令和2年12月定例会 一般質問(動画)

令和2年12月10日(一般質問)

1.緊急事態に対応できる財政政策について
2.緊急事態に備えた医療体制、災害・事故対策及び農業問題について
3.県民生活向上のための待機児童対策、県有施設の活用及び県と市町村との役割について
4.安心安全な県民生活を確保する道路・交通対策について
5.その他

下記のリンク(千葉県議会インターネット中継<録画>)からご覧ください。

https://www.gikaityukei.pref.chiba.lg.jp/g07_Video_View.asp?SrchID=935

◯坂下しげき君 おはようございます。市川市選出、政治に刺激、坂下しげきでございます。
 本日は、地元市川市より少数精鋭で傍聴にお越しをいただきまして、まことにありがとうございます。
 初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、闘病中の方々の一日も早い御回復を心よりお祈り申し上げます。また、医療従事者の方々を初め、現場の最前線で日夜奮闘され、過酷な状況にある全ての皆様に深く敬意を表し、心より感謝申し上げます。そして、このコロナ禍により県民の皆様方、県内事業者の皆様方は大変な御苦労を余儀なくされ、不安な日々を過ごされております。一刻も早い日常への回帰が望まれるところであります。
 私は、県民の命、生活を守ることが政治や行政の基本であり、一番重要なことだと思っております。県民の命や生活を守るためには平常時からの備えが大切であることを、この県議会において何度も申し上げ、質問させていただいてまいりました。その中で申し上げていることは、想定外の緊急事態に陥った場合でも、県民の命や生活を守る有効な政策を迅速に実行できるように、平常時から財政運営をしっかり行っていかなければならないということでございます。
 そこで、通告第1の緊急事態に対応できる財政政策についてお尋ねをいたします。
 県民が真に必要となる政策を実行していくためには、全庁を挙げて財源を確保し、限られた予算を有効に活用していかなければなりません。まず、財源確保の観点から、歳入についてお尋ねをいたします。
 当初予算では、地方消費税率の引き上げ等により前年度比約148億円の増額を見込んでおりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響等が懸念されるわけでございます。令和2年度における県税の見通しについてお答えをいただきたいと思います。
 次に、令和3年度当初予算について、各部局からの要求状況等についてお答えください。
 あわせて、歳入の見込み額についてお答えください。
 次に、財政健全化計画の取り組み状況についてお尋ねをいたします。
 今年度が最終年度となる財政健全化計画の取り組み事項として、事務事業の見直しがあります。厳しい財政状況が続く中、財源を確保し、その時々の県民ニーズに応じた政策を実施するためには、削るべきもの、削ってはいけないものを見きわめる必要があります。
 そこで、既存の事務事業について、事業そのものの必要性や事業手法の妥当性、費用対効果等をどのように検証し見直したのか。見直した内容についてお答えいただきたいと思います。
 また、執行段階での経費の削減はどのように行っているのか、また節減内容についてお答えいただきたいと思います。
 次に、通告第2、緊急事態に備えた医療体制、災害・事故対策及び農業問題についてお尋ねをいたします。
 今般の新型コロナウイルス感染症、地震、台風等の大規模災害、日常で起こり得る事故、いずれも県民の大切な命、生活を脅かすものであります。これらの脅威に対し、最善かつ迅速に対応できる体制を平常時からつくっておく必要があります。
 そこでまず、医療関係についてお伺いをいたします。市川市は千葉県内で3番目に人口が多い市であります。しかしながら、第3次救急医療機関として県内に14カ所の救命救急センターを設置しておりますが、市川市には1カ所もございません。さまざまな災害等のリスクが高まる中で、最善、迅速な対応ができるような十分な医療体制が必要と考えますが、今後、市川市に救命救急センターを設置することはできないのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、マスクの備蓄についてお伺いをいたします。マスクは感染症対策に必須であり、コロナウイルスだけではなく、地震、台風などの災害時における感染症予防としても重要なものであります。県民の命と健康を守るため、備蓄を進めるべきと考えます。今回のコロナ禍でのマスクについての教訓の1つは、高性能のものをいかにして安定的に大量に確保できるかということであったと思います。現在注目されているマスクとして、特殊ドロマイト加工フィルターを採用した高機能ウイルス防御マスクがあります。このマスクは日本で開発され製造されていることから、安定的な確保が期待できます。
 マスクの備蓄に当たっては、このような新たな技術や研究の成果を考慮すべきと考えますが、これについてお答えいただきたいと思います。
 次に、河川環境についてお伺いをいたします。河川における堤防除草作業は、河川の環境改善のほか、台風や豪雨時における河川の安全性を高める作業でもあると思います。本県では、県管理河川の主にのり面に繁茂する樹木や草などの除草について、堤防天端やのり面上部から数メートルのみ行い、のり面下部の除草を行っておりません。水面まで除草されない場合、河川が増水したときに水かさが増したり流れを悪くするなどの悪影響が考えられるわけでございます。
 そこで、堤防除草について水面近くまで実施すべきと考えますが、対応状況はどうか、お答えいただきたいと思います。
 次に、ハイブリット型発電機についてお伺いをいたします。災害時の教訓として、発電機の備蓄の重要性があります。現在備蓄されている発電機はガソリンを使用するものでありますが、東日本大震災でもわかったように、大規模災害時にはガソリンの確保は非常に難しく、長期備蓄に適さないという欠点がございます。一方、LPガスは、災害時においてもガソリンより運搬や入手が比較的容易であり、耐用性があることから、長期備蓄も可能であります。
 そこで、LPガスでもガソリンでも使用可能なハイブリッド型発電機の導入を検討すべきと思いますが、このことについてお答えをいただきたいと思います。
 次に、梨のみつ症についてお伺いをいたします。梨の生産者を悩ますものの1つに、梨のみつ症がございます。本県では、ここ数年みつ症が発生しやすい気象条件が続き、大きな被害が出ております。
 県として早急に適切な対応を図る必要があると考えますが、どのような対策を行っているのか、お答えをいただきたいと思います。
 次に、県が行う損害賠償についてお伺いをいたします。道路の管理瑕疵による損害賠償について、損害賠償支払いまでに時間がかかり過ぎ、被害を増幅させるようなケースが散見されます。中には半年以上結果が出ないケースがあると聞いております。
