2003年6月定例市議会

20036月定例市議会
625日第9日目
市友会の坂下しげきでございます。
一般質問をさせていただきます。議会は行政のチェック機関であるということから、私は行政に刺激を与えられるような質問をできればと思います。その結果、質問が行政の細部にわたることになり、失礼な点も多々あるかと思いますが、本日、私、初質問ということで、横綱級の市長を初め執行部の方々の胸をおかりするつもりでぶつかってまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。また、今議会では、市長が常々口にされております市長のアカウンタビリティー――説明責任を果たしていただくことを期待して質問してまいりたいと思います。
 それでは、第1点目、雇用対策について質問させていただきます。
 


 総務省発表の本年3月の完全失業率は5.4%と高い水準が続き、市川市と浦安市を管轄区域とするハローワーク市川の有効求人倍率も0.53倍という雇用失業情勢が悪化している状況にあります。このような状況下、国では雇用のセーフティーネット対策として、各都道府県に緊急地域雇用創出特別交付金を交付しております。この県緊急地域雇用創出特別基金事業についてお尋ねをいたします。当該事業は100%が国費で、市の予算上は県支出金になっていますが、市川市としては、この事業の目的は、広く国、県の雇用の創出と考えているのか。もしくは、まず第1次的に市川市民の失業の雇用創出を目的としているのか確認させていただきたいと思います。また、当該事業のほとんどが予算上、委託料になっていますが、委託先は市内の団体か、市外の団体であるのか。そして、委託先とは、市川市民を雇用する取り決めが明確になされているのかをお尋ねします。さらに、委託料以外の事業で雇用されるのは市川市民であるのか。そして、最終的にこの事業でどのぐらいの市川市民が雇用されるのかをまずお答えいただきたいと思います。
 次に第2点目の、全国をリードする先進的な取り組みについて質問させていただきます。
 市長の強力なリーダーシップのもと、全国をリードする取り組みとして行われたものにISOの取得、IT化があります。特にITは、2月議会の企画部長の言をかりると、本市はIT先進都市として全国に発信していると言われるほど力を入れているものであります。私は、IT化は社会、自治体にとって不可欠なものであると確信していますし、財政難ではありますが、将来のためにも行政体として情報通信技術を構築することは責務であると考えております。しかし、あえて市川市の重点政策であるIT化について、本当に市民の目線に立って行われたものであるのか。また、IT化する過程に誤りはなかったのかを、市長の説明責任を期待しつつ、以下について伺いたいと思います。
 まず、いちかわ情報プラザができて1年が過ぎました。市長が言われているマネージメントサイクルのチェックとアクションの段階に来ていると思います。そこでまず、いちかわ情報プラザにかかわる問題点、デメリットについてお尋ねをしたいと思います。市長は、実行の後のチェックとアクションが大切であると言われていますが、IT化に関しては新しいこと、全国初ということにとらわれ過ぎて、既に実行したことのチェックとアクションがおろそかになっているのではと懸念されます。私がこの1年、いちかわ情報プラザを見てきて一番気になったのは、プラザを利用する市民の出入りよりも職員の出入りが圧倒的に多いということであります。職員は市民サービスの事務処理のため、所属課とプラザの間を1日に何度も往復し、手には帳票類や納付書などを持っています。職員が何度も往復するという事実は事務能率を悪くしているのは明らかで、手当ての振り込み処理などに手間がかかり、市民サービスを低下させているのではないでしょうか。このことは、いわゆる行政コストの一面であると思います。
 そして、情報プラザ自体には予算をかけて万全なセキュリティーを構築していると伺いましたが、市民の個人情報が詰まっている帳票を現に今も、まさにこの時間も職員が手で運んでいるというのは、個人情報を守るという点でも危険な行為であり、セキュリティーが万全とは言いがたい状況にあると思います。このようなことは、プラザが本格稼働して1カ月もすれば明らかなことですし、事前に各課のスタッフ職員と協議していれば避けられたことだと思います。ペーパーレスの観点から帳票を打ち出さないということも考えられますが、画面を見ての事務処理は能率や迅速性、正確さを第一に考えれば難しいことだと思います。各課で帳票を打ち出すとしても、データが莫大なわけですから、帳票の用紙など、打ち出しにかかわる費用の予算配分が適切に行われるのか疑問であります。情報システム課を本庁から情報プラザに移転させる際に、このことは執行部で問題にされなかったのでしょうか。それとも、移転が先にありきで、既存のサービスを受けている市民や現場で事務処理を行う職員の意見など考えにも及ばず、一部の管理者、つまりラインだけで独断的に行われたのでしょうか。なぜこんなにも対応がおくれているのかをお答えいただきたいと思います。
