しげきでございます。議案第4号市川市自転車等駐車場の設置及び管理に関する条例の一部改正についてを質疑させていただきます。 
まず、自転車駐車場の内容について、工事内容は、土地の転圧、砂利敷き、街灯照明2基の移設、入り口の設置、そして現在の駐輪場の原状回復工事があるということであります。この工事経費について、平成21年度の当初予算書の工事請負費に予算がありません。また、今議会において補正予算もありません。当該工事の予算はどうなっているのか、お答えをいただきたいと思います。

発言者:竹内清海議長
道路交通部長。

発言者:亘理 滋道路交通部長
駐輪場移設にかかわる工事の予算計上についてということでございます。工事内容については、先ほどご質疑者も言われましたように、それ以外には出入り口の1カ所を設置するという、そういうことも含んでおります。照明については移設という、そういうことでございます。この工事費用といたしましては、約80万円ほどを見込んでおりまして、需用費の施設修繕料のほうから支出したいというふうに考えております。 
以上でございます。

発言者:竹内清海議長
坂下議員。

発言者:坂下しげき議員
当初予算に本件工事費を計上していたかどうかなんでありますが、移設しなければならないことはわかっていたはずですので、工事請負費として当初予算に入れるか、間に合わなければ、今回の条例改正と同時に補正予算で対応する必要があったと思います。入札差金を使う、つまり、予算の流用、これは、やむを得ないときに必要最小限度で行うべきであって、条例改正に伴う新設工事の予算であれば補正予算で行うべきであります。条例改正を行う際、財政部との調整、庁議など、予算について審査されていないのかどうかという問題もあります。また、予算科目についてでございますが、そもそも修繕料とは、新たな物品の購入ではなく、既に購入済みの物品等の一部を修繕するという役務の提供に要する経費と観念されるべきもので、例えば部分品の取りかえ、家屋等の破損修理、老朽箇所の取りかえといったようなものをいい、工事請負費とは、土地、工作物等の造成、または建設及び改造の工事並びに工作物等の移転及び除却の工事等に要する経費であります。今回の移設工事の内容は、土地の転圧、砂利敷き、街灯照明2基の移設、入り口の設置、そして現在の駐輪場の原状回復工事、まさに工事請負費が相当すると考えられます。行政実例では、40万円程度の照明器具の取りかえ、修繕でも工事請負費が適当とされています。同じく実例では、砂利敷きについても工事請負費が適当としています。工事請負費で補正予算を組まないまま条例を改正することについて妥当性はあるのかなど、これらの予算措置については、条例改正において重要な部分であります。予算が伴う条例改正の議決でありながら、補正予算の予算措置がありません。これについては建設委員会においてご審査いただきたいと思います。 
 


続きまして、議案第6号、7号都市計画道路3・4・18号(仮称)大柏川渡河部橋(上部工)工事請負変更契約について伺います。 
本件は、同じ原契約についての変更が2回連続で行われる議案であります。1回目の変更は4月24日付で、2回目は5月8日付であり、1回目の変更から数日、わずか14日後に2回目の変更契約を締結するものとなっております。2回目の変更契約は単品スライド条項を適用し請負金額を変更するものであり、当該変更契約締結の時期は、単品スライド条項が適用される鋼材等の購入がすべて済んだ後の工期末とされています。しかし、この2回目の変更契約で増額される購入済みの鋼材には、1回目の変更契約で設計が見直される鋼材が含まれているのであります。ここが大きな疑問であります。つまり、この6月議会で議決を経て成立するはずの1回目の変更契約の内容が、議決前に既に実行されていることになるのであります。本市は、今議会で議決を経るはずの1回目の変更契約に基づく鋼材の発注を既に行い、請負者は、その鋼材を購入してしまっているということになります。議会の議決は何のためにあるのでしょうか。このような変更契約、変更契約締結の時期は適正と言えるのか、お答えをいただきたいと思います。

