2004年12月22日第9日目
2004年12月22日第9日目
一般質問
議長
次に、坂下しげき議員。
〔坂下しげき議員登壇〕
市友会の坂下しげきでございます。通告に従いまして一般質問させていただきます。
第1の防災対策についてお尋ねいたします。
私は、10月23日に発生いたしました新潟県中越地震の被災地に向け、10月31日深夜に市川を出発し、十日町市ボランティアセンターでボランティアの登録を行い、11月4日まで十日町市と小千谷市でボランティアとして活動させていただきました。この間、被災者の方の生の声やリアルな被災状況、そして市町村の職員の方々のお話を直接伺い、平常時の防災と災害後の対策の重要性について恐怖を感じながら経験してまいりました。そして、市川に戻った翌日の5日の朝から3日間、市川市内各所で募金活動を行い、33万数千円の募金をお預かりいたしました。このお預かりした募金を、11月13日に山古志村、小千谷市、川口町の災害対策本部で直接各市町村の助役さんにお渡ししながら現状を伺ってまいりました。今回の一般質問では、私が被災地でのボランティア活動等を通じて経験したことの中から、災害時における危機管理体制と市の責務について緊急性、重要性が高いと判断したものから、先順位者の方がご質問された内容を除いて数点質問させていただきます。
まず、(1)今後の危機管理体制についてお尋ねいたします。
危機管理体制については、災害対策基本法、災害対策本部条例、そして地域防災計画等により決められており、災害対策本部長については、これらの法令により市長を充てることになっております。災害時においては、行政機関の迅速な決定、判断が多くの市民の生命を左右することになります。現在、市長は海外渡航されても職務代理者を置いておりません。ご承知のように、新潟県中越地震においては、通信手段が発達した現在においても、電話はおろか、災害無線まで途絶えたのが現実であります。そして、大規模な災害により、その被害が地方自治体の災害対応能力を超える場合は災害対策基本法第68条の2により、市町村長は都道府県知事に対し、自衛隊法第83条第1項の規定による要請をするよう求めることができます。また、今回の新潟県中越地震のように、知事との連絡がとれない場合には災害対策基本法第68条の2第2項の規定により、市長は直接防衛庁長官等に通知することができます。このように災害時には、市長は市民の生命と安全を守る重大な責務を負うわけであります。
そこで1点目といたしまして、市長が海外渡航等不在のときに起こった災害に対する危機管理体制はどのようになっているのか。また、自衛隊の災害派遣の要請等はどのように行うのかお答えください。
2点目といたしまして、大災害が起きた場合に通信手段が途絶えることは否定できない現状にあります。災害対策基本法第68条の2は「災害対策本部長は」ではなく、「市町村長は」となっております。地方自治法第152条第1項及び市川市長職務代理規則によれば、長に事故あるときには職務代理を置くこととされております。一刻を争う災害時に市民の生命を守る重責を担う市長が海外渡航等において職務代理者を設置してないというご判断についてお答えください。
私が新潟に行った際に十日町市、小千谷市、山古志村の各助役さんが口をそろえてお話しされたことが、穏やかな中越地方がまさかこんな災害に遭うとは考えていなかったし、近隣市町村までもが危機状態になることを想定した災害マニュアルはどこにもないはずであるということです。
3点目といたしまして、本市が災害に見舞われたときに、他の行政機関、自衛隊等との連絡救援マニュアルについてお答えください。新潟県中越地方には、現実にとてつもないまさかが起こってしまったのです。市川市においても、万一に備えて危機管理体制を早急に整えていただきたいと思います。
次に、(2)ライフラインの整備及び各方面との協力体制についてお尋ねいたします。
私は、ボランティアとして水道の復旧作業のお手伝いもさせていただきました。そのとき現地で耳にしたことの1つが、十日町市は小千谷市に比べ、上下水道の整備を新しく行ったので被害が少なかったというお話でした。上水道の被害は、避難生活に重大な打撃となります。そこでまず、本市の上水道の設備改善について、千葉県水道局に対し、早急に点検、改修等を行うことを求めるよう強く要望いたします。
また、下水道については、本年10月、本市も2つの大きな台風に見舞われ、被害が出ました。集中豪雨による道路冠水など、都市型の浸水被害が市内各所で起こっております。私の住む中国分は高台にありますが、やはり少しの雨でも道路冠水を起こすことがあります。これが健康文化都市と言えるのでしょうか。しっかりと予算を確保し、計画的かつ迅速な整備が必要です。
そこで、本市の雨水管渠の整備率は29.2%であります。今後の整備計画と来年度計画事業についてお答えください。また、雨水管渠布設にかかわる予算の確保を強く要望いたします。
次に、(3)の情報管理についてお尋ねいたします。
災害無線は、市の設備が整っていても、県の整備状況に問題があると機能しないことが新潟県中越地震でわかりましたので、設備の充実を求めるよう要望いたします。
また、情報分野については、十日町市では、市のシステムである庁内LANが被害を受け、機能しなくなりましたが、地震の翌日には東京都世田谷区役所の復旧部隊が現地に到着し、十日町市で必死の復旧作業を行ったということでした。本市の地域防災計画には、震災に見舞われたときの情報システムに関する対策がありません。