 市民が望むサービスには、もちろん窓口でのワンストップサービスがあり、情報プラザはその一助になっていますが、情報プラザの利用者が少ないという事実もあり、さらに市民サービスを考えるなら、市民は窓口で申請することだけが目的ではなく、その申請を受けての決定、つまり手当ての振り込みや納税額の決定が迅速で正確に行われることを期待しています。新しい取り組みにばかり目線がいき、既存のサービスシステムがないがしろにされるのは本末転倒であると思います。市民が望むのは、正確、迅速、費用対効果です。情報プラザができる前よりも職員の事務能率、市民の顧客満足度を下げている運用は早急に検討する必要があると思います。
 次に、平成14年度と15年度の事業にかかわる質問をさせていただきます。主要事業として市川市情報化整備事業や庁内LANシステム構築事業などがありますが、14年度事業としては庁内LANシステム構築事業、15年度事業としては情報セキュリティーについて質問させていただきます。
 まず、14年度の庁内LANシステム構築事業の中に電子決裁システム、財務会計システムがありますが、時期的にどのくらいに運用が始まるのかをお尋ねいたします。電子決裁、財務会計システムなどは、今後何年にもわたって行政運営の基礎として作動するシステムですので、確実なものをつくり上げないと、かえって後々、コストがかかることになります。このコストというのは予算的なものだけではなく、職員の事務能率が下がった場合のコストであります。決裁、財務会計は行政の基盤ですが、直接市民に見えにくい予算効果になります。この効果は、市民サービスから言えば、このシステムに予算をかけたことによって職員の能率が上がり、事務処理が迅速、正確になり、時間外勤務が減るなど、見えやすい効果に転嫁しなければなりません。IT先進都市を意識し過ぎ、功名を急ぐと、能率の悪いシステムになります。最少の経費で最大の効果を上げるように最大の注意を払っていただきたいと思います。
 電子決裁について、日本の行政は稟議制でありますから、決裁には合い議が必ず発生すると思います。担当課、担当部内の決裁だけなら電子決裁でも可能かもしれませんが、各部をまたがる決裁についてはどのような形になるのかイメージができないものであります。例えば決裁文には必ず参考資料や統計資料など数十ページの資料が添付されますが、電子決裁にする際、どのような形で資料を電子上に取り込むのでしょうか。資料をスキャナーで読み込むとなると設備投資、維持管理費がかかり、また、文書をスキャナーに取り込む作業も、パソコン画面で膨大なスキャナー文書を開くにも時間がかかります。今までどおり紙で見た方が、よほど能率的であると思います。また合い議の場合、合い議先は課長や部長だけが見るのではなく、合い議先の担当職員が検査をするのが通例だと思いますが、そのような文書を電子でどのように管理するのでしょうか。また別な方法として、決裁文だけが電子で回り、資料は手で紙のまま稟議されるとなると、かえって能率が悪くなり、電子決裁にする理由が見つかりません。どういう形で行われるのかをお答えいただければと思います。
 そして、新財務システムも同様にシステム開発ばかり急いで、ザイムスの機械が各担当課に適量設置されないと混乱を招くと思います。現在でもザイムスが全課に設置されていない状況であります。無理はないのでしょうか。予算のかかることですから、じっくり計画し、むだのないシステムにしていただきたいと思います。市民にとって、全国初という称号は直接的に何の利益ももたらしません。極論すれば、行政のエゴだと言われても仕方はありません。市民はきちんとしたシステムで、最少の経費で最大の効果を生んでもらうことを望んでいると私は思います。
 次に、15年度事業の情報セキュリティー、国際基準認証取得についてお尋ねいたします。以下、この基準のことを略して国際基準と申し上げます。IT化が急速に進む現代社会では、情報セキュリティーは重要な問題で、市民情報を守ることは自治体にとって重要な課題であります。しかし、国際基準の認証取得は、ほかをおそろかにしてまで急ぐ必要はないと思います。つまり情報セキュリティーシステムのシステムづくりは迅速に慎重につくられるべきですが、国際基準レベルのシステムが急いで構築できれば、国際基準の認証取得はそれほど急ぐことでもないと思うのです。急いで国際基準の認証を取得するよりも、同じ経費と時間でもっとよいものをつくれればと思うのであります。この国際基準については、三鷹市も認証取得を表明しています。
 そこで、市川市では全国初になるように短期間の認証取得を目指しているのかを伺います。また、国際基準の認証取得には最短でも9カ月の期間を要すると言われておりますが、認証取得の時期はいつぐらいに設定されているのか。また、ある程度のコストがかかったとしても、市川市は全国初を政策目標に置くのかをお伺いいたします。
