令和3年12月定例会 一般質問(動画)
令和3年12月9日(一般質問)
1.県民生活を支える行財政政策について
2.県民の生命と暮らしを守る政策について
3.県民の安心安全な生活を守る政策について
4.その他
下記のリンク(千葉県議会インターネット中継<録画>)からご覧ください。
https://www.gikaityukei.pref.chiba.lg.jp/g07_Video_View.asp?SrchID=1163
◯坂下しげき君 こんにちは。市川市選出、政治に刺激、坂下しげきでございます。地元市川市より傍聴にお越しいただきました。御多忙のところ、誠にありがとうございます。
私は、市川市民の方々の貴重な1票1票の積み重ねによって、市川市選挙区6議席のうち1議席をお預かりをしております。そして、市民の方々の声を県政に届け、県民のための改革を行うために登壇し、質問をさせていただいております。このため、私は県議会で一貫して申し上げていることがあります。千葉県の行財政運営は県民の税負担、すなわち県民の汗によって成り立っているということであります。したがいまして、行政も議会も県民の方が何を望んでいるのかということを常に追求し、対応していかなければなりません。そのためには、あらゆる手段を講じて財源を確保し、事業の選択に当たっては県民ニーズを的確に吸い上げ、将来にも責任が持てる県政運営を行わなければなりません。そして、最少の経費で最大の効果を上げる努力を忘れてはなりません。このようなことを念頭に置き、要望の多い政策、県民の生活に関わる政策、それを支える財政運営について、通告に従い質問をさせていただきます。
まず、県民生活を支える行財政政策についてお尋ねをいたします。
県民の声を政策として実現するためには、財源、特に自主財源を安定的に確保しなければなりません。そこで、千葉県の財政運営について、私が県議会で継続的に質問してきた事項について、令和2年度までの財政健全化計画においてどのように改善されてきているのかをお伺いいたします。
1点目といたしまして、自主財源の要である県税収入の徴収率について、本県は全国平均を大きく下回っており、過去の議会において、平成24年度の千葉県の徴収率について質問した際の御答弁では、本県の徴収率は総合で47都道府県中47位ということでした。そこで、県税収入の徴収率向上の取組結果についてお答えください。
2点目として、基金の運用について、財源確保の観点から安全性の確保を最優先にしつつ、運用利益の向上を図ること。つまり、効率的に運用するためどのような取組を行ったのかお答えください。
3点目として、将来必要となる財源への備えでもある財政調整基金や県有施設長寿命化等推進基金の状況についてお答えください。
4点目として、未利用県有地等の処分の推進及び県有資産を活用した収入確保の状況についてお答えください。
5点目として、地方交付税の総額確保による臨時財政対策債制度の廃止や、国庫補助負担金の超過負担の解消に係る国への要望状況についてお答えください。
6点目として、事務事業の見直し状況についてお答えください。
次に、令和4年度当初予算編成の考え方についてお尋ねをいたします。
例年どおり当初予算編成に際して、財政課より令和4年度当初予算要求通知のポイントが県庁各部局に通知されております。この通知に従い、各部局は予算要求を行うことになりますが、内容も例年どおりとなっており、新知事となって変化や特徴的な編成取組の姿勢が見られなかったわけでございます。この通知は予算編成の基本的な考え方を示すものであり、予算編成の根幹であると思います。したがいまして、令和4年度当初予算編成の考え方について、熊谷県政における特徴や森田県政との違いはどのようなものなのか、お答えをいただきたいと思います。
次に、入札制度についてお尋ねをいたします。
本県では、一般競争入札において、入札参加者が1者であった場合、入札を取りやめております。これは予算執行を長引かせ、時間的な大きな損失となっております。総務省の見解でも、一般競争入札の場合、たとえ入札参加者が1者であっても入札における競争性は確保されていると考えられることから入札を行っても差し支えないとされております。なぜ本県は時間的にも事務的にもコストとなる取りやめや再入札としているのか、疑義が生じるところであります。
そこで、一般競争入札において、入札参加者が1者であった場合の対応を是正すべきと考えます。このことについてお答えをいただきたいと思います。
次に、通告第2の県民の命と暮らしを守る政策についてお尋ねをいたします。
まず、子育て政策についてお尋ねをいたします。
