2004年9月13日第4日目

2004913日第4日目
認定1
 
議長
休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第5認定第1号の議事を継続いたします。
 坂下しげき議員。
 
通告に従いまして質疑をさせていただきます。
 まず、15年度決算における予算の執行状況についてお尋ねをいたします。予算書と決算書を見比べると一番気づく点が、各節内の予算の執行状況、流用であります。流用は、一定の目的に充てた経費を抑制して、その財源を他の支出費目の増額に充当することをいい、予算の補正を行わないで予算執行上の処理として行うものであります。そして、この予算の流用は地方自治法第220条第2項に規定があり、また、目、節の流用方法、制限等については、地方自治法施行令第173条の2にいう財務規則に規定することになり、市川市では財務規則第16条、19条に規定し、その適正を期すことになります。また、節については、款、項とは違い、議決事項ではなく執行科目でありますから、流用等、細部にわたる執行は市長の権限により、一定の統制のもとに各支出負担行為担当者にゆだねられているわけであります。財務規則によると、財政部長が流用を審査することになっております。予算の流用は、予算の執行の実際面における潤滑油的制度と言えるわけでありますが、みだりに流用を行うことは適切ではなく、目的別に計上された費目の経費を予定外の経費として使用する関係上、特別な事情がある場合に必要最小限に行うべきであります。


 決算全体を見ますと、通告に挙げました需用費、委託料、工事請負費について、節内での予算執行が当初予算と異なっている点が特に目につきます。予算執行の通常の手続といたしましては、執行額が予算額より少なくなった場合は、その差額についてマイナスの補正予算を組むか、不用額扱いにするかになりますが、需用費、施設修繕料、委託料及び工事請負費については流用が目立ちます。例えば総務費でいう需用費、施設修繕料では、総務管理費、自動車管理費及び戸籍住民基本台帳費でそれぞれ予算の約倍額及び6倍の額の施設修繕料を執行しているものがあります。また、委託料では広報紙広報スタンド配布委託料など、もともと細節、節名に入っていない新しい委託料が計上されております。さらに、市川の文化人展展示業務委託料は、予算額の約118万円増の決算額になっております。また、工事請負費については、総務管理費、財産管理費の予算は、第一庁舎外壁等改修工事費として6,000万円、旧大町診療所の工事として500万円の合計6,500万円計上されておりましたが、旧大町診療所の工事は執行されず、その分の予算も含めた合計約6,343万円を執行して、第一庁舎外壁改修工事のほかに電灯幹線等改修工事、そして市長室冷暖房機械改修工事費として執行しております。この場合、旧大町診療所の500万円はマイナス補正されているか、不用額扱いになるものであるのに、他の工事請負費に流用されているわけであります。
 そこで、これらの点を含めまして5点質疑いたします。
 1点目といたしまして、平成15年度において、全節を通じて節内流用された金額の総額と、需用費、施設修繕料、委託料、工事請負費のそれぞれの流用総額についてお答えください。
 2点目といたしまして、全節を通じて節内流用で高額に上ったものと、その流用の理由について。また、需用費、施設修繕料、委託料、工事請負費のそれぞれの高額な流用及びその理由についてお答えください。
 3点目といたしまして、流用の件数は各月に何件あるのかお答えください。
 4点目といたしまして、財務規則第16条による流用の申し出があった場合の審査基準についてお答えください。
 5点目といたしまして、流用に関する予算執行のデータ管理はどのように行われているのかお答えください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきます。

