2006年(平成18年)2月議会 一般質問

2006年(平成18年)2月議会 一般質問
第13日目 2006年3月23日
発言者:大川正博副議長
 坂下しげき議員。 
〔坂下しげき議員登壇〕

発言者:坂下しげき議員
 新政クラブの坂下しげきでございます。 
 まず、質問に入る前に、2月議会は明24日が最終日となり、この議会が終わりますと、数日で多くの職員の方々が退職を迎えられます。永年のご尽力に心から謝意を述べると同時に、今後も市川市発展のためにご活躍いただけることを切望いたします。 
 それでは、通告に従いまして一般質問をいたしますが、(4)地方自治法及び地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律の一部を改正する法律による任期つき採用について、条例の制定については、議案第72号の議案質疑の中でよくわかりましたので、取り下げをさせていただきます。 
 

 私は市議会において3年間、市の行財政改革を中心に質疑、質問を行ってまいりました。そして、NPM(ニュー・パブリック・マネジメント)について、その有用性と問題点についても議論させていただきました。その中で、本市は行財政改革の一環として市川市アウトソーシング基準をつくり、外部委託を推進しております。さきの衆議院議員総選挙において、官から民へという行政手法が国民の支持を得ました。官から民へと移行可能な事業については、行政サービスの質を高めるという目的、効率性、経済性の観点から取り入れていく必要があります。一方で、すべてのアウトソーシングが市民利益に合致しているわけではありません。私のライフワークとして取り組んでおります災害対策などは、民間ですべて行えるものではなく、また事業によっては、安易なアウトソーシングはかえって市民生活を脅かす懸念もあります。したがって、アウトソーシングにおいては、どの業務を委託するのかという判断が重要であります。そして、アウトソーシングが可能と判断できた事業については外部委託に移行し、これによって余剰ができた人材、予算を市が直営として行わなければならない分野に転嫁していき、行政全体の効果を高め、市の施策全体の成果を上げていく必要があります。 
 そこで、今回はまずアウトソーシング可能な事業について、ただ経済性を追求し、財政コストの縮減を目的とするのではなく、本市の限られた政策費予算の中で、アウトソーシングを通じて雇用政策、福祉政策、環境政策等を実現する方法を1つ、政策入札の導入、実施について提案、質問させていただきます。 
 政策入札とは、外部委託する際の受託者の決定を、一般的な入札である価格の高低だけで決めるものではなく、市の政策に合致している事業者であるかどうかを評価して決定していく入札制度であります。例えば入札参加者が市民を雇用しているか、障害者の雇用率を達成しているか、次世代育成支援対策推進法に定める一般事業主行動計画が適正であるか、環境基準であるごみの処分を適正に行っているか、厚生労働の条件を満たしているかなど、市の政策に沿って入札者を評価し、入札金額のほかに、このような点にすぐれている者を落札者にしていく方法であります。例示したような各種政策は罰則が厳しくないことなどから政策の実現が難しい場合が多々あります。しかしながら、市がこのようなアウトソーシング基準をつくり、政策を前向きに実施している事業者を評価する仕組みが整えば、努力している事業者に対して、市の事業を請け負えるというインセンティブを与えることができ、法が目指す社会の形成に資することができます。政策入札は、社会的責任を果たそうとする事業者等をバックアップするための手段としても有効なものであります。 
 本市には、市民の雇用問題、または法の改正に伴う障害者雇用、高齢者雇用及び次世代育成支援またはごみの減量化等のさまざまな課題があります。これらの課題に対して事業費予算だけの対応では限界があり、決定的な打開策を担保できないのも事実であります。一方で平成18年度当初予算における本市の委託料、賃借料等は、一般、特別、病院会計を合わせて218億円を上回り、毎年度増加の傾向にあります。そこで、このあふれる資産である約218億円を有効利用して新たなアウトソーシング基準をつくることによって外部委託を定義し、受託者を決定する過程において、このような社会的課題に前向きに取り組んでいる者を評価し受託者とすることで、地方公共団体が講ずる施策または事業主が行う雇用環境等の整備を促進し、市民生活の向上、社会の形成に資するものとしたいと考えるものであります。 
