2006年(平成18年)9月議会 議案質疑

2006年(平成18年)9月議会 議案質疑
第1日目 2006年9月6日
発言者:佐藤義一議長
 これより質疑に入ります。 
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。 
 坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
 新政クラブの坂下しげきでございます。議案第15号市川市国民保護協議会条例の制定について、通告に従いまして質疑をさせていただきます。 
 当該条例のもとになる国民保護法は、有事関連七法の1つとして、平成16年に成立施行されました。この法律の施行を受けて、各地方公共団体等は法律に定められた所要の整備を行っております。先行して条例が制定された地方議会での議論もご承知のことと思います。先行した地方議会の議論では、国民保護という概念、そして条例自体の是非についてさまざまな議論がなされております。言うまでもなく、最も重要な国民保護政策は、武力攻撃や緊急対処が必要な事態を発生させないような国際環境づくりであり、これに向けた政府、自治体の積極的な行動にあります。一方で、この条例の制定については、有事関連法が国会審議を経て、既に可決成立した法律であることから、市が条例の整備を進めることは、事務上、必然的なことと理解いたします。しかし、法定受託事務だからといって、すべてを国のマニュアルどおりにして、あとは何も考えなくてよいと言うかというと、決してそうではない。いわば地方主権の時代であります。どうやって市民の生命と安全を守るのかは、市民とともに各自治体で考え、決めることではないでしょうか。私は、本件に限らず、市にすべて白紙委任をするのではなく、法の積極的解釈、運用提起を行うことこそが分権時代の地方議会のあるべき姿と考え、この点を含めて質疑をいたします。 
 

 まず、第1の本条例案を提出するに当たり、どのような手続を踏んできたのかについて質疑をいたします。 
 国民保護法、もしくは当該条例は、有事における国民の協力や直接市民にかかわる事項を決定することにつながっていきます。他市においては、このような特殊性に注目して、市民への周知やコンセンサスを得るために、条例制定前に広報活動やパブリックコメントを行っています。先ほども申し上げましたが、どうやって市民の生命と安全を守るのかは、市民とともに各自治体で考え、決めていくという認識が多少なりとも必要ということではないでしょうか。そこで、本市において、このような条例制定の手続を行っていない理由についてお答えください。 
 次に、第2の、条例案第2条、協議会の委員について質疑をさせていただきます。 
 1点目の協議会委員の定数の妥当性についてお尋ねをいたします。条例案第2条で、協議会の委員の定数は60人以内とあります。これは、市町村の規模や状況によって異なりますが、地方公共団体ごとにさまざまであります。したがいまして、60人以内とした根拠についてお答えください。 
 2点目の、国民保護法第40条第4項第1号から第7号に定める委員の定数と職名についてお尋ねをいたします。国民保護法第40条第4項では、市町村協議会における委員について列挙しております。8号まであるうちの1号から7号までは特定の専門職を指しております。そこで、本市では、委員60名以内のうち、法第40条第4項第1号から第7号に定める委員は、具体的にどのような職名の委員を何名充てる予定であるのか、お答えください。 
 3点目といたしまして、法第40条第4項第8号の委員についてお尋ねをいたします。第8号の委員は、第1号から第7号までの委員とは性質が異なり、国民の保護のための措置に関し知識、または経験を有する者という規定になっております。具体的な職名を法律で限定しておりません。他市の国民保護協議会の組織を見ると、第8号委員はさまざまであります。中には市民から公募している市町村もあります。法定受託事務にあって、各市町村の独自性、もしくは国民保護に対する考え方を表示できる数少ない事項の1つと言えます。本市では、どのような考えに基づいて第8号委員を任命するのか、また、8号委員の数はどのように限定するのか、お答えください。 
 次に、第3の条例制定後の国民保護協議会の開催、国民保護計画の策定について質疑をいたします。 
 この条例案が可決されると、市長から国民保護協議会に国民保護計画の諮問がされ、その答申によって市長が計画をつくることになります。この計画策定には議会の議決も及びません。国民保護計画によって本市の有事の備え、対応が決まることになります。そこでまず、この国民保護協議会の開催予定をお答えください。 
 2点目といたしまして、国民保護計画策定の本市のスタンスについてお尋ねをいたします。国民保護計画については、国から指針やモデル計画などが示されております。しかし、有事において重要なことは、国の基本事項を踏まえながら、本市固有の状況、例えば住環境、地形、交通機関、危険建造物など、市川市だけにある特性に沿った計画が策定できるかだと思います。そこで、策定のスタンスとして、市川らしい国民保護計画をつくることは可能と考えているのか、お答えください。 
 また、例えば市民等が緊急事態発生時に市の要請ではなく、自発的に救援活動等に参加し、そのことが原因で負傷、または死亡した場合の補償制度が国民保護法では不十分なことなど、幾つかの事例が他の議会で指摘されております。国に先駆けた本市独自の計画によって国民保護法の不足部分を補えるような措置の拡充を行うことを市川市国民保護協議会において検討することも考えられます。このように、多角的観点に立った議論を市川市国民保護協議会に提案することを考えているのか、お答えください。 
 最後に、第4の他の地方公共団体で制定された条例との差異についてお尋ねをいたします。 
 当該条例案は法定受託事務であり、国が作成した条例モデル等があることから、市の独自性を出すことについては限りがあります。しかし、万一有事に陥った場合に、市民の生命、安全を守ることは市として最重要任務、責務であります。国民保護計画は国民保護協議会の答申を受けて市長が策定することから、国民保護協議会の任務も重く、この国民保護協議会を定める条例も重要であります。そこで、当該条例案を策定するに当たって重視した点、特に検討を要した点についてお答えください。 
 次に、他市の条例と差異を設けた事項及び理由についてお答えください。 
 以上、1回目の質疑とさせていただきまして、ご答弁により再質疑させていただきます。

