2004年9月定例市議会 議案質疑

20049月定例市議会
 
議案質疑
1日目
議案22
 
議長
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂下しげき議員。
 
通告に従いまして質疑をさせていただきます。
 まず、この条例の大ざっぱな概要について、総務省の考えや他市と比較しながら質疑いたします。


 まず、多目的サービスの内容についてお尋ねいたします。第2条の多目的サービスの提供に当たって設置される自動交付機その他の機器について、設置場所や導入台数、サービスの稼働時間についてお答えください。また、他市では自動交付機の設置場所及び稼働時間等について規則で定めているところがありますが、本市の予定についてお答えください。そして、他市では市川市の条例第2条に定めるサービスの提供者の規定について、住民票の写しを交付するサービスについては、住民基本台帳法第12条第1項の規定どおり、本人または同一世帯に属する者にかかわる証明書を交付すると定めております。つまり、カードを用いてだれがだれの住民票をとることができるのかを限定的に規定し、個人情報の保護に対する配慮がうかがえます。しかし、市川市では住民基本台帳法に定めている規定を外して条文をつくっております。この点について、本市のお考えについてお答えください。
 次に、条例第2条に掲げるサービスを選択した理由についてお尋ねいたします。ご承知のとおり、住民基本台帳カードは、住民基本台帳上のネットワーク上の利用以外に、市町村に独自利用の領域があり、条例に定めるところにより、市の選択判断でさまざまなサービスが提供できることになりますが、総務省の提案では15のサービスがあり、そのうち6サービスについてはシステムが無償で提供されることになります。別途助成金がつきますが、条例第2条のサービスでは、地域通貨にかかわるサービスがこの6サービスに入っておりません。また、他市では総務省が提案した15サービス以外の独自のサービスの提供を行っていたり、サービスの提供の種類が多いところもあります。そこで、本市が条例に掲げる多目的サービスを選択し、採用する理由と経緯についてお答えください。
 次に、サービスの効果についてお尋ねいたします。効果について、年間の利用想定人数及び導入経費を勘案の上お答えください。
 続きまして、本人確認等の手続についてお尋ねいたします。まず、申請者が本人であることの確認方法及び申請者の意思確認の方法について、過去の問題ケースの発生事例を踏まえてお答えください。また、他市では具体的な方法を規則で定めておりますが、本市のお考えについてお答えください。
 最後に、多目的サービスの提供に関する措置についてお尋ねいたします。
 情報管理のために必要な措置について、具体的にどのようなことをお考えなのかお答えください。
 また、多目的サービスを継続的に提供するために必要な措置とありますが、今後どのような措置をお考えなのかお答えください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきます。