 ご案内のとおり、大阪府では庁舎等の清掃業務の入札において、価格、技術評価に加え、公共性評価である福祉、環境に視点を置いた政策入札への転換を図り、14人の知的障害者の雇用が決まった案件があります。また、価格だけの競争による入札は、市にとって経済的メリットが引き出せることは確かですが、このような価格主義は不当なダンピングや労働賃金の問題、そして入札方法が簡易なため、談合を引き起こしやすい側面があります。したがって、昨今は総合評価方式の入札が取り入れられております。この政策入札も総合評価方式の入札と言えます。そして、本市の契約方法は随意契約が多く、総務委員会においても審査を行っております。ちなみにプロポーザルも入札ではありません。しかしながら、政策入札は入札ですので、随意契約にはならず、競争性が高められます。ただ、この政策入札については、メリットとして、市の政策がアウトソーシング事業に引き出せるという面及び談合防止につながる面があります。が、一方では、価格以外の要素が落札の基準となることから落札者の決定が不透明になるというデメリットがあります。したがって、市の政策に沿った落札の基準を公平な観点でつくり、採点基準を明らかにしていく必要があることを申し添えます。 
 そこで、このような自治体の実現すべき政策を入札条件に盛り込む政策入札の導入について、全体的に伺ってまいります。 
 まず、昨今改正された高年齢者等の雇用の安定等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律、次世代育成支援対策推進法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等に基づいて事業主が法に定める責務を果たしていくためのインセンティブとして、本市において政策入札を実施する方向性はあるのかお答えください。 
 次に、それぞれの法に定める雇用もしくは雇用環境の充実並びに廃棄物処理の適正化を促進する手段として、平成16年12月3日改正の市川市アウトソーシング基準第3項、第4項ないし第6項に定める基準に政策入札に係る事項を盛り込むことはできないのかお答えください。 
 次に、具体的にお尋ねをいたします。各号に定める障害者雇用率の達成や次世代育成支援対策推進法の行動計画の提出などを評価する入札基準、また、これらの法を定める義務事業者だけではなく、雇用の促進に努力している事業者も評価していく入札基準によって落札者を決定するシステムを今後採用することが可能であるのかお答えください。 
 次に、政策入札の考え方を拡大的に解釈いたしまして、指名競争入札における準備行為である指名基準において、それぞれの分野、例えばこども部の入札においては、業者の指名基準として次世代育成支援対策推進法に沿った事業者であるのか。また、環境清掃部であれば、事業者が廃棄物に係る義務を適正に行っているかなどの判断によって指名業者を選定する基準等を検討できないのかお答えください。 
 続いて高年齢者等の雇用の問題についてお伺いをいたします。高年齢者等の雇用の問題については2007年問題がありますが、今後、高年齢者等の雇用の安定を政策的に実現させていく必要があると思います。平成16年11月10日に施行された地方自治法施行令の一部を改正する法律により、随意契約の1つに第167条の2第1項第3号が加わり、シルバー人材センターとの随意契約が、市の判断で基準をつくることにより可能となりました。規則等は改正されていないので、検討段階ということだと思います。 
 ここで高年齢者等の雇用について整理しなくてはならないことは、施行令第167条の2第1項第3号だけを政策的に考えてよいかということであります。シルバー人材センターは、確かに高齢者の社会参加の促進を図るために重要な機能を果たしていることは疑いません。しかし、シルバー人材センターの設置の根拠は、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第41条第1項及び平成12年労働省告示第82号に規定されております。この法令の規定では、シルバー人材センターは生計の維持を目的とした本格的な就業ではなく、月に数日の就業、そして特別の知識または技能を必要とする業務などにおける雇用の機会を確保する機関であります。2007年以降は、生計の維持を目的とした求職者もふえ、そしてシルバー人材センターのような特別の知識または技能を必要とする業務を望む高齢者だけではなくなると思います。無論、生計は各種福祉政策等により補完されるべきものでありますが、現実として生計維持のための高齢者等の就労の機会の確保が必要になると思います。したがって、本市の政策として、施行令第167条の2第1項第3号、つまり生計維持が主たる目的ではなく、また、特別な技能職がメーンのシルバー人材センターだけを政策的に考えていくのか。もしくは広く生計の維持や一般職を希望する高年齢者等の就労の機会を均等に確保するためのアウトソーシング施策を展開し、規則を制定していくのかお答えください。 