知事就任時の所信表明において、知事は多様な保育環境の充実を図る、あるいは県立学校だけではなく、小中学校を含めた県内全ての学校教育の充実に取り組むとおっしゃっており、非常に心強いお言葉であると感じました。まさに今は子育て、保育政策の重要な転換期にあると思います。待機児童の解消状況に伴い、新たな保育課題への取組を始める時期であり、かつ、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行により、地方公共団体は医療的ケア児の支援が努力義務から責務になり、学校や保育園等に対する施策を一段階上げる重要な局面にあります。
そこで、知事の所信を踏まえながら、子育て政策についてお尋ねをいたします。私は、保育園の待機児童解消が進む中で、今後は待機児童ゼロを継続しつつ、並行して次の保育課題を見据え、新たな対策を打つ局面に入ったと考えております。そして、次に解決すべき課題は障害児の保育施設への受入れ促進であると考えており、これはまさに公がやるべきことだと考えております。
そこで、次の課題となる子育て政策について、どのように認識しているのかお答えください。
次に、保育施設での障害児の受入れを促進するため、東京都では、例えば保育施設に対して、障害児1人につき月額4万5,000円の加算を行っております。このような障害児の受入れに伴う本県独自の加算制度を創設できないのか、お答えください。
次に、障害児同様、東京都では保育施設でのアレルギー児対応、外国人児童受入れ、夜間・休日保育、年末年始保育、病児・病後児保育などの充実に向けて加算を行っております。これらは知事の所信表明における多様な保育環境の充実を図ることにつながります。本県独自の加算制度を創設し、促進できないのか、お答えください。
次に、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が9月に施行され、支援が責務と法律に明記されたことから、県は、保育所や学校などで医療的ケア児を受け入れるための支援体制をつくっていかなければなりません。これを受けて、本県では今年度どのような取組を始めているのかお答えください。
また、令和4年度当初予算ではどのような取組を考えているのか。さらに、国から要請のあった医療的ケア児支援センターの設置に向けた検討状況についてお答えください。
続きまして、新型コロナウイルス感染症への対応についてお尋ねをいたします。
今年の夏の感染拡大期において、新型コロナウイルス感染症に罹患し高熱が続いている方に対して、保健所から最初の連絡があるまで約1週間かかった事例がありました。同じように不安で苦しい思いをされた方が多くいらっしゃると思います。同じことを絶対に繰り返さないように対策を万全にする必要があります。
そこで、陽性判明後の保健所からの連絡体制について、夏の感染急拡大時はどのような状況だったのか。また、感染の再拡大に備え、どの程度の新規感染者を想定し、どのような体制としていくのかお答えください。
次に、医療提供体制を確保するため、夏の感染急拡大に際してどのような対策を行ってきたのか。また、感染の再拡大に備え、どの程度の療養者数を想定し、どのように対応していくのかお答えください。
次に、宿泊療養施設の確保に当たり、民間のちばぎん研修センターを使用すると伺っておりますが、県内にはバス、トイレつきの個室を十分に備えた市町村職員中央研修所が千葉市美浜区にあります。ちばぎん研修センターと比較して遜色ない設備が整っている公的な施設であります。この市町村職員中央研修所、通称市町村アカデミーを有効活用できないのか、お答えください。
次に、県民が日常的に使用している交通手段として鉄道があります。日々の生活に欠かせないものですが、駅ホームでの転落など命の危険性もあります。危険をあらかじめ回避し、命を守ることができるものにホームドアの設置があります。そこで、市川市内の鉄道駅におけるホームドアの設置見通しについてお答えください。
次に、災害を未然に防ぐための対応についてお尋ねをいたします。
地球温暖化により雷の発生件数が増加するとの研究があります。現在の避雷針では、落雷による電圧が強い場合、電流の一部が建物に侵入し電子機器などに深刻な影響を与える可能性があります。県庁、県警本部等における電子機器のシステムダウンや、電力、通信、照明、セキュリティー等の機器障害は非常に大きなリスクであります。そこで、県有施設において落雷を抑止、制御し建物内部の保護ができる避雷針、PDCE等の設置を検討することについてお答えをいただきたいと思います。
次に、ゲリラ豪雨や台風水害から県民生活を守るため、河川におけるリスク低減対策として、草木や土砂の管理が重要となります。市川市域の河川における草木の伐採やしゅんせつをどのように進めていくのかお答えください。