発言者:竹内清海議長
道路交通部長。

発言者:亘理 滋道路交通部長
議案第6号の工事の設計変更につきまして、これは平成19年10月に請負業者が契約後、橋梁上部工工事の設計図書等の照査を実施しております。その結果、中間橋脚部の橋げたを支える応力が集中する箇所での鋼材補強の必要性について提案がありました。そこで、市としましては、本橋梁を長期間安全に利用していただくために、安全側に配慮し、補強することとしました。内容につきましては、鋼材の材質、数量について変更することを承認したものでございます。そこで、今回の変更につきましては、請負業者が橋梁上部工工事の作業を行う施工ステップの初期のステップとなることから、工場製作段階での変更要素となります。そういうことから、協議の中で、設計変更につきましては上部工本体の工事期間が長期間であるということと、また、今後、新たな変更が生じる可能性についても留意しまして、適切な時期に設計変更を行うということで請負業者と協議が調っていたものでございます。その後、工事の進捗率が約80%となり、新たな変更が生じないということで、そういうことを確認しまして平成21年4月時点で設計変更を行ったものでございます。 
次に、議案第7号の変更契約時期についてでございます。これについては、単品スライド条項の運用マニュアルの手続に基づき、請求の時期としましては、工期末の2カ月前までに請求を行うこと、また、スライド額の算定に当たっては、対象工事費、対象数量は最終的な全体工事費、出来形数量をもって行い、協議開始までにスライド分を除く設計変更をすること、その後、協議の上でスライド額を確定し、契約により最終代金を確定するということが示されております。最終的には平成21年3月中旬に請負業者から、最初は口頭により単品スライド条項に基づく請負金額の変更請求がありまして、同年4月20日付で文書により請求がありました。そこで、単品スライド条項運用マニュアルの手続に基づきまして協議を行い、出来形数量をもってスライド額を確定し、平成21年5月に単品スライド条項の適用による設計変更を行ったものでございます。 
以上でございます。

発言者:竹内清海議長
坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
ご答弁ありがとうございました。工事着手前の照査において変更原因が発生し、平成19年から発注者と請負者で変更契約の合意ができていたわけであります。しかし、他の要素を考慮して、変更契約は工期末に近い時点、つまり今議会まで締結しないでいたということでありますよね。通常は契約の締結に議会の議決が必要であれば、議決後の契約成立後に請負者は部材等の購入をすることになります。議会で否決されれば変更契約は成立しないので、請負者にとってはリスクを伴うものであります。しかし、本件の場合は、理事者側は当然に議決されるとお考えだったのでしょうか。口約束などで変更を約束し、変更契約成立前に請負者に鋼材の発注をかけていることになります。平成19年は今から1年以上も前に発注がされているわけであります。このような変更契約の手続が適法と言えるのか甚だ疑問であります。請負者が1回目の変更契約による設計変更後の鋼材を発注した時期についてお答えをいただきたいと思います。また、なぜ速やかに19年時点で変更契約をしなかったのか、お答えいただきたいと思います。

発言者:竹内清海議長
道路交通部長。

発言者:亘理 滋道路交通部長
再質疑にお答えいたします。 
請負業者から、照査を行ったということで鋼材の補強、そういうことを提案があり、市のほうで平成19年10月に変更の承認をしたものでございます。その後、請負業者は平成20年7月上旬に鋼材の発注を行ったものでございます。そこで、2点目の平成19年度中に変更契約を行わなかったのかというご質疑でございますが、これについては繰り返しの答弁となりますが、変更契約については、請負業者との協議の中で、変更対象が工場製作の一連の作業として行う必要があり、今後、現場架設工事を含め、上部工の工事が長期間にわたり続けますので、その後、新たな変更要因を生じる可能性も留意しまして、適切な時期に設計変更を行うことで協議が調ったものでございます。このようなことを踏まえ、全体工期で考えますと、上部工工事の工期に影響を及ぼさない工事完了が望めることや、工期の延長等による周辺住民等への配慮も含めまして、今回この時期とさせていただいたものでございます。 
以上でございます。