 次に、政策入札における環境側面についてお尋ねをいたします。前議会において、私は事業系一般廃棄物の適正な処理について質問いたしました。その際、市内の事業者において、適切な廃棄物の処理がなされていない可能性がうかがえました。一般廃棄物の処理は、処理費用の負担の観点からも適切な処理が行われる必要があります。つまり適切な処理をしている者だけが事業系の割高な手数料を支払い、家庭系として違法な処理をしている事業者が手数料を免れるようなことは許されません。したがって、本市の条例である市川市廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に関する条例及び同条例施行規則に定める事業者の義務を果たしている業者、例えば適正処理済みシールの配布を受けている業者を指名もしくは選定、決定する仕組みはつくれないのか。また、条例の効果を上げるために、このような制度をつくることを環境清掃部としてどのように考えているのかお答えをください。 
 次に、第2の本市から排出される廃棄物の取り扱いについて。余熱利用施設建設用地廃棄物に係る工事、収集運搬及び処分業務を例に挙げて質問をいたします。平成17年12月議会において、小岩井清議員の議事進行に対するご答弁で、工事により発生する産業廃棄物の収集運搬及び処分については、工事請負業者である大和工商リースではなく、別の許可業者である大平興産と市が別契約をするとのことでした。しかし、環境省通知によると、工事請負においては、排出事業者は工事の元請となっております。つまり産業廃棄物の排出事業者は市ではなく、元請の大和工商リースになり、大和工商リースが産業廃棄物の収集運搬及び処分契約を別途許可業者と締結し、その費用を工事請負費から支弁することが適当と言えます。このことが答弁と異なっていることから、今議会において新政クラブ第2の代表質疑の補足質疑者である鈴木衛議員が内容をただしたところであります。代表質疑において鈴木衛議員が言われたとおり、当該工事契約は高額でリスクが高いため、市民利益を喪失することがないよう、重ねて一般質問をさせていただくところでございます。 
 まず、今議会の代表質疑におけるご答弁で、排出事業者は鈴木衛議員のご指摘のとおり市ではなく、大和工商リースであることを認めました。その上で3者契約をしたということであります。では、平成17年12月議会では、排出事業者は市であると誤認していたのか。もしくは排出事業者が大和工商リースと認識しながら3者契約を行うことをあえて答弁していなかったのか、まずお答えをください。 
 続いて、通常ならば鈴木衛議員のご指摘のとおり、産業廃棄物の収集運搬及び処分料は市が支払う工事請負費に含まれるものであり、これをもとに排出事業者である大和工商リースが別途産業廃棄物の契約をするものであります。しかし、なぜ市が一方的に債務だけを引き受ける3者契約という特殊な、そして一見不利な契約を選択する必要があったのかお答えをください。 
 また、代表質疑のご答弁で、市は債務引き受けをしたという旨のご答弁がありました。3者契約における債務引き受けは重畳的債務引き受け、免責的債務引き受け、もしくは履行引き受けであるのかお答えください。 
 続いてマニフェスト、管理票について。マニフェストの発行はだれが行っているのかお答えください。 
 続いて工事の施工についてお尋ねをいたします。代表質疑において指摘があったように、大和工商リースは土木の実績がここ2年皆無であり、したがって、その施工状況を特に管理する責務が市にあると言えます。また、建設業法の違反行為である一括下請の懸念があり、その工事の施工監理は注意を要します。そこで、下請は全体の何%に及んでいるのかお答えください。 
 最後に第3の、議会での審議事項を行政がフィードバックする仕組みについてお尋ねいたします。 
 毎議会、本会議、委員会において、さまざまな審議が行われております。地方分権の推進により、地方公共団体自身がみずから決定していく事項もふえました。また、以前は通達行政などと言われ、法令が施行されると各省庁から通知が出され、各地方公共団体がこの通達、通知に沿った運用を行っておりました。中には、法に沿った条例案までご丁寧に中央省庁でつくり、画一的管理、運用を行っておりました。しかし、現在は地方分権の観点から、通知類は必要最小限度のものにとどめられ、あとは自治体の能力、裁量にゆだねられております。したがいまして、指定管理者制度の例もあるように、地方公共団体の持つ能力、裁量によって、同じ制度でありながら、そして同じ趣旨でありながら、運用方法が地方公共団体ごとにさまざまであります。よくも悪くも地方公共団体の区別化が進んでくると懸念されます。したがって、本市においても、行政、議会双方が切磋琢磨し、決められた法の中で最高の運用を行える能力と見識を身につけ、最高のサービスを市民の方々に提供できるようにしていかなければなりません。このような地方公共団体をめぐる動きを勘案し、行政の側も議会での審議事項を真摯に受けとめ、検討し、よりよい運用を目指していく必要があります。したがいまして、議会での審議事項をどのように受けとめ、整理し、政策、制度運用につなげているのかお答えください。 
 以上、1回目の質問とさせていただきます。ご答弁により再質問させていただきます。