 続いてランニングコストについてお尋ねいたします。IT化すると、公共事業の建築物並みに維持管理費がかかると思います。公共事業はその後、数十年にわたって、目に見える形で市民全体に利用価値を与えますが、不十分、不必要なIT開発は市民のチェックが難しく、管理費だけは毎年かかってしまいます。15年度当初予算で言うと、情報システム費の委託料や使用料及び賃借料など新規事業開発分も含めて、維持費用だけで約8億3,000万円が計上されております。これからの自治体にとっては不可欠な費用ではありますが、市民の目から見れば途方もない金額であります。そして、これらのほとんどがIT化関連の維持経費でありますので、何らかの形で類似の費用が毎年かかってくるわけであります。また極論すれば、10年で83億の事業になるということになります。これだけのランニングコストをかける事業について、新しい事業だけではなく、既存の市民サービスシステムはどうなっているのかを検討しつつ、お尋ねしたいと思います。
 先ほど質問させていただいた14年度、15年度事業の庁内LANシステムには、開発費を含めた多大なランニングコストが必要になります。しかし、既存のシステムについての経費はどうなのでしょうか。職員の残業が多い部署は大概事業担当課のようであります。既存のシステム開発やSEの補強があれば状況も変わると思います。残業状況を見ていると、新しい取り組みにかける予算はあっても、既存のサービスを受けている市民への配慮に欠けているように思われるのであります。例えば14年度は、国で大きな医療費の制度改革が行われ、老人医療、乳幼児医療、障害者の医療費助成など、市民にとって大きな変化がありました。それぞれの医療費の助成金振り込みのシステムが補完、相互関係にあるので、そのためのシステム開発費、SEの補強にも十分な予算をとり、市民サービスの充実を図るべきではなかったのではないでしょうか。制度そのものだけが議論され、つくられても、それを処理し、振り込まれるまでの過程が無視されては、本当のサービスの充実とは言えないのであります。医療費制度の改革後、半年が経過いたしましたので、既に継続的にSEが配置されるなど対策ができていると思いますが、どのようになっているのかは疑問であります。SEも職員も従前の業務をこなしながらの新規事業の開発、運営作業は能率が悪く、市民サービスのおくれを誘発します。そして、役所内のパソコンの数も不足している状況であります。パソコンの購入を職員の自己負担に任せたり、また庁内を歩いていますと、依然として古いコピー機、ファクスなど、OA機器がそろっていないようであります。これでIT先進都市と言えるのでありましょうか。市民サービスの満足度を考慮に入れて、また、既存のシステムにかける予算が不足なことを踏まえ、新事業のランニングコストについてどのようにお考えなのかをお尋ねしたいと思います。
 次に、市川市のIT化関係の契約方法についてお伺いいたします。IT化関係の機器の購入、システム開発の委託には高度な先進技術を要し、特殊性があることは理解できますが、どのような形で業者選定をされているのでしょうか。先ほども申し上げましたが、ITの導入には一時的な購入費用よりも、長年にわたる保守管理に莫大な費用がかかり、導入時にリース契約を結んだ業者と、長年に及び保守管理を随意契約で結ぶことが通例になっております。それだけ予算が必要な事業なわけですから、業者選定は慎重になされるべきであると。経済効果から言えば入札による方法、技術面で言えばプロポーザルによる業者選定が望ましいと言えるでしょう。地方自治法施行令第167条の2第1項1号には、委託契約の随意契約は50万円以下となっております。例外として2号随契がありますが、IT導入の場合は長年にわたって税金が使われる事業なので、公然と入札を行った方が、何といっても市民にわかりやすいのではないでしょうか。そうでないと、IT事業は不透明きわまりない税金の使い道と言えるでしょう。
 市政情報センターで13年度の情報システム課の委託契約を閲覧しますと、全部、随意契約でした。第2次財政健全化計画の経費削減視点に随意契約の排除がうたわれております。市長が強力に進めるIT関係だけは除外、特例なのでしょうか。契約を短期間で締結させ、日本初を目指すには随契がよいでしょう。しかし、一般に随意契約は不透明な点が多く、不経済で業者との癒着も生まれやすいと言われております。工事契約の場合は一定金額を超えると指名審査会が開かれますが、委託契約の場合は、たとえ高額な随意契約でも合議制による審査は原則ありません。非常に不透明なのが現状であります。今はIT産業もベンチャー企業も含め、競争にかけても問題はないのではないかと思われます。
 そこで、今までの契約締結方法と、プロポーザルによる随意契約を行った場合にはその契約名と年度、公示の方法と時期、プロポーザルの参加業者の選定理由を教えていただければと思います。また、急ぎで行っている情報国際基準の認証にかかわる委託契約は随意契約かもお尋ねしたいと思います。
 次に、第3点目の市民とのパートナーシップについて質問をさせていただきます。
