2003年12月定例市議会 第2日目

200312月定例市議会 第2日目
議案30
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂下しげき議員。
おはようございます。
 なお、私は総務委員会の委員で、所管の委員会となりますので、大綱にとどめて質疑させていただきます。
 まず、この市川市特別職報酬等審議会条例の制定は、制定当時の議員の政治理念とご尽力等により、市民と議会及び首長の信頼関係の向上を目的として議決されたものであります。したがいまして、当該審議会は市民、議会、行政の共通尊重認識のもとに成り立っている審議会であります。つまり、この市民、議会、行政の共通尊重認識があることにより、審議会の建議及び答申に重みが出てくるのであります。また、当該審議会条例及び審議会については、市民、議会、行政、すべての立場の人がどの角度から見ても、中立性が保たれていることを明白にしなければなりません。私の質疑の大前提は、審議会の中立が確保されていること並びに行政庁の恣意的な附属機関でないことであります。したがいまして、以上の点を踏まえまして順次質疑させていただきます。
 


 まず、審議会が担任する職務として、今回、第2条に退職手当が加えられましたが、第1点目として、各種手当がある中で、当該審議会が担任する職務として退職金のみを限定して加えた理由についてお尋ねをいたします。
 地方自治法第204条第2項には、市長を初め同法同条第1項に列挙された者には、約30近い手当の支給が条例制定を条件に認められております。実際、市川市でも、条例により、市長等には退職手当を初め調整手当、期末手当、通勤手当などが定められ、支給されております。今回、一般職員の退職金は減らされようとしているのに、市長の退職手当を定める条例の改正議案は見つかりませんでした。まさかこんなことはないと思い、何度も見返しましたが、ありませんでした。本来ならば、審議会に建議される前に市長の退職手当条例の改正があっても不思議ではありません。しかし、今回は多分、それにかえて、この審議会条例の一部改正であるのですから、給与関係条例全般の任命権者である市長の給与について、お手盛りのそしりを招かないためにも、審議会の職務を退職手当に限定すべきではないと考えられます。
 そこで第1点目といたしまして、なぜ退職手当に限定しなければならなかったのか。また、その他の手当については議論がなかったのかお答えください。
 次に、第2点目といたしまして、他の条例との調整について質疑いたします。大綱にとどめて質疑しなくてはなりませんので、本来なら法律や他市町村との関係についても言及すべきですが、ここでは市川市の給与関係条例と調整についてだけ質疑させていただきまして、他の審議会条例との調整については第3点目の法的拘束力の問題と同時に質疑させていただきます。
 まず、市川市の給与関係条例との関係で申し上げますと、今回、改正条例の第2条では「市長の給料」となっており、「給与」とはなっておりません。しかし、他の市川市の条例は「給与」となっております。つまり「給料」と「給与」の違いですが、法令上、一般的に公務員の場合には、勤務に対する評価と対価として「給与」が用いられます。しかし、特殊な用例として、地方公共団体の職員の給与については、基本給の部分だけを指して「給料」の用語が用いられております。つまり第2条で「市長の給与」ではなく「給料」としたのは、この審議会条例の立法意図として、審議会の職務としては基本給に関するのみの事務掌握でしかなく、各種手当及び費用弁償については審議会の調査権が及ばないようにしたと考えられます。また、手当もそうですが、特に外国旅行の旅費など費用弁償の部分についても不透明な部分が多く、条例の規定もあいまいなものが多いので、審議会で担任する職務を給料としたことについて疑義を抱かざるを得ません。
 したがいまして、第2点目の1といたしまして、第2条条文中「給料」としたことの理由についてお答えください。
 次に、第2点目の2といたしまして、第2条では、市長、助役、収入役、固定資産評価員、常勤の監査委員及び教育長が並列で規定されておりますが、教育長に関しては給与条例が別個に定められており、手当や勤務条件についても異なっております。にもかかわらず、市長、助役などと並列で規定し、「給料」という用語で結ぶことについてはどのような立法趣旨があったのかお答えください。
 続いて第3点目の第2条条文の法的拘束力の強化について、他の審議会条例との調整を兼ねて質疑させていただきます。