 なぜこのように時間を要しているのか、時間短縮のための取り組みをしているのか、お答えいただきたいと思います。
 続きまして、通告第3、県民生活向上のための待機児童対策、県有施設の活用及び県と市町村との役割についてお尋ねをいたします。
 まず、待機児童対策について、本県や市町村の努力によって確実に待機児童が減少しております。一方で、女性就業率の上昇や入園申込者数の増加傾向を考えると、さらに一定量の保育園整備を続ける必要があります。保育の質を担保しながら今後も保育園の整備を続ける場合、供給過剰にならないように、効果的かつ効率的に整備を進める必要がございます。一般的に待機児童が多い年齢は、1歳児を中心とした3歳未満の児童でございます。また、待機児童は認可保育所として必要な土地等の面積について確保が難しい都市部に集中している現状を考慮すると、小規模保育事業所中心の整備に移行せざるを得ない状況にあります。このような状況を踏まえると、確実に待機児童対策の手法について転換期に来ており、保育の質を担保しつつ効果的な整備を進めるために、次の政策にシフトする必要があると思います。国の一律の政策では本県の現状に合致しない側面があり、本県みずから考え、政策を転換する必要があると思っております。
 そこで、待機児童対策について、3点お伺いをいたします。
 まず、市町村が小規模保育事業所中心の整備にシフトした場合、卒園児の受け皿確保が急務となります。現状の制度では、認可保育園について3歳児以上の枠を拡大することに対し効果的な補助制度はありません。状況に合わせ、受け入れを柔軟に対応できる公立保育園については、特定の補助は一切ありません。
 この現状を踏まえ、受け皿確保のための改修、運営費等に係る直接的な財源支援について、県として取り組むことはできないのか、お答えをいただきたいと思います。
 続きまして、待機児童が減少していく中で、次の段階の政策課題に着手する必要がございます。障害児の受け入れや医療的ケア児の受け入れについてでございます。医療的ケア児の対応は市町村の責務となりますが、人的、技術的な面において難しい状況があります。私立保育園であっても公立保育園であっても、状況は同じでございます。公立保育園の役割として、医療的ケア児の受け入れは必須であると考えます。
 そこで、本県独自の政策として、公立、私立の保育園を問わず、医療的ケア児の受け入れに必要な補助制度を拡充させ、受け入れを促進することはできないのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、保育所等における遊び場の確保についてお伺いをいたします。都市部の保育所等については、認可要件を満たす園庭の確保が難しく、代替地の指定が多くなっております。しかし、この代替地についても複数の保育所等が重複指定しており、使用が一部制限されることもあります。
 そこで、保育の質を確保するためにも、県有地等を積極的に遊び場として開放し、有効活用できないのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、教育関係についてお伺いをいたします。市川市にある現代産業科学館の今後について、現在の県の方針、考えについてお答えをいただきたいと思います。
 次に、旅券事務の権限委譲についてお伺いをいたします。2016年に市川駅南口にパスポートセンターが開設し、来年度、市川市では2カ所目となるパスポートセンターが妙典地域に新設されます。
 そこで、新設されるパスポートセンターについて、市との調整状況についてお答えをいただきたいと思います。
 続きまして、中核市についてお伺いをいたします。市川市は、早ければ2023年4月までに中核市への移行を目指す方針でございます。市川市としても、コロナ禍を受けての重い判断であり、人的、物的、財的、いずれにおいても困難が伴う決断であります。
 中核市移行に際しては県の同意が必要となりますが、市川市の移行について、県のお考えをお示しいただければと思います。
 続きまして、安心・安全な県民生活を確保する道路交通対策についてお尋ねをいたします。
 まず、公共交通に関しまして、東京メトロ東西線の妙典駅始発の電車について、始発駅が行徳駅に変更されるとの話が聞こえてきておりますが、県は把握をしているのか、お答えいただきたいと思います。
 次に、市川市における道路等の安全対策に関して、歩行者の安全確保、事故防止、渋滞解消の観点から9点お伺いをいたします。このうち1点目から8点目までについては、以前議会におきまして質問させていただいた後の進捗状況などについて伺うものでございます。最後の9点目は今回初めて伺うものとなりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 それでは1点目、市川松戸線の国府台病院から矢切駅方面にかけての歩道を拡幅すべきと考えますが、このことについてお答えをいただきたいと思います。
 2点目といたしまして、国道14号の市川インター入口交差点において、市川インターチェンジ方面への右折レーンを延長すべきと考えます。これについてもお答えをいただきたいと思います。
 3点目といたしまして、国道14号の鬼越2丁目交差点に左折レーンを設置すべきと考えます。このことについてお答えいただきたいと思います。
 4点目といたしまして、県道市川浦安線の市川インター北側交差点における船橋方面への右折レーンを延長すべきと考えます。これについてお答えください。
 5点目といたしまして、県道船橋行徳線のJAいちかわ原木中山支店前の道路線形の改良について、進捗状況をお答えください。
 6点目といたしまして、県道若宮西船市川線の市川広小路交差点において、千葉方面への右折レーンを設置すべきと考えます。これについてお答えください。
 7点目といたしまして、新浜通り上福栄公園前変形五差路の信号機改良計画の進捗状況についてお答えをいただきたいと思います。
 8点目として、国道14号の市川駅周辺の3つの交差点、オリンピック市川店前交差点、西消防署前交差点及び新田5丁目交差点について、交通の安全と円滑な動線確保のため、右折信号や歩車分離式信号を導入するなどの対策が必要と考えます。このことについてお答えいただきたいと思います。
 9点目として、市川市立第三中学校前の感応式信号機に関して、歩行者が押しボタンを押してからの待ち時間が長い理由についてお答えください。また、歩車分離式信号等については、横断者が極めて少ない時間帯は押しボタン化など運用方法を見直すべきと考えますが、このことについてお答えをいただきたいと思います。
 以上、1回目の質問とさせていただきます。御答弁により再質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