 まず、低投票率の問題についてお尋ねをいたします。低投票率は民主主義の危機的状況であります。政治的無関心、無気力は低投票率のあらわれであります。政治の腐敗、停滞の原因にもなります。このたびの市議会議員選挙の投票率は38.66%、千葉市長2期目の市長選挙の投票率は25.22%と、人口40万人を超える市として、あってはならないことではないでしょうか。私は選挙後、自分の初当選の事実を感じられないほどショックで、ふがいなさでいっぱいでありました。それだけ市民にとって、市川市の政治及び政策には魅力的な要素がなく、立候補者への魅力も期待も薄いということになります。市長はさまざまな日本初の試みを見ていますが、残念ながら市民には十分理解がされていないようであります。これからは地方分権が進み、地方自治体が試される時代であります。財政難の折でも、市民に理解され、期待されるような魅力的な市政をつくるには、市長のリーダーシップだけが先行するのではなく、議会での活発な議論、職員の意見の取り入れなどが必要かと思います。そこで、市長は市長選挙のときの低投票率の現実をどのように受けとめ、政策責任をどのようにお考えになったのか。市民とのパートナーシップは築けているのかをお答えいただきたいと思います。
 最後に、行財政改革についてお伺いいたします。
 まず、事務事業評価についてでありますが、平成11年度から毎年行われているようでありますが、次の2点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず1点目が、事務事業評価それ自体の見直しはないのかどうかをお尋ねいたします。事務事業評価は、事務事業目的評価表をもとに行われているようであります。その評価表の2年度分が私の手元にありますが、評価表になじまないと思われる事業が多いことが一目でわかります。目的評価表になじまない事業は担当課で工夫されているようでありますが、福祉や教育の分野で計量可能な尺度の設定は難しいとされています。また、同じ様式なら、毎年行う必要がない事業もあると思うのであります。この表をつくるために各担当課がかける時間やエネルギーを考えると、非能率的でむだなこともあるかと思います。事業は部局単位で計画されるので、重複する事業や非効率的なものがあり、そのようなものを整理するには非常に有効的でありますが、毎年同じことを行う理由はあるのでしょうか。また、事務事業評価をつくるための職員の時間外労働はあるのでしょうか。予算作成時に予算のシーリング枠を決めているわけですから、事業担当部はそれに沿った事業の整理を必然的に迫られるわけであります。事務事業評価の作成と予算資料作成作業が重複し、コストになってはいないのでしょうか。予算面だけではなく、事務の作業的能率を評価するなら、せっかくスタッフ制にしたのであります。スタッフとラインである課長の権限を利用して各担当課で議論するのが望ましい形と言えるのではないでしょうか。また、行政の担い手であるストリートレベル職員の生の声をどのように取り入れているのかも疑問であります。直接市民と接しているサービスの最前線にいる職員の意見を取り入れなければ、つまり市民の声を無視することになるのではないでしょうか。
 第2点目に、政策責任の明確性についてお尋ねいたします。事務事業評価システムは、市長を初めライン上層部の責任逃れ、また、隠れみのになる危険性があるということであります。なぜなら、事務事業評価システムでの1次的評価は担当課によるものとされているからであります。事務事業見直しに関する主要な結果を見ると、ほとんどが扶助費であります。確かに財政難の折、公平化を図るため、扶助費を一度見直すことは必要であります。しかし、扶助費の削減などを担当課によるものとすると、一般の市民からは責任の所在がわかりづらくなります。削減に正当な理由があるのでしょうから、市長を初め責任者の政治的、政策的判断を積極的に明言、明記し、市民にわかりやすい形で責任の所在と目的を明らかにする必要があると思います。そうすることで担当課も積極的に評価を行うことが可能になりますし、行政のトップが自己の責任のもと、削減方針を公にすることで、担当セクションでも歯に衣を着せない市民への説明責任が果たせるのではないかと思います。先般行われた東京都での福祉見直しの際の石原都知事の発言は都民に強烈な印象を与え、責任の所在を明らかにいたしました。
 そこで、事務事業評価に基づいて行われた政策の責任の明確化と今後の扶助費削減に関する市長ご自身の説明責任についてお尋ねしたいと思います。
 補足になりますが、現代の行政改革はNPMの考えをもとに3Eを重視する手法がメーンになっています。私は3Eを重視する余り、市川市の行政改革が冷静な打算のみに偏らないことを期待いたします。
 続いて組織改正についてお尋ねいたします。組織編成というと、それにかかわる経費の部分が見落とされがちでありますが、何事も実行するにはお金がかかるわけであります。本市の配置がえや組織改正に伴う引っ越し費用、備品購入費用等は900万円を超えております。これは引っ越しなどの費用だけで900万円であり、担当課レベルでは消耗品、つまり受付印や納付書などを入れる封筒の印刷など、そういった900万円にあらわれない経費も多分にあると思います。組織改正の中には、業務内容が一切変わらず、課の名前だけが変わったところもあり、以前に比べ、すこぶる市民にわかりやすい名称になったと私には思えないところもあるのであります。にもかかわらず、課の名前を変更する必要がどれほどあったのか。また、今後大きな組織改正が予定されているということでありますが、今までの組織改正にむだはなかったのか。費用対効果はどうだったのかを伺います。