そこで、震災時の情報システム分野の被害想定と対応についてお答えください。また、個人情報の流出や災害時の事務処理が停滞することのないよう、また被害が最小限にとどまるような対策、地域防災計画での積極的な管理体制を構築することを強く要望いたします。
次に、(4)防災倉庫備蓄品について。
本市には防災倉庫がありますが、関東地方一帯が大災害に見舞われることを想定すると、とても万全とは言いがたい状態であります。先順位者の方からご質問もありましたので、ここでは近隣市町村に及ぶ災害にも耐えられる備蓄計画の要望をいたします。
次に、(5)災害対策基金についてお尋ねいたします。
市が災害時に必要となるもので重要なものの1つは、即時に支出できる現金であります。万一、本市で災害が起こってしまった場合に、市民の方々の復興活動のために思い切った支出を行えるような基金の創設が望まれます。そして、今回冒頭で申し上げました募金活動中に伺ったお話の中で、寄附を行いたくても、現在は振り込み作業を初めさまざまな犯罪があり、どこに寄附をしたらよいかわからないというお話が多くありました。このような現状も踏まえ、災害対策基金条例を制定し、いつでも幾らでも市民の方が寄附できる基金をつくり、被災地への送金や災害ボランティア活動等に対しても活用していくことが考えられます。県は、災害救助法第37条により災害救助基金の設置を義務づけられておりますが、市町村には法律による義務はありません。
そこで、本市において防災意識の高揚と万一の災害に備えた基金の創設についてどのようにお考えなのかお答えください。また、災害対策関係基金の創設を強く要望いたします。
次に、第2はアウトソーシングについてお尋ねいたします。
平成15年12月議会や16年2月議会などで外部委託について質問をいたしました。本市予算における委託料の割合が他の市町村に比べ高いこと、16年度予算を節で比較するとトップであること、過去の随意契約の割合が80%を超えていることなどがあります。そして、国ではPFI法や指定管理者制度など各種法制度がつくられ、法制度上も外部委託の手法が多様化されました。しかし、私は安易に外部委託を促進するのではなく、質や将来の安定性など、さまざまなコスト分析を行って、行政としてのガバナンスを維持する形での洗練された外部委託を行うことが肝要と考えます。本市でも行財政改革審議会での答申を受け、また各種法制度改革に伴い、外部委託に関する基準の策定が急がれるところであります。
そこで1点目といたしまして、外部委託に関する基準の策定の予定及び公表についてお答えください。
2点目といたしまして、公の施設の管理運営に関しては、他市の多くでは管理主体について、直営、あるいは指定管理者でも公募しない施設など、具体的に公表しております。本市での決定事項と公表についてお答えください。
次に、第3の外郭団体の経営改革についてお尋ねいたします。
私は、この件に関しまして、福岡市と熊本市に視察に参りました。両市では、各種法制度改革を受けて今後の外部委託に関する考え方を公表しております。ご承知のとおり、かつては一部の団体しか管理委託はできませんでしたが、現在では広く民間事業者が行うことが可能であります。また、外郭団体や第三セクターの経営不振やコスト高が市の財政に少なからず影響を与え、市民サービスの向上に資することにはならないといった声もあります。そこで福岡市では、市の出資団体に対する指導、監督、支援のあり方について基本方針を策定し、外郭団体の見直し、統合、廃止を行い、市OB役員の退職金の廃止、経営評価システムの導入、監査法人による経営評価の実施、公表を行っております。
また、平成15年12月12日付で、総務省から第三セクターに関する指針の策定に関する通知が出されました。この指針は、第三セクターに関する積極的な運営改善、事業の見直し、民間譲渡など、抜本的な対応を求めております。また、この総務省指針では、現に第三セクターに公の施設の管理を委託している地方公共団体にあっては、地方自治法の改正により指定管理者制度が導入されたことを踏まえ、第三セクター以外の民間事業者の活用について積極的に検討を行うこととされております。しかし、本市では、外郭団体に関する基本方針の策定はなく、監査法人による経営評価の実施なども聞いておりませんが、平成16年6月議会における報告第12号財団法人市川市文化振興財団の平成15年度決算及び平成16年度事業計画に関する報告において、文化部長のご答弁は、市川市文化会館及び市民会館の管理は、財団が従前どおり直接管理していくことが正しいと理解しているというものでした。大きな政策的観点から、本市が文化会館等の運営を当該財団に任せるというのも市長の政治的判断でありますが、管理運営費は税金でありますから、市民の視点に立てば、良質のサービスを低コストで受けるのが当然であり、外郭団体と民間事業者に差がなければよいのですが、そのような検証が客観的に行われなければ安易に判断できない問題であろうと考えます。
そこで1点目といたしまして、各種の法律改正や制定、そして他市の動向、総務省通知を踏まえ、本市では外郭団体の経営改革についてどのようにお考えで、今後の改革については具体的にどのように関与していくのかお答えください。
2点目といたしまして、他市のような抜本的な改革なしに、今後も現在と同様の管理運営を外郭団体に代行させるのかお答えください。
次に、第4の予算編成のあり方についてお尋ねいたします。