◯知事(森田健作君) 坂下しげき議員の御質問にお答えいたします。
 きょうは支援者の皆さん、ようこそおいでくださいました。
 緊急事態に対応できる財政政策についてお答えいたします。
 財政健全化計画における事務事業の見直しについての御質問でございますが、毎年度、各部局の予算要求や予算編成の中で、事業の必要性や事業手法の妥当性、費用対効果などを検証し、事業の補助対象や委託内容の見直し、所期の目的を達成した事業の縮小、廃止などを行っております。具体的な実績を申し上げますと、平成29年度から令和2年度までの4年間で、情報システムの構成の見直しなどによる運営費等の節減により約12億円、実績等を踏まえた補助金等の見直しにより約5億円、事業目的が一定程度達成されたことによる事業の縮小廃止により約20億円など、一般財源ベースで約50億円の歳出を抑制したところでございます。
 執行段階での経費の節減についての御質問でございます。財政健全化の取り組みを進めるため、事業執行計画の承認通知や予算の配当通知など、あらゆる機会に執行段階で経費の節減を周知徹底しています。これを受け、各部局が年度を通じて節減の努力を行っており、例えば、物件費について令和元年度は消耗品の集中調達や入札、見積もり合わせの実施などにより、需用費で約6億円、用紙使用量の縮減に努めるなどのことにより、使用料及び賃借料で約3億円など、一般財源ベースで約22億円の歳出を抑制したところでございます。
 私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えいたします。