情報システム部長。

議案第22号に関する大きく3点のご質問についてお答えいたします。
 1点目の多目的サービスの内容についてでありますが、自動交付機の設置場所としましては、当初は本庁、行徳支所、大柏出張所、南行徳市民センター、メディアパークの5カ所に各1台の設置を予定しております。今後は利用状況を見ながら、駅や商店など市民の利用しやすい場所への設置を考えております。この自動交付機による証明書を交付するサービスの運用時間につきましては、平日、土曜及び日曜日の午前9時から午後8時までを予定しております。これら証明書自動交付機の運用に関する規定といたしまして、設置場所や運用時間、使用手順、防犯カメラ、管理者の設置など、管理運営に関する事項につきましては規則等により詳細を定める予定をしております。また、証明書自動交付機によって交付する住民票は、申請者が本人の住基カードを持って、本人及び同一世帯内の住民票を取得する場合のみ可能であり、印鑑登録証明書は、申請者本人の取得による場合でありますが、このような規定につきましても詳細を規則等により定める予定でおります。
 次に、第2条第2項に掲げるサービスを選択した理由と経緯についてでありますが、まず、2項1号にあります救急活動支援に係るサービスであります。本サービスは、急病や事故などによる年間約1万8,000件を超える救急出動件数のある中で、搬送対象者となる市民への適切な救急支援活動を高める必要があること、また、将来的には市民の健康に有効である地域の保健・福祉・医療ネットワークによるさまざまなサービスに結びつけるためにも、その実現に有効であり、本市でもかねてから研究をしておりましたICカードを活用した研究事業として取り組み、検証することとし、WHO憲章の精神を尊重した健康都市いちかわ都市構想への取り組みを背景として計画したものでございます。この研究事業につきましては、同趣旨で岩手県水沢市が先進的に取り組まれており、総務省や消防庁などとこの共同研究が予定されておりましたことから、本市も参加の申し出をし、モデル地域に指定されたものでございます。
 次に、2項2号にあります地域通貨に係るサービスでありますが、本市にとって地域コミュニティーや地域経済の活性化は課題でありますが、地域通貨は全国各地にある400を超える先進事例から見ても、コミュニティー活動や地域経済を活性化するのに効果が期待できることから、本市では平成16年1月に地域再生構想を内閣府に提案し、その提案したITを活用した地域通貨による地域再生の構想が平成16年6月に内閣総理大臣から地域再生計画として認定され、地域通貨モデルシステムの実証実験団体として指定されることとなり、国費で本市における地域通貨に関するシステム環境が整備されるものです。
 次に、それぞれのサービスの効果についてのご質問でありますが、第1の自動交付機による証明書の交付サービスでありますが、住民票と印鑑登録証明書の年間の交付件数は、合計すると約60万件にも達しておりますが、市民の皆さんが住民票や印鑑登録証明書を夜間や休日でも交付が受けられるようになる、従来の市民課窓口だけでなく、市民が利用しやすい新たな場所においても証明書の交付が受けられるようになるなど、市民にとってはその効果は大きいと考えております。本サービスを既に実施している先進市を見ますと、証明書の交付件数の全体の5割程度を自動交付機によって交付されております。本市といたしましても、なるべく早い時期、3年程度の期間をめどに自動交付機から50%の証明書交付、約30万件を見込んでおります。
 そこで、コストを計算してみますと、現在の方法で住民票1枚を交付するのに587円のコストがかかっていますが、今後自動交付機で50%を処理すると想定しますと、1枚328円とコスト減になると見込んでおります。サービスの拡大が得られながらも経費の節減ができると考えております。
 第2点目は申請書等の自動作成サービスでありますが、本サービスは、市民が窓口において各種の申請手続をする場合に簡略化する、あるいは担当窓口でない場所からでも申請手続ができるようにする、申請書を受理した職員が、申請者本人の確認や申請内容について確実に迅速に行えるという効果があると考えております。本サービスの実施に当たっては、600万円の初期投資をし、年間60万円程度のランニングコストをかけての運用を予定しております。当初は、支所や大柏出張所などにおいて取り扱っていない申請手続を予定しておりますが、対象とする10種類程度の申請手続の内容について現在協議中であります。将来的には、本サービスにつきましては電子申請に結びつくものと考えておりますので、多くの申請手続が対象となり、自宅からでも各種申請ができるようになり、その効果ははかり知れないと考えております。
 3点目は救急活動支援サービスでありますが、本サービスは、3,000万円の初期投資を全額助成金により実証研究事業として実施するものです。今年度の実証研究段階では、住基カード内に本人や家族などの緊急連絡先の情報を記録し、救急車両において救急隊員が必要に応じて利用することを想定しております。実証研究の期間におけるその対象者及び人数は特に想定しておりませんが、あんしん電話の利用者の人たちに呼びかけたいと考えております。
 4点目は地域通貨に係るサービスでありますが、実証期間中では、できれば1,000人程度の人たちに利用していただけないかと考えております。さきにご答弁させていただきましたとおり、地域通貨によって地域の団体や個人のコミュニティー活動を活性化したいというのがねらいでありますが、地域通貨によって、これまで地域の活動に参加しなかった人たちが、そのきっかけが得られるという効果もあるのではないかと期待しております。実証期間においてその効果を検証し、次年度以降の計画に反映していきたいと考えております。
 次に、本人確認等の手続について、申請者が本人であることの確認の方法でありますが、免許証やパスポート、写真つき住基カードなど、公共機関が発行する書類などの提示による場合、その提示がない場合は申請者本人の住所地へ照会書を送付し、照会書と国民健康保険証などの提示により、本人であることの確認、本人の意思の確認を行います。具体的には、規則などで定めてまいります。
 次に、情報の管理のための必要な措置についてお答えいたします。この場合の必要な措置とは、多目的サービスで取り扱う個人情報などの保護について、制度面、技術面及び運用面から万全に対応するということでございます。制度面といたしましては、窓口での対応手順や機器の操作手順等を定めた総合的な手順書を整備し運用する。個人情報保護条例、個人情報保護条例施行規則及び市川市情報資産に係る情報セキュリティーに関する規程等に準拠するということでございます。技術面といたしましては、情報は暗号化した上で専用回線により送受信をする、操作者用のICカードにより、個人情報等へのアクセスを限定する、コンピューターウイルスへの対策は、常に最新の更新ファイルを自動的に適用するなどといったことでございます。運用面につきましては、定期的に情報セキュリティーに関する研修を実施する、定期的な監査を実施する、機器は定期的にメンテナンス計画を立て実行する、機器は、機密性のある情報システム室に設置し管理をするといったようなことでございます。
 次に、多目的サービスを提供するための必要な措置についてお答えいたします。ここでの必要な措置とは、市民の皆さんが当該サービスを利用可能な時間内であれば、いつでもご利用いただけるよう対策を講ずるということでございます。具体的には、操作マニュアルに従った手順を作成し、誤った情報の記録が行われないようにする、機器及び通信網は、計画的かつ定期的なメンテナンスを行う、自動交付機の故障等万が一のトラブルに対してもいち早く対応できる体制を整備する、職員がその場で対応できるトラブルに対しては、あらかじめ障害対応マニュアルで迅速に対応できるようにする、職員に対しては、定期的な障害対応訓練を実施するなどの対応をとってまいります。
 以上でございます。