発言者:佐藤義一議長
 総務部長。

発言者:本島 彰総務部長
 議案第15号についてお答えさせていただきます。 
 多岐にわたりますが、まず第1点目の国民保護協議会の設置についてのパブリックコメント等でございますが、この条例の内容からいたしまして、市民の権利、義務などに直接かかわるものでないということから、条例案の作成に際しまして、特にパブリックコメント等は行わなかったことでございます。先進市の事例を調べましたけれども、1市以外は、この条例制定については事前にパブリックコメントはしておりませんでした。なお、今後、策定を予定しております市川市国民保護計画につきましては、警報の伝達や避難誘導、救援など、直接市民生活にかかわるものでございますので、これについてはパブリックコメントを行おうと思っておりますので、その実施について広報活動を予定して、十分周知をして行いたいと思っております。 
 次に、協議会の委員定数を60名とした根拠でございますが、協議会委員の定数につきましては、国民保護措置の内容から、構成員となる関係機関や団体を検討した結果、地域防災計画の策定等を行います市の防災会議というのが既に設置されております。その構成員が50名ということになっておりまして、その50名をベースにいたしまして、また、国民保護の特殊性から、運送業者とか放送事業者等も入れる必要があるということから、結果として56名を予定することとなりました。将来の増員の可能性も考慮いたしまして、条例案では60人以内というふうにさせていただいたものでございます。 
 次に、法第40条第4項第1号から第7号に定める委員の職名と人数でございますが、1号の指定地方行政機関につきましては、千葉国道事務所と千葉海上保安部の各1名、2号の自衛隊は1名、3号の県職員は葛南県民センターなど県の関係機関の方で6名、4号の市助役は2名、5号の教育長と消防庁は各1名、6号の市職員は全部長で21名、7号の指定公共機関、あるいは指定地方公共機関につきましては、市川郵便局、NTT東日本、東京電力、京葉ガス、JR東日本、京成電鉄、東京地下鉄、北総鉄道、首都高速道路株式会社、トラック協会、バス協会の代表者で11名を予定しております。しかし、職名につきましては、今後、調整する予定でございます。 
 次に、8号の委員でございますが、警報の伝達や市民の避難誘導、救援等を考慮いたしまして、東京都の交通局、市川市医師会、市川市歯科医師会、市川市薬剤師会、千葉県接骨師会、市川市自治会連合協議会、市川市消防団、市川市赤十字奉仕団、市川市社会福祉協議会、いちかわケーブルテレビ、いちかわエフエムに参加していただくことと予定しておりまして、委員の数は11名でございます。同じように職名については、今後、依頼する段階で決めたいと思っております。 
 次に、国民保護協議会の開催の時期でございますが、1回目を条例が可決された後、10月にまず開催をしたいと思っております。その段階で国民保護計画の諮問を行うことと考えておりまして、また、2回目につきましては、パブリックコメントを終えた後での12月に開催して答申をいただけるようなスケジュールを持ちたいなというふうに思っております。 
 次に、国民保護計画策定のスタンスでございますが、武力攻撃事態や緊急対処事態におきましては、国の基本方針のもとに、市町村は県と連携、協力して国民の保護のための措置に当たる必要があるということになっておりまして、このために、市といたしましては、県の国民保護計画との整合性を図るとともに、市民の生命、身体、財産を保護する第一線にある立場であることを認識いたしまして、情報収集や分析ができる体制の整備や、市民の生命、身体、財産を保護するための初動態勢の確立、また、当市が首都東京に隣接し、密集市街地を多く抱えるなどの地域的な特性を考慮するなどして、市の独自な考え方を含めた計画となるように取り組んでいるところでございます。市の国民保護協議会におきましても、当然これらの点について、市が作成いたしました原案をもとに十分ご検討をお願いする所存でございます。 
 次に、他の自治体との条例の差異でございますが、本条例案につきましては、国民保護法で定められた規定に基づき作成されておりまして、また、各自治体では消防庁国民保護室長が示しました条例参考例をもとに条例案を作成しているために、基本的な差異はないと考えております。この消防庁国民保護室長が示しました条例の参考例では、幹事会及び部会の設置条項がありますけれども、これは条例上、規定を置く必要はないということも判断されましたので、本市では類似の機関であります市川市防災会議でも部会を設置しておりませんので、特に今まで支障がないということから、こういった幹事会、部会を設けないという判断をしたものでございます。 
 最後に、本市で重視した点でございますが、協議会の目的が市の国民保護計画の審議等の重要事項であることから、協議会の定数について、十分に検討したところでございます。 
 以上でございます。