◯説明者(石川 徹君) 私からは緊急事態に対応できる財政政策についてのうち、財政健全化以外の3問、災害対策についての1問、県と市町村との役割についての1問、計5問にお答えいたします。
 初めに、令和2年度における県税の見通しについての御質問ですが、特に法人2税や地方消費税などについては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛や休業などの影響により、大幅な減少が懸念されるところです。一方で、国の月例経済報告や景気動向指数によると、景気に持ち直しの動きがあるなどの見解も示されており、現時点で令和2年度の税収を見通すことは難しい状況でございます。このため、3月決算法人の中間申告等が反映される11月末時点の県税収入実績などを十分に見定めた上で、2月補正予算に反映してまいります。
 次に、令和3年度当初予算についてでございます。まず、各部局からの要求状況に関する御質問ですが、令和3年度当初予算については、知事選挙を控え、骨格予算として編成することとしております。また、令和元年度台風等被害からの復旧事業や新型コロナウイルス感染症対策については、今後の状況により所要額が大きく変わる可能性がございます。これらの特殊要因を踏まえ、今回は要求状況の公表を控えさせていただくことといたしました。
 また、歳入の見込みについての御質問ですが、当初予算の歳入については、国の概算要求の内容を注視しつつ、最終的には12月下旬に示される地方財政対策や国の予算を踏まえて、地方交付税等の規模を見込んでいるところでございます。しかし、令和3年度予算については、国が新型コロナ対応経費について要求額を示さずに予算編成を進めているなど、例年よりも国の予算規模の見通しが不透明であり、現時点では県の歳入を見込むことが難しい状況でございます。
 次に、道路管理瑕疵についての損害賠償に関する御質問でございますが、賠償を行うに当たり、管理瑕疵及び事故発生の状況と被害との因果関係を確認するため、被害者の御理解と御協力をいただきながら、道路の損傷状況、損害箇所の特定などについて審査を行っているため、支払いまでに時間を要しております。今後は、被害者からドライブレコーダーの映像の提供をいただくことなどにより、審査を迅速に進め、できるだけ早く賠償を行えるよう努めてまいります。
 最後に、市川市の中核市への移行に関する県の考えについての御質問でございます。
 中核市では、保健衛生や都市計画等、市民に身近な事務を市が担うことで窓口の一元化等による市民サービスの向上が図られ、みずからの意思に基づく主体的な施策の推進が可能になります。そこで、まずは市の目指す中核市としての将来像を見据え、必要な人材や財政面の課題等を検討し、市民や市議会の御理解をいただくことが必要と考えております。県では、市にその旨説明を行っており、今後、市の作業の進捗状況等を踏まえ、御相談に応じながら適切に対応してまいります。
 私からは以上でございます。

◯説明者(鎌形悦弘君) 私からはパスポートセンターに関する1問と妙典駅に関する1問、計2問についてお答えをいたします。
 まず、市川市のパスポートセンターについての御質問ですが、市川市からは、市内で2カ所目となる旅券窓口の設置について協議があり、令和3年4月に東京メトロ東西線妙典駅近くのイオン市川妙典店内に開設する予定と聞いております。今後、旅券の安全な輸送方法等について調整していくとともに、市川市と連携を図り、窓口開設に係る広報を行ってまいります。
 次に、東京メトロ東西線の妙典駅に関する御質問ですが、妙典駅は車両基地に最も近い場所に位置していたことから、平成12年の同駅開業に合わせて、それまでの行徳駅始発を妙典駅始発に振りかえた経緯がございます。こうした中、始発を行徳駅へ戻すことについて、会社からは現時点でそのような計画はないと聞いております。
 以上でございます。

◯説明者(石渡敏温君) 私からは緊急事態に備えた災害事故対策などについてのうち1問につきましてお答えいたします。
 ハイブリッド型発電機の備蓄についての御質問ですが、県は市町村が行う備蓄を補うため、ガソリンを燃料とする発電機を各地域の防災備蓄倉庫に整備しております。大規模災害発生時には、広範囲かつ長期間にわたる停電やガソリンの供給不足が想定されることから、ガソリン以外の燃料も使用することができるハイブリッド型発電機等についても検討してまいります。また、災害時におけるエネルギーの多様化に対応する資機材の情報等については、市町村に積極的に提供し、備蓄の充実強化を働きかけてまいります。
 以上でございます。

