2009年(平成21年)12月議会 一般質問
2009年(平成21年)12月議会 一般質問
第5日目 2010年1月25日
発言者:竹内清海議長
日程第1一般質問を行います。
順次発言を許します。
坂下しげき議員。
〔坂下しげき議員登壇〕
発言者:坂下しげき議員
おはようございます。ニューガバナンスの坂下しげきでございます。市政一般につきまして質問させていただきます。
日本経済は、アメリカの金融危機に端を発した世界経済の急激な減速に伴って悪化し、企業活動や雇用情勢にも深刻な影響を与えています。このような急激な変化は、市民の暮らしはもとより、本市の行財政運営にも重大な影響を及ぼし、とりわけ財政運営の基盤となる市税収入は大幅な減少が見込まれております。平成22年度の当初予算編成見積要領によると、市税の減収などで歳入は約30億円の減額が見込まれ、一方、歳出では扶助費、公債費で21億円の増額、債務負担行為の償還で12億円の増加が見込まれます。つまり、人件費の抑制を勘案しても、収支で約50億円のマイナスが見込まれます。しかし、先日配付された財政部資料では、これを上回る60.1億円の財源不足が示されました。暗たんたる気持ちになります。大変厳しい状況であり、これまでどおりの事業実施が困難な状況ともとれ、厳しい行財政運営を強いられることになります。
また、一方では進展する地方分権の流れの中で、財政規律の保持が次第に求められつつあり、国や県への依存は許されず、みずからの財政運営はみずからが決定し、責任を持ってという厳しさがこれまで以上に増すものと認識しております。そのため、平成22年度の予算編成は、ごく限られた財源の中で市民ニーズに忠実でありながら、徹底した行財政改革を推進するとともに、従来から実施している施策、事務事業につきましても慎重に精査して経常経費等を大幅に削減しなくてはならないものと思います。このことは、自治体の責務である持続的な行政サービスを提供する上で避けては通れない道であり、前市長が重点的に進められていた施策についても新たな観点から、大久保市長には厳しい姿勢で切り込んでいただきたいところであります。
このような厳しい財政状況であっても、市民生活の維持や安定、地域の特性とニーズに応じた施策の展開は行政の責務として予算を確保しなければなりません。そのための予算の振り分け、廃止、縮小、拡大、新規着手の見きわめが大久保市長の手腕、能力の見せどころになると思います。市民の目線に立った効率的で質の高い行政サービスをスピーディーに提供できるような予算編成を期待して、平成22年度予算編成について質問させていただきます。
まず、平成22年度の財政見通しについてお尋ねをいたします。
歳出について、義務的経費とそれ以外について分けてお尋ねをいたします。まず、義務的経費が今年度よりも41.7億円多くなり、財政を圧迫しております。義務的経費のうち人件費は抑制されているので、公債費、扶助費、債務負担行為が大きくなり、財政を圧迫している形になります。したがいまして、公債費、扶助費、債務負担行為が増大している主な理由を簡潔にお答えいただきたいと思います。
次に、義務的経費以外のその他の経費、総額479.2億円についてお尋ねをいたします。この中には、性質上、義務的経費に近い、あるいは同等の予算があると思います。例えば土地の賃貸借、長期継続契約によるリース物品、委託契約、事務経費、施設維持管理費など簡単に削減できない経常的経費があると思います。これらの予算が381.8億円に占める予算額についてお答えいただきたいと思います。
続きまして、予算配分についてお尋ねをいたします。
本市では枠配分を行っており、平成22年度当初予算では、前年度枠配分対象額から一律3%減額という方法をとっています。予算の一定割合を一律カットする手法であります。この手法は一定の痛みを共有するような外形ですが、市民生活に直結するような生活関連予算と、市役所内のIT化や事務用品、備品費や海外旅費など効率化を徹底すべき予算と同様の扱いを受けるというデメリットもあります。また、根拠なく予算を3%減額しただけで、事業数や規模の見直しをしなければ、単位当たりの取り組みを薄くするだけで、全体的にひずみや、ゆがみをつくることになります。枠内で優先順位をつけるべきであり、めり張りがつけられない予算配分はすべきではないと思います。深刻な財政難であるからこそ、シーリング方式を検証して、市長のリーダーシップのもと、有効な予算の配分が求められると思います。そこで、枠配分方式の予算編成について、めり張りをつけるための工夫をしているのか、お答えをいただきたいと思います。
続きまして、歳出の抑制方法についてお尋ねをいたします。
まず繰出金について、財政部資料では、平成22年度繰出金は97.4億円を見込んでいます。これを抑えるための措置としてどのような取り組みを行うのか、お答えください。
次に、枠配分のところでも申し上げましたが、事業の優先順位をつけ、全体的な事業数や規模の見直しをしなければ単位当たりの取り組みを薄くするだけで、有効な予算編成になりません。そこで、全体的な事業の見直しについてはどのように行ったのか、お答えいただきたいと思います。
続きまして、歳入の確保についての考え方についてをお尋ねいたします。