 また、組織改正に伴う事業チームについて2点お尋ねいたします。
 1点目は、ある特定の事業チームをつくるという発想は各部各課からの発案、つまり下からの発案なのか。また、政策決定ラインである市の上層部の構想であるのかをお尋ねいたします。私は事業チームに迅速性、柔軟性があり、これからの行政には必要なものだと思っております。しかし、事業チームのあり方について予算的配慮がなされないと有名無実化されるおそれがあります。また、横断的な課題に専門的に対応するわけですから、各部各課から発案された事業チームが結成されなければなりません。全部が企画部づけでは予算的、組織的に無理があると思うのです。例えばIT化の質問のときも申し上げましたが、14年度は医療費で大改正がありました。そして、医療費改正は非常に短期間で市民サービスの結果を出す必要がありました。医療費改正に影響を受ける部は、今、私が思いついただけでも保健部、こども部、福祉部などがあり、それらのシステムを管理する情報システム課の企画部まで入れると4部にまたがっているわけであります。医療費は市民ニーズも多く、複雑で専門的な知識が必要とされるのですから、事業チームが結成されてもよかったのではないかと思います。企画部ではどうお考えだったのでしょうか。
 2点目は、以上のことを踏まえ、今後の事業チームの組織はどのようにつくられていくのかをお尋ねいたします。
 そして最後に、かなり時間もなくなりましたので、市長の海外視察全般について伺います。先に申し上げておきますと、私は海外との交流を否定するものではなく、また、どんどん行くべきだと思います。そして、今後の自治体には必要な事業だと思っております。その上で質問をさせていただきます。市長は常に市民の目線、最少の経費で最大の効果、費用対効果と言われておりますが、財政難の折、海外視察費用について、細部にわたって、ご自分ではどうチェックされ、今後、費用的にはどのようなアクションをされるのかを伺います。また、国内旅費については旅費の改正を行ったようでありますが、海外旅費については改正がないようであります。いまだに国家公務員の例に準拠するとなっておりますが、市川市独自の条例の制定についてはお考えはないのでしょうか。そして、海外視察の事務事業評価はどうなのかをお伺いし、第1回目の質問とさせていただきます。
岩井議長
坂下議員に申し上げますが、答弁時間が十分ない可能性もございますので、それはご了解ください。
 経済部長。
〔中野克之経済部長登壇〕
緊急地域雇用創出特別基金事業について何点かのお尋ねにお答えいたしますが、時間も大分迫っておりますので、簡潔に答弁させていただきたいと思います。
 お尋ねの1点目の、委託先企業は市内か、市外かについてでありますが、現在行っている緊急雇用事業は第2次の事業でありますけれども、委託事業のうち投棄管理業務並びに保育園の環境整備事業等4件につきましては、まだ契約が済んでおりません。そのほか、契約の済んだ5事業のうちITコーディネーター活用事業、これは情報処理技術者を市内の各学校に定期的に巡回させてコンピューター教育の一助とするものでありますけれども、これについては市内に派遣できる企業がありませんので、事業を確実に履行できる市外の企業にお願いしているという、こういうことになっております。そのほかの事業といたしましては、異物の除去作業事業とか駅前環境美化パトロール事業、これは市の清掃公社にお願いしております。あるいは、放置自転車の対策事業につきましては市川のシルバー人材センターでございます。また、ホームレスの巡回指導や自立支援事業につきましてはNPO法人の市川ガンバの会など、こういった市内の事業所に委託しているところでございます。
 次に、委託事業とは市川市民を雇用する取り決めがなされているかということでありますけれども、実はこの事業を行うに当たっては、国の指針をベースとした県の交付要綱に基づいて実施されております。この要綱では、事業の実施機関だとか、人件費とか事業費の内訳、さらには雇用する際には、現に失業している者であるかの確認をするなど、かなり細かい条件をつけております。この事業は、しかし失業者の住所要件、すなわち市川市の場合には市川市に居住する失業者であることなどの、こういった規定はございません。あわせてこの事業は、国の緊急的雇用対策事業との位置づけがあります関係で一地域だけの限定事業ではないと、こういったことから、相手方とは必ずしも市川市民を雇用するといったような取り決めは行っておりません。
 最後に、この事業全体での市川市民の雇用状況でありますけれども、平成14年度実績では、雇用人数95人に対しまして市川市民は52人、全体の54.7%、平成15年度事業の現在実施しております6事業のうちでは、雇用人数42人に対しまして市川市民は36人、85.7%となっております。加えて第2次事業の3年度目になります16年度につきましては、これから各部と調整して県と協議をしていくと、こういう運びになっております。