◯説明者(加瀬博夫君) 私からは県民生活向上のための待機児童対策、県有施設の活用及び県と市町村との役割についての3問につきましてお答えをいたします。
 まず初めに、小規模保育事業所等の卒園児の受け皿整備についての御質問です。県では、市町村を構成員とする待機児童対策協議会において、保育所等の連携施設の設定に係る先進事例を共有するとともに、市町村に対し、連携に向けたコーディネーターの配置に係る国の補助制度の活用を促しております。また、令和元年度には小規模保育事業所と保育所等との連携に係る協定書のひな形を作成し、全市町村にお示しをしたところでございます。今後とも、同協議会等を通じ、市町村の意見を聞きながら効果的な取り組みを検討してまいります。
 次に、保育所における医療的ケア児の受け入れについての御質問です。
 保育所における医療的ケア児の受け入れにつきましては、看護師の配置等に要する経費を国及び県が補助する医療的ケア児保育支援モデル事業の活用などによりまして、各市町村において実施をしているところでございます。このモデル事業により、令和元年度は5市8施設におきまして、たんの吸引や導尿などのケアが必要な児童の受け入れを行いました。なお、現在国におきまして本事業の見直しを検討していることから、県といたしましては、国の動向に留意しつつ、本事業を活用した医療的ケア児の受け入れについて、市町村に引き続き働きかけてまいります。
 最後に、園庭のかわりとなる遊び場の確保に関する御質問です。保育所につきましては、2歳以上の園児の人数に応じた面積の屋外遊技場、いわゆる園庭が必要ですが、都市部などでその確保が難しい場合は近隣の公園等を代替地とすることができます。保育所の屋外遊戯場の代替地として県有地を活用することにつきまして市町村から御相談があった場合には、県としてその土地の利用状況等を勘案して適切に対応してまいります。
 私からは以上でございます。

◯説明者(渡辺真俊君) 私からは緊急事態に備えた医療体制などについての2問につきましてお答えいたします。
 市川市内の救命救急センター設置に関する御質問ですが、救命救急センターは、2次医療圏ごとの設置状況や人口規模等を考慮し、千葉県救急災害医療審議会の意見を踏まえ、現在14カ所指定をしているところです。直近の審議会では、限られた救急医療従事者をこれ以上分散させないことが重要で、今後の指定は慎重にすべきとの意見がございました。こうした意見や、市川市を含む東葛南部医療圏には既にセンターが3カ所あることを踏まえると、新たな指定は難しいものと考えます。
 次に、マスクの備蓄に関する御質問でございますが、県では、国立感染症研究所の感染管理マニュアル等で定める感染予防策に基づき、サージカルマスクやN95マスクを備蓄しています。新型コロナウイルス感染症が広まって以後、疫学的な調査や病原体に関する研究が行われ、感染管理マニュアルについても改定が重ねられており、今後も新たな知見が蓄積されていくものと考えられます。今後のマスク等の購入に当たっては、新たな医学的知見や研究の成果等を注視してまいります。
 以上でございます。

◯説明者(穴澤幸男君) 私からは農業問題に関する1問にお答えいたします。
 梨のみつ症の対策についての御質問ですが、梨のみつ症は豊水などの品種で多く見られる生理障害で、7月上旬ごろの低温や土壌の乾燥などの条件により発生しやすくなり、ことしは豊水の3割程度で症状が見られたと産地から報告を受けています。このため県では、気象データに基づくみつ症の発生予測情報を生産者へ提供し注意喚起を図るとともに、発生が予測される場合には早期収穫や圃場へのかん水を指導するなど、技術的な対策に取り組んでいるところです。
 以上でございます。