一般財源の歳入が58.9億円減少する見込みになっております。市税収入については、経済状況から大幅な減少が見込まれることが予想されておりましたが、市長のマニフェスト等では、歳入に対するお考えが私にはわかりませんでした。したがいまして、歳入の確保についてはどのようなお考え、姿勢で臨まれるのかお答えいただきたいと思います。
次に、公約についてお尋ねをいたします。
このように非常にとても厳しい財政状況の中で公約に取り組まれると思います。財政部からの資料をいただいたとき、私は実感として、政策的経費はほとんどないと思いました。それだけではなく、歳入、歳出ともに厳しく切り込む必要があると思いました。冒頭でも申し上げましたが、暗たんたるものであります。市長としては、実際に予算見通しを示されて、どのような方策で公約に取り組まれるのか、お答えをいただきたいと思います。
続きまして、通告第2の市民の生命を守る減災・防犯について質問させていただきます。
どのような財政難であっても、市が最低限しなくてはならないことは、市民の生命、生活を守るという取り組みであります。災害時に組織的に、大規模に、無償で市民全体の生命を守ることができる、あるいは守らなければならないのが行政であります。組織と財政力を用いて迅速に行動できるかどうかが市民の生命を守るかぎとなります。常日ごろから体制を整え、点検していく必要があります。そこで、災害時における危機管理体制についてお尋ねをいたします。
危機管理組織は、市長、副市長及び危機管理監のもと、危機管理部、消防局が主となって初動体制等を行うと思います。このような組織の特徴として、平常時から危機管理監が強いリーダーシップを発揮し、体制が整えられることにあると思います。市民の方の生命の確保という点からは、消防局による初動体制が重要になります。危機管理監の消防局に対する指揮命令体制についてお答えをいただきたいと思います。
次に、大きな災害が起きた場合は市川市単独では対応し切れないことが想定されます。したがいまして、市民の方の安全を考えたとき、協力体制も欠かすことができません。そこで、他の地方公共団体に支援を要請する手順についてお答えをいただきたいと思います。
また、民間事業者との応援、支援協定は拡大していくのか、お答えいただきたいと思います。
次に、減災のための支援についてお尋ねをいたします。
平成7年1月17日、午前5時46分に兵庫県南部を襲った直下型地震、阪神・淡路大震災は、死者、行方不明者6,000人を超えました。そのうち家屋、家具等の倒壊による死者は88%になります。また、負傷者4万3,000人の中には、建物に特別な被害がないにもかかわらず、家具の転倒や散乱によって逃げおくれたり、室内でけがを負った方も多数含まれております。このような非常に痛ましい震災の経験から、重大な被害をもたらす家具等の転倒を防止する減災の取り組みがさまざまな自治体で行われております。家具転倒防止金具の取りつけの助成やガラス飛散防止シートの配布、要援護者の自宅への金具の固定などを行っている市もあります。本市としては、家具等の転倒防止についてどのような対策を行っているのか、お答えをいただきたいと思います。
次に、災害に伴う予算の確保についてお尋ねをいたします。
災害が起こった場合に復興に向けて多額の費用が必要になります。本市ではどのぐらいの財政支出が見込まれるのかお答えいただきたいと思います。
次に、平常時における防災無線の利用についてお尋ねをいたします。
他市では、平常時に認知症などの方が行方不明になられた場合に、ご家族の方からの依頼で防災無線を活用するサービスがあります。このようなサービスについて市民要望もあります。防災無線については、近隣の方には騒音の問題もあります。さまざまな方のご要望を調整するような形で平常時に有効に活用できないのか、お答えいただきたいと思います。
以上、ご答弁によりまして再質問をさせていただきます。
発言者:竹内清海議長
答弁を求めます。
財政部長。
〔小川隆啓財政部長登壇〕
発言者:小川隆啓財政部長
私のほうからは平成22年度の予算編成についてお答えをさせていただきたいと思います。
まず初めに、平成22年度の財政見通しについてでございますが、我が国の経済は、一昨年秋の世界同時不況以降の景気の落ち込みが急激だったために、依然として経済活動の状況を示す各指数は低い水準にあります。このようなもとでの平成22年度の見込みでございますが、歳入につきましては、市民税が平成21年度当初より36億円ほど、また利子割交付金などの税外収入につきましても5億から6億ほど落ち込むものと見込んでおり、自主財源の比率の高い市川市の財政にとりましては大変に厳しい状況となっております。このような大幅な税収減というものは、これまでになかったことと言ってよろしいかと思います。一方、歳出におきましては、やはり景気の悪化を受け、生活保護関連経費が大幅にふえるほか、保育園需要の伸びにより保育園の運営に要する経費が大きく増となるなど、扶助費だけでおおよそ27億円の増となる見込みであります。このことから、新年度の予算要求におきましては、この1月初めの時点において、いまだ60億円ほどの歳出超過となっておりまして、現在、最終調整を行っているところであります。