発言者:大川正博副議長
 答弁を求めます。 
 管財部長。 
〔中台久之管財部長登壇〕

発言者:中台久之管財部長
 市政一般についての(1)アウトソーシングを利用した雇用、福祉、環境等の政策の実現について何点かのご質問にお答えをいたします。 
 初めに、入札自体を政策実現の手段の1つとすることができないかとのお尋ねでありますが、入札は通常、契約の相手方を決定するための事務手続の一端としてとらえられておりますが、これを政策を実現する手段の1つとしたらどうだろうかということが、いわゆる政策入札の意図するところではないかと思います。行政は公平性を保ちつつ、よりよい社会を実現するための施策を行っていく必要があります。この観点からすれば、契約の相手方となる業者の選定基準に、さまざまな社会的価値に配慮しているかどうかを組み入れることは十分に考慮すべき事項であると考えられます。例えば契約の相手方となります業者が環境への配慮を行っているか、障害者雇用などの福祉にも配慮しているか、あるいは男女共同参画を推進しているかといった点に着目し、業者の選定の際には、これらに配慮している者には有利になるような仕組みにすれば、広く社会に対し、これらの社会的価値の追求を促す効果が期待できるようになると考えられます。 
 政策入札は、このように契約の相手方となる業者をさまざまな側面から評価するという意味で総合評価落札方式の1つであると理解をしております。政策入札の場合は、評価の基準として環境への配慮、障害者雇用などの政策課題の要素を取り入れるというものであると認識をしております。総合評価落札方式に対して、従来の入札額だけで落札者を決定する方式は価格入札と言うことができると思いますが、この場合においても、政策判断を入札に取り入れることは可能であると考えております。例えば指名競争入札では、指名業者の選定は発注者の裁量により行われることができます。もちろん恣意的にならないように選定基準を明確にしておく必要があるわけですが、通常の選定基準に加え、個別の案件ごとに環境への配慮、障害者雇用、男女共同参画などを選定基準として設定し、その基準を満たしている者を選び出し、その中から指名する業者を選定することにより政策判断を取り入れるというわけです。また、公募型指名競争入札や一般競争入札の場合は、今申し上げましたような選定基準を入札参加要件として公表し、要件を満たしていなければ入札に参加することができないとすることになります。以上は入札を実施する際に個別に考慮するというものでありますが、もう1つの方法といたしまして、あらかじめ業者に対して環境への配慮などの社会的価値を評価しておき、入札への参加を優遇するというやり方もあります。 
 それでは、以上のような政策入札をどのように実現していくかということになりますが、これは幾つかの段階が必要であると考えております。まず、制度として、政策入札の基本的な枠組みを整備する必要があります。条例、あるいは指針などの基本となる文書で政策入札の実施を表明し、入札に参加する企業に対しても、あらかじめ公表しておくものです。次に、福祉、環境などの個別の領域について、入札を所管する担当部署と管財課とで客観的な基準について協議し、細部の調整といった過程が必要であります。それから、市が行う入札に参加するには入札参加業者適格者名簿に登載している者であることが必要ですが、現在、この登録に関しましては、政策入札の要素となります項目の状況を把握できてはおりません。そこで、今後、入札参加登録の申請を受け付けるときには、例えばISOの認証取得状況、障害者の雇用率などといった資料を提出してもらうことが必要となってまいります。また、総合評価落札方式によりまして実際に入札を行う場合には、具体的な評価基準の配分ルールを定め、明らかにしておく必要がありますし、学識経験者などの第三者の意見を聞くことも求められます。以上のように、政策入札の実施のためには段階を踏んで取り組んでいく必要があると考えております。 
 次に、ご質問にございましたように個々の事例についてでありますが、具体的な評価基準につきましては個別に詳しく検討する必要がありますが、いずれも政策入札として実施できるものと考えております。まず、雇用環境の改善に努力している事業者の評価ということで、法定障害者雇用率の達成を基準とすることについてですが、現実には法定基準に達している企業はそれほど多くないと認識しておりますが、必ずしも法定雇用率にこだわることはないと思います。障害者雇用率が高い業者を入札の際に優遇する仕組みにすることで障害者雇用の意識を高め、地域の障害者雇用の促進につながることが期待できるのではないかと考えられます。また、次世代育成支援対策推進法の行動計画の提出を選定基準とすることにつきましては、市内業者を対象にした場合は行動計画の提出者がかなり少なくなってしまうと想定されます。ただし、この場合も、法律の規定をそのまま当てはめる必要はなく、独自に基準を設定することになろうかと思います。また、政策入札を採用して入札額だけでなく、障害者雇用率のほか、雇用環境の改善への取り組み、雇用対策、雇用計画などの提案を受け、それを詳しく評価した上で落札者を決定することも考えられます。 
 次に、広く高年齢者の就業の機会を確保するための入札基準ですが、高齢者の雇用率は、雇用計画などを選定基準とすることが考えられます。ただし、基準をどのように設定するかなど検討する必要があると思います。 
 また、シルバー人材センターにつきましては、平成16年度11月の地方自治法施行令第167条の2の一部改正によりまして、随意契約の方法により契約を締結することができる場合が加えられました。随意契約の見直しを進めていく中でシルバー人材センターへの委託については、高年齢者の就業機会の確保など、政策的な側面からきちっと3号随意契約で対応すべきものと考えてきたところであります。この3号契約を適用していくためには、その手続を規則で定めなければならず、この規則は事前、事後の公表事項を定めてまいります。公表の事項の1つとして、シルバー人材センターに任せ、業務の基準を公表し、民業圧迫にならないよう、業務の選別を行わなければならないと考えております。 
 それから、一般廃棄物の適正処理に関してですが、入札額だけでなく、お尋ねにありました市川市廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に関する条例に定める事業者の責務を果たしている者を選定基準とすることは、環境への配慮の意味からも必要なことであると思います。また、企業独自の環境基準、廃棄物の減量化、資源化などについての提案を受け、それを細かく評価した上で落札者を決定することも考えられます。 
 以上、お尋ねにあった事例につきましては、担当部署と十分協議して検討してまいりたいと考えております。 
 以上でございます。