 もとより審議会は市の附属機関であり、委員会など執行機関とは異なり、行政庁に対する拘束権限はありませんので、私は審議会の性質上、許される範囲内で拘束力を強化するという側面から質疑をさせていただきます。したがいまして、地方自治法第138条の4第3項及び同法第202条の3に定める審議会の法的性質、行政実例等について長々とご答弁されるのは控えていただきたいと思います。
 それでは、まず前提といたしまして、審議会は時として行政の隠れみの的存在で、首長の言いなりにあるおそれがあると指摘されています。特にこの審議会条例は、行政のトップである市長や特別職の給与を審議するものであり、なおかつ、この審議会条例は市民と議会と行政の信頼関係によりできたという特徴を備えた常設の審議会であります。したがいまして、この審議会条例は、審議会の行政からの中立性や審議会権限の強化を条文上よりタイトに規定することが市民に対する透明性、明白性のあかしになり、信頼につながるものであります。また、審議会はあくまで市長の諮問機関であり、純粋な民意の反映、パブリックコメントではありませんので、この審議会が広く民意の反映につながるような条文上の工夫が必要であると考えます。まず、私は9月議会において、市川市行財政改革審議会についての審議会の性質について質問したところ、企画部長から、単なる諮問機関であるとのご答弁をいただきました。
 そこで第3点目の1といたしまして、この市川市特別職報酬等審議会は行政機関が意見を聞くための単なる諮問機関であるのか。または、審議会として例外的な行政庁の意思決定に参加ないし関与する参与機関的な審議会であるのかお答えください。
 次に、他の審議会条例では、第2条における審議会の任務の中立性を確保し、より多くの民意を反映するために、委員を公募で選任する規定や再任を1度に限る規定を設けております。
 そこで第3点目の2といたしまして、今回、この審議会条例を一部改正する際に、他の審議会条例に合わせる形で委員の公募及び再任の回数制限のような規定について改正することは考えられなかったのかお答えください。
 続いて第2条の強化という側面でお尋ねいたします。
 まず、第2条では、「調査、審議し、市長に対し建議する」となっております。ここでは建議とは、諮問機関が行政機関――この場合は市長ですが、市長に対し、将来の行為に関して意見を申し出るという意味です。建議は、諮問機関が自発的に意見を開陳する場合に用いられるので、条文の後の方に出てくる答申よりも積極的な用語にも感じますが、この条文だと、審議会の建議に対する行政機関の実施に関しては審議会の事務掌握が及ばない消極的な側面があるとも考えられます。実際に市川市の他の審議会条例である市川市高齢化社会対策審議会条例は、この点について、より積極的に行政機関に対し実施を促すような建議のあり方を規定しております。
 そこで第3点目の3といたしまして、審議会の建議、答申に対する実施を審議会が市に促すような規定の制定は考えられなかったのかお答えください。
 第3点目の4といたしまして、この点について内閣法制局に問い合わせたところ、国では法的拘束力のない審議会の建議、答申により強い権限を持たせるための工夫として、法文上、建議を尊重するものとするという尊重規定を通常置いているということでした。つまり行政庁が審議会の建議を使いたいときにだけ使って、そうでないときは無視するようなことを避けるため、尊重規定を置いているということであります。この点については、市川市ではどのようにお考えなのか。また、第2条を建議と答申と2つに分けて尊重規定を置くことについては議論がなかったのかお答えください。
 第3点目の5といたしまして、審議会は合議制の機関でありますから、建議、答申には時間がかかり、その点も行政庁が恣意的にできる可能性を与えてしまいます。審議会の有効性を高めるため、審議会の運営について、例えば会長の招集する会議の開催根拠、理由について明白性を持たせる必要があると考えられますが、その点についてお答えください。
 以上、第1回目の質疑とさせていただきます。
〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕

岡部議員。
議長にお尋ねしますが、今の質疑を聞いていて、これが大綱のみにとどめる所管の委員会の委員の質疑だというふうに議長は聞き及びましたか。
 
岩井議長
お答えいたしますが、最初の質疑でございましたので、ある程度の発言については聞いた上で、議長としては、次回以降の質疑内容については注意をすべきことがあればしていきたいと、かように思っております。
 
岡部議員。
それは違うよ。
 
岡部議員に申し上げますが、今後は十分注意して、発言者にも大綱にとどめるということの申し合わせを十分理解していただいて発言をしていただくと、こういうことを再度お願い申し上げます。
〔「議長、議事進行」と呼ぶ者あり〕