坂下しげき議員。

ご答弁ありがとうございました。
 条例第2条に掲げるサービスを導入された経緯はわかりましたが、個人情報保護の観点から、安易にサービスの種類をふやすことはよいこととは思えませんが、他市では、先ほども申し上げましたように、提供するサービスの種類が7から8種類あるところもあります。そして、それらのサービスは市立病院の予約サービスや子供の成長記録サービス、健康診断にかかわるサービスなど、比較的市民ニーズが高い方であると考えられるものが多いのですが、それらのサービスについては初めから検討されなかったのかお答えください。また、提供するサービスを選択する際は、市民ニーズについてはどのように把握され、検討されたのかお答えください。そして、市川市が提供する地域通貨にかかわるサービスへの市民の方々の関心は高まっているとお考えなのかお答えください。
 以上、第2回目の質疑とさせていただきます。

情報システム部長。

ご質問の第1点のその他のサービスの検討でございますが、市川市としましては、今後カードを使ったサービス、あるいは携帯電話を使ったサービス、さまざまなサービスについて総合的に検討をしております。
 また、市民ニーズにつきましては、さきに日本経済新聞社が3,000人を対象にした電子自治体に対する住民の意識調査を実施しておりますが、そういった中でも、今回市川市が採用しております地域通貨を利用したサービス、救急支援サービス、あるいは証明書の自動交付サービス、申請書の作成サービスといったものがそれぞれ上位を占める住民のニーズがあるというふうになってございます。市川市としても、そのような市川市民においても同様のニーズであろうというふうに判断しております。
 3点目の地域通貨に関してでございますが、さきに地域通貨に関する市内でフォーラムを開催いたしました。非常に多くの方のご参加をいただき、その中でアンケート調査を実施いたしましたが、多くの方がこういった地域通貨の利用をぜひしたいというような調査結果も出ておりますので、今後この市川市においても地域通貨の関心は高まっていくだろう、そういうふうに考えております。
 以上でございます。

坂下しげき議員。
 
ご答弁ありがとうございました。
 また、個人情報の保護についてなどは、1回目のご答弁により内容はわかりましたが、重要な事項でありますので、第9条で強い意思を表現する手法がとれたのではと考えますが、あとはほかも含めて詳細につきましては委員会でお尋ねしたいと思います。
 以上でございます。