続きまして、通告第3の県民の安心・安全な生活を守る政策についてお尋ねをいたします。
成田空港の利用促進についてお尋ねをいたします。
まず、出張や視察時における利用促進にどう取り組むのか、お答えください。
次に、市川市内から成田空港への直通バスを運行させるべきと考えますが、このことについてお答えをいただきたいと思います。
続いて、災害時の救援物資についてお伺いをいたします。
救援物資として飲料水の確保は非常に重要なものとなります。本県ではペットボトルの備蓄水を調達しておりますが、ペットボトルより長期の保存が可能なものとしてアルミ缶があり、長期的にはコスト削減にもつながります。
そこで、救援物資について、ペットボトルの備蓄水からアルミ缶の備蓄水へと変更することについてお答えください。
次に、県民の日常生活の安全を守るための道路課題についてお尋ねをいたします。
1点目として、県道市川松戸線の国府台病院から矢切駅方面にかけて、歩道を拡幅すべきと考えますが、これについてお答えいただきたいと思います。
2点目として、国道14号の鬼越2丁目交差点に左折レーンを設置すべきと考えます。これについてお答えください。
3点目として、県道市川浦安線の市川インター北側交差点について、船橋方面への右折レーンを延長すべきと考えます。また、市川インター側からの左折車と直進車との接触防止対策が必要と考えますが、これらについてお答えください。
次に、同線の市川インター北側交差点に接続する市道に左折レーンを設置する場合、県の協力が必要となります。このことについてお答えください。
次に、国分前橋東側の交差点に信号機設置を検討できないか、お答えください。
最後に、国道14号から市川駅に接続する交差点への交差点名標識設置に向けた取組状況についてお答えをいただきたいと思います。
以上、1回目の質問とさせていただきます。御答弁によりまして再質問させていただきます。(拍手)
◯知事(熊谷俊人君) 坂下しげき議員の御質問にお答えをいたします。
まず、県民生活を支える行財政政策についてお答えをいたします。
予算編成の考え方に関する御質問ですが、まずは県民が安全・安心に活動できる環境の確保に最優先で取り組み、その上で、現在策定をしている総合計画案との整合性を図りながら、県民サービスの向上や本県の将来の発展に資する事業などに重点的に予算配分したいと考えております。今日の千葉県の発展は、先人の皆様が将来ビジョンを定め着実に政策を進めてきたおかげと考えており、私としては先人から受け継いだバトンをよりよい形で引き継ぎ、経済産業や子供や教育施策など、未来への投資につながるその視点に立ち、着実に取り組んでまいります。
次に、県民の生活と暮らしを守る政策についてお答えいたします。
医療提供体制についての御質問ですが、今年の夏の感染急拡大に際しては、県では緊急対応の段階に当たる病床確保体制とし、病床数を増やすとともに、特に夜間における入院調整が困難となったことから、5つの医療機関から成る夜間外来輪番制度の創設や、県内2か所の入院待機ステーションの開設などを行ってきたところです。また、今後の感染再拡大に備えるために策定をした保健・医療提供体制確保計画では、感染力が増大したウイルスの流行を想定して、国が設けた計算式に基づき、療養している方の数が約1万4,000人に達することを想定し、臨時の医療施設を含め、最大で1,736床を確保することといたしました。
私からは以上でございます。他の質問につきましては担当部局長からお答えをいたします。
◯説明者(石川 徹君) 私からは、初めに、県民生活を支える行財政政策についてのうち、令和2年度までの財政健全化計画に関する5問にお答えいたします。
まず、県税収入の徴収率向上の取組結果に関する御質問ですが、新型コロナウイルス感染症による徴収猶予の特例の影響を除くと、令和2年度の徴収率は98.4%で、計画期間内で徴収率は1.1ポイント改善し、41億円の税収を確保いたしました。しかしながら、徴収率は全国平均に達していないため、今後も徴収対策を強化してまいります。
続いて、基金の状況に関する御質問ですが、財政調整基金の残高は、平成28年度末の470億円から令和2年度末には541億円に増加しました。また、県有施設長寿命化等推進基金の残高は、平成28年度末の518億円から令和2年度末には686億円に増加いたしました。
続いて、未利用県有地の処分等収入確保の状況に関する御質問ですが、計画期間中、未利用県有地の処分については約24億2,000万円、また、県有資産の有効活用については、施設内の飲料用自動販売機における納付金の徴収やホームページのバナー広告などにより約10億9,000万円の収入を確保したところです。