小岩井議員。

議運委員長の発言ですけど、岡部さんですね。
 それともう1つ、議員になって、まだ1年たってない人の質問については、もう少し温かい目で見てやる必要があると思うんですよ。ですから、そういう面から言って、私は大綱を踏み外してない、このように思います。したがって、議長として、きっちりまとめてください。
 
ただいまの議事進行については、議長としてはご意見として伺います。
〔「議事進行」と呼ぶ者あり〕

鈴木啓一議員。
 
私も大いにやらすことはいいと思うんですが、議運でも、意見とか、要望とか、これは質疑ですから言わないということは理解できるんですが、所管の委員会であれば、それは常任委員会で十分やれるわけですから、そこのところと、あと委員会送り。
 以上。
 
ご意見として伺います。
 答弁を求めます。
 総務部長。
お答えいたします。
 まず初めに、ご質問者から市川市の特別職報酬等審議会の設立に伴う歴史的な経緯と位置づけについてお話がございました。おっしゃるとおりの経緯、背景がございます。当時の誕生させるための背景には高い政治的な理念、そして市民、議会、行政の信頼関係に基づいた共通の認識があり、そして、この審議会の中立性を確保していこうという大きな目的の中で生まれた審議会であると私も認識しております。そのような中で今日まで来ている、この特別職報酬等審議会でございます。そこに新たな審議内容を拡大させていただくという趣旨についてご理解いただきたいと思います。
 そこで、ご質問の1点目にお答えさせていただきます。退職手当に限定した理由についてということですが、現在の特別職報酬等審議会は、その任務として、市川市議会議員の報酬及び市長の給料に限定いたしまして、調査、審議事項としております。しかし、近年、首長の市長の退職手当につきましては、いろいろ議論がされております。マスコミ等でも取り上げられております。そこで退職手当についても、その額の決定に至るプロセスにおいて民意を反映することが、市民との協働の時代、行政の公開性と言われている今日的な課題の中で大変重要なことではないかと私ども認識いたしまして、より公正性や透明性を確保するための審議事項に加えたということでございます。
 この退職手当に限定した具体的な理由としまして、さらに申し上げますと、国家公務員の特別職を例にしますと、特別職の職員の給与に関する法律第7条の2の規定によりまして、「調整手当、通勤手当及び期末手当の支給については、一般職の例による」とされており、人事院勧告で一般職の諸手当が改正されますと、それに連動しまして特別職も改定されているところでございます。本市におきましても、国と同様の考え方をとり、特別職の給与、旅費及び費用弁償に関する条例第3条第3項の規定によりまして、一般職の諸手当が改定されますと、連動して改定されることとしております。このため、これらの諸手当につきましては審議対象とはいたしませんでしたが、退職手当につきましては一般職に連動して改定することとなっておりません。そこで今回、審議対象として慎重審議をしていただきたいということでございます。
 ところで、特別職の退職手当について、さらに申し上げますと、一般職の退職手当の改定に伴い、なぜ連動して改正しないのかということですが、特別職と一般職とでは、その職務の内容及び責任の度合いが大変異なる。全国各市と同様に、この点については別個に退職手当を条例化し、それぞれの計算式に基づき支給されているというのが現状でございます。このことから、特別職の退職手当につきましては、今回、特別職報酬等審議会の審議、調査の対象とさせていただきたいというものでございます。
 2点目の、他の条例との調整についてというご質問がございましたが、特別職の職員の給与、旅費及び費用弁償に関する条例、また、一般職の給与に関する条例では「給与」となっておりますのに、なぜ「給料」に限定しているのかということですが、昭和39年の条例制定時に、国の通達にもありますが、市長、助役、収入役の給料と規定されて以来、給料を審議事項としてきて今日までに至っております。給与と申しますのは、先ほどご質問者もおっしゃっておりましたが、給料と諸手当を含むわけですが、諸手当につきましては、先ほど申し上げましたとおり、一般職の諸手当が改正されますと、連動して特別職の諸手当も改正されるということになっておりますので、審議会の審議対象とはしなかったということでございます。
 また、3点目のご質問の、第2条条文の法的拘束力についてということでございます。本市の特別職報酬等審議会は、市議会議員の報酬及び市長の給料について調査、審議し、市長に対し建議するとともに、市長の諮問に応じ答申をすることになっております。建議権につきましては、昭和53年にこの審議会が常設化されたときに有することとなったものでありますが、そのときの歴史的な位置づけというものは、先ほどご質問者からもあったとおりで、私も説明させていただいたとおりでございます。そこで、市長に対する審議会の委員として自主的に提言していただける建議権でございます。この建議権を有する審議会は、当時は全国的に見ても類がなかったもので、現在でも全国的には少数の市にしか、この建議権がございません。審議会の答申、あるいは建議の法的拘束力ということになりますが、これは他の審議会と、この意味では同様であります。市長は審議会の建議を真摯に受けとめ、尊重するとともに、条例改正議案の提出に当たっては、その趣旨を十分に酌み取る必要がありますが、法的拘束力に至るまでのものではないと認識しているところであります。ただし、この審議会が常設の機関となった昭和53年に市議会は、審議会において条例に従った権限と機能に基づき自主的に報酬等について建議がなされ議案として提出されたときは、これを尊重し、審議すると決議されていらっしゃいます。その意味では建議というものは一層の重みを持っているものと、私ども、この点については深く認識しているところであります。
 それから、教育長を含んだことについてお答えいたします。現行の特別職報酬等審議会条例では、議員及び市長の報酬等が審議対象になっております。実質的には、審議の中で議員との支給バランスということを考えたときに考慮される参考として検証は行ってきております。今回の改正で、公正性、透明性の観点から審議対象に教育長も加えた。その教育長につきましては、教育長は教育公務員特例法の規定によって一般職と位置づけられており、給与の支給が別枠でなされております。しかしながら、職務の特殊性から、事実上、一般職の給料表の適用は受けずに、特別職報酬等の改定があった場合には改正が行われているため、一般職とは別であるということ、そして限りなく特別職の役に近いということで、この審議会対象に加えさせていただいたものであります。
 ちなみに申し上げますと、先ほどもちょっと申し上げましたが、昭和39年の条例制定時、この審議会が設置されたときは、助役、収入役の給料も審議対象となっておりました。しかし、昭和46年の一部改正で助役、収入役を削除したという経緯がございます。この理由は、一般職の給料が特別職の給料を上回ったという実態が出てきたときがありました。一般職が、毎年引き上がる人事院勧告に伴う給料の引き上げに伴って特別職を上回るという現象ができたために、このとき、助役、収入役については条例独自の改正をしていくということで、この特別職報酬等審議会の対象から外したという経緯がございます。以上のようなことで、教育長につきましては、今回、他の常勤特別職と同じような対応をさせていただきたいということでございます。
 以上です。