発言者:竹内清海議長
坂下しげき議員

発言者:坂下しげき議員
この変更契約の時期についてですが、平成20年7月に請負者は今議会の議決案件である変更契約に基づく鋼材を既に発注しているということですよね。ということは、少なくとも平成20年の6月議会までに変更契約の議決を経るべきだったんじゃないですか。だって、協議は済んでいるんでしょう。こういった変更契約について議会の議決を経る前に行ったこのような行為は適正、適法であるのか、断言できるんですか。管財部長、本市の議決を要する契約は、契約内容を既に実行しているものについて、後出しや追認を求める形で議会に今まで提出していたんですか。それじゃあおかしいでしょう。これは議決案件ではなく報告になりますよ。しっかり、きっちりやっていただきたいと思います。 
そして、本議案は地方自治法第96条第1項第5号に基づく議決事項であります。議決の約1年前に変更内容について着手、発注している本市の契約手続が適法であるのか、追認する形で議決するものであるのか、追認可決であれば、特例、前例をつくりかねません。これについても委員会において慎重にご審査をいただきたい。これは委員会送りとさせていただきます。 
続きまして、報告第5号から報告第8号までについて質疑をさせていただきます。 
市の出資団体、外郭団体については、関係する法令改正が相次ぎ、また、経営状況等に関する市民の方の関心が高まっております。市の職員の人事交流や天下り式人事、民間事業で展開しているサービスの違いが少なくなるなど、外郭団体の存在意義についても活発に議論されるに至っております。このような世論が大きくなったことからも、種々の法律改正が国会で行われているわけであります。そういったことを踏まえまして、まず報告第5号から第8号までの全体にかかわる事項について伺ってまいります。 
外郭団体の経営状況、活動内容については、外郭団体の存在意義を客観的に示し、市民の方にご理解いただくために、法に定められた定期的な報告だけを毎年6月議会で行うだけではなく、あわせて客観的な事業目標、事業評価、自主自立性、効率性、公共性、人件費比率の公表及び評価が必要であると思います。平成21年1月20日付で外郭団体経営状況シートが公表されましたが、指標とありながら、実績比較しかありません。指標とは、状況を把握、評価するための物差しを意味するものであります。当該報告の判断材料として重要なものになりますが、このシートの意義について企画部長からご答弁を願いたいと思います。 
次に、全体の賃金についてであります。市の職員が派遣されている外郭団体では、当該派遣職員の人件費である身分給は市川市の一般会計予算で賄われており、外郭団体の収支には直接あらわれません。つまり、市から外郭団体に派遣されている職員の賃金を外郭団体の収支に入れると経営状況は悪化します。しかし、これが現実の経営状況であります。同じく市からの派遣職員の人件費である職務給は、市の委託料で賄われております。市が委託料として外郭団体に支出し、外郭団体から職務給として職員に支払われる形であります。市から外郭団体へ派遣される職員全体の人件費の総額は、この4年間で約3億5,000万円に上ります。このことは、外郭団体が自主性を発揮して事業を行うに当たっても矛盾が生じますし、市財政への依存を引き起こします。また、多額の税金が外郭団体に流れることから、市民の方からのコンセンサスも得にくい状況であると思います。そして、市から外郭団体に派遣する職員の給与の支払いに係る事案について、神戸地方裁判所及び大阪高等裁判所の判決で注意すべきものがあります。平成21年1月20日、神戸市の外郭団体への補助金返還請求訴訟において、大阪高裁は、派遣職員の給与が含まれた当該補助金は違法であると判決しました。そして、神戸市において総額48億円の返還を外郭団体と神戸市長個人に請求するよう命じました。本市では委託料でありますが、この職務給は判決の趣旨からすると見直しをする必要があると思います。 
そこで、市から外郭団体へ派遣している職員の職務給の支払いについて、法律で原則禁止され、条例にも定めがありません。どのような整理をして、本市では委託料として支払っているのか、総務部長、お答えをいただきたいと思います。 
そして、団体個別の質疑といたしましては、報告第7号の財団法人市川市文化振興財団について、支出で大きな部分を占めるのが委託料であります。これらを一般競争入札を行うなどの努力はしているのか、お答えをいただきたいと思います。

発言者:竹内清海議長
企画部長。

発言者:髙橋憲秀企画部長
お答えいたします。 
外郭団体の経営状況シートについてのご質疑でございますけれども、その意義と申しますのは大きく分けて2つございます。1つは、各団体の経営状況ですとか取り組み状況、そういったものを市民の方に知っていただくということで透明性を担保したいということであります。もう1つは、そのシートを活用して、団体自体の改革、改善に向けたマネジメントの1つのツールになればなと、そういう期待もあるということであります。ご指摘の評価指標について、評価の基準がないということでありました。基準は、つくれるものもあるけど、つくれないものもあるということで、今後の課題としたいと思います。例えば人件費比率で申し上げますと、労働集約型の事業を営むところであれば人件費比率は当然高くなりますし、そうでないところは低くなる。どこが適切なのかというのを基準で求めるというのはなかなか難しい。ただ、活用としますと、過去からの経年変化を見ること、あるいは同業他団体の状況との比較、そういうような活用が可能かと思いますので、今後もそういった点について検討していきたいと思います。 
以上であります。