発言者:佐藤義一議長
 坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
 ご答弁ありがとうございました。 
 まず、ご答弁において、条例案の作成に際して、特にパブリックコメント等は行わなかったということでありました。確かに当該条例案は市民の権利、義務などに直接的にかかわるものではありません。しかし、実際に条例が制定されますと、国民保護計画の策定が始まり、これに関する事業の実施へと進んでいくわけであります。国民保護計画のもとで市民の協力も必要となり、市民への周知も重要となります。したがいまして、市民が本市の国民保護計画に関して直接関与できる機会として、当該条例の制定過程においてパブリックコメントをとることは、少なからず意味があったと考えられるわけであります。このとき聴取した意見を国民保護協議会に提出することも考えられます。そこで、本市の場合、事前の手続は行わなかったということですが、今後、国民保護計画策定過程においてパブリックコメントを採用するなど、市民参加について、具体的にどのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。 
 それから、委員の定数についてお尋ねをいたします。ご答弁では56名ということだったと思います。他市の条例定数を調べると、政令市でも50から60人、実際の委員数は50人以下が大半であります。政令市以外では定数20人から50人です。これと比較すると、本市は多いのではないかということが言えます。多方面から多くの意見を聴取することは重要でありますが、単に多ければよいということではなく、合議体における能力が最大限に発揮され、活発な意見交換ができるような定数を設定していくことが必要であります。定数60人、もしくは想定される委員数56人という数に対する考えと、この数で活発な意見交換ができると考えているのか、お答えをいただきたいと思います。 
 他市に比べて目立つのが、6号委員の市の職員の多さであります。政令市でも10人前後、千葉市でも7人ぐらいです。本市は千葉市の3倍、21名であります。そこで、本市の6号委員の数は多くないのか、全部の部長等を委員にした理由は何か、お答えをいただきたいと思います。 
 本市職員等で委員総数の40%以上を占めることになります。このことは、市長の諮問機関として妥当なのか。また、国民保護協議会の趣旨に合致しているのか、お答えください。 
 それから、委員の男女比についてはどのようにお考えになっているのか、お答えください。 
 それから、8号委員について、委員数については同様の考えを持っておりますが、障害者団体、私立学校関係者など、より広くさまざまな方々の代表者を入れることはできないのか、お答えいただきたいと思います。 
 それから、国民保護協議会の開催及び国民保護計画の策定についてお尋ねをしたいと思います。国民保護計画について、本市の地域的な特性を考慮した計画の策定を目指しているとのことでした。このことについて、本市の地域的な特性とは、具体的に何を想定しているのか、お答えをいただきたいと思います。 
 以上、2回目の質疑とさせていただきます。