続いて、地方交付税等に係る国への要望状況に関する御質問ですが、千葉県単独での要望のほか、全国知事会や九都県市首脳会議など、あらゆる機会を通じて要望しており、直近の令和2年度では延べ10回、国に対して要望したところでございます。
続いて、事務事業の見直しに関する御質問ですが、毎年度、各部局の予算要求や予算編成の中で事業の必要性や事業手法の妥当性、費用対効果などを検証し、事業の補助対象や委託内容の見直し、所期の目的を達成した事業の縮小、廃止などを行っており、令和2年度までの4年間で一般財源ベースで約50億円の歳出を抑制いたしました。
次に、県民の命と暮らしを守る政策についてのうち、災害を未然に防ぐための対応に関する1問にお答えいたします。
落雷を抑止、制御するとされる避雷針の県有施設への設置を検討すべきとの御質問ですが、県有施設は、その規模や立地条件等様々であることから、御指摘の避雷針の設置については、その有効性や他の公共施設の導入状況等を見極める必要があると考えております。
私からは以上でございます。
◯説明者(鎌形悦弘君) 私からはホームドア設置に関する1問、成田空港の利用促進に関する2問、計3問についてお答えいたします。
まず、市川市内の駅のホームドア設置の見通しについての御質問ですが、JRの計画では、総武線の各駅停車ホームが令和7年度末までに、それ以外のホームが令和14年度末ごろまでにそれぞれ整備するとしています。また、東京メトロの計画では、東西線の各駅について、令和7年度までに整備するとしています。県としては、JRや東京メトロに対して早期整備を働きかけるとともに、市町村にも積極的に取り組んでいただけるよう、県の補助制度の周知や必要な予算の確保に努めてまいります。
次に、出張などの成田空港の利用促進についての御質問ですが、成田空港では、新型コロナウイルスの影響で旅客数が減少していることから、その回復に向けては、県内の皆様にも成田空港をこれまで以上に利用していただくことが重要だと考えております。そこで、県職員に成田空港の利用を積極的に検討するよう周知したところであり、併せて市町村や企業等が参加する会議など様々な場を活用して県の取組を説明し、利用促進に取り組んでいただけるようお願いしてまいります。
最後に、成田空港への直通バスに関する御質問ですが、県では、成田空港と県内各地との交通アクセスの改善は大変重要であると認識をしております。市川市内からの直通バスは利用者の利便性が向上するものと考えますが、事業者からは、鉄道との競合により採算性確保などの課題があると聞いております。県といたしましては、事業者や市の考えも聞きながら、路線新設の可能性について意見交換をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯説明者(生稲芳博君) 私からは県民の安心・安全な生活を守る政策についてのうち、備蓄水のアルミ缶への変更に関する御質問についてお答えいたします。
現在、県で備蓄している飲料水は、保存用として一般的に流通し、調達が容易なペットボトルのものを備蓄しているところです。今後の備蓄に当たっては、調達のしやすさや価格、保存期間、他団体の事例などの情報を収集し、アルミ缶を含め、備蓄に適した製品について研究してまいります。
以上でございます。
◯説明者(加瀬博夫君) 私からは子育て政策についての5問にお答えをいたします。
まず初めに、待機児童解消の次の課題についての御質問ですが、待機児童は年々減少しておりますが、女性の就業率の上昇等から、都市部を中心に保育需要は依然として高く、施設整備と保育人材の確保の取組は引き続き必要と考えております。また、人口減少地域での保育所の在り方や、地域での多様な保育ニーズへの対応等についても課題と認識しており、保育の実施主体である市町村と連携しながら取り組んでまいります。
次に、保育所等における障害児の受入れについての御質問です。県では、障害児の受入れ促進を図るため、民間保育所等が障害児を受け入れるために国の基準を上回って保育士を配置した経費に対して県独自で助成をしており、保育士1人当たり月額16万8,900円を措置しております。令和2年度は116施設に約5,700万円の補助を行ったところでございます。
次に、保育所等におけるアレルギー児対応等についての御質問ですが、配慮が必要な子供への支援のためには保育士を手厚く配置する必要があることから、県では、国の基準を上回って保育士を配置した民間保育所等に対し県独自で助成をしており、令和2年度は521施設に約9億6,800万円を助成いたしました。また、夜間や休日の保育ニーズに対応するため、国の交付金を活用して支援を行っているところです。