そこで、公債費、扶助費、債務負担行為の増加理由でございますが、まず、公債費につきましては3億円程度の増加を見込んでおります。この主な理由でございますが、平成17年度に発行いたしました市民まちづくり債が5年の満期を迎えることにより一括償還するもので、発行額と同額の5億円の予算措置によるものでございます。扶助費の増加理由は、生活保護費のほか、児童扶養手当や私立保育園運営費などで約27億円の増加を見込んでいるところでございます。債務負担行為の増加につきましては、おおむね24億円の増加を見込んでおります。主な理由につきましては、小中学校の校舎の耐震工事でございます。義務的な経費に準ずる経費ということでございますが、厳密な意味での支出することが強制的に義務づけられております義務的経費ということについては、人件費、扶助費、公債費の3つの費目が義務的経費と言われているものでございますが、債務負担行為や継続費につきましても、あらかじめ支出することが約束されております経費でありますことから、本市では厳密な意味での義務的経費を含めて、これらを義務的な経費ととらえているところであります。おおよそ736億円になります。また、これ以外にも物件費、補助費等の経常的経費の中にも支出をせざるを得ない性質を持つものがありまして、この経費につきましては義務的経費に準ずる経費と称してもよろしいのかと思います。その内容といたしましては、主なものとして、非常勤職員の賃金、光熱水費や施設修繕料などの需用費、施設管理委託や私立保育園の運営費などの委託料、それに賃借料等の物件費並びに各種団体の負担金や補助金等でありまして、平成22年度の概算では、物件費が約204億円、補助金等が約54億円の合わせて258億円を見込んでいるところであります。この義務的な経費を除いたその他の経費ということは新規事業や既存事業の拡大分ということでございますが、一例を挙げますれば、学校給食安定化食材購入緊急措置事業や国民体育大会の負担金などでございますが、その他の要求事業といたしましては、総額で約123億円を見込んでいるところでございます。
次に、平成22年度の予算編成方針において、事業のめり張りをつけるべき、優先順位をつけるべきということでございますが、平成22年度の予算編成方針は前市長のときに策定しておりまして、市税の大幅な減収が見込まれておりましたので、事務事業その他、必要性を原点から見直すようという指示を受けております。しかし、優先順位づけについては、当然、総合3カ年計画の計画事業は優先しなければならないものでありますけれども、建設事業のように完成目標があるものを除けば、市の事業はそのほとんどが継続的に行われているものであり、このような厳しい財政状況の昨今では、事業に優先順位をつけるということも重要なことでございますけれども、これまでの事業を継続すべきか、あるいは否かについて政治的な判断を必要とするものと思います。
新年度の予算配分ということでございますが、やはり現下の厳しい社会経済情勢を反映してということで、扶助費が大きく伸びることは先ほど申し上げましたが、予算の目的別では、やはり民生費及び学校の耐震での教育費が増加する見込みとなっております。枠配分をどのように見直したのかということでございましたが、平成21年度の予算編成までは経常的経費、あるいは政策的経費のAについては枠配分方式といたしまして、配分額は平成20年度の当初予算額をベースとして、マイナスシーリングは行わないこととしてまいりました。しかし、22年度は毎年度経常的に支出する経費につきましては、前年度配分額の97%のシーリングをいたしたところであります。
歳出の抑制方法として、全体的な事業の見直しをどのように行ったかということでございましたが、平成22年度の予算編成におきましては、事業そのものの必要性を見るという観点から、企画部と合同で予算の査定を進めてまいりました。政策的経費につきましては、要求のありました1事業ごとに目的と効果、あるいは有効性、効率性、または市が実施すべきものであるかどうか、あるいは新年度に行うべきかどうかの緊急性といった観点で所管部とのヒアリングを行ってきたところであります。ただ、それぞれの事業には、事業が行われるようになった目的がありますし、継続的に行われてきているものが、突然に廃止や休止となることは影響が大きいこともあります。このことから、今回においては、まだ大幅な事業見直しには至っていないと感じているところであります。今後は事業を行うことの是非について、市民の方々ともどのように合意形成を図ればよいのか、また、仮に事業を取りやめることとした場合の取りやめに至るまでのプロセスについて検討してまいりたいと思います。
次に、予算確保の考え方ということでありますが、市川市の財政において、歳入の根幹を占めるのは市税でありますので、まず収納率を高めるということがあろうかと思います。このことにつきましては、昨今の社会経済状況から、より一層のきめ細やかな納税相談、納税指導を行ってまいりたいと思います。また、現在利用されている方々に無料でサービスを行っている事業があります。このことにつきましても、事業内容を見た上で、負担を求めるものについては負担をしていただくということでの検討も詰めたいと思います。さらに、遊休資産についても歳入増につながるよう検討してまいりたいと思いますし、特別会計の各事業につきましても、今後さらに歳入確保について各部署にお願いしてまいりたいと思います。