発言者:佐藤義一議長
 総務部長。

発言者:本島 彰総務部長
 多岐にわたりますので、もし漏れがありましたら、また指摘していただきたいと思いますが、まず、パブリックコメントの件でございます。先ほどご説明いたしましたように、この条例制定については行う必要がないと判断して行いませんでしたが、国民保護計画につきましては、市民生活に直結するものでございますので、これについてはパブリックコメントを行いたいと思っております。その方法につきましては、広報活動を実施いたしまして、啓発だとか周知を十分図った上で、いろんな面で意見をもらいたい、それを協議会の方に反映させるということを考えています。 
 それから、想定される委員の56人での意見が活発かということでございますが、これも運営方法によると思いますが、いろんな意見をお伺いしたい方々を網羅しますと、こういった規模にならざるを得なかった。また、今の防災会議においても、こういった規模の形で広範囲の意見をいただいているというようなこともございまして、このぐらいの人数は必要だというふうに判断いたしました。 
 また、6号委員と絡むのですが、市の職員が多いのではないかということでございますが、千葉市とおっしゃいますと局制がありますので、局長が各部を統括した形で代表で出席しているというようなこともあって、一概に人数が多い、少ないという判断はできないというふうに思っております。市におきましては、平常時において各部の所掌に従いまして国民保護に関係する事務を行うということになりますので、全部長を委員として全庁体制をしくということで考えた次第でございます。 
 それから、市の職員が40%以上を占めているということでございますが、決してこれを国民保護計画を立てるときに多数決で決めるというような、そういったことは毛頭考えておりませんので、いろんな立場の意見を徴取するという立場からも、市の職員が多いから諮問機関として成り立たないということでは決してないというふうに判断しております。 
 それから、男女比につきましては、協議会の構成員は関係する機関とか団体の職員でお願いしておりますので、いわゆるあて職でお願いしておりますので、特に男女比については考慮していないという状況でございます。 
 それから、8号委員で、より幅広くさまざまな代表も入れることはできないかということでございますが、福祉関係では統括的な位置づけにあります市川市社会福祉協議会に入っていただきました。それから、住民関係では、自治会連合協議会からも入ってもらいました。学校関係につきましては、教育長が代表するという形をとらせていただいた次第です。 
 それから、国民保護計画策定時期でございますが、10月に第1回を開催し、パブリックコメントを行いまして、来年の2月議会には議会で報告をするような形でまとめていきたいというふうに思っております。 
 それから、本市の地域的な特性でございますが、これも協議会でいろいろもんでいただかなきゃいけないことでございますが、今私どもといたしましては、首都東京に隣接していること、それから密集市街地を多く抱えていること、湾岸部に石油等の備蓄の工場があること、それからまた16駅あるように、市川市はいろんな面でターミナル駅があるというようなこと、こんなことが他市と比べても特性として念頭に置いて計画を立てなきゃいけないんじゃないかというふうに考えております。 
 以上でございます。

発言者:佐藤義一議長
 ほとんど答弁されたと思いますが。 
 坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
 ご答弁ありがとうございました。 
 まず、6号委員のところですが、千葉市は局制をしいているから局長が統括しているということであります。市川市には助役が2名おりまして、統括しているのではないかと思います。そういったことを考えますと、非常に多いのではなかろうかと思われるわけで、質疑をさせていただいたところであります。 
 ご答弁にもありましたが、当該条例案における重要事項は、協議会の定数、委員数にあると言えます。ある県では、市町村の協議会委員の定数について、活発な議論を期待するため、委員総数を20名程度にするという指導を行っているところもあります。本市の場合、市の職員だけで21名となります。このことから、委員全体の人数が多くなっていると思います。本当に国民保護法に定める国民保護協議会の趣旨に合致した内容、人数であるのか、再度検討していただきたいと思います。国民保護協議会において活発な議論、各方面の専門家の方々の意見を積極的に聴取、反映できる仕組みを整えていただきたいと思います。 
 また、法が不整備な部分について、本市独自の観点から、救済できるような計画づくりを協議会に提案していただきたいと思います。どうやって市民の生命と安全を守るのかを市民の方とともに考え、市川らしい国民保護計画をつくっていただきたいと思います。そういった中で、国民保護協議会の議事録の公表を行っていくのか、それから、国民保護政策の策定時期はいつぐらいの見込みなのか、最後、2点お願いをしたいと思います。

発言者:佐藤義一議長
 総務部長。

発言者:本島 彰総務部長
 協議会の議事録の公表でございますが、それにつきましては、原則公表ということを考えております。個人保護条例にかかわることは遠慮させてもらいますが、基本的には議事録は公表することを考えております。 
 それから、国民保護計画につきましては、2月の議会で報告できるように取り組みたいと思っております。 
 以上でございます。

