2004年12月定例市議会 12月8日第1日目

200412月定例市議会
128日第1日目
議案質疑
議案43
 
議長
これより質疑に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次発言を許します。
 坂下しげき議員。
 
通告に従いまして質疑をさせていただきます。
 第1のこども発達センターの事業と業務について質疑をいたします。
 同センターの事業については第3条に、主な業務については第4条に定めがあり、こども発達センターには市川市あおぞらキッズ、おひさまキッズを初め4施設が設置されております。それぞれ現行の施設が名称の変更や事業の拡大などにより、こども発達センターに再編成されることになりますが、この機に、ただ名称などを変えるだけではなく、利用者等の意見を聞き、改善することも多いと考えます。
 そこで質疑の第1点目といたしまして、それぞれの施設について、現行条例での実施状況と比べて業務が拡大された点、改善される点についてお答えください。
 


 質疑第2点目といたしまして、それぞれの施設に対する利用者等の要望と対応についてお答えください。
 次に、ご承知のとおり、第159回国会において、児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律が成立し、平成16年4月14日公布、一部の規定を除き10月1日から施行されました。この法律では、第4条で児童虐待の防止等のために必要な体制の整備についての地方公共団体の責務が強化されました。こども発達センターは、現行の総合福祉センターから子供の福祉について集合的に再編された施設であり、市川市の子供の身体的、精神的及び社会的な発達について総合的に支援するための施設として設置されたものであります。したがいまして、条例施行後、こども発達センターは、本市の子供に関する事業の重要な役割を果たすことになり、10月に施行された改正法律に義務づけられた市の責務を担う施設としての期待もあります。
 そこで質疑第3点目といたしまして、市川市こども発達相談室や市川市大洲こども館などの業務において、他の条例で設置している施設に先駆ける形で、改正法律第4条で地方公共団体の責務として位置づけられている児童虐待の予防及び早期発見に関することや児童虐待の防止に資するための広報、その他の啓発活動や調査研究及び検証機関としての役割を加えることができないのかお答えください。
 次に、第2の第14条の登録と第19条の許可についてお尋ねいたします。
 一般的に登録は一定の事実または法律関係を公に表示し、または証明する行為であって、行政庁における登録の受理または拒否に原則として裁量の余地はないとされています。他方、許可は、法令による特定の行為の一般的禁止を公の機関が特定の場合に解除し、適法にこれをすることができるようにする行為をいい、許可を法定するときは客観的かつ外形的にその基準に該当するかを明確に具体的に定める必要があります。市川市こども館の設置及び管理に関する条例及び施行規則を見ても、許可が用いられておりますが、原則は書面によらない確認の許可であり、登録と許可を使い分けている理由がわかりにくい形になっております。こども館は使用料等が発生することもなく、福祉的性質が大きいこともあるので、使用に対する市の考え方についてお尋ねしたいと思います。
 そこで、許可と登録では法律効果も市民が受け取る印象も異なりますので、許可と登録を使い分けている理由と、当該条例の許可の法的性質、対象及び許可しない場合の措置についてお答えください。
 続いて第3の第18条に定める使用対象者についてお尋ねいたします。
 使用対象者は、市川市こども館の設置及び管理に関する条例と同様に、本市に住所を有する子供が原則になっております。ただし書きがあり、その他の場合も使用できる余地は残されておりますが、多様化した社会形態や子供の発育等の関係上、やむを得ず保護者と子供の住所が異なり、保護者だけが本市に住所を有する場合も見られます。
 そこで質疑といたしまして、使用対象者の住所要件を、保護者の住所が本市にある子供まで広げて原則で定められないのかお答えください。
 最後に、附則により、当該こども発達センター条例に再編される条例が廃止または一部改正をされますが、現行条例及びこれらの条例施行規則に基づいて行われていた、例えば松の実学園の通園バスなどの業務は維持されるのか。また、廃止されるサービスはあるのかお答えください。
 以上、1回目の質疑とさせていただきます。