 以上、経過と実績を中心にお答えいたしましたけれども、今年度の残りの事業や来年度の事業実施に際しましては、できる限り市川市民の失業者を雇用できるよう意を用いてまいりたいと、このように考えております。
 以上であります。
情報システム部長。
〔井堀幹夫情報システム部長登壇〕
IT化について4点のご質問にお答えします。
 ご案内のとおり、いちかわ情報プラザは昨年5月に地域の情報化支援拠点としてオープンいたしました。開設して1年になりますが、IT先進都市市川の中心的な施設として内外からの注目を集め、全国の自治体、議会関係者、さらには海外からの視察を数多く受け入れているところであります。この情報プラザにおきましては、市川市が電子行政サービスの拠点として利用しているばかりではなく、IT関連を中心とした民間企業や個人事業者、NPO法人など20業種、29の団体が入居しております。1日当たりの利用者人数は、従業者204人、来客、施設利用者約300人で、これらを合わせますと毎日約500人の方々が利用されております。決して職員だけが利用している施設ではございません。特に中小企業やベンチャー企業を対象に新しい経営技術を身につけるために、大学教授や専門家を講師に招いたセミナーの開催並びに地域データセンターとして、地域の情報や最新技術、通信設備を共同利用する取り組みは、地域の活性化につながる情報プラザとして効果的ではないかと考えております。
 そこで情報プラザの帳票などの搬送に関する質問でございますが、情報システム部門の移転計画を検討する中で、帳票や入力データの搬送に関しましては関係課の職員と協議を進め、その対策を講じてまいりました。その第1の対策といたしましては、昨年6月に職員の机にオンライン端末を設置することで、業務内容を画面から確認できるようにしたことで、台帳など29種類、約39万枚の帳票の印刷を廃止いたしました。また第2の対策として、これまで職員が搬送していた帳票などの搬送作業を民間業者へ委託することによりまして、月160回分の職員の作業を削減いたしました。さらには、納税通知書など約69万枚の帳票の封入や搬送の作業につきましても、民間業者への委託に切りかえております。このように、これまで職員による搬送作業はかなり削減してまいりましたが、まだ職員でないと作業できないものが残っておりますことから、毎日15人程度の職員が情報プラザに来て作業しているのが実情でございます。この点につきましては、市民サービスの低下や個人情報の漏えいなどの問題はないよう作業しておりますが、職員への負担もありますことから、今後、民間業者への委託範囲の拡大や各課の事務所での帳票を印刷できるシステムの導入を検討してまいります。
 次に、14年度、15年度事業に関するご質問でありますが、電子決裁、文書管理システムは、平成13年度から庁内8課、22人で構成するプロジェクトチームを編成し、システムの基本仕様について検討を進めてまいりました。その後、14年度にシステム構築作業を行い、現在は全庁職員を対象に説明会やシステム操作研修を終え、一部の部署でテスト運用を実施しているところであります。本稼働の時期につきましては、庁内において十分な環境が整った時期を見て運用を開始する予定でございます。なお、電子決裁システムの合い議の方法でございますが、職員全員が本人のみしか利用できないICカードを所有し、パソコンに接続いたしましてパスワードを入力し、画面上のボタンを選択する方法にて行います。また、ペーパーレス化でございますが、情報がデジタル化されることで検索や分析が容易になるばかりでなく、場所や組織を超えて情報の共有化やスピーディーな情報の伝達ができるというメリットがございます。ペーパーレス化とは、このような効果を生み出すことがねらいで、必ずしも紙を使わないでコストを削減するといった考えで取り組んでいるわけではございません。IT化が幾ら進みましても、紙の方が能率的で、仕事をする上で便利な場合もございます。紙への情報出力は、時と場合により必要であり、利用すべきだと考えております。
 また、既存のシステムの見直しや維持管理をおそろかにしているのではないかというご質問でありますが、本市では庁内LANシステムを維持管理するに当たり、技術者、SEをこの5年間に3人から15人に増員確保し、既存システムの品質向上を目指してシステム変更などに取り組んでまいりました。この結果、昨年度の実績によりますと、事業課から要望のあった151件のシステム変更作業を行っております。これは従来に比べますと、システム変更の生産性としては60.6%向上したことになります。
 次に、情報セキュリティー国際規格の認定取得に関するご質問ですが、本市は住基ネットシステムや公的個人認証システムなど、個人情報を取り扱う高度なセキュリティー対策が求められるシステムの運用が開始されますことから、他市に先駆けて、これまでさまざまな対策を講じてまいりました。本年度は、さらに本市の情報セキュリティー対策の取り組みを国際基準に準拠した第三者機関の認定を受けることで、より精度の高いセキュリティー管理体制を維持し、市民の皆さんに安心をしていただけるものと考えております。決して全国初を目指しているものではございません。また、認証取得にかかる契約についてのご質問ですが、国際セキュリティー基準に準拠した認定機関として認められているのは国内に4社のみでございます。今後、認定機関としての実績や体制、費用などを考慮して、契約形態、契約先を検討してまいります。