最後に、新年度予算にどれだけ公約を盛り込むかということでございますが、大久保市長が就任されましたのは昨年の12月末でありましたので、ことしの1月上旬では新年度予算では、先ほど申し上げましたように、まだ約60億の歳出超過という状況でありました。このことから、新年度においては公約に関する経費をすべて盛り込むということは難しい状況になっておりますが、保育所待機児童の解消に向けては、引き続き必要な予算を手当てしているところでありますし、狭隘となっている道路の部分拡幅や交差点改良についての予算につきましても措置をいたしているところでございます。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
危機管理部長。
〔川上親徳危機管理部長登壇〕
発言者:川上親徳危機管理部長
私からは市民の生命を守る減災・防犯についての何点かのご質問にお答えいたします。
まず、(1)の災害時の危機管理体制についてですが、危機管理監の担任事務につきましては、市川市危機管理監の担任事務及び事務決裁に関する規程で定めております。そこでは、危機管理監は、市長の命を受け危機事態――これは不特定多数の市民の生命、身体、財産に重大な被害が生じ、または生じる恐れのある緊急の事態ですが――の発生時の応急措置の実施、その他危機管理に関する事務を掌理し、すべての一般職の職員を指揮監督するとなっております。この一般職の職員には消防職員も入るというふうに解釈しております。これに基づきまして、危機管理監は平常時から各部を横断したさまざまな危機管理に関する調整等を行っております。また、消防組織法の規定では、消防庁――これは市川市におきましては消防局長になりますが――が消防職員を指揮監督するとなっておりまして、また、災害時の具体的な対応を定めております市川市地域防災計画では、大災害が発生した場合、市川市災害対策本部を設置いたします。設置されますと、組織として対応することになります。その場合、市長である本部長を危機管理監が直接補佐して各対応本部を束ねていくことになりますので、消防局もその指揮下に入ることになります。ただし、消防職員への直接的な指揮命令は消防局長が行うことになります。
続きまして、(2)の減災のための支援のうち、他市との支援体制についてのご質問ですが、災害が発生した場合に、自治体間で相互に協力し合うため、災害時相互支援協定を締結しております。本市が締結しております相互支援協定は、昭和50年度に東葛地域の9市で締結している協定、あるいは平成8年度に千葉県及及び千葉県下の全市町村と締結した協定、平成9年度には本市とひたちなか市、茅ヶ崎市、富士市の4市で締結している協定、また、平成20年度に江戸川区と締結している協定がございます。これらにつきましては、定期的に連絡会などを開催し、情報交換や担当者の確認などを行っているところでございます。
手順についてということでございますが、災害が発生した場合、まず、高所カメラとか警察とか消防等々によりまして被害の概要を迅速に把握いたします。概要が把握できましたら、必要な支援内容を検討いたしまして市長である本部長に進言し、決定いたしまして、事務局が直接連絡窓口に支援を要請するということを想定しております。
続きまして、民間事業者との協定についてですが、現在、本市では多くの分野で災害時支援協定を締結しております。その内容は、役務の提供を目的とした応援協定が28団体と10協定、物資の供給や避難施設の提供を目的とした支援協定が54団体と20協定を結んでおります。本年度は新たに市内老人保健施設の運営事業者と災害時要援護者の受け入れに関する協定、葬祭事業者と葬祭等の協力に関する協定、獣医師会と災害時のペットへの対応に関する協定を締結いたしました。大災害が発生した場合、多くの支援が必要となりますので、今後も必要な各分野で災害時に協力していただける事業者様と幅広く協定を進めていきたいと考えております。
次に、家具転倒防止についてですが、阪神・淡路大震災では、家具等の転倒により多くの人的な被害が出ました。この教訓から、本市においても家具転倒防止対策の普及と推進の活動を行っております。このために、家具転倒防止対策をいかに進めるかについて協力していただけるNPO法人やシルバー人材センター、あるいは住宅リフォーム相談協会などの方にお集まりいただきまして、対策の推進方法と協力依頼を行いました。そんな中で、福祉部で市民税非課税の高齢者世帯などを対象といたしました家具の転倒防止器具等取りつけ費用を助成する制度を創設したところでございます。あわせてわかりやすい啓発用のチラシやパンフレットをつくり、各種の防災講演会の席上や耐震診断・改修の講演会と共同して啓発しているところでございます。
次に、(3)の災害に伴う予算の確保についてですが、復興に向けた財政支出でどのくらいの積算をしているかということですが、本市は市川市防災計画支援システムという独自のシステムを持っておりまして、その中で市川市の地震の被害想定を詳細に行っておりますが、残念ながら、現状では復興のための所要額の積算までは行えていない状況でございます。これは今後研究する必要があると考えております。