発言者:大川正博副議長
 環境清掃部長。 
〔都築健治郎環境清掃部長登壇〕

発言者:都築健治郎環境清掃部長
 私からは市政一般の(1)の中でのご質問と(2)についてお答えいたします。 
 初めに、(1)のアウトソーシングを利用した雇用、福祉、環境等の政策の実現についての中で、条例の効果を上げるためにこのような制度をつくることを環境清掃部としてどのように考えているかについてお答えいたします。本市の廃棄物条例、市川市廃棄物の減量、資源化及び適正処理等に関する条例の効果を上げるためのご質問でございますけれども、ご案内のように、家庭から出る生ごみや紙くず等の一般廃棄物は12分別の実施により約20%も減少し、焼却残渣の削減、有害大気汚染物質の減少、また経費の節減などで大変大きな効果を上げております。一方、事業活動に伴って排出される事業系一般廃棄物は、法令や本市の条例に基づき個別巡回指導や文書での指導、また広報による啓発など、さまざまな方法で適正処理の確保に努めておりますが、飲食店とか小さな事業所等ではいまだ適正処理されてない状況にあります。そのため、昨年8月より、ご質問者もご指摘されておりましたけれども、事業系一般廃棄物を適正処理している事業所に対しまして、していない事業所との不公平の是正を図るとともに、適正処理事業者の環境意識の高揚とイメージアップを目的として事業系一般廃棄物適正処理済みシールの交付を開始し、本年2月末現在で約2,500枚を交付しております。ご質問者ご提案の、入札の指名資格としての評価制度の中にこの適正処理済みシールの義務づけを導入することは、事業系一般廃棄物を適正処理している、言いかえますと、一般廃棄物にかかわる法令や条例を遵守している事業所を指名要件として評価することになりますので、事業系一般廃棄物の適正処理の促進につながるものと考えられます。いずれにいたしましても、この制度の導入が図られる場合には、制度の策定に当たって関係部署に協力してまいりたいと考えております。 
 次に、(2)の本市から排出される廃棄物の取り扱いについて何点かのご質問にお答えいたします。 
 初めに、平成17年12月議会時点では、排出事業者は市であると誤認していたのか。もしくは排出事業者が大和工商リースと認識しながら3者契約を行うことを説明していなかったのかについてでありますが、さきの議会等でご答弁申し上げておりますように、余熱利用施設建設用地につきましては、当時の西浜清掃工場が昭和52年から昭和55年までプラ容器、ペットボトル等を不燃物として埋立処分し、また焼却灰も一緒に埋めたところであります。現在、市が当該用地の土地所有者であることと、廃棄物の排出者としての市が自治体として発生した焼却灰、不燃ごみ等を処理、処分する責務があり、排出者としての責任によって処理しなければならないということで、ご質問者が言われております、市が廃棄物の排出事業者であるとは異なるものであります。なお、工事にかかわる廃棄物の排出事業者となりますと、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、通称廃棄物処理法第11条に基づき大和工商リースとなります。平成17年12月議会では、契約議案である工事請負契約でのご質問でしたので、これとは別のものとなる旨をお答えさせていただいたものでございます。また、3者合意契約につきましては、平成17年7月ごろから補正予算の見積もり時点で市の財政負担をできるだけ軽減することを目的として積算してきたものでありまして、廃棄物処理委託料と廃棄物撤去工事請負費に分けていることを、ご質問のあるたびに、その旨は答弁させていただいております。 
 次に、2点目のなぜ市が一方的に債務を引き受ける3者契約という特殊な、そして一見不利な契約方法を選択する必要があったのかについてお答えいたします。廃掃法施行令第6条の2第3項により、排出事業者、大和工商リース株式会社は廃棄物の収集運搬及び処分許可業者の大平興産株式会社と契約を締結する必要があります。なお、市は排出事業者ではありませんので、廃掃法上、廃棄物の収集運搬及び処分許可業者と直接契約することはできません。この段階で、排出事業者はその委託契約により処理処分費の支払い義務が生じるため、市がこの支払い債務を引き受け、収集運搬及び処分業者に直接支払う3者合意契約を締結したものでございます。一般的に工事請負契約にこの収集運搬及び処分費を含めた場合は、さらに諸経費が加算されますので、直接支払う場合と比べ高額となります。そこで市の財政負担の軽減を図るとともに、廃棄物を排出し、埋め立てた責任者として、また、平成15年12月契約のPFI原契約における要求水準書においても、地下廃棄物にかかわるリスク分担は市にあることを明記しておりますので、その責務を果たすため工事請負契約の中に含めないことにより、市が直接廃棄物処分業者に支払うことができますし、支払い債務を引き受ける合理性も認められますことから、最良の策として選択したものであります。 
 次に、3点目の債務引き受けの場合、免責的債務引き受け、重畳的債務引き受け、もしくは履行引き受けのどれかということでございますが、これは免責的債務引き受けとなります。なお、債務の引き受けにつきましては、民法第474条「第三者の弁済」によるものでございます。 
 次に、4点目のマニフェストの管理はどのようになっているのかについてでありますが、廃掃法第12条の3第1項により事業者、大和工商リースから産業廃棄物の運搬等を受託した者、大平興産に産業廃棄物管理票――マニフェストでございますが、これが交付され、また、それに対し廃掃法第12条の3第2項及び第3項により、送付期限内にマニフェストの写しが受託者から事業者に送付されることにより双方が適正に管理を行っております。 
 次に、5点目の下請は全体の何%に及んでいるのかについてでございますが、さきの代表質疑でもご答弁申し上げておりますように、平成13年4月1日付で国土交通省通達により、下請金額の記載、開示は適当ではないに準拠することになりますので、その割合につきましても金額相当になり得ることから、この質疑に対しましては回答を控えさせていただきます。 
 以上であります。