 次に、ランニングコストの考え方でございますが、本市の15年度の予算の情報システムにつきましては、コンピューターなど情報通信設備のインフラ整備に関する経費が全体の55%、セキュリティー対策やシステム保守に関する経費が36%、新規のシステム構築に関する経費が全体の9%となっております。今後、インフラ整備に関する経費は減少すると予想されますが、システム保守に関する経費は増加すると見られます。私どもの推計では、今後5年間に情報システムの総額は一時的に増加いたしますが、5年後には現在に比べ15%以上は減少するのではないかと予測しております。既存の行政サービスに比べた場合の比較でございますが、IT関連経費である情報システム費は、福祉、保健、都市計画、教育、市民生活など、さまざまな行政サービスに関連する情報関連経費を統合し、予算化されております。したがいまして、情報システムそのものが単独の行政目的を持った事業ではなく、すべての行政サービスを向上させるための手段として位置づけられているものでございます。
 最後に、ITにかかわる本市のこれまでの契約形態でございます。パソコンや電話設備のように、調達する機器に汎用性があり、ほかとの互換性がある機器を調達する場合や、あるいは課税データ作成のように、業務内容が標準化されている業務を発注する場合などは、毎年、競争入札によって事業者を決定し、契約をしております。また、情報システムを新規に構築する場合につきましては、市側でシステムの仕様や条件を決定いたしまして、各事業者からシステム構築の提案を競っていただくプロポーザル方式によりまして、本市にとって最適なシステム構築の提案のあった事業者と随意契約をさせていただいております。平成14年度に実施した一例を申し上げますと、文書管理、財務会計システム構築事業をプロポーザル方式にして事業者を決定しておりますが、この場合、ホームページで10日間のシステム提案の募集を受け付け、また、業者登録のある事業者にも書面等によって通知し、提案を求めました。その結果、5社から辞退の申し出がありましたが、4社から提案を受け付けることとなり、提案された内容につきましては、庁内に選定委員会を設置いたしまして、組織、体制、経済性、実績、機能、安全性など55項目に及ぶシステム評価基準による書類審査及びヒアリング審査を実施いたしました。その結果、本市が構築するシステムに適合する提案者は1社でありましたので、随意契約にて契約をしております。
 今後、ITの活用がますます進展する中で、IT投資をいかにコントロールしていくかは重要であります。IT関連への投資は設備投資でありながら、技術進歩が非常に速いため耐用年数が短く、初期投資に関する保守管理費用の割合が高いという特性がございます。本市のITへの取り組みは、その内容や取り組み体制の先進性が高く評価されております。本市のIT関連への投資額を他市と比較いたしますと、15年度当初予算で、本市が市民1人当たり1,927円であるのに対し、木更津市は3,168円、千葉市2,632円、浦安市2,503円、市原市2,362円となっております。IT先進都市である本市が必ずしも多額の予算をIT関連経費に投じているわけではございません。ITは今後の自治体の業務を大きく変革すると同時に、自治体経営にも大きな影響力を持っております。ITへの投資が自治体経営上、将来の経営負担の増加にならないよう、慎重かつ適切な関連機器やシステムの導入に努めてまいります。
 以上でございます。
企画部長。
〔永池一秀企画部長登壇〕
市民とのパートナーシップについてと行財政改革についての(1)番、事務事業評価、(2)番目の行政組織についてお答えをいたします。
 初めに、市民とのパートナーシップについてお答えをいたします。まず、ご指摘のとおり、市長選挙、市議会議員選挙を初め本市における選挙の投票率は概して低い状況でございます。この原因につきましては、市民の方々の多くが東京に通勤、通学し、生活圏も東京から千葉まで広がっている居住の流動性が高いということ、居住年数が低いなどから、どちらかといいますと、地域に対する愛着や市政に関する関心が必ずしも高くないといったことが従来から言われております。ただ、こうした観点に立ちますと、投票率が低いということは、市政に対する関心が必ずしも高くないということを示していると思いますので、私どもにとって大きな課題であると認識せざるを得ないところであります。したがいまして、この根本的な解決のためには、市民の方々が今以上に地域に愛着を持ち、市政に参加をしていただくことが必要であると考えまして、さまざまな取り組みをしているところであります。例えば子供のころから地域と市政に関心を持っていただくために、子ども広報の発行でありますとか中学生模擬議会の開催などを続けてまいりました。また、地域の魅力を再発見する事業といたしましては、街回遊展でありますとか市民まつりなど、地域の活動を支援してまいりました。そのほか、あらゆる計画づくりや事業実施に関して、市民の方々の積極的な参加と協力を求めてきたところでございます。市長も常々、市民の市民による市民のための行政ということを理念としておりますので、あらゆる分野におきましてパートナーシップを築くように、これからも努力してまいりたいと考えております。
