2004年9月13日第4日目

2004913日第4日目
議案32
 
議長
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、発言を許します。
 坂下しげき議員。
 
おはようございます。議案第32号を通告に従って質疑をさせていただきます。
 第1の落札率についてお尋ねいたします。この契約は、契約額が2億8,4025,000円で、予定価格が2億8,9368,450円になりますので、落札率は約98.15%になっております。今ここにあります9月議会の議会資料としていただいた平成16年度の工事発注状況一覧を見ますと、7件の工事発注状況が載っており、この7件中4件が議案第32号と同じ建築工事であります。そして、その4件の平均落札率は86.63%になっております。この中の建築工事で一番低い落札率のものは77.78%であります。そう考えますと、今回の制限つき一般競争入札は落札率が約98%ですので、落札率は相対的に高かったと言えます。単純には比較できないことですが、もし今回の案件について平均である86.63%の落札率であれば約2億4,600万円余りの契約金額になり、3,700万円以上低い金額で契約できることになります。また、昨年の議会のご答弁によると、平成15年度の7月現在の平均落札率は約94.6%ということでしたので、やはり議案案件については落札率は高いと言えます。落札率については、競争性が発揮されているのかどうかの判断材料として取り上げられることがあります。落札率が高ければ競争性が発揮されにくかったという判断もありますが、設計が適正であったということもあります。
 


 そこで、この議案案件は市内8社による入札でありましたが、この入札の落札率と競争性についてどのようにお考えなのかお答えください。
 また、議会参考資料を見ますと、高額な入札ほど落札率が高くなっており、議案案件についてもその傾向がありますが、通常、請負金額が高いほど値引き率が高くなる傾向にあると思いますが、これをどのように考えたらよいか、ご説明ください。
 次に、落札者の実績についてお尋ねいたします。落札者の主な経歴といたしまして、過去3年度分が議案参考にありますが、ここでは落札業者の下請発注実績についてお尋ねをいたします。
 まず、過去の議会で市内業者育成の観点を考慮されているというご答弁がありましたが、下請についてはどのような考慮がされているのかお答えください。
 次に、落札業者の実績といたしまして、下請は市内と市外の割合ではどの程度なのかお答えください。
 続きまして、設計における留意点といたしまして、学校に通う子供たちの環境面への配慮についてお尋ねいたします。環境については、厚生労働省からシックハウス症候群などを防ぐために、空気の検査などについて定めた学校環境衛生基準がありますが、事後検査も必要ですが、設計段階での化学物質の低減対策は重要であります。増築された新しい校舎は、子供たちの健康に少なからず影響を与える可能性があります。市川市はWHO健康都市プログラムに参加しているような都市でありますから、他市よりも厳格な学校環境衛生基準を用いて設計を行っていると思いたいのですが、当該議案案件の設計及び仕様書には、化学物質等に対する厳格な規定を定めた事項があるのかお答えください。
 また、建物の竣工から、生徒が実際に入室するまでの期間はどれくらいあるのかお答えください。
 最後に、入札の時期についてお尋ねいたします。当該契約案件は、インターネットで見ますと、ことしの4月に1度入札が取りやめになっておりますが、この入札取りやめの理由についてお答えください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきます。