 
財政部長。
 
流用に関するお尋ねにお答えをいたします。
 節内の執行管理についてでありますが、基本的には節内、いわゆる細節単位での執行につきましては、実は所管課長の権限で執行しているのが実態でございまして、ただ、節内の金額の流用につきましても、みだりに行うということが適切であるかということにつきましては、当然方法とか使途等は、目内の流用に準じた方法によりまして、所管課長が財政課長の承認を得るという方法で行いまして予算執行の適正を図っているところであります。予算科目の目、節は、いわゆる執行科目でありまして、予算の効率的な執行という面から、節内の流用の執行管理につきましては所管の方で行っておりますので、節内だけの流用につきましては、実はデータとしては管理をしておりませんので、ご理解をいただきたいと思います。
 また、いわゆる目内での流用ということでお答えをさせていただきますと、高額のものとその理由ということで申し上げますと、例えば15年度決算におけます流用の総額でありますけれども、全体で132件、2億3,0788,339円が総額であります。この132件を、さらに人件費とその他というふうに分類をさせていただきますと、人件費につきましては71件、1億7,0864,144円、その他の分が61件、5,9924,195円となっております。高額な流用といたしましては、1件500万円以上の流用について例を申し上げますと、2件ございます。その1つは、平成6年に建設いたしました生涯学習センターにおきまして、電波障害対策といたしまして電波障害対策機器の設置を予定しておりましたが、経年劣化によりまして、新たに15年度当初予算におきまして、工事請負費に5775,000円を計上いたしましたところ、執行に当たりまして再度検討を加えた結果、従来のアンテナ方式よりも、機能性、経済性にまさるCATV方式を採用することになった関係で、この額を工事請負費から19節の負担金補助及び交付金に流用して執行したケースが1つ。それから、2つ目につきましては、平成16年の3月にクリーンセンターの不燃粗大ごみ処理施設におきまして、携帯用プロパンガスボンベが原因と思われる爆発事故が発生をいたしました。この爆発事故によりまして、ごみ処理施設の破砕機が破損いたしましたので、この破砕機を緊急的に復旧するために、13節の委託料から11節の施設修繕料に500万円を流用したものであります。
 また、流用の多い月についてちょっと申し上げますと、平成15年度の流用の件数といたしましては、先ほど申し上げました132件でありますが、3月が一番多く68件、次に2月が44件、11月が13件、このようになっております。3月の流用の件数が多いのは、そのうち51件が人件費でありまして、人件費を含めました流用の時期がどうしても3月、年度末に集中する理由といたしましても、職員手当等に代表されます3月の諸手当を4月に支払う方法をとっておりますので、実績を踏まえて流用すると、こういうことが多い理由になろうかと思います。予算の流用につきましては、目的別に計上された費目の経費を予定外の支出として使用いたしますので、特別の事情のある場合に必要最小限に行うべきというふうに考えているところであります。
 次に、財務規則第16条の審査基準ということでありますが、予算の流用につきましては、ご質問者もおっしゃっておりますように、地方自治法第220条第2項の規定、それから地方自治法施行令第173条の2の規定、これを受けまして財務規則があるわけでありますが、特に財務規則以上の明文化をした審査基準は実は設けてはおりませんけれども、1件1件内容を精査いたしまして、補正予算で対応すべきか、あるいは流用で対応すべきか、あるいは予備費の充用を行うべきか、審査をしているところであります。予算は最も経済的、効果的に使用しなければならないことは当然のことでありまして、その目的を達成するため、必要かつ最小限を超えてこれを支出すべきというふうにされておりますので、適正な執行に常に心がけているところであります。
 次に、データ管理といいましょうか、執行管理につきましては、財務規則第16条の規定に基づきまして、所属長が予算の流用・充用申請書を私の方に提出をしていただきまして、申請書の内容、金額、予算科目を精査いたしまして、実務上は最高助役までとなっておりますが、決裁を受けまして決定通知を作成し、収入役に通知をすると。予算の流用後の管理につきましては、諸帳簿に記載をいたしまして、執行後、その結果と内容を決算書備考に記載することによりご報告をさせていただいているところであります。
 以上であります。

 
坂下議員。
 
ご答弁ありがとうございました。ご答弁を伺いますと、節内の流用についての把握は財政部では難しいということであります。しかし、現実的に決算書をざっと見渡してみても、財政部長のご答弁にもありますように、500万円を超える流用が幾つかあります。また、先ほど議案第32号で妙典中学校の増築、今年度でありますが、これも目内で合計約2,000万円以上の流用を行っているわけであります。私も冒頭申し上げましたとおり、執行科目につきましては、事務の合理化の面もあり、また、市長の権限として行うものでありますが、実質的には予算の補正であり、予算執行上、これを多用することは望ましくありません。特に高額な予算が不足した場合には補正予算で対応し、例外的な措置として予算の流用を行うべきで、安易に対応することは許されるわけではありません。また、予算の執行状況の管理につきましては、監査はありますが、年度途中で議会の審査もありませんので、扶助費など補正を組んでやっていただかないと、市の運営状況が議会で把握できにくくなり、市民ニーズもとらえられず、次の予算の議決判断にも影響が出かねません。
 そこで、再質疑1点目といたしまして、ご答弁で節内までの予算の管理は難しいとのことでしたが、財務規則によると、財政課の審査が必要なわけですから、ご答弁にもありましたように、その管理が難しいということを適切であると考えているのかお答えください。
 2点目といたしまして、予算の流用を担当課に任せているということは、財政部では当初でつけた予算の精査を行わず、つけたものは使い切るという考えなのでしょうか。また、今回の議案で一般職員の昇給停止の議案がありましたが、その理由として財政状況を挙げられておりました。また、財政健全化という名のもとで住民利益が切り取られている現状で、財政部として不用額の管理を行っていないということでしょうか。不用額の積極的な確保も行わず、補正が必要となれば基金を切り崩し、または負担行為を組んでいると考えられても不思議ではありません。流用についてどのようなお考えをお持ちなのか、もう1度お答えいただければと思います。また、法律的には、非流用予算費目の予算計上額の範囲内であれば流用額の限度はありませんが、市川市では、1回の流用で認める流用額の上限についてどのようにお考えなのかお答えください。
 3点目といたしまして、予算が庁内分権化されるということですが、現時点でも予算の細部にわたる管理が万全とは言えませんが、分権された場合、不用額の管理についてはどのようにお考えなのかお答えください。地方財政法にも、「公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない」とあります。せっかく事務の効率化により予算執行額を抑えられても、その差額が不用額とはならずに目的外使用されては、財政の健全化は図れません。分権後の管理体制について明確にお答えください。
 4点目といたしまして、第1回目の質疑のときに申し上げました総務管理費、財産管理費、工事請負費については、予算が第一庁舎外壁等改修工事費及び旧大町診療所の工事として6,500万円計上されておりましたが、旧大町診療所の工事が執行されず、その分がほかに電灯幹線等改修工事、市長室冷暖房機械改修工事費として執行されておりますが、このような件につきまして、財政部では、診療所の工事がマイナス補正されず、不用額扱いにもならず、他の工事請負費に流用されていることについてどのようにお考えなのかお答えください。
 5点目といたしまして、決算書によると、節間の流用は円単位で行われております。流用単位についての扱いは、必要額を超えて流用することは適切でないから円単位で行う場合と、歳出予算の流用は、実質的に予算の執行科目も補正という形で行われるので、予算の調整様式に準じて1,000円単位で行う場合がありますが、流用単位についてのお考えについてお答えください。
 それから、6点目といたしまして、流用時期なんですが、3月に多いということがありました。これは単なる予算の消化に使われていると考えられてしまいますので、もう1度、その理由についてお答えいただければと思います。
 以上でございます。