 続いて事務事業評価でありますが、事務事業評価を導入した契機といたしましては、これまでの事務事業を評価する視点として、何をどれだけ整備をしたのか、どれだけの予算を投入したのかという、どちらかといいますと、行政の活動量をはかるような見方が中心でありました。このような視点からは、事務事業が市民生活の向上に実際どのぐらい成果が上がったのかということがわかりづらいものになってまいります。したがいまして、今まで欠けていた成果重視の考え方を、事務事業評価システムを導入することによって取り入れてまいりたいということであります。それに加えて、事務事業が実際の市民生活にどのような成果として生かされたのかという視点を職員1人1人が持つことにより、投下した費用の効果を検証するということが重要になっているというふうに感じております。
 ご指摘の政策責任というお話がありました。この政策責任につきましては、この制度の前提となるものが担当部門の自己評価であります。そこで現在では、担当部門の自己評価を第1次評価といたしますと、2次評価として、企画部門、それから財政部門が合同でヒアリングを行いまして客観的な評価を行った上で、最終的には市長、助役のヒアリングで決定をしていくという、いわゆる3次体制の評価をとっておりますので、そういう形での政策責任というものは図られているのではないかというふうに感じております。
 また、行政組織でありますが、組織につきましては、よくアメーバーのようなものであると言われておりますけれども、社会経済情勢の変化に合わせまして組織を変えていく必要があるというふうに考えております。ただ、組織改正というものは必ずしもスリム化一辺倒ということではなく、市民サービスにつなげるためには、時には組織をふやすことなども必要ではなかろうかと思います。今まで市民の皆様や職員に定着し、なじんでいた組織が変わることは、組織の存続期間が長ければ長いほど、逆に混乱が生まれるのではないかと、このように考えております。ただ、それだけ組織を変え、新たに定着させていくということはやはり勇気の要ることでありまして、大変なことであろうということであります。いずれにいたしましても、この組織につきましては市民サービスが第一であります。そういう面を中心に考えてまいりたいと思います。
 また、ご指摘の事業チームの件でありますが、とかく所管中心に物事を考え、実行するということが行政では多々あります。そういう視点を変えて柔軟な体制、いわゆる横ぐしを刺すような、そういう組織を目指しているということでご理解いただきたいと思います。
 また、医療費等の部分につきましては、例年、7月と12月に人員要求でありますとか、その辺のところのヒアリングをやっておりますので、そういうヒアリングの中で各所管の意見を聞きながら十分対応してきていると、こういうことでございます。
 以上でございます。
文化部長。
〔小林 巧文化部長登壇〕
行財政改革についての(3)姉妹・友好都市訪問、海外視察についてお答えいたします。
 本市はアメリカ合衆国のガーデナ市、中華人民共和国の楽山市、インドネシア共和国のメダン市の3市と姉妹・友好都市を締結し、これまで公式訪問団を初め市民団や青少年交流など、多様な交流の実績を積み重ね、大きな成果を上げてまいりました。そこで、この海外視察の費用についてのお尋ねですが、市並びに議会の代表者から成ります公式訪問団派遣に伴う海外旅費の費用につきましては、予算要求の段階で相手市との協議に基づいた交流事業の目的により、派遣日程、派遣人数など、その効率性を精査し、旅費支給条例に定められた基準に基づき、適正かつ最小限の予算を計上させていただいているところです。なお、この旅費支給条例22条で、海外視察の旅費の支給については別の基準がございまして、ご案内のとおり、国家公務員の旅費に関する法律に準拠する形で定められております。行財政改革が叫ばれている中で、派遣期間だとか人員、日程については改めて内容を精査し、両市において有意義で、かつ効率的な交流が図られるよう努めてまいりたいと思います。
 また、この事務事業評価におけるご質問ですが、姉妹・友好都市交流事業につきましては、これまでも多くの実績と成果に対し、事務事業評価では高い評価を得ております。世界の都市と都市、市民と市民がお互いに正しく理解することは、国際平和の実現にとって欠くことのできない重要な手段と考えておりますことから、今後も国際社会に貢献できるよう、国際交流事業をさらに推進していきたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
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