次に、学校等における医療的ケア児に対する支援についての御質問です。県では、保育の実施主体である市町村に対し、保育所等への看護師配置に係る補助事業のさらなる活用を促すとともに、特別な配慮が必要な幼児を受け入れる私立幼稚園に対して補助を行っております。また、県立学校に対しては、受入れ体制の整備に向けてガイドラインを策定し研修会を開催したほか、市町村教育委員会等に対し、小中学校での医療的ケアについて情報提供を行っております。
最後に、医療的ケア児への支援の取組と支援センター設置に向けた検討状況についての御質問です。医療的ケア児が個々の状況に応じた適切な支援を受けられるようにするためには、専門的な人材を育成するとともに、地域における支援体制を構築していくことが重要です。このため県では、当事者からの相談対応や人材育成、関係機関との連絡調整等を行う支援センターの設置を含め、今後の取組について検討しているところでございます。
私からは以上です。
◯説明者(井口 豪君) 私からは新型コロナウイルス感染症への対応についての2問につきましてお答え申し上げます。
まず初めに、保健所の体制に関する御質問ですが、今年の夏の感染拡大時には、新規感染者数の急増に伴い、発生届を受理してから陽性者へ連絡するまでに遅れが生じました。このため、1日の新規感染者数を今年の夏の最大となる約1,800人と想定し、陽性判明の当日または翌日までに連絡を行えるよう、迅速に職員を派遣する全庁応援体制の確立や、人材派遣の活用などにより、保健所の体制を強化してまいります。
次に、宿泊療養施設の確保に関する御質問ですが、宿泊療養施設として市町村職員中央研修所も検討いたしましたが、専門家から、室温設定が全館一律であるため、発熱している患者に対する医学的な管理が十分にできないのではないかとの指摘等があり、残念ながら断念した経緯がございます。県としては、宿泊療養施設を確保するに当たっては、個室単位の空調管理が可能なホテル借り上げを中心に対応してまいります。
以上でございます。
◯説明者(池口正晃君) 私からは一般競争入札についての1問、災害を未然に防ぐための対応についてのうち1問、道路問題についてのうち5問、計7問にお答えいたします。
初めに、一般競争入札において入札参加者が1者であった場合の対応についての御質問ですが、建設工事の一般競争入札においては、入札不調対策として令和2年10月から入札参加資格の地域要件を県全域以上と広く設定した場合に1者入札を有効としました。この改正による効果や入札状況などを踏まえ、引き続き適切な入札制度となるよう検討してまいります。
次に、市川市域の河川における草木の伐採やしゅんせつについての御質問ですが、県では、河川本来の流下能力を確保するため緊急浚渫推進事業を活用し、河道内に堆積した土砂の撤去等を進めています。市川市域では、大柏川、派川大柏川、春木川及び国分川において土砂堆積や草木の繁茂が著しい区間を計画的に対策を行っているところです。引き続き巡視等により堆積状況などを確認しながら事業を着実に推進し、治水機能の維持に努めてまいります。
次に、道路問題についてでございます。
初めに、県道市川松戸線の歩道の拡幅についての御質問ですが、県道市川松戸線の国府台病院から矢切駅方面、約1キロメートル区間の歩道は幅員が1メートルから2メートルで、側溝の蓋による段差が生じている状況です。歩道を拡幅するには用地の確保が必要ですが、沿線に人家が連檐しており、多くの費用と時間を要することになります。このため、幅員全体の段差解消を図ることによって安全な歩行空間となるよう、昨年度から側溝の暗渠化に取り組んでいます。これまでに西側の歩道において380メートルの改修が完了しており、今年度は東側の歩道150メートルの改修を実施する予定です。
次に、国道14号鬼越2丁目交差点についての御質問ですが、国道14号と県道市川印西線が交差する鬼越2丁目交差点では、県道側直近にある京成線の踏切の影響を受け、国道14号から印西方面への左折車が滞留し、千葉方面への直進を阻害することがあります。現在、この解消にも寄与する京成線をアンダーパスする立体交差事業を行っているところですが、事業完了までの対応として、当該事業で取得済みの用地を活用して国道14号側に暫定的な左折レーンを確保するため警察と協議を実施しているところであり、協議が整い次第、工事に着手する予定としています。