発言者:大川正博副議長
 企画部長。 
〔杉山公一企画部長登壇〕

発言者:杉山公一企画部長
 (3)の議会での指摘、提案、要望した事項のフィードバックについてお答えいたします。
 市議会におきましては、議案質疑や一般質問などの質疑の際、さまざまな指摘、要望をいただいております。また、常任委員会における審議の際も同様でございます。これら指摘、要望された事項につきまして、毎議会終了後、どのようなものがあったか、全庁的に調査してまとめております。また、その際には、それ以前の議会でいただいた指摘や要望等につきましても、その後の対応状況につきまして調査しているところでございます。本会議での審議の内容は、議事録を市のホームページにより公表しておりますので、市民は議事録を見ることで審議の全貌を知ることはできますが、特段指摘、要望事項というような形で抜き出しておりませんので、その意味では市民にとって、どんな要望があったのか、どんな指摘があったのかというのはわかりづらいのではないかというふうに考えております。また、常任委員会の審議の中で指摘された事項につきましては、特段の方法をとっていないという状況でございますので、行政がどのように対応してきたかということについて公表していないというような状況でございます。自治体によりましては、市の共通認識として把握するため記録をとったり、市民の理解を得るために情報公開するなど、取り扱い要綱を定めているところもございます。また、議会だけでなく、一般市民からの要望の扱いも同様に規定しているところもございます。現在では、議員さんの個人のホームページなどによりまして議会の情報を公開されている例も見られますので、そのような状況を踏まえまして、今後、市民への情報をどのように提供していったらよいのか、それについては検討してまいりたいと思います。 
 また、指摘、要望を受けた市の対応でございますが、その課題に対応するのは基本的には各所管部署となっておりまして、十分に指摘、要望事項の検討を行って対応しているところでございます。また、重要な施策や事業に係るものにつきましては、その施策や事業が個別計画に定められている場合もありますので、その場合は審議会等でご紹介したり、また委員の皆様の参考とすることもございます。そのような経過を経て、特に政策判断を要する事項につきましては、行政経営会議などで審議して意思決定していくというような過程を経る場合もございます。 
 このフィードバックでございますが、このように指摘、要望事項につきまして十分に尊重した取り扱いをしておりますが、その後の検討や対応につきましては、議会での一般質問の中で追跡のご質問でお答えしたり、また、個々のお問い合わせにお答えしたりしているところでございます。しかし、その時々で検討の状況や対応の状況などをフィードバックすることは現在行っておりませんので、その意味では必ずしも十分な対応ではなかったのではないかと考えております。したがいまして、今後は議会からの指摘、要望事項につきましては、真摯に対応するためにもフィードバックする体制を整備してまいりたいと考えております。 
 以上でございます。