 
財政部長。
 
かなり多くの再質問でありますので、漏れがありましたら、またご指摘いただきたいと思いますが、まず、節内流用における財政課の審査ということでありますが、当然この審査につきましては一般的な節内流用だけではなくて、いわゆる目内の流用に準じた形で財政課の方では審査をしております。また、今現在進めております新しいザイムスの構築に向けましても、節内流用につきましても十分チェックできるような、そのような体制をとることとしております。
 それから、執行管理の関係で担当に任せているということは、むしろ使い切り予算になってしまっているのではないかと、このようなご指摘でありますが、四半期ごとに各所管から執行状況につきまして提出していただいておりますし、また不用額につきましても、四半期ごとに決算見込みというものを提出していただいております。その中で不用額、あるいは補正、その辺につきまして十分内容を審査しているところであります。
 また、流用額の上限ということでありますが、特に上限についての規定は設けておりません。
 また、庁内分権のことにもお触れいただきましたが、ことしの予算編成から財政の庁内分権を進める予定で今進めております。まだはっきり、こういうふうにやりますということは確定しておりません。実は庁内向きに説明会はしてはおりますけれども、例えば不用額をどうするのかと。私どもの方ではインセンティブ予算というふうに呼んでおりますけれども、この辺の仕組みづくりを、今後きっちりと体制をつくっていこうというふうに考えております。
 それから、庁舎問題、いわゆる大町診療所と第一庁舎の関係でありますが、そのときの状況でありますが、第一庁舎の老朽化が相当進み、ここで早急に補修をする必要があったと、こういうことから執行したというふうに認識をしているところであります。
 それから、節間の流用の単位というご指摘でありますが、これは基本的には円単位で流用することを原則にしております。ただ、工事請負費みたいに、あらかじめ予算措置をしておかないと、例えば入札ができない場合につきましては設計額で流用すると、こういうケースも実はあります。
 それから、3月に流用が多いという理由でありますが、これは予算を執行していきまして、当初と若干見込みが異なったケースの場合、特に人件費に多いわけでありますけれども、消化のための流用というものは、私どもの方では当然規制をして決して流用の対象にはしていないと、このような考え方であります。
 以上であります。

 
坂下議員。
 
ご答弁ありがとうございました。1点、工事請負費の庁舎と大町診療所のところで伺っている内容なんですが、他の工事請負費に流用されていることについてどのようにお考えなのかということで、そのときの執行の状況ということではなく、どういうふうにお考えかというのをお答えいただきたいと思います。
 また、来年度予算も分権されるということで進められている。また、新財務システムが稼働されるということで、市川市の予算管理が大きく変わってくるわけであります。が、変化が改悪では許されるわけではありません。予算の執行管理について万全を期していただきたい。
 そこで、もう1点といたしまして、予算の庁内分権後の財政部の役割についてお答えいただきたいと思います。
 以上2点、お願いいたします。

 
財政部長。
 
先ほどの工事の件につきましては、緊急性等を考慮した結果、やらなければいけない工事だったと、このように私の方では認識をしているところであります。
 それから、庁内分権後の財政部の管理ということでありますが、市の財政状況の把握でありますとか、分析でありますとか、あるいは地方債、地方交付税制度、そういったものの分析でありますとか、あるいは予算が適正に使われているかという執行管理でありますとか、そういった面にこれからは当然力点が移っていくのではないかなというふうに考えております。