私は、高知県、松山市、熊本市に視察に行ってまいりました。前議会で、高知県ではホームページで歳出予算見積書を公表していることを申し上げましたが、熊本市では予算要求書も掲載しており、担当課の予算要求と査定結果が一目でわかり、政策的責任の所在が市民から明確になるよう工夫されております。熊本市によると、公表後は市民からの苦情も減り、予算編成に当たっての責任の所在が明らかにされたことから説明がしやすくなったということを伺いました。また、松山市では、補正予算についても事業概要がホームページで公表されております。予算書だけでは、計上の詳細内容はわかりかねますので、予算の説明責任を果たすためにも詳細事項にかかわる公表が必要であります。本市は節別型予算書をつくっているのなら、せめて1科1目にするなどの工夫が必要であると考えます。来年度、新財務システムを稼働することになりますが、1科1目での予算編成を行うことを強く要望いたします。
また、予算編成過程として、来年度予算に向けてプレゼンテーションが行われていると思いますが、プレゼンテーションによる事業選択の基準を明確に説明する必要があると考えます。
そこで1点目といたしまして、プレゼンテーションの評価者、決定方法、選択基準についてお答えください。
2点目といたしまして、プレゼンテーションによる事業選択の選択内容について、選定されなかったものを含めてお答えください。また、内容を公表するのかお答えください。
次に、財源確保についてお尋ねいたします。
第2次財政健全化計画の平成17年度目標は、経常収支比率85%以内、公債費比率10%であります。国の三位一体改革による地方交付税、臨時財政対策債の大幅な落ち込みや扶助費の伸び、新規事業による借り入れ増などにより達成が危ぶまれます。今後の財政計画は数値目標だけではなく、質の高いものにする必要があり、質の高い政策を実施するには経常収支比率を抑える必要があります。冒頭で申し上げた災害などは、いつ起きるかわかりません。必要経費は確実に確保しながらも、不用額の管理、基金の確保を積極的に行う必要があります。前議会のご答弁で、不用額の管理は四半期ごとの予算の執行計画などによるとのことでしたが、庁内分権後、予算の流用についても権限が移譲されますが、むだ遣いを防ぐためにも、法令上の形式的な執行計画だけに頼らず、財政部で積極的な執行管理を行うことが重要です。例えば来年度はインセンティブ制度を導入するそうですので、事業ごとのインセンティブだけではなく、予算全体のインセンティブを確保し、全体的な不用額を次年度の新規事業のために繰り越したり、基金などに繰り入れることも考えられます。新財務システムも稼働しますので、システムでの適切な管理体制の構築を要望いたします。
また、財源確保の重要性の1つに、災害時に緊急に支出できる財源を確保することがあります。
そこで1点目といたしまして、本市に災害が起きた場合に即時緊急に支出できる予備費以外の現金や即時解約可能な預入金、財政調整基金等の合計金額についてお答えください。また、新潟県中越地震と同規模の災害が本市で起きた場合に、緊急に必要となる資金額に足りているとお考えなのかお答えください。
2点目といたしまして、ことしは日本じゅうで災害が続き、市川市も台風に見舞われ、道路冠水などが顕著にあらわれましたが、雨水管渠布設事業等災害予防対策予算について、平成17年度予算の枠配分に政策的重点が置かれたのかお答えください。
第5の行政事件訴訟法の一部改正についてお尋ねいたします。
ご承知のとおり、行政事件訴訟法の一部を改正する法律が平成16年6月9日公布され、平成17年4月1日施行となります。今回の行政事件訴訟法の改正は、国民の権利利益のより実効的な救済手続の整備が主眼となっております。これは市民の権利利益の救済範囲の拡大であり、逆に市にとりましては、今回の改正を踏まえて提起されてくるさまざまな問題に的確にこたえていく準備が必要となります。改正は多岐、広範囲に及んでおりますので、ここでは本市における法改正に伴う形式的な手続の整備について伺います。
まず、改正法第23条の2の規定が追加され、釈明処分の特則が設けられ、取り消し訴訟が提起された場合、訴訟の早期の段階で処分の理由や根拠に関する当事者の主張及び争点を明らかにすることを可能とするため、行政庁は、裁判所から必要があるときは、処分や裁決の理由を明らかにする書類の提出を求められます。したがいまして、市には処分過程の明確化、事務手続の整備が求められます。
そこで1点目といたしまして、今後は処分に至る事務過程の整備、統一化についてはどのように行うのかお答えください。
次に、取り消し訴訟等の提起に関する事項の教示についてお尋ねいたします。従来、行政不服審査の申し立てについての教示制度は存在しておりましたが、改正後は取り消し訴訟等の提起に関する事項の教示が新設され、当該処分または裁決にかかわる取り消し訴訟の被告とすべき者、出訴期間、法律にいわゆる不服審査前置の定めがあるときは、その旨を教示しなければなりません。また、地方税法施行規則の一部を改正する省令が16年12月3日付で公布され、納税通知書中の教示に関する事項について改正されています。
そこで2点目といたしまして、条例等に基づく処分の通知について、規則等で様式が定められておりますが、条例等の改正についての進捗状況についてお答えください。
3点目といたしまして、当該改正に基づき全体の見直し作業が行われることと思いますが、条例等に基づく処分の通知について、行政不服審査の申し立ての教示についても未整備なものはないのかお答えください。
最後に、今回の改正は、取り消し訴訟の原告適格の拡大、義務づけ訴訟の法定、出訴期間の延長、教示、執行停止要件の緩和等、範囲が広く、大幅な制度改革になっておりますので、市はさまざまな訴訟の提起に対して的確な対応が迫られることになります。