発言者:竹内清海議長
総務部長。

発言者:春日幹雄総務部長
お答え申し上げます。 
ご質疑者おっしゃっておりましたけれども、派遣職員の給与につきましては、身分給であります給料、地域手当、扶養手当、住居手当及び期末手当を市が支給してございます。職務給でございます通勤手当、管理職手当、時間外勤務手当、特殊勤務手当につきましては、市からの委託料の中から外郭団体が支給しているところでございます。支給につきましては、本市が支給する身分給と外郭団体から支給される職務給を合わせまして本人に支給をしているところでございます。ご質疑者が言われましたように、神戸市が職員派遣先の外郭団体に人件費として補助金を支出したのは違法としまして、神戸市長や外郭団体に総額48億円を市に返還するよう、神戸地裁の判決が平成20年4月にあったところでございます。その後、平成21年、ご質疑者おっしゃっていましたが、1月の大阪高裁の判決におきまして、神戸市が市との関連の薄い業務を行う外郭団体、これは3団体だったようでございますけれども、そこに派遣した職員につきまして、補助金の形で給与を支給していたのは違法としまして、約2億5,000万円の返還を命じております。しかしながら、本市の派遣の場合につきましては、公益的法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律第6条第2項に規定がございます派遣先で地方公共団体の職務に従事することと同様の効果をもたらすものと認められる業に従事する場合につきましては、条例で定めるところにより、派遣職員に対して給与を支給することができるという規定に沿ったものでございまして、神戸市のように関連の薄い業務を行う外郭団体へ派遣した事例とは異なるものであると認識をしているところでございます。 
しかし、今回の大阪高裁の判決を受けまして、大阪府が平成21年2月27日付で補助金等で派遣職員の人件費負担に関しまして、総務省に照会を行っております。そこで、平成21年3月3日付で総務省から回答のありました通知によりますと、派遣法第6条第2項の規定に基づく給与の支給と、私どもは委託料でございますので、地方自治法第234条の規定に基づく契約による委託料の支出とは直接関係するものではなく、派遣法とは別途判断されるべきものであるというふうに考えているというような見解でございますので、人件費の一部を職務給という形で委託料に含んで支出をしていることにつきましては、他市の状況等を踏まえながら、今後、所管とも十分協議を行いまして検証を行ってまいりたいというふうに考えております。 
以上でございます。

発言者:竹内清海議長
文化国際部長。

発言者:能村研三文化国際部長
報告第7号の文化振興財団についてお答えいたします。委託料、特に入札方法についてのご質疑だと思います。 
平成20年度の主な再委託の件数は、文化振興財団が抱えております5施設合計で59件でございます。再委託に伴う契約内容につきましては、施設や設備保守点検等に専門的な知識が求められる舞台設備、照明設備、音響設備、エレベーター等については、設置事業者、あるいは製造事業者との間で随意契約を締結し、その他の業務につきましては、平成17年度の指名競争入札により、3社から5社の事業者を選定いたしまして、事業の効率の観点から、当該年度を含めました指定期間、同一業者との随意契約を締結してまいりました。このことにより、平成20年度は前年度比で315万6,250円の削減を図ることができました。また、21年度からは新たな指定管理期間となりましたことから、専門性のある特殊な業務を除きまして、指名競争入札によって指定管理期間を契約期間とした長期継続契約5年間としているところでございます。なお、契約方法につきましては、官公庁では一般競争入札を原則とすることが規定されていますが、例外的に競争入札が認められております。文化振興財団につきましては、市の外郭団体として、財団法人という行政組織とは別の民間団体として位置づけられておりますことから、官公庁の法令の適用とはなりませんが、事業者の選定に当たりましては、極力随意契約にならないように指導しております。 
入札の場合、文化振興財団では指名競争入札を採用しておりますが、その理由といたしましては、ホール設備やギャラリー設備を備える文化施設であることから、事業者の経験や実績、信用などを重視する必要があるためであります。したがいまして、一般競争入札並びに公告の手続をとることはしておりません。なお、事業者を指名する際には、価格面での競争も図れるよう、事業者の選定に配慮していくよう指導してまいりたいというふうに考えております。 
以上でございます。

発言者:竹内清海議長
坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
派遣職員のところですけれども、総務部長がおっしゃったのは身分給であって、私は職務給の話をしているところでございます。いずれにしても、万が一にも神戸市と同じ結果に至ると、巨額の返還請求をされる外郭団体の経営は破綻のおそれがあり、市長は個人として、神戸市の例では総額48億円に上る返還をしなければならないことになり、そのようなことがないよう、他の自治体では大阪高裁の判決を受けとめておりますし、公表もしております。それはご存じのとおりでございますので、市川市におかれましても、そのようにしたほうがよいのではないでしょうか。 
また、文化振興財団のところですけれども、都合に合わせて民間団体になってみたりしないでくださいよ。施設の特殊性を言うなら、市川市の病院でも、図書館でも、一般競争入札をしているじゃないですか。ですから、まだ期間がありますから、そういったことをその期間内にしっかりとまとめていただいて、一般競争入札できるような環境を整えてください。 
それから、外郭団体の経営状況シートについてでございますが、文化というのはお金だけでは換算できないところはありますので、そこら辺はわかっております。しかしながら、しっかりと各団体ごとに目標値を設定し、指標等の整理を行うことができると思いますので、改善していただきたい。 
以上で終わります。