こども部長。
 
大きく5点のご質問にお答えさせていただきます。
 障害のあるお子さんの対策としましては、市川市は県下でも他市に先駆けて、公的な施設によります知的障害児、肢体不自由児施設の通園施設を設けるほか、これまでも心身の発達に疑いのあるお子さんなどの専門の相談窓口を設けるなど、この対策に鋭意取り組んできているところでございます。しかし、近年、子供の発達のおくれが多様化、複雑化しておりまして、また少子化社会という傾向の中で、子育ての経験不足から親の育児不安が大きく、早期発見、早期療育の一貫した支援が求められております。こうした市民ニーズに対応するために、こども発達センターにおきましては相談窓口の一元化と専門支援の充実を図り、保健センター、教育センター、また幼稚園や保育園、学校等の連携を強化することで、子供の発達の不安や悩みを抱えた保護者の支援、拡充を目指すものでございます。
 そこで各施設の事業でございますけれども、こうした拡充、改善点と各利用施設への要望、対応ということでございますが、今回の名称変更も、例えば保護者からのさまざまな要望に応じて、在園児、また卒園児からも、利用する施設の名称が何々学園という名称を使うことが非常に抵抗があるというようなご要望もございます。その中で私ども保護者からアンケートをとり、また職員からも希望をとった中で、保護者の方からの、雨の日でも元気に登園できるような、そういう名称に変えてほしいというご指摘、ご要望を踏まえまして、それぞれおひさまキッズ、それからあおぞらキッズというような名称変更をしたところでございます。
 それから、2点目の児童虐待防止の業務に関してでございます。ご質問の改正児童虐待防止法の関係でございますけれども、本来この改正は、近年の児童虐待の増大、また家族構成の複雑化などで虐待事例の複雑化、これに対応すべく改正がされたところです。主な点としまして、この中では虐待を保護者に限らず同居人に拡大したことや、子供の目前でのDV行為、いわゆるドメスティックバイオレンス行為を虐待の定義に加えたこと。また、客観的な事実がなくても、虐待と疑われる場合に通報が可能となったことなどがその主な点でございます。本市においては、こういう虐待に絡めて、いち早く子供の人権の擁護という視点から子ども人権ネットワークの創設や、子供にかかわる公的な相談窓口が連絡会を設け、情報交換、また支援策を検討しております。当然にして、こども発達センターもこのネットワークの構成員となるものでございます。
 ご質問の虐待予防としてのセンター機能に関しましては、児童虐待防止法、また児童福祉法で言うところの児童相談所への通報義務――市の責務としてございますけれども、これに関しては、現在、こども部の中の子育て支援課の総合相談窓口が市民からの通報、また関係機関からの協議、通報を受け、児童相談所への第一義的な通報義務、役割を担っております。発達センターとして、子供の発達障害にかかわる相談が中心でございますけれども、こうした発達不安の中には保護者の精神的負担が大きいということで、虐待につながりやすい子育て上のリスクも大きいところでございます。そこで保護者の育児不安や生活相談に応じ、これまでも児童相談所などの関係機関と連携を図りながら予防を図っているところであり、この体制は今後とも堅持していきたいというふうに考えております。
 次に、3点目の第14条の登録と第19条の許可の違いの問題でございます。こども発達相談室は14条で確かに登録、こども館は19条で許可制度をとってございます。これは、そもそも両方の施設とも公の施設でございまして、自治法上で言うところの、公の施設は244条で住民の福祉の増進を図る目的のために設けられる施設。ここで言う住民というのは当然市川市域を指し、市民の福祉増進を目指す施設でございます。また、法244条の2の中では施設の管理にかかわる事項を定めるとされておりまして、この中で、施設の特性に応じ、すべての利用者は、法律上は利用の許可が必要ということになります。そういう中で、相談室に関しましては1回の面接にとどまらず、継続して相談支援を行うという性格上、登録制という表現で許可をしておりますとともに、こども館に関しましては、不特定多数の子供を対象とする施設でございます。場合によりましては市川市外の利用者も考えられますが、実際は入り口でノートに本人の住所、氏名等を書き加えていただいて、児童厚生員、指導員がその場で確認し、許可をするという扱いにしてございます。特にある程度の年齢のいった子供さんにつきましては、例えば施設利用のルールを乱す行為が多々ございますけれども、そうした場合ですとか、一部、施設の管理運営上問題があった場合に一定の利用制限を加えるというようなこともございます。そういった面での許可制ということになっております。
 それから、市外のお子さんの場合等に対する配慮ということでございますけれども、当然にして夏休み、春休み、その他、いとこ同士、市外の兄弟ですとか友達同士で来館されるような場合もございます。こういった方に関しましても、私どもとしては原則確認をとりますけれども、子供本来の遊びの場、人間の関係性をつくる場という視点から容認しており、特に積極的に排除することは行ってございません。ただし書きの適用によりまして、市外在住の子供であっても使用を許可することが一般的になっておりまして、指導員がその場の状況を判断し、子供たちが伸び伸び遊べるよう弾力的に運用しているところでございます。
 次に、5点目の附則2項での廃止事項でございます。今回の条例で、みどり学園、松の実学園、ことばの相談室がそれぞれこれまで以上の機能を継続してまいりますけれども、この中で通園バスが廃止になるのではないかというご質問でございますけれども、これまで別々に運行していた通園バスも、こども発達センターに統合されることにより2台から4台にふえ、運行コースも選択肢の増や運行時間の短縮等、効率のよい送迎体制を図るつもりでございます。
 次に、これまでの市川市総合福祉センターの設置及び管理に関する条例の中で老人福祉センター、ボランティア活動施設、一時保護施設がございましたけれども、ボランティア活動施設につきましては、さきの大洲の急病診療・ふれあいセンターにボランティアセンターの一部が移動するのとあわせ、この活動室も拡充移転をしたところでございます。また、一時保護施設の事業に関しましては、老人、身体障害者の一時保護ということで設けられてございましたけれども、昭和56年開設以来2例という、ごく少数の事例にとどまっております。現在、高齢者の緊急一時保護に関しましては、介護保険制度によりまして、ショートステイを実施している施設が市内に6カ所ございます。十分、一時保護は対応可能となっております。また、身体障害者児の緊急一時保護につきましても、市内のもくせい園、やまぶき園を初めレスパイトサービスを実施している施設がございます。こういうところが短期入所施設を実施しており、これも対応可能と考えております。所期の目的を達したということで、今回廃止をさせていただきました。
 以上のとおり、これまでの各事業が後退することのないよう十分配慮したつもりでございますが、今後、障害のあるお子さんの療育指導、援助体制の拡充を目指してまいりたいと考えております。
 以上です。