そこで4点目といたしまして、新しい行政事件訴訟制度について、法務部門の担当者及び行政処分を担当する職員の理解を深めるための研修についてどのようにお考えなのかお答えください。
以上、1回目の質問とさせていただきます。
答弁者に申し上げますが、質問が多岐にわたっておりますので、答弁漏れがないようにお願いをいたします。
市民生活部長。
〔鈴木 修市民生活部長登壇〕
災害時における危機管理体制と市の責務について数点のご質問にお答えをさせていただきます。
初めに、災害時における危機管理体制と市の責務についてでございますが、災害時において、市長が長期不在時での危機管理体制はどうなっているかということと、災害派遣などの要請はどのように行うのかというようなことについてお答えします。災害対策基本法では、災害対策に関する国、都道府県、市町村等の責任が明確にされております。また、災害対策基本法第5条では、市町村の責務として、市町村が第一義的に災害に対処する責務を負うことを明らかにし、災害対策基本法第23条によりまして、市町村長が災害対策本部長として、災害対応の指揮命令を行うこととなります。災害時におきましては、できるだけ指揮命令系統の混乱を避けるため、市町村にその実施責任のある項目について市町村長の権限が強化されておる状況でございます。
そこで、市川市域にかかる災害に対処するため地域防災計画を策定し、この計画に基づき、市長を本部長とする災害対策本部を設置し、迅速かつ的確な災害対応の指揮をとってまいりますが、災害対策本部長である市長に事故があったり、欠けたときは、市川市災害対策本部条例第2条第2項の規定及び市川市災害対策本部条例施行規則第2条及び第3条第1項の規定によりまして、助役、収入役及び教育長をもって、災害対策副本部長がその職務を代理することになっております。このようなことから、地域防災計画では、市長を第1順位、助役を第2順位としており、各種対応や要請を行ってまいります。また、各対策本部長につきましても第3順位まで指定しており、責任者が指揮をとれない場合でも順次指名された幹部職員が対応することになっております。したがいまして、職務代理を置いた場合は、職務代理者が県知事等に対して自衛隊等の要請をすることになってまいります。災害初動時では、発災直後の混乱により意思決定のおくれが初動体制のおくれにもつながり、被害を拡大させてしまうおそれもあることから、今後も指揮命令系統をさらに明確にしてまいりたいというふうに考えております。
それから、職務代理を設置しない判断でございますが、地域防災計画では、今申し上げましたように、順位等をきちんと決めております。一般的な事務で申し上げますと、市長の職務代理につきましては、海外の滞在期間が14日以内であるときとか、滞在先の通信手段が整備されておりまして、必要に応じて市長と連絡することが可能であるときは、原則として職務代理者は置かないということになっております。
続きまして連絡救援マニュアルでございますが、まず、私どもは近隣との協力関係につきましては、県内での各市町村と協定等を結んでおりますが、現在、千葉県におきましては、千葉県の防災行政無線のネットワークが衛星系で30回線、地上系で56回線、合わせて86回線、県の方で保有しておりますので、県をパイプにして、近隣とさらに連携をとってまいりたいというふうに考えております。
次に、災害時における情報システムの被害想定とその対応でございます。本市では、市川市地域防災計画を受けまして、情報セキュリティマネジメントシステムの事業継続計画及び緊急時対応計画において、その対応を図っております。想定される被害といたしましては、電源の供給が途絶える、コンピューターが壊れて機能しなくなる、データやシステムが壊れてしまう、ネットワーク回線が切断する、技術者の確保ができないなどがあろうかと思います。そこで、これらの被害に対する本市対応策といたしましては、1つとして、電源の供給につきましては、必要な情報機器においては自家発電装置によりできるようにしております。2つ目として、万一使えなくなったコンピューターや主な情報ネットワーク関連機器に関しては、機器のレンタル先から代替機を用意できる体制をとっております。3つ目といたしまして、情報システムに関するデータなどは毎日複製をとり、一部の主要なものについては外部の安全な耐火金庫のある施設に定期的に保管しております。4つ目といたしまして、主要なネットワーク回線につきましては、二重化や迂回経路を設けるように設計しております。5つ目といたしまして、技術者が確保できない場合に備えて対応できる職員を確保するため、マニュアル等による教育、さらには災害時においては、民間企業における技術者との連携も図れるように対応しております。このように、情報システムに関する災害時の対応は図ってはおりますが、市が保有するすべての情報システムへの対応ではないことや、このたびの小千谷市の状況を見ましても、電源確保に悩まされたとのことであり、昨年の夏に導入した自家発電装置も地震の影響で故障して使えなかったなど、中越地震の教訓を生かした対応を今後図る必要がございます。ご質問にありました情報システムにつきましては、今後、市川市地域防災計画の中に位置づけてまいりますので、ご理解いただければと思います。