 
管財部長。
 
ご質問の順に沿いましてお答えさせていただきたいと思いますが、ご質問項目が多いので、答弁漏れがございましたらば、ご指摘いただきたいと思います。
 初めに、落札率についての2点のご質問にお答えします。
 まず落札率ですが、昨年度の平均落札率は、ご指摘のありましたとおり93.38%で、約94%となっておりますが、これはすべての工事を対象とした平均でありまして、最も落札率が高いものは99.97%、最も低いものは57.41%とかなりの幅がございます。議会の開催時に議案の提出と一緒に、今回も3,000万円以上1億8,000万円未満の工事の発注状況一覧を提出させていただいており、今回7件の工事がありますが、これを例としましてご説明しますと、落札率97%以上が4件で、そのほかの3件は77%から85%程度となっております。7件の工事のうち、落札率が97%以上が4件あると申し上げましたが、この平均は98.19%でありまして、本件工事の落札率とほぼ同じでございます。したがいまして、議案案件であるから、あるいは金額が高くなるにつれて落札率が高くなるとは一概には言えないものであると考えております。
 また、競争性が発揮されたかどうかの点につきましては、今回の入札の制限におきましては、1つとしまして、本市の入札参加業者適格者名簿に搭載されている者、2つ目としまして、市川市内に本店がある者、3つ目としまして、本市の建築一式工事の格付等級がAランクである者、4番目としまして、特定建設業の許可を有し、管理技術者を専任で配置できる者、5番目としまして、過去10年間において、構造が鉄筋・鉄骨コンクリート造、鉄筋コンクリート造、または鉄骨コンクリート造で延べ床面積1,000㎡以上の建築物の新築工事、または増改築工事を元請で施工した実績を有する者といった入札参加資格要件を付して入札参加業者を募集した結果、Aランク12社のうち8社の応募者があり、いずれも適格と認められましたことから、この8社で入札を行ったところ落札率は98.15%となったものでありまして、適正な手続を踏まえた上で競争性が発揮され、公正に入札が行われたものであると理解をしております。
 次に、落札者の実績についてでありますが、その中の下請についての指導方法と落札業者の下請への発注状況についてお答えをいたします。
 初めに、下請の指導についてお答えします。建設工事は、ご存じのように、その特性としまして、元請、下請関係を中心とした分業関係によりまして生産活動が行われておりまして、建設産業における下請企業の重要性は極めて大きいものがあると言えます。本市におきましても、市川市建設工事指導要綱第7条の中で「元請業者の義務」としまして、元請業者は、あらかじめ自己の取引上の地位を不当に利用しないことなどを定め、さらに下請業者の選定に当たりましては第8条で、施工能力、経営管理能力、雇用管理及び労働安全衛生管理の状況、労働福祉の状況、関連企業との取引の状況等を総合的に勘案し、優良な者を選定するよう努めるものとすると規定しているところであります。加えまして、ことしの1月には、下請工事における市内業者の活用にという文書を各工事所管課に通知したところでございます。
 なお、本工事の落札業者であります大城組の本市の受注工事の下請への発注状況ですが、平成14年度におきましては下請に21件発注しておりまして、そのうち12件が市内業者への発注となっております。また、平成15年度から今年度にかけましては下請に30件発注しており、そのうち市内業者への発注は17件となっておりまして、いずれも市内業者への発注は過半数を超えております。
 続きまして、設計におけます留意点としまして、学校環境衛生基準のシックハウスについてと配置される学年についてお答えをします。
 学校環境衛生基準は、平成16年2月10日付で文部科学省より改正通知がなされておりますが、その学校環境衛生基準の内容は種々ございますので、何点か申し上げますと、照度及び照明環境に関する事項、騒音環境及び騒音レベルに関する事項、教室の空気に関する事項、飲料水の管理に関する事項、雨水等利用施設における水の管理に関する事項などについて一定の検査基準を設けたものとなっておりまして、この新基準は平成16年度より適用することとなっております。
 なお、本妙典中学校の増築工事につきましては、学校環境衛生基準に基づいた設計を実施しており、特に教室内の照明については環境に配慮するとともに、電気料金の節減が図れ、照度が向上するエコ照明を使用しております。また、教室等の空気環境、いわゆるシックハウス――学校ではシックスクールというふうなことですが――につきましては、ホルムアルデヒド及び揮発性有機化合物であるトルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、シチレンの濃度について基準が定められております。そこで特記仕様書におきましては、ホルムアルデヒドがほとんど使われていない材料を使用することと明記しております。
 生徒の使用開始につきましては、工事の完了検査後、1階と2階に2年生2クラス、3階には3年生2クラス、4階には1年生2クラスが入室する予定となっておりますので、平成17年4月7日に予定をされております新学期の授業に使用ができるよう進めてまいります。
 続きまして、入札時期について、4月の入札が取りやめになった理由についてでありますが、本工事は設計金額1億8,000万を超える工事でありますことから、ことしの3月から制限つき一般競争入札として実施するための手続を進め、4月に入札を行う予定でしたが、中国の特需の影響から鋼材が品薄となりまして、本工事の使用資材である鉄骨及び鉄筋の材料単価が設計後に50%以上も急騰し、設計金額に大きな影響があることから、関連部署の協議の結果、設計の見直しを図る必要があるとの考えから入札を取りやめたものでございます。
 なお、その後の経過といたしましては、5月、6月には資材単価の急騰が高値安定というふうな形でおさまってきましたことから、新たな単価で設計をし直しまして、8月20日に入札を行いまして、今回ご提案をさせていただいたものでございます。
 以上でございます。

 
坂下議員。
 
ご答弁ありがとうございました。確認を含めて再質疑させていただきます。
 まず、学校環境への配慮といたしまして、学校環境衛生基準に基づいた設計がなされているということでしたが、先日、市川七中行徳ふれあい施設竣工式に参加した折、何となく校内に化学薬品のにおいがかなり残っていたような記憶があります。今回の工事は3月の半ばに終わって、4月の初めに生徒たちが校舎に入るわけでありますから、その間、1カ月に足りないということになります。したがいまして、生徒が校舎に入る前には徹底した換気を行うなどの配慮が必要とされます。他市では、請負業者が工事終了後に換気を行うことなどを仕様書に盛り込んでいるところもあるので、加えてご検討いただきたい。これについては答弁は結構です。
 それでは1つ目といたしまして、下請先についても市内業者の育成を配慮しているということでしょうか。市内業者育成についてはコストと育成という観点で難しい問題もありますが、下請は市内ということを守っている業者と、そうでない業者では見積もりに差が出てしまう可能性もありますので、育成するということなら、公正を期すためにチェック体制を強化する必要があります。今回の落札者にはどのような指導がなされるのかお答えください。
 2つ目といたしまして、入札の取りやめについて鉄の高騰のお話がありましたが、確かに昨年末から価格の高騰が加速し、市場も品薄状態が続いているようですが、今回の設計金額と設計内容については全く問題がないと考えられるのかお答えください。また、今後の見込みとして、請負代金の増額変更は考えられるのかお答えください。
 3つ目といたしまして、取りやめ前と今回では、予定価格で約2,800万円の差額があります。補正予算で計上されておりませんが、予算はどのような措置がとられたのかお答えください。
 以上、第2回目の質疑とさせていただきます。