最後に、(4)の平常時における防災無線の利用についてですが、もっと積極的な利用ができないのかというようなご質問ですが、本市の防災行政無線は昭和55年から市内に整備を始め、消防局に操作卓、それから市役所に遠隔操作卓を設置し、どちらでも操作ができるようなシステムになっております。現在、市内186カ所に受信機とスピーカーなどの放送装置を備えました子局を設置しております。平常時の放送は、機能確認を兼ねた定時のミュージックサイレンの放送のほか、迷子の捜索願とか停電、あるいはひったくり事件の発生など事件事故の緊急放送、さらには、選挙の広報放送とか、冬季夕方の子供たちへ帰宅を促す放送や、夏季の光化学スモック注意報の放送など、関係機関などからの要請によりましてさまざまに活用しております。例えば迷子の捜索願の場合ですが、警察署から電話とファクスで放送依頼が参ります。そうしましたら、私どもが必要な地域を限定しまして放送しているところでございます。ご質問のように、平常時における弾力的な運用をできるだけ心がけているところではございますが、防災用の公共無線という性質から、一定の枠は必要であると考えているところでございます。なお、放送した場合は、市のホームページの緊急・防犯のバナーから防災行政無線放送をクリックいたしますと、その放送内容が確認できるようになっております。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
答弁は終わりました。
坂下しげき議員。
発言者:坂下しげき議員
それぞれご答弁をいただきましてありがとうございました。2回目以降は一問一答ということでよろしくお願いをいたします。
平成22年度予算編成についてでございますが、まず、古来より財政の心構えの言葉として、「入るをはかりて出ずるをなす」というものがあります。収入の額を計算し、それに応じた支出を行うという意味であります。また、財政規律というものがあります。これは財政を放漫に運営するのではなく、秩序正しく運営するための規律という意味であります。基本は、将来に過度の負担を残さないためにも、この基本的な財政姿勢を保つべきであります。では、歳入に見合った予算を原則とし、将来に過度の負担を残さず市民生活を支えるために必要な経費を公債費と基金の切り崩しで補てんするという場合は、放漫に運営しないよう歳出予算の各経費を精査し、必要な限度で行うべきであると思います。財政規律とは、財政収支を均衡することだけを意味するものではありません。市民のニーズに合致しない無駄な公共サービスを供給せずに、市民に適切な負担を求めるという意味での効率性を実現することも財政規律に含まれます。しかし、見直すべき予算がどれで、実際に必要な経費が幾らであるかという全体的な把握がされていないようでありました。このような状況で財政対策債や基金の取り崩し額を決めるのは望ましいとは言えません。まして、年度途中で不測の事態や当初よりも実際の税収が落ちた場合を想定すると、当初予算からの基金の取り崩しには疑問があります。そこで、実際どれぐらいの歳出が必要であるのかを整理するために、歳出の経費の大枠ごとに再質問をさせていただきたいと思います。
22年度の財政見通しについてであります。まず、適切な額の歳出予算を計上する大きなポイントは、経常的経費、政策的経費の天井をどこにできるかにあると思います。経常的経費には、毎年経常的に支出される土地賃借料やリース物品、委託契約、事務経費、施設維持管理費など、簡単に予算を削減できない義務的経費とほぼ性格を同じにする経常的経費があります。この削減するのが難しい予算額が確定しないと、政策的経費に幾ら使えるかが把握できません。つまり、大きく考えると、義務的経費とこの義務的経費に似た経常的経費を歳入から差し引いて残る予算が政策的経費になります。これらの経費の見込み額が約260億円ということだったと思います。つまり、義務的経費と義務的経費に似た経費だけで歳入見込みの95%を占めることになります。そうすると、市川市が来年度に最低限必要なコストとして使う経費だけで歳入の95%を使うことになり、政策的に何かをする経費は5%しかなく、それ以上はすべて借金や基金である預金の取り崩しで行うことになるわけでございます。歳入の中には使い道が制約される補助金等があるので、実際には5%に満たないものだと思います。非常に深刻に受けとめるべき事態だと思います。
来年度の政策的経費は将来に負担を残す予算になることから、この政策予算の天井額をどのように決定するのか、あるいは経常的経費に大きくメスを入れて政策的経費を捻出するのか、本当に大きな政治的な判断が必要であろうかと思います。経常的経費を一律3%カットにすると、既に契約をしているものもあるので、他の事業にしわ寄せが来たり、単に事業を薄くするだけで適切な予算が組めず、結局は将来に負担を回すことになります。経常的事業といえども、全庁的に広く見て優先順位をつけて、徹底的な事業数や規模の見直しが必要と思います。経常的経費の問題に切り込まないとダイナミックな予算の組み替えはできず、予算の硬直化を招き、財政状況を悪化させると思います。とはいえ、このような考え方で経常的経費の一件審査はしていないとのことであります。財政状況が厳しいのは来年度のみではないと思うので、真剣に取り組んでいただきたいと思います。