次に、県道市川浦安線市川インター北側交差点についての御質問ですが、市川インター北側交差点では、県道市川浦安線において、市川インター側から船橋方面への右折車の滞留により直進車の通行が阻害され、朝夕を中心に渋滞が発生していることから、昨年度、区画線を変更し、右折レーンを延長したところです。今後も右折レーンの滞留状況について注視してまいります。また、市川インター側から左折レーンを走行して交差点に進入した車両が直進してしまう場合があることから、交差点内に車両の走行位置を明確にする路面標示を年度内に設置する予定です。
次に、市川インター北側交差点に接続する市道への左折レーン設置についての御質問ですが、市川インター北側交差点は、県道と市川市道が交差し、市道から船橋方面への左折車が多いことから市道に渋滞が発生することがあります。市道への左折レーンの設置について市川市から協議があった場合には、県として必要な協力を行ってまいります。
最後に、国道14号の交差点名標識の設置についての御質問ですが、国道14号からJR市川駅北口に接続する交差点には、市川市及び警察署と協議を行い、市川駅北口とする交差点名標識を設置してまいります。
私からは以上でございます。
◯説明者(田中俊恵君) 私からは道路課題について、国分前橋東側の交差点に信号機の設置を検討できないかとの御質問にお答えいたします。
当該交差点は、現在道路管理者による歩道整備等の改良工事が行われておりますところ、完成後も赤信号で停止した自動車等の側方を自動車等が安全に擦れ違うことができるだけの道路幅員が確保されない構造になるものと承知しており、信号機による交通整理を行うことはできません。当該交差点には既に一時停止及び横断歩道の交通規制を実施しておりますが、要すれば道路管理者と連携し、さらなる安全対策を検討してまいります。
以上でございます。
◯説明者(柳橋良造君) 私からは令和2年度までの財政健全化計画に関する1問についてお答えいたします。
基金の運用についての御質問ですが、本県では、基金について安全性の確保を最優先に、預金や債券により効率的な運用を行っており、運用益の向上を図るため、従来主に購入していた10年国債よりも利率が高い地方債や、より年限の長い20年債等を購入しているところです。この結果、4年間の取組で10年国債を購入した場合等と比較すると、年約5億1,000万円の増収効果が得られたところです。
以上でございます。
◯坂下しげき君 御答弁ありがとうございました。
初めに、県民生活を支える行財政政策についてお尋ねをいたしました。県民の要望を実現するためには、安定的な財源確保と行政コストの縮減に全力を尽くす必要があります。県税徴収率はまだ全国平均を下回っているとのことでした。歳入がしっかり確保できれば、政策実現に向けて積極的な予算編成が可能となります。
そこで、再質問といたしましては、森田前知事との県政の違いについて御答弁をいただきましたが、先ほど申し上げたとおり、予算編成の基本的な考え方を示す令和4年度当初予算要求通知のポイントでは、その姿勢が明確ではなかったわけであります。また、予算要求状況を確認しましたが、義務的経費や経常的経費が大部分を占め、政策的な予算に充てられるものは僅かであります。真に必要な事業について、どのように重点的に措置していくのか、明確にお答えをいただければと思います。また、予算における県税収入は徴収率をどの程度見込んでいるものなのか、お答えください。
次に、県民の命と暮らしを守る政策についてであります。
子育て政策について、保育施設について伺いましたが、来年度当初予算は待機児童対策の次の段階に進む時期であると思います。今まで待機児童対策に集中してきましたが、その一方で、障害児の受入れや医療的ケア児の受入れが進まない状況にあります。全ての児童が平等に安心して保育が受けられる環境づくりが必要であります。これはまさに知事がおっしゃいました多様な保育環境の充実に当たると思います。しかし、障害児や医療的ケア児の受入れ、アレルギー児対応、外国人児童受入れ、夜間・休日保育、年末年始保育、病児・病後児保育などの充実について、保育士の加配に対する補助に関する御答弁がありましたが、その他の施策はありませんでした。もちろん保育士の確保は重要なことでありますが、受入れの促進や安全性を高めるためには、東京都のような対象児童1人当たりの受入れに対する助成も有効であると思います。千葉県として毎年ただただ同じ政策を繰り返すだけではなく、何が必要かを考え、新たな政策を展開する必要があると思います。
そこで、再質問といたしまして、現在の政策で十分障害児の受入れに関するニーズを満たせているとお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。また、保育士の加配のほかに県単独の助成について今後検討していくのか、お答えいただきたいと思います。