続きまして、災害対策基金の創設についてお答えいたします。現在、千葉県では、ご質問者もおっしゃっておりましたが、災害救助法第37条に基づきまして、災害救助に要した費用の支払いを目的とした災害救助基金を昭和46年より積み立てを行い、現在では約24億1,900万円の財源が確保されております。この災害対策基金は、一般的に災害の応急対処や復旧その他の災害対策に限定しているところが多く、大きな被害を受けた被災者個人の財産にまで救済の手を伸ばすことには至っておりません。しかしながら、長崎県の例では、財団法人雲仙岳災害対策基金を設立し、行政では実現できない被災者個人の財産への助成を可能にした例もございます。現在、日本の各地で各種災害が起きている状況であり、南関東直下型による大地震が起きた場合は本市域も相当の被害と甚大な被害額が想定されますので、今後、長期的なビジョンを持った災害対策や危機管理の必要性を感じるところでございます。
そこで、ご質問者のおっしゃる災害対策基金の創設につきまして、災害救助法では、市町村による基金の積み立ての適用がございません。災害対策を目的として、法令で積み立てを義務づけられた基金としては、県レベルでの災害救助基金のみであります。また、市で災害対策に要する経費に充てることのできる基金としては、地方財政法第4条の3及び第7条の規定による財政調整基金がございますが、これを災害対策に要する経費として充てることとなります。このようなことから、災害の応急対処や復旧その他の災害対策に限定した災害対策基金を市町村レベルで創設するには、地方自治法第241条に基づく災害対策基金として条例制定を行い、対応することになっていきますが、この災害対策基金の創設につきましては、必要性は理解しておりますが、被害額の想定から財政負担が必要となってまいります。今後、他市町村の基金の設置状況や内容をよく精査し、検討を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
以上でございます。
水と緑の部長。
〔中山千代和水と緑の部長登壇〕
災害時における危機管理体制と市の責務についての(2)ライフラインの整備及び各方面との協力体制のうち、今後の雨水整備計画と来年度の整備予定についてお答えいたします。
初めに、今後の雨水整備計画でございますが、安全な都市のライフラインの1つとして、雨水排水は市民生活を支える極めて重要な役割を担っていると認識しております。ご質問のありました今後の雨水整備計画の内水対策の幹線排水路や排水機場の整備でございますが、まず、下水道整備計画策定済みの区域につきましては、下水道事業による雨水事業として進めてまいりました。今後の対策でございますが、具体的には、現在、都市化の進展により浸水区域が拡大の傾向にありまして、新たな雨水対策の実施計画を立案中でございます。その内容としましては、汚水整備と合わせた下水道事業認可の取得区域を拡大して、排水機場も合わせまして、下水道事業によります国庫補助事業として事業を進められるよう、雨水排水施設の機能更新や整備事業を行い、これによりまして、50㎜対応の雨水対策のライフラインとしまして新たな計画を検討中で、事業化に向けて努力し、進めてまいります。また、従来進めてまいりました下水道整備計画区域外の区域の雨水対策につきましては、昭和57年に本市で策定しました市川市雨水排水基本計画に基づき、低地域の浸水被害対策として、幹線排水路の整備や暫定ポンプ、排水機場の整備を行ってまいりました。局地的な地域の浸水被害軽減策としましては、緊急浸水対策事業として、道路の地下にポンプを設置しまして、真間川の放流条件などを満たし、設置可能であった箇所につきまして75カ所を整備してまいりました。その他の事業としまして、一部、低地域での浸水対策についてでございますが、原木地域での千葉県事業の地域排水路整備事業による暫定ポンプ場を
整備いたしました。また、千葉県事業の高潮対策事業によりまして設置した行徳地域海側の3排水機場と、市が現在管理しております旧江戸川方面の20排水機場は、昭和50年代に整備しております。今後は維持管理向上のための監視装置の能力アップや機能更新を行ってまいります。また、新しい雨水対策事業としまして、まちづくり交付金なども活用して、まちづくりと一体となった雨水対策も進めてまいります。これからも、以上の雨水対策事業を積極的に組み合わせ、活用し、事業化を図り、浸水被害の解消に向け雨水対策に取り組んでまいります。
次に、来年度の整備予定でございますが、雨水事業としまして、特に積極的に事業を促進してまいりたいと考えております。本年は、さきに台風22号、23号の浸水被害もございましたので、可能な限り雨水対策促進事業を行ってまいります。内容としましては、現在行っている国分第1排水路、柏井第1排水路等の水路改良事業の促進、市川南地域などの抜本的な雨水計画を見直しをする計画等の事業促進、河川整備事業の促進と関係機関の連携と要請、行徳・原木地域の排水機場の改修のため、新規事業採択を図る検討、合流式下水道区域の改善と事業促進、さきの台風の市民の皆様方からの被害情報から事業の検討等でございます。
以上でございます。
企画部長。
〔本島 彰企画部長登壇〕
私の方からアウトソーシングについてと外郭団体の経営改革について、大きな2点についてご答弁させていただきます。
まず、アウトソーシングに関しまして2つのご質問だったと思いますが、1点目の新たな外部委託に関する基準のご質問でございますが、現在、見直し基準がまとまったところでございますので、その背景も含めましてご答弁させていただきたいと思います。本市では、多様化、高度化する市民ニーズに的確に対応いたしまして、きめ細かな行政サービスを展開するために、平成12年に業務の民間委託に関する基準を定め、これに基づきまして、専門的な知識や技術を必要とする業務や勤務時間が変則的な業務など、さまざまな業務につきまして委託を進め、業務の効率性の追求とか、新しい専門知識や技術の確保、質の高いサービスの提供に努めてきました。これまで事業のアウトプットにつきましては、財政と市民満足度の2つの軸で考えてきましたので、両方満足させることはなかなか難しい面がございました。この2軸の関係は、財政をよくしようとすると市民満足度が下がり、市民満足度を上げようとすると財政に負担がかかる面がありまして、互いに引っ張り合う関係にありました。この2軸の関係に限界が生じているのかもしれません。この限界を乗り越えまして、さらなる市民満足度の向上を目指すには、財政を抑えて市民満足度を上げていくための新たな視点が必要と考えたところでございます。