政策的経費については一件審査を行っているということでしたので、政策的経費の総額見込み、審査した件数、予算化される予定の件数についてお答えください。
発言者:竹内清海議長
財政部長。
発言者:小川隆啓財政部長
新年度の予算の考え方につきましては、今ご質問者がおっしゃられたそのとおりでございまして、そのような考えで私どもも予算の編成に臨んできたところであります。政策的な経費といいましても、やはりほとんどが今まで継続的に進められてきているものでありますので、それを廃止なり中止などということを、方向性は仮に示せたといたしましても、そこに至るプロセス、市民合意をどういうふうに得るかとか、あるいはどのように廃止・休止に持っていくかというようなことの検討はすべきものだと思います。政策的経費で査定をいたしました件数と金額ということでありますが、金額につきましては、まだ予算が確定しておりませんので、おおよその額ということでありますが、企画部と一緒になりまして審査をいたしました件数は、政策的事業の中で727事業ということであります。その中で、来年度予算化をされる見込みである事業は約640ということで、金額にいたしますと、これも概算額ですけど、およそ740億円が政策的な経費ということでございます。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
政策的経費について伺いましたが、先ほど申し上げたとおり、くどいようになりますが、義務的経費と義務的経費に似た経常的経費だけで歳入の95%に上ります。つまり、政策的経費は市の公債と基金の取り崩しによる将来負担で行うことになろうかと思います。したがって、その総額は本当に慎重に決めていかなければならないものだと思います。将来負担等を勘案し、政策的経費の総額を幾らまでにするのか、どのように決めていくのか、今後はっきりさせていただきたい。これは要望しておきます。
続きまして、予算配分についてでございます。財政見通しも踏まえて、この予算配分について再質問させていただきます。今、お話をさせていただきましたとおり、経常的経費を適正な視点で決定していかないと、市民生活に直結するような生活関連予算、政策的経費Aなどの予算枠が確定できません。市役所内のIT化や事務用品、備品費や海外旅費などの効率化を徹底すべき予算のしわ寄せを受けることもあります。経常的経費でも、政策経費でも、限られた財源の中で予算化するには優先順位をつけられる政治的な高度な基準が必要であると思います。この基準、姿勢が明確でないと、各部でも戸惑いがあると思います。当然大きな判断が働くところですので、市長の方針が柱にならないと、予算の大きな幹ができないと思います。そこで、市長は予算配分についてどのような指示を出されたのか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
発言者:竹内清海議長
財政部長。
発言者:小川隆啓財政部長
先ほどもご答弁させていただきましたが、平成22年度の予算編成方針は前市長のもとでまとめをさせていただいたわけでございますが、その際には、これまでの事務事業を潜在的な観念にとらわれずに、必要性を原点から見直すようにという指示を受けております。その前市長の指示につきましては、新市長にもお伺いいたしましたが、同様なご指示を受けましたので、その指示に従いまして、政策的な経費を一件査定をいたしたところであります。優先順位ということであれば、当然3カ年計画事業というものが上位に上がってくるわけでございますが、それ以外にも市民ニーズ、いわゆる市民の要望、あるいは時代的な要請を踏まえれば、今やらなければならない事業というものも、事業だけではなくて予算もあります。そういうことで扶助費が伸びているということは、生活保護費が大きくなっているわけなんですが、これについても適正な手当てをするということは、今の時代の要請ではなかろうかと思いますし、あるいは保育園児童に対しましても、これも適切に対応していくというのも、やはり今の施策の中では順位の高いもの、あるいは保健医療関係につきましても、新年度は大きな予算をつけているわけなんですが、これについても、やはり健康都市を目指します市川の施策に合致をさせている。そういうような形での考えに基づきまして予算編成を行ったところであります。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
ご答弁ありがとうございました。他市では予算編成過程を公表しているところがあります。本市におきましてもそういったところを明らかにしていっていただきたい、これも要望させていただきます。
続きまして、枠配分のお考えを伺いながら歳出の抑制方法について伺ってまいりたいと思います。
財政見通しを伺う限り、枠配分、シーリング一律カットでは補えないのが現状だと思います。そこで、歳出の抑制方法について伺います。