次は、医療的ケア児に対するものでございます。新法が本年9月に施行され、医療的ケア児及びその家族に対する支援は県の努力義務から責務となりました。つまり、県は責務として保育所や学校などで医療的ケア児を受け入れるための支援体制をつくっていかなければならないと法律で定められたのであります。しかし、法律の施行から半年後の新年度予算において、新たな取組はないとのことだったと思います。御答弁では、関係機関と調整をしたり、意見を聞いているとのことのようでございます。意見を聞くのは非常によいことだと思います。しかし、看護師の配置などは、意見を聞くまでもなく分かることであります。看護師に対する県単独補助の上乗せなどを行い、県内全域での受入れ体制を整えることもできると思います。例えば、国庫補助は全国一律のものですが、千葉県の看護師の賃金は高いほうだと思いますので、国の補助では十分とは言えません。また、医療的ケア児を受け入れ、安全性を高めるとなると、看護師1名を雇用するのではなく、常時1名以上の看護師を配置できるように人員を確保しなければなりません。1人しかいなければ、休暇も取得できないことになります。国の補助だけでは難しいのが現状であります。国の足りない部分を補う県の補助が必要であると思います。したがいまして、要望として、全ての児童が平等に充実した環境で保育や教育が受けられるよう予算をしっかり措置し、本県として誇れる政策を他県に先駆けて実施していただきたいと思います。
まずは、国から検討が要請されている支援センターの設置、そのほか保育園、学校等への受け入れ促進のための県単独補助の創設について強く要望をいたします。
次に、新型コロナウイルス感染症への対応についてです。夏の感染拡大時に非常に苦しい思いをされた方、命を落とされた方がいらっしゃいます。感染の再拡大に備えた体制について御答弁いただきましたが、制度設計が曖昧な気がいたしました。命に関わることですので、前回の対応を細かく検証し、同じことを繰り返さないように対策を徹底していただきたいと思います。PDCAサイクルをしっかりと実施し、万全を期していただければと思います。
次に、宿泊療養施設の確保についてですが、千葉銀行の研修センターの駐車場にプレハブを設置すると聞いております。初回で取り上げました市町村職員中央研修所は、バス、トイレつきの個室が300室もある施設であります。ちばぎん研修センターに新たにプレハブを設置するより、設備がよくコストも抑えることができると考えます。
そこでまず、ちばぎん研修センターの臨時の医療施設について、宿泊棟の短期入院用の個室にはシャワー、トイレ、エアコンがあるのかお答えください。併せて、研修室にある短期入院用エリアはパーティションで区切った個室となるのかお答えください。
また、駐車場に設置するプレハブ型の宿泊療養施設について、設置に要する経費、1か月当たりのリース代、撤去費をお答えください。
次に、市川市内の鉄道駅におけるホームドアの設置について伺いました。ホームドアは、県民の日々の生活における命のリスクを回避することができる非常に重要なものであります。鉄道会社と協議し、県民のために早期に進めていただきたいと思います。
次に、避雷針につきましては、落雷による被害について真剣に想定しなければならない気象状況になってきていると思います。従来型の避雷針は雷を誘導して落とすというものですが、PDCE避雷針はそもそも落雷を発生させないというコンセプトで開発されたものであります。したがって、従来型の場合、落雷の影響で電子機器のシステムダウン等が発生する可能性があり、雷のリスクを排除することができませんが、PDCE避雷針は雷が落ちるのを抑止するため、被害を抑えることができるわけでございます。災害時に庁舎等がシステムダウンしないように、PDCE避雷針について今後選択肢の1つとして検討していただくよう要望させていただきます。
また、河川における草木の伐採やしゅんせつについても、災害時にリスクとならないよう日常的にしっかり管理していただくことを要望いたします。
最後に、県民の安心・安全な生活を守る政策についてになります。成田空港の利用促進、救援物資としてのアルミ缶の備蓄水については、いずれも検証しながら促進していただきたいと思います。
県民の日常生活の安全を守るための道路課題につきましては、御答弁いただきましたが、例えば、県道市川松戸線の国府台病院から矢切駅方面にかけての歩道は非常に幅が狭いものでありますが、小学生、中学生、高校生、大学生の通学路でもあり、生活道路にもなっているわけでございます。しかも、非常に交通量が多い道路であり、県民生活の安全を守るため、何としてでも進めていただきたいと思います。