坂下議員。
 
ご答弁ありがとうございました。
 まず1点目といたしまして、現行条例のサービスの維持についてです。松の実学園の通園バスについては継続されるということですが、現在の場所に比べて発達センターは駅から遠くなりますが、現在、駅から歩いて松の実学園まで通園されていた方についても今後通園バス等を利用できるのかお答えいただきたいと思います。
 2点目といたしまして、あおぞらキッズ、おひさまキッズの増員要望はなかったのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 3点目といたしまして、児童虐待の防止に関する業務は本庁などが主体となっていろいろ行っているということでしたが、主体はそれでよいと思いますが、部長もおっしゃっていたように、児童虐待は現在非常に深刻な問題であり、深刻な状況にあります。本庁だけではなく、市の各機関で対応を図っていくことが必要であり、また改正法にあるように、児童虐待の定義も深まり、広報活動を積極的に行っていくことが予防の観点から重要なことであります。
 そこで、既存施設以外の子供福祉にかかわる新設施設や窓口において、積極的に児童虐待防止等にかかわる業務を拡大、推進する意向はないのでしょうか、お答えください。
 4点目といたしまして、使用の許可について。こども館の使用対象者は子供であります。小学校就学前の子供に関しては親の同伴が必要になりますが、使用対象者は原則子供であります。その子供が不許可事由に該当することは極めてまれなケースでありますが、登録では安全が確保できないとお考えなのでしょうか。また、許可制にするのであれば、団体のみに限定はできないのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
 また、使用対象者の住所要件について、施設入所や就学状況、家庭の事情でさまざまな住所形態になっていることも考えられます。例えば何らかの事情で母親だけが本市に住所を移していて、子の住所は父親と他市にあったとしても、実際には子供が母親のところで生活している場合などが想定されます。したがいまして、住所要件については条文上の配慮が期待されます。先ほどのご答弁の内容で、そのような住所要件の原則を満たないケースについても、実際は常に許可が得られるということでよいのか、確認を含めてお答えいただければと思います。
 また、こども発達相談室は親と子の住所要件が課せられておりますが、発達相談室についても、こども館と同様に、親か子のどちらか一方の住所要件で実際は足りると考えてよろしいのでしょうか、お答えください。
 以上でございます。