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発言者:佐藤義一議長
 これより質疑に入ります。 
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。 
 坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
 新政クラブの坂下しげきでございます。議案第16号市川市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の制定について、通告に従いまして質疑をさせていただきます。 
 第1の条例制定の目的についてお伺いをいたします。 
 当該条例案は他の個別条例等に基づき、書面等によって行われている申請、届け出、その他の手続等について、情報通信の技術を利用して行うことができるようにするためのものであります。そして、制定目的は、市民の利便性と行政運営の簡素化及び効率化であります。したがいまして、この条例制定後の実際の運用に当たっては、市民の利便性、行政運営の簡素化、効率化が最大限発揮されるような業務範囲を定め、効率的に事務を行う必要があります。そして、同時にこの目的を達成するためには、セキュリティーや経済性も視野に入れる必要があります。 
 そこで、1点目といたしまして、当該条例案の適用範囲と想定業務についてお尋ねをいたします。10月中に電子申請を開始する業務として22業務を予定しておりますが、この22業務においても処分性のある業務と事実行為のみの業務があります。当該22業務は何を基準として選定したものなのか、その理由をお答えください。 
 次に、当該条例案は書面等によって行われている市の業務等について電子申請を認めるものであり、規則等の制定、もしくは法改正により、その対象は広範囲に及びます。今後、適用する業務の選択基準をどのように考えて設定していくのか、お答えください。 
 2点目といたしまして、市民の利便性についてお尋ねをいたします。この条例案の重要な制定目的の1つに、市民の利便性があります。しかし、本人確認の難しさなどから、申請等の業務が電子のみで完結するものは少なく、導入初期においては利便性が発揮されない場面も想定されます。電子申請の最終形としては、1回の入力ですべての申請が終了する、いわゆるワンストップサービス、シングルウインドー化を名実ともに実現していくことが課題となると思います。そこで、電子のみで申請から通知までの業務が終了するものはどれくらいあるのか、お答えください。 
 次に、市民ニーズはどれくらいあると考えているのか、お答えください。また、具体的な市民要望はあるのか、費用対効果をどのように考えているのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。 
 次に、第2の第3条について質疑をさせていただきます。このことにつきましては、通告第3の1点目と共通しながら質疑をさせていただきます。 
 行政手続法では、到達の時期を起点とした法律上の効果が定められており、オンラインによる文書の送付についても、到達時期の確定が重要となります。例えば申請、もしくは届け出の到達により審査義務の発生、期間算定、義務の履行の起算点が決まります。また、申請に対して、行政機関から発する結果の通知等については、その到達によって初めて効力を生じ、到達の日を起算として一定の行為を行うための期間が開始されます。例えば行政不服審査法に定める異議申し立て期間算定の起点などです。当該条例案は処分性の高い業務にも適用可能なことから、通知の到達は重要な意味を持ちます。この到達時期について、書面による場合は、判例等により見解が決まり、広く認識されているところでありますが、オンライン手続の到達時期については、オンラインの種類等によって扱いが異なると考えられます。また、市民からの申請、届け出が行政機関に到達する時期と行政機関の許可命令処分が市民へ通知される到達時期では、到達時期の規定に差異を設ける必要があると思います。当該条例案では差異はなく、同様の到達概念を規定しております。しかし、オンラインによる手続を容認する国内法令では、申請、通知の到達時期等については、事務の性格、情報システムの特性を勘案した上で、個々に異なった取り扱いをしているところであります。例えばある法律では、通知は申請者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた後、通常その出力に要する時間が経過したときに当該請求をしたものに到達したものと推定するとなっております。つまり、通知の出力に要する時間の経過を見込んだ規定になっており、プリンター等の装置から通知の内容が自動的に出力されたときをもって、申請者が了知可能となる仕組みをとっています。また、機器の障害等により出力が正常に得られなかった場合に反証を許す趣旨で、到達を推定することとしているのであります。他の法律の例では、行政機関側が準備した文書を、申請者側が主体的にダウンロードすることをもって行政機関が申請者に通知したこととしている場合があり、この場合は、ダウンロードの操作完了時刻を行政機関において記録するシステムをとり、到達時期を明確にしております。そして、一定期間、申請者のアクセスがない場合は、書面による通知を送付することになっております。しかし、本市の条例には、このような申請者側に立った規定はありません。これは、何かあった場合に、市民に対して余り好意的に受け取れません。また、インターネットを利用した電子文書の送受信においては、まれに相手方に届かない場合があるとも言われております。このため、申請、届け出等、または結果の通知等が相手方に到達したかどうかについて、何らかの確認の方法を検討しておくことが必要と考えられます。そこで、申請者において申請、届け出等が行政機関に到達したことを承知する方法を別途講じているのか、お答えをいただきたいと思います。 
 また、申請者において行政機関の通知が申請者自身に到達しているか否かをシステム等にアクセスすることによって照会できる方法を講じているのか、お答えください。 
 次に、第2の2点目、署名等本人確認について、通告第3の2点目とあわせてお尋ねをいたします。まず、電子申請における申請者等の確認を具体的にどのように行うのか、お答えください。 
 次に、行政機関からの通知の署名等にかえる措置について、具体的にその内容、公文書としての効力発生要件、市川市公印規則との整合性をどのように整理しているのか、お答えください。 
 次に、第4の第7条についてお伺いをいたします。 
 1点目といたしまして、当該条例を運用するに当たっての電気通信回線等の整備状況と整備内容及びこれらの確実性についてお答えください。 
 次に、今後、当該条例案を適用する業務がふえた場合に、セキュリティーの問題や利便性の追求など、市としてやらなければならない課題が多くなります。そう考えると、電子申請に係る設備環境の維持向上は明らかに市の重要な課題となります。努力義務規定としたことの理由についてお答えをいただきたいと思います。 
 最後に、システム構築にかかる費用と今後のランニングコストについてお答えください。 
 以上、1回目の質疑といたしまして、ご答弁によりまして再質疑をさせていただきます。