そこで、この2軸の関係に、これまで余り意識されてこなかった業務プロセスの視点と、人材育成と活用の視点、この2つを加えまして、財政の視点と同等に扱う4軸の視点を持つバランス・スコア・カードの概念を導入いたしました。これまで財政的な視点だけでは得られなかった市民満足度の一層の向上を目指した行政運営を進めようとしておるところでございます。歳入の増加が見込めない中で拡大していく公共サービスの要請にこたえるためには、それに合わせて、行政の経営資源である人、物、金を膨らませることはできませんので、業務プロセスを積極的に見直しまして、最少の経費で最大のサービスを提供していかなければならないと考えております。このようなことから、平成12年に定められました業務の民間委託に関する基準につきましても、バランス・スコア・カードの4軸の1つの軸をなす業務プロセスの視点から見直すこととしたわけでございます。
見直しをしております新たな基準では、まず市の公共サービスを、公でなければならない業務と、公で行うことが望ましい業務と、公共サービスであっても、民でもできる業務の3つに区分けいたしました。その上で、公共サービスであっても民でできる業務と、公で行うことが望ましい業務にくくられます業務につきましては、民営化など公民の役割分担を進めるとともに、大量、定型的な業務や時期的に集中する業務などは積極的にアウトソーシングを進めていくものといたしました。しかし、そのすべてをアウトソーシングというわけではなくて、コスト比較とか業務フロー、あるいはABC分析などの手法を用いながら、個別業務の効率性や有効性や妥当性などを随時見きわめまして、NPOや外郭団体や民間事業者等のノウハウや専門性を活用して、アウトソーシングを活用した業務運営を進めるものとしております。その場合にアウトソーシングの検討を進める判断の基準といたしましては、常に工程が一定な極めて定型的なものだとか、時期的に集中するものだとか、費用対効果の改善が期待されるものだとか、職員の勤務条件の改善が行われるようなものだとか、欠員の補充が難しい、または欠員の補充を行わないようなもの、そういったものを見きわめながらアウトソーシングの対象として考えてまいりたいと思っております。このようなアウトソーシングを進める際の考え方、つまり基準につきましては、既に内部で取りまとめを終えまして、庁内への周知を図る段階にございます。庁内におきましては、12月24日に指定管理者制度の今後の対応方法の説明会を開催する予定にしていますので、その際に説明を行い、あわせてできるだけ早い時期にホームページ等で公表も進めてまいりたいと考えております。
2つ目の公共施設の管理運営に関する方針の件でございますが、先ほど1点目の質問でお答えいたしましたように、アウトソーシングを進める際の考え方を踏まえまして、どのような性格を持つ公の施設に指定管理者制度を活用していくのか、あるいは、どのような業務に業務委託を進めていくのかを明らかにした業務改善計画を策定し、所管課や職員組合と現在協議を進めているところでございます。この業務改善計画につきましては、業務ごとの運営の方向性を業務委託、指定管理者制度、再任用制度などに区分けいたしまして、その計画年次につきましても2層構造といたしまして、17、18年度の2カ年じゅうに行う実施計画と、19年度以降に行う将来計画に区分けして示そうとしております。この計画につきましても、近日中に庁内への説明をするとともに公表することを考えております。いずれにいたしましても、これまで公共サービスを支える主体はすべて公と考え、その考えのもとにスリム化の視点から業務改善を進めてきましたけれども、これからの豊かな地域社会を実現していくためには、社会公共の利益の実現に寄与していく公共サービスを公だけで支えるのではなくて、民間にできることはできるだけ民間に任せる、また地域に任せることはできるだけ地域に任せるというように、民間や地域を巻き込んだ迅速な対応と効率的、効果的な業務運営を進め、市民満足度の向上を目指してまいりたいと考えております。
次に、大きく2つ目の外郭団体の経営改革でございますが、1点目の外郭団体につきましての本市の考え方や今後の方向でございますが、本市の外郭団体には、民法法人として文化振興財団、福祉公社、清掃公社、緑の基金、シルバー人材センター、また3公社の土地開発公社、社会福祉法人の社会福祉協議会などがございます。これらはいずれも公的に必要なサービスを、民間の手法を生かしながら、効率的にその目的を達成するために設立されたものでございます。いずれの外郭団体も市が設立にかかわり、行政活動の一翼を担い、公益性、公共性を発揮してまいりました。これらの外郭団体は、行政を取り巻く環境も大きく変化し、自治体の深刻な財源難、低い金利水準の継続、経済の低成長などによりまして、その経営環境は年々厳しくなっているのも事実でございます。中でも最も大きな変化は、民間にできることは民間にという世の中の大きな流れであります。外郭団体がこれまで担ってきました公的な業務が次々と民間で可能となってきました。また、受け皿としての民間事業者も多様化し、能力もアップしてきました。このような中で、本年度からは地方自治法改正によりまして指定管理者の制度ができたのはご指摘のとおりでございます。平成11年5月に、当時の自治省から第三セクターに関する指針も出されました。また、この指針は指定管理者制度の創設も踏まえまして、平成15年12月に総務省から改定という形で出されております。全国の都道府県や市町村でも外郭団体の改革が進んでおりまして、改革の報告といたしましては、統廃合や評価基準の策定、自治体出身者の人事の見直し、自治体からの財政支出の見直し、事業の見直し、新規団体の設立抑制などの手法が使われております。