こども部長。
 
1点目の送迎バスの関係でございますけれども、従来、母子通園のこの施設で現在の総合福祉センターの方に移った場合、距離があって通い切れないというようなご要望がございますれば、これは先ほど申し上げましたとおり、バスの4台体制という中で、さらにきめ細かい送迎をしていきたいというふうに考えておりますので、個々の事例に応じまして、できるだけ要望にこたえていきたいというふうに思っております。
 それから、それぞれの施設の増員要望でございますけれども、この2つの施設は児童福祉法で言うところの通所施設、公的な施設になってございます。ここの入所決定権は、実は児童相談所が行いまして、初期の面接相談関係については私どもの方で行いまして、必要に応じて児童相談所の措置決定を受け、受け入れを行っている、そういう性格の施設でございます。現状のところ、30人から40人という現在の利用数は横ばい状態でございますので、利用者からの即増員というお話は伺ってございません。私たちも弾力的な措置に限らず、必要に応じて週1回とか月何回とかという形での通園を行っておりまして、現在の体制でおおむね対応できているのではないかというふうに考えております。
 それから、虐待に関してのお話でございますが、確かに私もご説明が少し足らない部分がございますけれども、子育て支援課の相談室があるから、そこだけで全部足りるということでは毛頭ございません。私どもの施設の中でも保育園等もございますし、こども館もございます。そういう中でいろいろな事例が上がってまいりますけれども、これは、ただ通報すればいいということではなくて、各施設の中でも適切な初期対応、また連絡、相談、協議をするその手法等についても認識していただかなければいけない話です。現在の発達センターの中でも、そうでなくても保護者の育児負担の大きいお子さんを育てている、そういう家庭状況の中では、普通の施設以上に私ども職員が気をめぐらせて虐待などの未然防止を図っていかなければいけない。それは今まで以上に求められると思います。そういう意味で、特別な中核的な役割とはいきませんが、すべての施設において、そういう虐待予防のためのレベルを上げていきたいというふうに考えております。
 それから、使用許可の中で登録の方が安全というようなお話もございましたけれども、いわゆる相談部門の中では、子供、保護者、細部にわたるプライバシーにかかわるものもすべて相談を受ける条件となります。そういう中では、利用の許可ということでございますが、登録制という表現を使わさせていただいています。基本的には公の施設ですから、使用の許可ということになるかとは思います。
 それから、住所要件の中で、条文の中ではそう書いてあるけれども、実際すべて可能かということでございますが、基本的にこども館の利用の許可をしないという事例は非常にごく少数です。先ほど私が申し上げたような管理運営に障害となるような場合についてのみでございまして、実際、友達同士、また個人でふらっと訪れるような事例というのは多々ございますので、そういう中で職員が住所を見たりしますけれども、特に利用状況で問題がなければ、原則的にすべて許可されるものと考えていただいて結構でございます。
 相談室に関しまして、これは親か子のどちらかの住所要件で相談が受けられるのかということでございますけれども、個別の事例によって、これは検討させていただきますが、原則的に市内にどちらかの親御さんがいらっしゃる場合には、私どもとして相談は受け付ける予定でおります。
 以上です。

坂下議員。
 
ご答弁ありがとうございました。
 最後に、住所要件や各施設の個々の既存サービスを引き継いだものについては、そのまま単に移行するのではなく、この機に洗い直し作業を行ったのか、1点お答えいただければと思います。

こども部長。
 
例えばこども館などの場合には、市内13、中央こども館を含めますと14ございます。
 以上です。