発言者:佐藤義一議長
 答弁を求めます。 
 情報システム部次長。

発言者:栗原久則情報システム部次長
 議案第16号につきまして、幾つかのご質疑についてお答えさせていただきます。 
 まず、第1条の目的のところでございます。この10月中に電子申請を開始するということで、私の方は22業務を予定してございます。この22業務の選定した理由等についてでございますが、庁内で行われている申請、届け出の手続をすべて調査してございます。そうした結果、電子化が可能と思われる業務としまして32業務に絞り込みました。そして、各所管課と当該業務について電子申請化が可能かどうかについてヒアリングをした結果、現状の業務運営のままでスムーズに電子申請を導入できる業務といたしまして、最終的にこの22業務を選定したものでございます。 
 次に、今後適用する業務の基準をどのように考え、また選別していくのかということでございますが、原則として電子化が可能な業務につきましては、順次導入してまいります。また、基準としましては、押印、それから手数料の徴収、交付物の交付、それから窓口審査、様式や手続が上位法規等の成約を受けるもの等、電子化導入の阻害要因について業務ごとに調整し、業務の見直し等で対応可能なものから導入してまいります。また、特に申請、届け出の時点で署名、押印等が必要なもの、本人確認が必要なものにつきましては、住基カードの公的個人認証で対応できるというふうに考えており、また、私どもの方は準備が整ったところから順次導入することを考えてございます。 
 次に、市民の利便性についてお答えいたします。電子のみで申請から通知まで業務が終了するものはどれぐらいあるのかということでございます。電子のみで業務が完了するものとしましては、添付書類が不要なものや窓口審査がないものなど、電子化の阻害要因となるものをクリアしてまいりますと、全体で47件が可能であると見込んでおります。 
 それから、続きまして、市民ニーズはどれぐらいあるのかについてでございますが、国における電子申請の利用状況は、平成17年度で11.3%、そのうちオンライン利用促進の対象になった171業務については12.4%の利用率となっております。このことを勘案すると、直ちに普及することは難しいと考えておりますが、対象手続の拡大、中でも届け出のみでの窓口に足を運ばなくてよい業務等、市民の利便性に直結する業務を中心に市民の利用を促進していきたいと考えております。 
 具体的な市民要望はあるのか、また、費用対効果をどう考えているのかについてでございますが、具体的な市民要望という点については、これに関して特に調査を行ってはおりません。また、全国で見ても千葉県の導入は42番目であり、ほとんどの自治体が導入済みであること、また、総務省調査によるところの2005年のインターネットの利用率が87%であること等を勘案しまして、市民が利用したいと思うようなサービスを提供していくことで普及は見込めるものと考えております。 
 また、費用対効果につきましては、電子申請の普及により窓口の混雑緩和、待ち時間の短縮等、これは電子申請を利用しない人にとっては利便性の向上、窓口でスムーズに処理が行われるようになりますので、そういうことにつながるものであるというふうに考えております。また、そういうことで市民の利便性の向上を図るものでございます。 
 それから、大きな(2)でございます。到達の確認、到達の概念、署名、本人確認等についてでございますが、まず、第3条のご質問のうち、アの到達の確認、到達の概念についてお答えいたします。初めに、申請者において申請、届け出が市側に到達したかを承知する方法についてのお尋ねでございます。本システムにおきましては、申請、届け出が形式上、適切に行われますと、申請が到達したことを申請者へ自動的にメールで通知するものであります。次に、申請者において市からの通知が申請者に送られてきているかどうか、これを照会、確認する方法についてのお尋ねでございますが、申請者は、必要に応じて市側のシステムにアクセスすることができます。この内容につきましては、審査状況を確認することができる仕組みとなっておりますので、当該通知等をその段階でダウンロードして、自分のパソコンに記録した時点で到達したということになります。したがいまして、市側は市側のシステムにおいて、当該通知等を申請者がダウンロードしたかどうか、されたか否かを確認することで、その辺のところを対応するということで考えております。期間を置いてなかなかダウンロードされない場合もあると思いますので、その場合には、改めて市側の方からご本人の方にメールを発信するという仕組みでございます。 