企画部と合同で既存事業の見直しについて行ったということであります。見直しの優先順位は、やはり市民生活に直結しない事業であると思います。市民生活に直結しない事業から見直すべきであります。どのような基準で見直し事業を選択して行ったのか、また、選択した事業数についてお答えいただきたいと思います。
発言者:竹内清海議長
財政部長。
発言者:小川隆啓財政部長
基準につきましては、やはり事業の所期の目的が達成されているかどうか、あるいは効果をあらわしているかどうかということとか、来年度やる必要性があるかどうかということとか、これは市がやるべき事業なのかどうかということ、あるいは市民満足度を含めて市民の意向を十分に反映されている事業なのかどうか、それをまた検証しているかどうかというようなおおよそ4つぐらいの視点で各所管部とヒアリングを行ったところでございます。ヒアリングを行いました対象は、政策Aについては539事業で、政策Bについては188事業について審査を行ったところでございます。そのうち、どのぐらいの事業が見送りになって廃止になったかということについては、数字としてははっきりまだ確定していないのですが、先ほど申し上げましたように、政策的な経費としておおむね740億ぐらいの予算の配当措置をいたしている、そういうところでございます。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
今、ご答弁をいただきました。市民生活に直結しない事業から見直すべきであると申し上げました。例えば不要になったリースの解除、海外出張の抑制、情報システム、ISO、ISメートルSや事務コストの多いインセンティブ予算などの見直しについて、今後しっかりやっていただきたい、このように思います。
歳出の抑制等について伺ってきました。続きまして、歳入の確保の考え方について伺っていきます。
歳入の確保について、基金の活用ということでありますが、年度途中で当初より歳入、税収が減額するおそれがあります。初めから基金を取り崩すのではなく、初めは市民ニーズに合致しない無駄な公共サービスを整理するという財政規律を意識し、歳出の抑制を図り、不測の事態に備えて基金は当初では活用しないという考え方もあると思います。具体的にどの基金からどのぐらいの規模の取り崩しを行うのかお答えいただきたいと思います。
発言者:竹内清海議長
財政部長。
発言者:小川隆啓財政部長
やはり歳入に見合った歳出というのは基本でございますけれども、経常的経費を含めて事務事業を見直しても、なおかつ、やらなければならない事業は多々あるわけでございます。歳入不足、あるいは税収不足になりましても、やらなければならない事業につきましては、やはり必要な手当てというものは講じていかなければならないと思います。歳出超過というか、財源不足に対応するための基金の活用というのは、例えば財政調整基金であれば、そういう税収の急激な落ち込みとか、あるいは予測し得ない突発的な事業に充てるというのが基本でございますので、今回につきましても、36億という今の見込みですが、市税がこれほど落ちるということは、今までかつてないことでありましたので、やはり財政調整基金を充てるというのは、1つの基金を積み立てる目的には合致しているのかなというふうに考えております。どのくらい崩すのかということにつきましては、まだ予算編成過程です。確定数値ではございませんが、財調につきましては約13億円ぐらい、実質の積立額が今40億ぐらいありますので、そのうちの13億円程度を活用しなければならないかなというふうに考えております。その他の基金につきましては、これは各事業に充てるように基金が設けられておりますので、各事業の中において基金活用ができるものについてはできる限り使っていただくという、大きなところでは福祉基金で2億円程度というのもありますけれども、その他については果実運用とか、その本来の基金設置の目的に沿った形での活用ということで進めさせていただいているところでございます。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
ご答弁ありがとうございました。財政調整基金を活用していくということでございます。必要な財源と財政秩序のバランスをどのように考えているのか、市長は市川市の財政調整基金についてどの程度の確保が必要であるとお考えなのか、伺いたいと思います。
発言者:竹内清海議長
財政部長。
発言者:小川隆啓財政部長
突発的な事態に備えるということでの財政調整基金ですので、できる限り多いほうがいいというのは、私の考えるところでございまして、先ほど申し上げましたように、今、実質的には40億ほどですので、その倍ぐらいは本来であれば持つべきかとは考えているところでありますが、このような財政状況でございますので、基金の積み立てもなかなか難しい状況であります。できる限り積み立てをしていきたい、そのように考えております。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
ご答弁ありがとうございました。続きまして公約について伺ってまいりたいと思います。