◯説明者(河南正幸君) 私からは県管理河川における堤防除草についての1問、道路問題についてのうち6問、計7問にお答えいたします。
 初めに、県管理河川における堤防除草についての御質問ですが、堤防除草は、河川巡視や堤防点検のための環境整備、河川環境の保全、河川利用上の安全確保などを目的に行っております。県管理河川においては、草の繁茂状況や周辺の土地利用状況等に応じて範囲や頻度などを判断しており、現在、堤防天端とのり面上部を中心に除草を実施しております。
 次に、道路問題についてお答えいたします。
 県道市川松戸線の歩道の拡幅についての御質問ですが、県道市川松戸線の国府台病院から矢切駅方面約1キロメートル区間の歩道は幅員が1メートルから2メートルで、側溝のふたによる段差が生じている状況です。歩道を拡幅するには用地の確保が必要ですが、沿線に人家が連檐しており、多くの費用と時間を要することになります。このため、段差の解消を図り、現況の歩道幅全体を安全な歩行空間とするため、今年度から側溝の暗渠構造への改修に取り組んでおり、現在380メートルの区間で工事を実施しているところでございます。
 次に、国道14号市川インター入口交差点についての御質問ですが、市川インター入口交差点では、朝夕を中心に国道14号から市川インターチェンジ方向への右折車列に起因する渋滞が発生していることから、本年3月に現道用地内で区画線を変更し、右折レーンを延長したところです。追加の対策については、今後交通の状況を調査した上で検討してまいります。
 次に、国道14号鬼越2丁目交差点についての御質問ですが、国道14号と県道市川印西線が交差する鬼越2丁目交差点では、県道側直近にある京成線の踏切の影響を受け、国道14号から印西方面への左折車が滞留し、千葉方面への直進を阻害することがあります。現在、この解消にも寄与する京成線をアンダーパスする立体交差事業を行っているところですが、事業完了までの対応として、当該事業で取得済みの用地を活用して国道14号側に暫定的な左折レーンを確保するため、警察と協議を実施しているところです。
 次に、県道市川浦安線の市川インター北側交差点についての御質問ですが、市川インター北側交差点では、県道市川浦安線において、船橋方面への右折車の滞留により直進車の通行が阻害され、朝夕を中心に渋滞が発生しております。このため、現道用地内でできる対策として、区画線の変更による右折車の滞留位置の見直しを計画しており、本年11月に地元警察署との調整を終えたことから、今年度内に工事を完成できるよう取り組むこととしております。
 次に、県道船橋行徳線の道路線形の改良についての御質問ですが、県道船橋行徳線のJAいちかわ原木中山支店付近は急なカーブが連続し見通しが悪いことから、安全で円滑な交通を確保するため、道路線形の改良を実施しております。昨年度、用地測量を完了し、現在は用地取得に取り組んでいるところです。
 最後に、県道若宮西船市川線、市川広小路交差点についての御質問ですが、市川広小路交差点では、平成24年度に県道若宮西船市川線において千葉方面への右折レーンを設置する事業に着手しましたが、必要な用地の取得が困難な状況にあります。このため、直進車の円滑な通行と安全の確保を図るため、平成28年3月に交差点内に右折車の待機位置を示す路面標示を設置しました。引き続き可能な対策について検討してまいります。
 私からは以上でございます。

◯説明者(澤川和宏君) 私からは現代産業科学館の今後に関する御質問にお答えいたします。
 県教育委員会が本年策定した県立博物館の今後の在り方では、多くの県内企業等の協力を得て運営する同館について、地元での利活用を優先させ、中核的な機能が確実に継承され、引き続き一般利用に供されることを前提に、活用方法等を協議することとしております。また、策定に当たり地元市からは、市の教育拠点となるよう学校を整備するとともに、展示資料の学校での活用や、市民が自由に見学できる展示形態を検討したいとの意向が示されております。県教育委員会では、この今後の在り方にのっとり丁寧に協議してまいります。
 私からは以上です。

◯説明者(楠 芳伸君) 私からは安心・安全な県民生活を確保する道路交通対策のうち3問についてお答えいたします。
 まず、福栄公園前の変形交差点における通行方法に関する御質問ですが、御指摘の交差点は、十字路とT字路が近接して存在しているような複雑な構造の交差点であり、そのため、同交差点では右折時における信号交差点の通行方法を誤解し、本来従う必要のない信号灯器に従って交差点内で停止する車両などが認められたところです。そこで、車両利用者等にとってより安全でわかりやすくなるよう、先般、信号灯器の位置の変更工事を実施し、今月7日から運用を開始したところでございます。引き続き、変更後の状況を注視してまいりたいと考えております。
 次に、市川駅周辺の3交差点における信号機改良についての御質問ですが、御指摘の3交差点につきましては、かねてから渋滞対策や歩行者の安全対策について県民の皆様から御要望をいただいていたところであり、道路管理者による道路改良後の交通状況等を勘案の上、本年10月までに順次歩車分離式信号に改良いたしました。
 最後に、市川市立第三中学校前の感応式信号機などに関する御質問ですが、御指摘の信号機につきましては、県道市川柏井線の渋滞を抑制するため周辺の信号機とサイクルを連動させて運用しており、歩行者用の押しボタンを押すタイミングによっては、歩行者の待ち時間が長くなっております。同県道の交通量を考慮すれば、現状の運用はやむを得ないものと考えております。
 次に、歩車分離式信号の運用につきましては、学校の周辺など夜間等に歩行者の横断需要が著しく減少する箇所につきましては押しボタン化の改良を行っており、今後も交差点個々の環境や交通状況等を勘案しながら、必要に応じて改良を進めてまいります。
 私からは以上でございます。