 次に、署名等、本人の確認についてお答えいたします。電子申請における申請者等の確認を具体的にどのように行うかについてでございますが、交付を行うものにつきましては、原則として窓口で交付物を渡すときに本人確認をいたします。また、その際、申請時に付与した受付番号と、それから本人であることを確認できる免許証等で確認をすることになります。また、システム上での本人確認としましては、住基カードを利用するわけですけれども、住基カードに公的個人認証をまず申請、登録していただきまして、申請の際、その住基カードを利用して電子署名をしていただければ、それでもご本人確認ができるものというふうに考えてございます。 
 続きまして、行政機関からの通知の署名等にかえる措置についてでございますが、通知書に市側の職責証明、これは、いわゆる先ほど言った公的個人認証と同じように市が公に認められた電子印を取得する、これを通知書に張りつけるということになります。そういう職責証明を送付するものにつけ加えることによって、申請者が、これは間違いなく市から来たものだということを認識できるということでございます。 
 それから、公文書としての効力発生要件についてのお尋ねでございますが、市側が行う処分通知等につきましては、第4条第1項でオンラインにより行うことのできる旨、定めてございます。したがって、通知書等が相手方のパソコンに記録されたときに効力は発生するというふうに考えております。 
 公印規則との整合性についてのお尋ねでございます。公印規則第2条は、書面について公印を押すことで、公文書が真正であることを規定するものでございますが、本条例はオンラインにより送付した通知書等について、職責証明を記録することで書面による通知と同じ効力を持たせるということでございます。 
 最後に、第7条のお尋ねでございます。アの電気通信回線等の整備事業と整備内容及びこれらの確実性についてでございます。電気通信回線につきましては、この電子申請システムにつきましては、LG1という公に認められた専用線を利用してございます。千葉県及び県内自治体で共同で構築した電子申請システムでございますので、県にあるサーバーと市川市は先ほど申し上げました専用線でつながっているということでございます。 
 また、整備状況は、県は先行して3月から運用を開始してございます。私の方も含めてでございますけれども、市町村は10月30日から運用を開始する予定でございます。システムは共同利用を前提としておりますので、順次各自治体が参加していくことを前提として、また、各自治体が任意にサービスの追加を行うことのできるシステムでございます。後から申し上げますけれども、要は、毎年支払うお金が決まっているわけですけれども、電子申請の種類を何種類ふやしても問題はない、要するに金額には影響はないということでございます。 
 それから、確実性についてでございますけれども、インターネット手続は維持管理事業者が24時間監視しております。また、機器類は県が設置するIDS、これは不正侵入検知システムというものでございますけれども、これで正常な通信か否かを逐次判断し、不正侵入を未然に防ぎます。さらに、機器類の故障につきましては、即時対応できるよう二重化してございます。通信の安全確保のため、高度な暗号化技術を導入しておりまして、成り済ましや通信データの改ざん、これを検知できるものもございます。 
 次に、イの努力義務規定としたことの理由でございますが、市として行政情報化を積極的に推進するために必要な措置を講じていかなければなりません。システムの構築に多大な経費と時間を要すること、また、市の申請、届け出業務だけで1,147件ありますが、このすべてを直ちに電子化することは無理なこと等から、努力義務規定としたものでございます。なお、規定に当たっては、国はIT基本法第20条で、努めなければならないとして、努力義務の中で最も強い姿勢で示しておりますが、市としても同様に強い姿勢で臨むことを前提とした規定となってございます。 
 続きまして、ウのシステム構築にかかる費用と今後のランニングコストについてのご質問でございます。当該システムは県と市町村による共同構築、共同利用を前提としたシステムで、全体の構築費としましては1億578万1,500円かかってございます。このうち市川市の負担分――これは39市町村で人口等で割り振った金額でございますが、イニシャルコスト、初期費用としまして383万448円、これを18年度に負担金として支払うものでございます。また、ランニングコスト、運用経費でございますが、18年度、これは10月30日以降の分ということでございます。374万4,408円、これは10月から3月分ということでございます。19年度からは参加団体がふえることで、このランニングコストも下がっていくだろうというふうに考えてございます。今の予定でございますけれども、19年度につきましては、先ほどは10月から3月でしたけれども、これは12カ月分でございます。19年度、492万4,821円、20年度が362万3,465円、21年度、298万5,698円、22年度、253万541円、一応こういう数字を予定してございます。 
 以上でございます。