このような財政状況の中で、公約実現に向けて優先順位をつけることは重要であると思います。今後時間をかけて公約を実行されると思いますが、例えば話題になっております給食費の無料化には約17億円の予算が必要とのことでありました。来年度実施でなくとも、今後実施するためには、17億円の予算を毎年確保することになります。歳入が大幅に継続的にふえるのであれば実行できますが、今後、長きにわたって、歳入が多いときも少ないときも持続的に17億円の事業を毎年抱えるのは、非常に大きな財政負担になろうかと思います。実施するためには、現在の事業を17億円分カットして給食費を無料化するか、借金で実施するのか、そのほかの方法を見つけるのかであると思います。中核市への移行も財政的な負担が莫大であります。どのような財政運営をして公約を実施する思いであるのか、お答えをいただきたいと思います。
発言者:竹内清海議長
財政部長。
発言者:小川隆啓財政部長
基本的なお話を申し上げれば、市税の伸びが期待できないということであれば、やはり市税以外の部分について歳入を確保するということを、まず検討すべきだということであります。それと、歳出においては、やはりこれまで以上の事務事業の見直しを進めて、その財源を確保していく、これが基本的な考え方だと思います。
以上でございます。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
ご答弁ありがとうございました。先ほども申し上げましたように、基金の取り崩しは年度途中の税収が見込みより落ち込むなど不測の事態を考えて、当初では抑える必要があると思います。基金は災害時にも市民の生活を支える重要な資金になります。杉並区では、名古屋市とは違って基金を有効活用して、無理なく公債費の償還や区民税減税を行う取り組みを始めております。借金しては預金を崩すという安易な財政運営は望ましくありません。また、根拠なく予算を3%減額しただけで、事業数や規模の見直しをしなければ、単位当たりの取り組みを薄くするだけで全体的にひずみやゆがみをつくることになります。枠内で優先順位をつけ、めり張りをつける予算配分を望みます。
財政規律とは財政収支を均衡することだけを意味するものではありません。市民ニーズに合致しない無駄な公共サービスを供給せずに、市民に適切な負担を求めるという意味での効率性を実現することも財政規律に含まれます。このままの財政運営では、市長の大きな公約はいつになっても困難になってしまいます。給食費の無料化、中核市への移行などは莫大な財政負担が将来にわたって財政状況のよいときも悪いときも、常に持続的に続くようになります。ほかの生活関連予算を圧迫することにもなります。財政運営の早急の建て直しをお願いしたいと思います。
先ほどもご紹介いたしましたが、杉並区では基金を活用して公債の早期償還や市民税減税の取り組みを始めております。歳出予算に影響を与えない減税方法であります。多くの市民にメリットがある。財政規律を保持しつつ、適切な予選編成を期待して、予算については終わらせていただきます。
続きまして、防災のほうでございます。
1点伺いたいと思います。事業者との協定についてでございます。大規模災害が起きたときは行政の力だけでは限界があり、事業者の協力も不可欠でございます。積極的に協力してもらうためには、インセンティブを与え、そのかわりきちんと協定を結び、責任を持ってやっていただくなどの方法もあると思います。入札でのインセンティブを与える方法もありますし、地域防災力の向上の観点から、内閣府や他県、他市では、財政面での優遇などの措置を考えております。本市では、このことについてどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。
発言者:竹内清海議長
危機管理部長。
発言者:川上親徳危機管理部長
協定事業者へのインセンティブということでございますけれども、本市は災害時の協力事業者であるというような看板をつくりまして張っていただいておりますが、ただいまの税制とか、あるいは入札というようなお話でしたけれども、税制面につきましては、制度の公平性が保障されているという面ではなかなか難しいかと思います。そのほかにつきましては、通常の台風などでも水防等でいろいろご協力いただいていることもありますので、私どもいろいろお願いする立場としては、何かできないかなというふうに考えておりますが、いずれにしましても、制度全般の中で検討することでございますので、そのようなことを今度協議してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
発言者:竹内清海議長
坂下議員。
発言者:坂下しげき議員
大災害が万が一にも発生をしたときには、非常に大きな予算が必要となるわけでございます。人手も足りなくなる、お金もなくなってくる、そういったときに、やはり地域防災力の向上というのが何よりも重要かと思いますし、また、市民生活をしっかりと支えるための原資となる復興資金であったり、そういった災害対策基金というものがきちんとあるということが重要になってこようかと思います。
以上、ご要望いたしましまして、私の一般質問とさせていただきます。ありがとうございました。
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