 管財部長。
 
私の方から3点についてご答弁させていただきます。
 まず、1点目の落札者の大城組にどのような指導をするのかというふうなことですが、落札者に対します指導の主な内容といたしましては、一括下請及び不要な重層下請をしてはいけないと、このように市の方で行う一連の指導の方法があります。そういうふうなものに基づきまして、市川市建設工事指導要綱を遵守し、下請代金の不払い等の紛争を起こさないような下請業者を十分指導すること、また、下請業者を選定するに当たりましては、できる限り市内業者を利用することなどでありまして、これらにつきましては、議決工事の落札者に限ったものではありませんが、落札者に対しましては、おおむね以上のような内容の指導を書面及び口頭で行っているところでございます。
 また、2つ目の設計内容と請負金額についてでありますが、中国の経済の動向、あるいは世界の鉄鋼における単価の動向を見守ってまいりましたところで、主要資材の高騰がおさまってきたことを見定めまして設計の見直しを行ってまいりましたので、現時点では、今後においては特に問題が生ずることはないというふうに考えております。
 それから、3点目の今後の見込みとしまして、請負代金の増額変更はあるのかというふうなお尋ねですが、契約後の請負金額の変更につきましては、工事を施工していく上で、必要に応じて設計内容の変更をする場合のほか、特別な要因によりまして、主要な工事材料の価格が著しく変更して請負代金額が不当になったときは請負代金の変更ができると、工事請負契約約款第21条第5項に規定されています。しかしながら、本工事につきましては、先ほども申し上げましたとおり、新たな設計を見直した後に入札を行っておりますので、したがいまして、現時点では請負代金の増額変更は想定をしておりません。
 以上でございます。

 
教育総務部長。
 
今回の入札に当たりましての予算措置の関係でのお尋ねがございましたので、お答えします。
 妙典中は生徒増に伴い、来年4月からの教室不足が予測されるということで今回の対応をさせていただいているわけですが、増築工事にかかわりまして、先ほど来話していますように、資材高騰で設計額が約2,800万不足が生じてまいりました。この予算の関係でございますが、不足額につきましては、本来ですと補正予算に計上すべきものと考えますが、9月補正では工期の点で本年度内の竣工ができなくなり、来年の4月からの生徒の受け入れに間に合わなくなるため、流用という方法で対応させていただいております。具体的には、同一目の中で工事の差金等をまず充てさせていただき、それでも不足した分につきまして、同じ中学校費の中の中学校管理費の方から工事請負費の執行差金など1,8981,250円につきまして、目間の流用を7月に行い、8月20日に入札を実施させてもらったものでございます。
 以上でございます。

 
坂下議員。
 
ご答弁ありがとうございました。
 予算担当の部長にお伺いしたいのですが、約2,800万円が流用されているのですが、流用したということは、ほかの予算科目を減額しているので、他の学校建設などが停滞するということはないのでしょうか、お答えいただければと思います。
 また、先ほど管財部長からご答弁いただきました、増額変更はないということで理解をさせていただきたいと思いますが、再度確認ですが、学校建設の担当部長である教育総務部長は、この件についてどのようにお考えなのかお答えください。
 以上です。

 
財政部長。
 
流用した結果、予定した事業に影響はないのかというご質問でございますが、当然流用いたしましたので、事業に支障はあります。ただ、この事業につきましても、来年まで対応が可能なのかどうなのか、こういったことも十分精査をした上で、先ほど教育総務部長からお答えさせていただきましたように、9月補正に計上した場合に工期が5カ月かかる、議決後の処理では工期的に間に合わない、こういうことからやむを得ず今回流用ということで対応させていただいたわけであります。
 以上でございます。

 
教育総務部長。
 
流用による影響はただいま財政部長がお答えしましたので、今回、工事が増額になるということで、再度支出が発生しないかという点でございますが、先ほど管財部長がお答えになったとおり、私どもも新たな増額が発生するとは考えておりません。
 以上です。

 議長
よろしいですか。
 以上で通告による質疑は終わりました。
 これをもって質疑を終結いたします。
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