発言者:佐藤義一議長
 答弁は終わりました。 
 坂下しげき議員。

発言者:坂下しげき議員
 ご答弁ありがとうございました。第1条の目的について、条例適用業務に関するところについて再質疑をさせていただきます。 
 電子化が可能と判断される基準は何か、お答えいただきたいと思います。 
 また、スムーズに電子申請を導入できるという判断基準は、市民及び市の両方についての基準であるのか、お答えください。 
 それから、本人確認についてでありますが、住基カードの公的個人認証で対応できるということでありますが、処分行為を行うものに当たっては慎重な本人確認が必要であると考えます。住基カードにプラスして暗証番号の設定等も行えるのか、お答えいただきたいと思います。 
 それから、市民の利便性についてでありますが、電子のみで業務が完了するのは47件というご答弁がありました。この47件について、阻害要件となるものがないのに、なぜこの10月の先行業務に入らなかったのか、お答えいただきたいと思います。 
 そして、この47件は業務全体の何%に当たるのか、お答えください。 
 それから、市民ニーズの把握についてでありますが、具体的な市民要望を把握していないとのことでありますが、何もかも電子申請に早急に移行させるというのは疑問があります。市民と市の双方に十分なメリットが引き出せるような業務の取捨選択をしてほしいと思います。 
 そこで、電子申請の導入に当たっては、阻害要件の調整と同時に市民ニーズの把握も行い、無理、むだのない選択を行う必要があると考えますが、市民が利用したいと思うようなサービスは、今後どのように把握していくのか、お答えください。 
 また、むだのない効率的、効果的な電子申請化について、どのような点が重要と考えているのか、お答えください。 
 それから、通知等の到達についてでありますが、申請者がダウンロードを行ったときの操作完了時刻の確認がとれるシステムと理解してよいのか、お答えください。 
 それから、一定期間、申請者のアクセスがなかった場合に、書面による通知を行うなどの補完的措置は考えているのか、お答えください。 
 そして、通知文書を書面で必要とする場合などの到達の時期について、ある法律のように、到達の規定をファイルへの記録がされた後、通常、その出力に要する時間が経過したときに当該請求をしたものに到達したものと推定するなどとする必要はないのか、お答えください。

発言者:佐藤義一議長
 坂下議員、時間を考えて質疑してください。

発言者:坂下しげき議員
 はい。 
 それから、申請者側が市のシステムにアクセスして自分の通知が電子で受け取れる状態にあることを確認する方法はあるのか、お答えいただきたいと思います。 
 それから、職責証明書によって署名等にかえるということでありますが、この条例が想定する業務は処分性の高い業務も含まれております。単なる事実行為や形式的審査であれば、特に問題はないと考えますが、紙文書において公文書の申請を証明する公印と電子上の職責証明で規則等に不統一が生じることに疑問を感じます。この点についてどのようにお考えなのか。また、現行業務で公印を省略している通知については問題ないとしても、公印を使用している通知については、職責証明書の使用について規則等で明確に定める、もしくは制限する必要があると考えますが、この点についてはどのようにお考えか、整理しているのか、お答えください。

発言者:佐藤義一議長
 残り時間がわずかですから、それを考慮しながら答えてください。 
 答弁を求めます。 
 情報システム部次長。

発言者:栗原久則情報システム部次長
 幾つかの再質問にお答えさせていただきます。 
 まず、電子化が可能と判断される基準は何か。これは、現行手続で添付書類、それから窓口審査等がないもの、こういうことでございます。 
 それから、スムーズに電子申請を導入できる判断基準は市民及び市の両方についての基準か。これは、当然両方にとっての判断となっております。 
 それから、住基カードの公的個人認証で採用できるとあるが、処分行為を行うものにあっては慎重な本人確認が必要である。これにつきましては、もともと公的個人認証を記録する際に、住基カードに暗証番号を記録しておりますので、問題はないと考えております。IDとパスワードは登録時に付与されております。 
 それから、この47件について、阻害要件となるものはないのに、なぜ10月の先行業務に入らなかったか。これは署名、押印の問題等がありますこと、それから、先行自治体で導入実績のあるものを先に最優先させたところでございます。 
 それから、47件は業務全体の何%に当たるのか。これは4.1%でございます。 
 それから、何もかも電子申請に早急に移行させるというのは疑問である云々とございましたが、これは国からも、国民が利用しやすい業務として10業務が示されております。対象外を除いてすべて実施していくことで考えてございます。 
 それから、むだのない効率的な電子申請化について、どのような点が重要と考えているかということでございますが、これは当然、ワンストップですとか、ノンストップのシステムとなることであります。また、手続の業務改善も必要となるというふうに考えております。 
 それから、申請者が市のシステムにアクセスして自分の通知が電子で受けられる状態にあることを確認する方法とございますが、これは進捗状況の確認ができますので、その方法はあるというふうに考えております。 
 それから、現行で公印を省略している通知書について、問題はないとして公印を使用している通知については、職責証明書の使用について云々とございますが、これは、公印は書面、職責証明は電子に対する署名でありますので、クロスはしていないというふうに考えてございます。 
 幾つか漏れているかと思いますけれども、済みません。以上でございます。

発言者:佐藤義一議長
 坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
 システムにランニングコスト等かかりますので、県としっかりと協議をしていただいて、市民利益を保っていただきたいと思います。 
 以上です。