発言者:大川正博副議長
 坂下議員。

発言者:坂下しげき議員
 ご答弁ありがとうございました。 
 まず、政策入札についてでありますが、前向きなご答弁がいただけたのかなと思います。先ほど大阪府の例を挙げましたが、ただ、ほかの都市でも実施している自治体があります。本市のように首都圏にあり、受託者となる民間団体が多いところでは、各種雇用政策の推進は民間の協力も得ながら、まさに協働で行うことがより政策実現効果を高めます。本市においても実行に移して、市民生活の向上のために善処していただきたいと思います。したがいまして、政策入札の実施過程について再度質問をさせていただきます。 
 高齢者等の雇用についてでありますが、ご答弁では地方自治法施行令の改正に合わせて基準を作成するとのことでありましたが、市の政策として、高年齢者等の雇用の促進はシルバー人材センターにおける雇用だけを視野に入れていくということなのか、まずお答えをいただきたいと思います。先ほども申し上げましたが、シルバー人材センターは、高年齢者等雇用安定化法では、生計維持を目的とした本格的な就労ではなく、月に数日程度の勤務で、なおかつ特別な知識、技能などを必要とする業務を対象とした雇用確保の機関です。今後は高年齢者等のさまざまな雇用対応、例えば一般的な職種における雇用の機会を広げることなどが社会全体の課題となってくると考えられます。もし施行令の改正に合わせて基準をつくるのであれば、同時に広く一般の民間企業における高年齢者等の雇用環境の整備も視野に入れる必要があると思います。したがって、改正された施行令の範囲を高年齢者等雇用安定化法の趣旨に則すなどの必要性があると思います。そこで、市が制定する規則において、第167条の2第1項第3号に係る選定基準及び適用する委託業務の選定基準はどのようなものなのかお答えをください。 
 それから、アウトソーシング基準についてですが、1回目の質問で市川市アウトソーシング基準の整備についてご答弁を求めましたが、漏れておりましたので、再度アウトソーシング基準を所管されている企画部にお伺いをいたします。1回目と同じ内容ですが、本市のアウトソーシングの根本方針を定めるアウトソーシング基準、こちらにありますね。第3項、第4項ないし第6項に、アウトソーシングによって得られる効果などがあります。このアウトソーシング基準の各種政策の実現を盛り込むことによって、市として政策入札等に取り組む姿勢を打ち出せないのかお答えください。京都市では、京都市基本計画第2次推進プランに政策入札を掲げております。本市ではアウトソーシング基準を見直すのか、見直さないのかを含めてお答えください。 
 次に、本市の廃棄物政策についてお伺いをいたします。ご答弁では、排出事業者は大和工商リースであるが、排出責任者は市であるということでした。この質問をさせていただく前に、本案件は環境基本法の原因者負担との関係もあり、非常に解釈が難しいことから、一般廃棄物の埋立処分場の土壌改良工事について環境省に問い合わせたところであります。その答えでは、一般廃棄物の処分場が廃止の手続を終えている場合は、当該処分場の土壌を改良するための工事を施工したときは、一般の工事請負と同じく、排出事業者は工事の元請事業者であり、市が排出責任者とならないとのことでした。問い合わせ内容が妥当でないことも想定されますので、そのことを含めて排出責任者について再度ご答弁をいただきたいと思います。 
 それから、市がPFI本体契約で廃棄物について責任を負うとのことでありますが、本市はこの契約条項に基づいて別途工事請負契約を締結し、廃棄物の除去を行っております。であれば、通常どおり工事請負費に収集運搬及び処分を含め、廃棄物の収集運搬及び処分の契約は、工事の元請である大和工商リースが別途契約をすればよいことと思います。ご答弁では、処分等の費用を低価格に抑える、安くする。だから、このような契約方法をとったということでありますが、特別に安くなった要因についてお答えください。 
 それから、議会事項のフィードバックでありますが、今後、十分な対応ができなかったので体制の整備を行っていっていただけると、非常に心強いお言葉をいただいたのかなと思っているところでありますが、先順位、そして今議会においても、議会での審議が全然吸い上がってないじゃないかということが多々聞かれたのではなかろうかと。そして、委員会においても、審議、審査して、こうやってほしい、ああやってほしいということを要望して、市民の要望を受けてやっていることについてもなかなか吸い上がってこなかったということがありますので、委員会も含めて、ぜひともそういった体制の整備を行っていただきたいと思います。 
 そこで1点目といたしまして、議会において数々ある指摘、要望事項のうち、この調査事項に上がるものはどのような基準によって取捨選択をされて調査事項とされているのかお答えをください。 
 それから、議会で審議された指摘、要望事項のうち、議場で結果が出なかったものについてはすべて調査事項として所管で検討する必要があると思いますが、このことについてどのようにお考えなのか。 
 それから、平成17年度の議会審議における指摘、要望事項のうち、行政経営会議もしくは庁議に付された案件は何件で、どのような内容のものであるのかお答えをいただきたいと思います。 
 それから、指摘、要望事項は全庁的なものであり、所管が定まらない場合、調査事項を取りまとめるのはどこの部でありますか、お答えください。例えば全庁的な事業系一般廃棄物の処理及びこれに係る予算化もしくは公の施設に係る条例の整備などが当たると思いますが、お答えをいただきたいと思います。 
 以上、よろしくお願いいたします。

発言者:大川正博副議長
 管財部長。

発言者:中台久之管財部長
 高年齢者の雇用促進についてとシルバー人材センターの選定基準の2点についてお答えをいたします。 
 まず、1点目の高年齢者等の雇用の促進につきましては、シルバー人材センターにおける雇用だけに限らず、幅広く考えていきたいと考えております。 
 次に、シルバー人材センターの選定基準についてでありますが、今回、シルバー人材センターと随意契約により契約を締結する場合におきましては、その性質または目的が競争入札に適さないとする第2号の区分から第3号の区分に随意契約の理由を改めることは、契約の面から定年退職者など高年齢者の就業機会の確保などを政策的に進めていくことにつなげるものと期待するものであります。しかしながら、随意契約につきましては、競争入札が原則の中にありまして、例外でありますことから、一定のルールを設けながら業務の選別を行っていく必要があると考えております。そのため、契約前と契約後におきます契約にかかわる事項を公表していく予定としております。具体的には、契約前には件名、所管課、履行の場所、締結を予定する時期、契約の相手方の決定方法、選定基準などを、契約後は件名、所管課、締結日、予定価格、契約金額、契約期間、契約の相手方の名称、契約の相手方とした理由をそれぞれ公表するものとしております。また、選定基準でありますが、高年齢者の生きがいの充実、社会参加の推進を図るなど、高年齢者の福祉の増進に寄与するかによって判断してまいりたいと考えております。具体的には臨時的かつ短期的な就業を提供できる者または高年齢退職者の希望に応じた就業で軽易な業務に係る者で、地域社会において日常生活に密着した者、民間事業者を圧迫するおそれのない者などを考えているところであります。 
 以上でございます。