◯坂下しげき君 それぞれ知事を初め御答弁をいただきましてまことにありがとうございました。
 県政の基本は、県民の命、生活を守ることにあると思います。そのため、緊急事態に即応できる日ごろからの体制づくりや、県民の命や生活に直結する政策を本県の実情に合わせて実施していく柔軟な体制が必要であると思います。このような観点から、幾つか再質問あるいは要望させていただきます。
 緊急事態に対応できる財政政策についてですが、令和3年度当初予算について明確な御答弁がございませんでしたが、当初予算編成は既に始まっております。各部局からの要求書の提出期限は10月2日ですので、ある程度の規模はつかめているはずであります。しかし、知事選挙等を控えていることから公表しない方針とのことであります。公表についてはこれ以上お聞きしませんが、予算編成過程の公表は重要であると思います。県民の理解が得られる財政運営を心がけていただきたいと思います。
 次に、緊急事態に備えた医療体制、災害・事故対策及び農業問題についてでございます。災害時等に県民の命と生活を守るという重要な政策であります。まず、医療関係については、しっかりと県民の命を守る政策をみずから主導的に考え、実行していただきたいと思います。
 マスクについてですが、本日私が着用しているマスクがドロマイト加工されたマスクでございます。本年7月に鳥取県にある本社工場へ視察に行ってまいりました。このマスクは、ウイルスや細菌、花粉等をミクロレベルまで強力にブロックし、体内への侵入を阻止してくれるものであります。抗ウイルス処理と侵入阻止機能を兼ね備えており、ウイルスを除去したきれいな空気を吸うことができるわけでございます。個包装になっており、納入先官公庁は防衛省、大阪国税局、東京都、鳥取県警等があり、日本銀行などの金融機関その他多くの民間企業も採用しております。災害時のストックとしても清潔に保てる、何より日本製で高機能のものを契約等により安定的に入手しやすいというところがメリットであると思います。このような備えをしっかりしていただきたいと思います。
 河川管理についてでございます。堤防のり面の除草は、毎年莫大な予算をかけて実施しても、刈り取った後からまたすぐに生えてくることから切りがないわけでございます。そこで、考え方を変えて、土壌改良剤等を使うことによって、除草ではなく雑草を生やさないという選択肢に転換することも考えられます。さまざまな方法を研究し、検討していただきたいと思います。
 梨のみつ症についてでございます。対策を伺いましたが、起きる可能性が高いと思われるリスクについて、完全に防げる対策は残念ながら今のところありません。そうであれば、予防対策のほか、支援策として、青果として、果物としてという意味ですね、扱えない場合でも、加工品として使える工夫を行い、廃棄が出ないような対策も講じるべきであると思います。しっかりとした支援策を検討し、推進していただければと思います。
 次に、損害賠償についてお尋ねをいたします。県からの損害賠償支払いの期間が長いことによって損害が増幅するケースもございます。国土交通省の地方支分部局での事務処理改善において、初期対応マニュアルの整備、請求事案データベースの構築など、さまざまな取り組みを行い、事案処理日数を大幅に短縮したものがございます。このような改善に取り組むことができないのか、お答えをいただきたいと思います。
 次に、県民生活向上のための待機児童対策、県有施設の活用と市町村の役割についてであります。特に、待機児童対策について、県の気概が私は今ひとつ感じられませんでした。県みずからが率先垂範して政策を示さなければならないと思います。国の制度を活用するのはもちろんですが、本県の実情に即した政策展開を行って、効果的な支援をするのが県の役割であると思います。県単独で難しければ国に進言することも大切ですが、国や他県に先駆けて、本県にとって有効な政策を実施するのが地方自治というものであると思います。
 まず、待機児童対策について、もう一度お伺いをいたします。待機児童の解消は、ここ数年が勝負だと思います。緊急的な小規模保育事業所の卒園児の受け皿確保の対策として、既存認可保育園、公立保育園について、3歳以上の児童の定員を拡大する場合に、公立、私立を問わず補助する体制を時限的にできないのか、お答えいただきたいと思います。
 また、現代産業科学館とあわせてお尋ねをいたします。現在産業科学館のある市川市南八幡地区は住宅密集地であり、待機児童も多く、保育園も多いところであります。地域住民の方の住環境に配慮しつつ遊び場を確保するためには、約2,000平方メートルある広い現代産業科学館の前庭を開放することは非常に有意義であると考えます。このことについて県のお考えをお伺いをいたします。
 次に、中核市についてでございます。移行予定時期が非常に早期であり、県としても困惑されているのは十分理解をするところでございます。一方で、市川市もこのコロナ禍で施策の実効性、即効性を考えたときに、さまざまなデメリットが考えられる中でも背に腹はかえられない、苦渋の選択を迫られたものだと推察するところでございます。今後、市とは緊密に連携し、県が不審、不安に感じていることを整理して市川市に伝え、市川市民のために最善の選択ができるように、ともに協力していただきたいと思います。要望します。
 最後に、道路、歩道等の安全対策については、1点目の市川松戸線の歩道拡幅については、現在できることは行っていただいており、ありがとうございます。地域と協力しながら歩道拡幅を進めていただくよう要望いたします。
 2点目の市川インター入口交差点における右折レーン改良も、早速の御対応をいただいておりますが、ただ、あともう少しレーンを延伸することによって渋滞の解消につながると思いますので、御対応をお願いしたいと思います。
 3点目の鬼越2丁目交差点における左折レーン設置につきましては、交通安全の観点からも重要だと考えますので、協議を前進させていただいて早期にお願いをしたいと思います。
 4点目の市川インター北側交差点における右折レーンの延長については、本年度中に行っていただけるということでございます。早期にお願いをしたいと思います。ありがとうございます。
 5点目のJAいちかわ原木中山支店前の道路線形の改良と、6点目の市川広小路交差点の右折レーン設置につきましては、用地買収に向けて困難が伴いますが、引き続き事業を継続していただき、安全な道路となるようよろしくお願いをいたします。
 7点目の新浜通り上福栄公園前変形五差路の信号機改良計画につきましては、ありがとうございました。運用されているということでございました。ありがとうございます。
 8点目の市川駅周辺のオリンピック市川店前、西消防署前、新田5丁目の3つの交差点につきましても、これは以前からお願いをしており、早速御対応いただいているということでございますので、ありがとうございます。
 そして9点目、市川市立第三中学校前の押しボタン信号機につきましては、これは待ち時間が余りに長いと信号無視を誘発するおそれがありますので、適正な時間の設定、通りとの関係があると思いますが、数秒でもいいので御検討いただきたいと思います。
 また、歩車分離式信号等は、夜間など歩行者が極めて少ない時間帯について改良を検討していただけるとのことでございました。ぜひよろしくお願いをいたします。
 以上、2回目の要望と再質問とさせていただきます。