このような中で、本市の外郭団体も、それぞれが厳しい経営環境を認識して自己改革を進めてまいりましたが、平成14年2月、本市の行財政改革懇話会から出されました提言で、市が出資している公益法人等につきましては、設立後の時間の経過から、その事業目的、存在意義などがあいまいになっているものであるので、これらについて評価し、その存廃も含め必要な措置を講ずる必要があると指摘されました。市ではこれを受けまして、平成14年から15年度にかけて、関係部長により、外郭団体の改革について検討いたしました。これらの検討した中で、財団法人市川市開発協会につきましては平成15年2月に解散を決定しております。また、開発協会以外の団体につきましても、設立目的に沿って十分機能を果たしておりますので、団体の統廃合といった極端な改革案は出ていませんが、各団体ともそれぞれが改革の検討を行い、給与水準の引き下げ、理事会の活性化、市の委託に頼らない自主事業の拡大など、成果を上げているところでございます。このような流れの中で、平成15年10月に出されました行政改革大綱アクションプランに、公社など外郭団体の経営改善が16年度以降に取り組む改革項目として挙げられました。さらに、ただいま申し上げましたように、指定管理者の制度化、それに伴う総務省からの改定された指針も出されておりますので、各団体とも一層の改革を進めることとしております。
次に、今後の施設の管理運営を外郭団体に委託していくのかということでございますが、現在、施設の管理をやっているものにつきましては、ご指摘もありましたように、文化振興財団に文化会館、市民会館、八幡市民談話室を管理委託しているほか、行徳公会堂、その他の文化施設の指定管理者をお願いしております。清掃公社はリサイクルプラザの管理を委託しております。社会福祉協議会には放課後保育クラブの管理を委託しております。シルバー人材につきましても、老人いこいの家等の管理を委託しております。これらの施設につきましては、既に指定管理者になっているものを除きまして、今後、指定管理者に移行するか、直営にするかの選択をしていくことになりますが、ただいま述べましたように、第三セクターに関する指針の改定版におきましても、現に第三セクターに公の施設の管理を委託している地方公共団体にあっては、指定管理者制度が導入されたことを踏まえ、第三セクター以外の民間事業者の活用について積極的に検討を行うこととされております。現在、これらの外郭団体が管理している公の施設を指定管理者に移行するかどうかの検討を行っているところでございますが、指定管理者への移行が適当という判断がされれば、その管理者の選択は、さきに定めました指定管理者の運用に関する指針に基づいて行うことになると考えております。その際、外郭団体は、市の公益業務を担うために、市が設立した団体であるという経緯、そして、これまでその公的な業務を担う中で培った実績をどう評価するかがポイントになってくると考えております。いずれにいたしましても、たとえ外郭団体が指定管理者となった場合でも経営評価を厳正に行い、市民に対するアカウンタビリティーを果たし、民間との競合関係の中でも真に競争力を持った組織としていかなければならないと考えております。
以上でございます。
財政部長。
〔永池一秀財政部長登壇〕
予算編成のあり方につきまして、2点のお尋ねにお答えを申し上げます。
初めに、予算編成過程の説明責任の中でのプレゼンテーションについてのお尋ねでありますが、このプレゼンテーションにつきましては、11月12日から12月3日にかけまして実施をいたしました。市長、両助役、総務部長、企画部長、そして私の6名が出席をした中で、各部長から対象事業につきまして説明を受けまして、その結果を採択、条件つき採択、不採択の3つの区分により、各部へ通知したところであります。事業の選定に当たりましては、出席者からもおわかりのように、職員の適正配置の観点、5カ年計画や重点事業の推進の観点、そして財政負担の観点から総合的に判断をいたしまして決定をしたものであります。このプレゼンテーションの結果の公表ということでありますが、これらの資料につきましては、政策形成過程の資料でもありますので、公表を差し控えさせていただく部分も中にはあろうかと思いますが、今後研究をさせていただきたいというふうに考えているところであります。
次に、財源確保のご質問のうち、災害が起きた場合の予算上の対応はどうするのかというお尋ねでありますが、10月の台風22号、23号の災害対応に対しまして、予備費から充用した額は全部でおおよそ1,400万円でありました。予備費での対応が可能でありましたので、予備費からの出資とさせていただいたところでありますが、この台風等の災害によります被害額にもよりますが、予備費での対応が可能な場合には予備費で対応いたしますが、それでも困難な場合には補正予算を組むことになります。本市におきましても、過去には補正予算を組みまして、自治法の規定に基づきまして専決処分を行った例もあるところであります。この補正予算とした場合の財源につきましては、通常の補正予算の場合のように、繰越金、あるいは財政調整基金からの繰入金が考えられるところでありますが、被害の大きいケースでは、この災害対策にかかわる国、県の補助金、あるいは地方債なども考えられるところであります。現状、財政調整基金には、今現在、約68億円の財源が基金としてありますので、現金としてはこの額が言えるのではないかなというふうに考えております。