発言者:大川正博副議長
 企画部長。

発言者:杉山公一企画部長
 まず、アウトソーシング基準でございますが、アウトソーシング基準は、基本的には市の個々の業務をアウトソーシングするか否かの判断基準ということでございますが、この中に政策入札を含めるべきかどうかということにつきましては、管財部とも協議の上、検討させていただきたいと思います。 
 それから、議会での指摘、要望事項のフィードバックの再質問でございますが、まず、調査事項の基準でございます。ただいま申し上げました議会における指摘、要望事項の調査では、調査の対象としておりますのは、議会での答弁の中で今後フォローアップが必要な課題というふうにとらえております。また、過去の指摘、要望事項調査で報告済みの事項でその後進展があった場合は随時提出していただくことになっております。 
 それから、議会で審議された指摘、要望事項のうち、結果が出なかったものの扱いでございますが、この指摘、要望事項の調査は各部の対応状況を取りまとめるもので、議会での指摘、要望事項は、基本的には各担当部門の判断で対応することになります。なお、総合計画や毎年度の予算編成の中でも、議会での指摘、要望事項を踏まえて出された施策、事業につきましては、その旨、所管部から説明をいただいているところでございます。 
 また、行政経営会議、庁議の案件でこのようなものがどのくらいあったかということでございますが、議会での指摘、要望は行政で全く検討していなかったことを指摘されることもございますが、既に行政の方で検討に入っていたり、また、その過程で質問いただいたりする場合もございます。また、要望をいただいてすぐに動けないで、大分たってから実現したということもございます。そういうようなことで、行政経営会議、また庁議にかけられるのは市の重要事項ですから、過去に直接・間接的には何らかの形で議会で提案、あるいは指摘、要望があった、そういうものが多いのではないかと思います。したがいまして、議会からの要望が何件という形でカウントするのは非常に難しいということでご勘弁いただきたいと思います。 
 それから、所管が定まらない事項でございますが、基本的には答弁をした部がこの報告は出すことになっております。ご指摘のように、市の事務の中には、新たに発生した課題でありますとか、また全庁的な課題で部門が特定できないということが多々ございます。今まで各部門の責任で行ってきた事務につきましても、統一的な基準を設けるなど、なかなか適当な部署を決めかねる場合もございます。その場合、最も関連のある部署、過去に答弁の実績があったところとか、そういうところで担当しているということでございますが、そのフォローも、正式に担当が決まるまでは、基本的には答弁をした部が責任を持つということになろうかと思います。ただいま例示がありました廃棄物の問題、あるいは過去にもニートとか、2007年問題とか、所管が定まってない部門がございまして、そういうものは企画が答えたり、一番近いところがお答えした上で企画審議会議とか、そういう全庁的な会議の中で振り分けをしているという状況でございます。 
 以上でございます。

発言者:大川正博副議長
 環境清掃部長。

発言者:都築健治郎環境清掃部長
 2点のご質問にお答えいたします。 
 初めに、排出事業者は工事の元請事業者であり、市が排出責任者とはならないについてお答えいたします。廃掃法第11条で規定する排出事業者は工事の元請事業者――これは大和工商リースであります。市は、先ほど申し上げました廃棄物の排出者及び土地の所有者としての責任、また廃棄物の排出責任者ということで、排出事業者とはなり得ません。市が発注者として行う一般的な工事請負契約の場合は、直接工事費の中に廃棄物処理処分費も含めますので、排出事業者は工事を請け負った元請事業者となりまして、その元請事業者は廃棄物の運搬処分許可業者と廃棄物処理委託契約を締結して処理処分費が支払われることになります。また、国もそれを前提として回答されたものと推定しております。当該工事につきましても、工事により発生する廃棄物であることから、廃掃法に基づき、それにかかわる産業廃棄物の処理、処分は排出事業者であります工事請負事業者――これは大和工商リースでございますが、これと廃棄物の運搬処分業者、大平興産との間で委託契約が適正に締結されております。ただし、今回の場合は、工事請負費の中に廃棄物処理処分費は含めておりませんので、廃棄物処分委託で生じる処理料金の支払いは3者合意契約に基づきまして市が支払い、債務を引き受け、直接廃棄物の運搬処分業者に支払うものとしたものでございます。これまでもお答えしておりますとおり、過去に市が当該用地内に不燃系の廃棄物や焼却灰等を埋め立てた排出者であるという事実、市がその土地の所有者であるという事実に基づきまして、また、埋め立てたものが明らかな場合は、一般廃棄物の処分場が排出の手続を終えたからといっても、やはりその事実は何ら変わるものではありません。このことから廃掃法上の排出事業者は大和工商リースでありまして、市は廃棄物を埋め立てたことによって直接的な原因をつくり出したという排出者としての責任があります。ですから、排出責任者イコール廃掃法上の排出事業者とはならないというところの違いをご理解いただきたいと存じます。 
 次に、処分費が特別安くなった要因でございますが、ご質問者が言われておりますように、工事の元請であります大和工商リースが別途契約すればよいのではないかということにつきましては、一般的に市が発注する工事請負の場合にはお見込みのとおりでございます。市が発注する土木建築工事の請負契約の場合、少量の廃棄物撤去等の処分費は直接工事費に含めて発注しております。しかしながら、今回の場合、工事請負額と比べ廃棄物の処理処分費の方がはるかに高く、逆転した状況となっております。また、これまでにも申し上げておりますが、議会における附帯決議等を踏まえ、各法令上適法な方式のうち、二者択一として工事請負費と廃棄物の運搬処分委託料を分けた方式を選択しているものであります。これを一般的な工事請負費に含んだ場合、処分単価に処分料を掛けて算出される処理処分費を含む直接工事費に一般管理費等の諸経費が加算され、市が今回算出した方法に比べ億単位の差が生じることから総合的に判断し、このような3者合意契約を締結したものであります。 
 以上でございます。