◯説明者(石川 徹君) 私からは損害賠償に関する事務処理の改善についての御質問にお答えいたします。
 国の取り組み等も参考に、現行の事務マニュアルの改善を図り、関係課で共有することなどにより、早期対応に努めてまいります。
 以上でございます。

◯説明者(加瀬博夫君) 小規模保育事業所の卒園児の受け皿確保対策としての補助金についての御質問でございます。
 各市町村におきましては、子ども・子育て支援事業計画を策定し、地域及び年齢ごとの保育の必要量を把握した上で、施設整備を含め受け皿の確保を行っているところでございます。このことから、その整備運営に当たっては既存の制度を十分に活用すべきものと考えております。県といたしましては、民間保育所等につきましては既存の補助制度の活用を促進するとともに、公立保育所等の整備に向けては、地方への財政支援について、全国知事会等を通じ国へ要望しているところでございます。
 以上でございます。

◯説明者(澤川和宏君) 現代産業科学館の前庭の開放についての御質問です。この前庭は、団体利用者の集合や昼食の場所、また体験教室の会場等として使用しておりまして、第三者が恒常的に使用するといったことは想定しておりません。なお、通りがかった子供たちがしばらく遊んでいたり、また目的外使用の手続を経てイベント等に御活用いただく場合もあり得るというふうに考えております。
 私からは以上です。

◯坂下しげき君 それぞれ御答弁をいただきましてありがとうございます。
 現代産業科学館の前庭を子供の遊び場として活用する件についてでございますが、非常に違和感を覚えるわけでございます。千葉県の教育の振興に関する大綱の中にこんな文言があります。例えば、地域社会全体で子供たちを育成する体制づくりの推進、あるいは基本的生活習慣の確立や体力づくりなどの言葉が書かれております。私は、幼児期の大切な体力づくりを担う遊び場の確保を地域全体で支える体制づくりが必要であると申し上げているわけでございます。教育施設の使い方として大きく外れていないと思います。保育と幼児教育は別であるという縦割りのお考えなのでありましょうか。
 本県教育の基本方針にある千葉の子供たちに区別はないと思います。しかも、あそこは約2,000平方メートルある広い前庭であります。どんなに集合しようが何しようが、その一部を上手に使っていただければ子供たちの遊び場となる、それを常時というわけじゃなくて、そういう届け出があったときとか、なるべく開放していただけるという、そういう気持ちが欲しいなと、こういうふうに思っているわけであります。保育を所管する健康福祉部と、そして教育長さんの教育委員会のほうがしっかりタッグを組んでいただいて、この保育のほうにもしっかりと目を向けていただいて、これからの子供たちを育てていただきたい。県民のため、引き続き力を尽くしていただきたいと思います。
 これにて私の一般質問とさせていただきます。まことにありがとうございました。

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