よろしいですか。
 坂下議員。
ご答弁ありがとうございました。
 まず、今のご答弁を極論し、当該審議会については、中立性がより保たれるような積極的な条文の規定は必要ないとお考えであるというように聞こえたわけであります。しかしながら、明確な中立性の根拠がなければ、市民は信頼してくれません。
 そこで再質疑第1点目といたしまして、中立性を保つ工夫として、また、より多くの民意を取り入れるための工夫として、もう1度、審議会委員の再任回数の制限と公募の取り入れについて今後どのようにお考えなのか、具体的にお答えください。
 第2点目といたしまして、審議会の担任する職務について、限定的に条文上に列挙して制限するものなのか。例えばその他の給与として、柔軟的にその時々の時勢に合った調査、審議を行い、建議をしていくようにすることはできないのかお答えください。
 以上です。
 
以上、2点ということで。
 総務部長。
お答えいたします。
 さらなる中立性を求めていくための考え方ということですが、先ほども申し上げましたが、53年の6月の議会で特別職報酬等の引き上げに対して1万を超える市民の直接請求があったわけですが、これを重く受けとめて、議会と、行政と、そして市民が一体となって信頼関係の中で対応がとられたわけですが、そのときに改正された新たに生まれた特別職報酬等審議会が今日まで脈々とその理念を貫いているということでございます。そして、そのときの改正内容ですが、まず1点目として、臨時的な機関から常設の機関となった、建議権を有するようになった、そして委員数を10名から15名に増員し、民意の反映をさらにしやすいようにしたということ、そして会議録を作成したということです。そして私どもは、これらをこれからもさらに充実させてまいりますが、さらに市民の委員の部分につきましては、現在15名中6名が市民代表ということになっておりますが、この市民につきましても、今後は公募制ということを考えていきたいと思っております。
 以上でございます。
 

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