道路整備につきましては、日頃より安全性を考え善処していただいていると思っております。今回質問させていただいた道路課題も非常に深刻な問題がありますので、事業に着手していただくよう強く要望いたします。
以上、2回目の質問とさせていただきます。
◯説明者(石川 徹君) 私からは、初めに、予算措置に関する御質問にお答えいたします。令和4年度当初予算編成に当たっては、新たな総合計画案との整合性を図りながら、本県の将来の発展に資する県民の安全・安心の確保、経済の活性化や社会資本整備の推進、医療、福祉や子育て、教育施策の充実などについて重点的に予算を配分したいと考えております。
また、県税収入の徴収率に関する御質問ですが、予算編成における県税徴収率は、原則として前々年度から過去3か年の税目別の平均値で算出しております。令和4年度当初予算要求ベースでは、新型コロナウイルス感染症の影響など特殊要因についても考慮し、県税全体で98.3%と見込んでおります。
私からは以上でございます。
◯説明者(加瀬博夫君) 初めに、障害児の受入れニーズを満たせているのかとの御質問ですが、県内の保育所等におきましては、令和2年度に749施設で2,617名の障害児を受け入れたところであり、保育の実施主体である市町村において適切に受入れを行っているものと承知しております。
次に、保育士の加配のほかの県独自の助成についての御質問ですが、県では、独自に保育士配置改善事業を実施しており、また、国におきましても民間保育所等に対する給付費の障害児加算や施設改修への補助等を実施しているところでございます。県といたしましては、こうした既存の制度を十分に活用しながら、保育所等における障害児の受入れ促進を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯説明者(井口 豪君) 初めに、ちばぎん研修センターの臨時の医療施設に関する御質問ですが、宿泊棟の個室にはトイレ、エアコンが設置されておりますが、シャワーはございません。また、大、中の研修室は各ベッドの3方をパーティションで区切った半個室となります。
次に、ちばぎん研修センターのプレハブ型の宿泊療養施設に関する御質問ですが、設置に要する経費は1億3,760万円、1か月当たりのリース代は182万円、撤去費は2,079万円となります。
以上でございます。
◯坂下しげき君 それぞれ御答弁ありがとうございました。
予算における県税収入は、過去3か年の徴収率の平均値によって積算されるということのようでございます。徴収率が上がれば歳入が増え、もっと積極的な歳出予算が組めることになります。本県は、財源の確保や事務事業の見直しなど伸び代が大きいと思います。しっかりと財源を確保し、真に必要な予算に重点的かつ効果的に予算をつけ、県民要望に応えられるような予算編成を行っていただきたいと思います。また、引き続き行財政改革に取組み、改善が図れるようにお願いをいたします。
次に、子育て政策についてでありますが、知事が言われた多様な保育環境の充実に政策のかじを切る時期であり、ここが本県の足りない部分だと私は思います。令和4年度当初予算で子育て施策の充実に重点的に予算配分するという旨の御答弁がありました。質問において課題を指摘させていただきました。全ての児童が平等に安心して保育が受けられる環境づくりのため、しっかり予算措置していただくように要望したいと思います。国の予算を使っていろいろやっておりますけれども、県単でのものがほとんどないと言わざるを得ないわけでございます。ぜひ千葉県として何をやっていくのか、お願いをしたいと思います。
最後に、ちばぎん研修センターに設置する臨時の医療施設についてでございます。臨時の医療施設はパーティションで区切ったもので、個室ではありません。宿泊棟の個室にはシャワーもありません。プレハブ型の宿泊療養施設については、設置にかかる経費が1億3,760万円ということでありました。一方で、市町村職員中央研修所には、シャワー、トイレを備えた個室が300室完備されていると聞いております。また、市町村職員研修所には広い研修室が複数あり、ちばぎん研修センターで設置するような臨時の医療施設も設置できると思います。今回一例として市町村職員中央研修所を挙げて質問いたしましたが、最少の経費で最大の効果を上げるため、経費についてもしっかりと精査をしていただき、今後の感染拡大に備え、万全の体制を整えていただくように要望し、私の一般質問を終わらせていただきます。誠にありがとうございました。