また、雨水管渠等の工事費につきましてのご指摘でありますが、本市では昭和56年の台風24号による水害対策を契機に、幹線排水路、排水機場の整備や河川の改修を計画的に進めているところでございます。このご指摘の雨水管渠工事費等につきましては、本市の重点施策の1つということでありますので、平成17年度の予算編成では枠配分対象外経費ということで、政策的な配慮は必要ということで、一件審査の対象ということで位置づけしております。
以上でございます。
総務部長。
〔伊与久美子総務部長登壇〕
行政事件訴訟法の一部改正に伴い、本市における手続の整備の進捗状況について4点のご質問にお答えいたします。改正の内容につきましては、先ほどご質問者がご質問の中で細かく改正内容について触れておられましたので、質問部分についてお答えをさせていただきます。
まず初めに、今回の行政事件訴訟法の改正により、新たに第23条の2という条文が加えられました。これによって、裁判所は、訴訟の当事者の弁論の内容を明らかにして訴訟関係を明瞭にすることを目的とし、行政庁に対し、処分等の内容、処分等の根拠となる法令の条項、処分等の原因となる事実、その他、処分または裁決の理由を明らかにする資料等の提出を求めること等ができることとなりました。
そこで行政事件訴訟において、裁判所からこのような資料の提出を求められた場合の事務過程の整備、統一をどのように図るのかということでございますが、現在、市川市では公文書公開制度を実施しており、全庁的に文書を整備しておりますので、裁判所から資料の提出を求められたとしても、これに対応することができる体制を整えております。しかしながら、今後は裁判所から処分または裁決の理由を明らかにする資料等の提出を求められる場合があるということを職員に十分に周知し、準備してまいりたいと思います。
ご質問の2点目ですが、行政事件訴訟法の改正に伴う市川市における様式等の整備の進捗状況についてでございます。改正後の行政事件訴訟法は平成17年4月1日から施行されますので、同日以後に書面による処分をする際には、その相手方に対し、取り消し訴訟の被告、出訴期間、不服申し立て前置等に関する情報提供をしなければならないことになります。したがいまして、平成17年3月31日までには、これらの情報について不許可の通知書や許可の取り消し通知書を定めている規則等の改正が必要となってまいります。そのために、既に12月6日には、すべての課に対して規則等の改正をする必要があるかどうかの調査を要請しております。現在、すべての課から回答はまだ上がっておりませんが、税制課やリサイクル推進課など、処分を行っている課から改正する旨の回答があったところでございます。今後は、この調査の結果を踏まえて規則等の改正を行います。したがいまして、平成17年3月31日までにこの規則等の改正が行われれば、市川市としての法改正に伴う整備は完了することになります。また、平成17年4月1日以後において、新たに処分の通知書等の様式を定めることとなった場合には、もちろん教示に関する文言を加えてまいります。また、この整備を行うとともに、法律上の義務ではありませんが、今後改正後の行政事件訴訟法の施行前でありましても、不許可や許可の取り消しの通知をする際には取り消し訴訟の被告、出訴期間、不服申し立て前置等に関する情報提供を行うよう、すべての課に周知するとともに、改正後の行政事件訴訟法の概要について、市のホームページや広報により、市民にわかりやすくお知らせをすることを考えております。
3点目でございますが、現行の行政不服審査法における教示に関する整備の状況でございますが、現在、不許可や許可の取り消し通知書の様式を規則等で定めているものにつきましては、基本的に様式中に行政不服審査法の教示をする旨の文言を入れております。また、実際、これらの通知をする際には、行政不服審査法に基づく不服申し立てができる旨の教示をしております。
4点目でございますが、改正後の行政事件訴訟法につきましては、多岐にわたる改正点がございますので、この法律を運用していくことにつきましては、先ほども申し上げました情報提供、いわゆる教示以外の部分でも、市川市も市民も訴訟の当事者としての立場は変わることがありませんので、改正法の施行期日である17年4月1日以後における行政事件訴訟につきましては、同法を十分に研究した上で対応していくものであります。職員に対する研修や情報提供が必要となりますのは、ご質問者もおっしゃっていたとおりですが、17年1月中には、全庁的に関係職員に対して改正法の内容について説明会を開催します。そして、毎年実施しております法令実務研修におきましても、この講義を行っていきます。実際に不許可や許可の取り消しをする際の事務の参考とすることができるように、庁内LAN上に、改正後の行政事件訴訟法のわかりやすい解説や実務上の注意点等を掲載することを考えております。いずれにいたしましても、市民に対しても、また行政、私どもはもちろん、十分な研究を重ね、遺漏のないように対応していきたいと思っております。
以上でございます。