2004年11月  熊本市・福岡市

熊本市役所
 
1、派遣日時 平成161115日(月)午後1315分~午後430
2、説 明 者 熊本市議会事務局 議事課 本田 正文
指定管理者制度について
行政経営課長補佐 藤本眞一、主査 柴垣正刀   
      予算関係について
       財政課 井上隆      
パブリックコメントについて 
広聴課長 西野眞一、課長補佐 北岡宏二郎 
3、場   所  熊本市役所
4、派遣議員 三橋 二三男・加藤 武央・坂下しげき
5、目   的
第一に、市川市に先行して指定管理者制度の指針を作成し公表している熊本市の指針内容について調査し、市川市の指針づくりに視察事項を反映させる。
第二に、市川市が平成17年度予算から導入するインセンティブ予算について、すでに施行している熊本市から制度の内容(メリット、デメリット、注意点等)を調査し、市川市の制度運用に反映させる。
第三に、市川市に先行してパブリックコメント要綱を制定し、運用を行っている熊本市において、制度の効果と問題点を調査し、市川市の制度に反映させる。
以上三点から熊本市を視察し、市川市の向上に資することを目的とする。
 
 


6、視察内容
   
1        指定管理者制度について(熊本市指針に沿って)
  以下質問事項(熊本市回答は別紙1)
(1)    指定管理者制度を適用する公の施設の選別方法について
現在委託している施設と直営の施設においてそれぞれ直営で行うか指定管理者制度を適用するかの基準(考え方)について
(2)    選定方法について(公募もしくは公募によらない場合)
(公募によらない施設)従来の受託者を指定管理者として選定する「地域密着型」「小規模施設」については第2回目の選定はどのように考えているのか。またサービスの向上はどのように図るのか。指定期間の考え方について。
(3)    外郭団体の扱いについて
・「経営改革計画」の内容と手順について
・第2回目の選定で民間が指定管理者となった場合の外郭の経営維持について
(4)    公募によらない施設の条例化について
設置管理条例に具体的に指定管理者名を明記するのか
(5)    申請者の資格について(市内業者、指名停止業者の扱い)
申請者を市内に営業所を有する者に限定した理由。申請者の資格を入札に準じた者にした理由。法人格を持たない者の資格の認定についての方法について(例えば市税の滞納や成年被後見人の該当の有無の審査方法)
(6)    候補者選定委員会について
選定委員会の委員の任命理由。外部委員を入れていないこと(意見の聴取のみ)の理由。非公開の理由。
(7)    指定管理者指定(議決)の時期について(1812月議会ですべて行うのか)
指針に予定している施設の指定管理者の指定の議決はいつ行うのか。
(8)    予算の裏づけについて(債務負担行為)
債務負担を組まない市町村もあるがすべての施設に債務負担を組むことになるのか。指定管理者制度ではどの時点で予算の裏づけが必要と考えるのか(例えば指定の議決のときなど)
(9)    選定結果の公表(内容、時期)について
選定結果の公表は選定委員会で候補者を選定したらすぐに行うのか。どのような内容を公表するのか。
(10)                 指定の取り消し事項について
指定の取り消し事項は具体的にどのようなことを想定しているのか。
(11)                 指定管理者の業務内容調査について(モニタリングなど)
質の向上を図るためのモニタリングなどは行うのか。
 
 
2        予算について
1Q予算の配分方法について(インセンティブ制度)
   インセンティブの評価基準について。他の予算との兼ね合いについて。
     A3年度分の予算の中で、効果を上げたいので、1年目の削減分は財政調整基金には出さない。1年度目で削減があったものは2年度目でインセンティブ配分を行い、3年度目で減額分を他の予算に措置する。
   インセンティブの評価は難しい。当然するべきである削減努力が所管からインセンティブの要求として上がってくるものが多い。
 
2Q予算の公開内容について(局別政策的予算全事業要求状況一覧表等)
   公開までの経緯。公開による効果
     A説明責任や責任の所在、市の方針を明らかにするために公表した。
予算調整の責任主体(市長)が明らかとなったため削減に対する市民からの苦情が減った。
3Qバランスシートについて(有形固定資産の積算方法について)
     A有形固定資産取得(建設)時の借入金を耐用年数で除して求めている。資産そのものの価値に着眼した算定方法は採用していないとのこと。
  (4Q住民参加型ミニ市場公募債の発行について
(応募多数(抽選)の内容、年利の設定、手数料コスト等について)
A公開抽選による。(市長と鎧武者が透明な抽選箱に入った応募葉書を選ぶ)
 年利は、直近の国債プラス0.1パーセント(かなり悩んだが、最終的に市長の判断で決まった)
 事務手数料について、引受けシンジケートを入札で決めるべきであるが肥後銀行1行しかなかったので入札は行わなかった。
 引受料は当初100円当たり50銭を予定したが53銭になった。
 
3        パブリックコメントについて
1Q熊本市パブリックコメント制度実施要綱について
   要綱の主な内容について
   条例ではなく要綱とした理由
   パブリックコメントを募集するタイミングや期間について
     A横浜市福岡市を参考に要綱を作成した。
   市民に義務を課すものではないので要綱にした。近いうちに訓令にする予定である。
   パブリックコメントを採るには3ヶ月要する。(素案の公表・意見募集1ヶ月、市民意見の聴取・検討1ヶ月、案の決定結果公表1ヶ月の計3ヶ月)
2Q福祉分野のパブリックコメントの成果について
     Aパブリックコメント制度では限界もあるので、市の政策意思形成過程に、積極的に市民が参加できるようにするため、今後はPI(パブリックインボルメント)制度の促進に力を入れる。
   
 


福岡市役所
1、派遣日時 平成161116日(火)午後140分~午後500
2、説 明 者  福岡市議会事務局総務課総務係長 高原幸子
     指定管理者制度について 経営改革課長 宮崎芳之
     市場について 青果市場係長 坂田章、主査 原田康司
     自転車関係について 交通計画課政策係長 名古屋泰之
               土木部
3、場   所  福岡市
4、派遣議員 三橋 二三男・加藤 武央・坂下しげき
5、目   的
第一に、福岡市天神地区は違法駐輪全国ワースト1であり、違法駐輪の解消にむけて、平成16年7月に福岡市自転車利用総合計画を策定した。市川市も違法駐輪が全国ワースト8になるなど違法駐輪対策に課題が多いことから、同市の計画を調査し、市川市の対策に反映させる。
第二に、福岡市において指定管理者制度を駐輪場の管理に適用していることから、効果について実地に検証することとし、市川市での政策に反映させる。
第三に、市川市では実施していない郵便入札制度(電子入札導入までの過渡的制度)について資料の提供を受け、制度内容を検証する。
第四に、市場の管理運用方法と問題点を検証し、市川市の市場運営の改善に反映する。
以上について視察し、市川市の向上に資することを目的とする。
 
6、視察内容
1 福岡市自転車利用総合計画について
  Q総合計画第5章 2 駐輪空間の確保 について
  A路上自転車駐車場の整備を中心に考えている。(過去の経緯から見て、駅近辺に駐輪場を建設して駐輪場に空きが出ても、路上違法駐輪が後を絶たないのは、駅の直近の路上が利用者が望む駐輪場であると考えるため。)
   平成27年までの整備計画に基づいて、自転車の流入数に合わせて箇所別で50台くらいの駐輪スペースの確保を行っていく。
Q福岡市自転車等駐車場の附置及び建設奨励に関する条例の概要と成果について
A 駅前の大型スーパーなどに商店舗の延べ床面積に対して一定割合の駐輪場確保を義務付ける附置義務と、駅近辺で自主的に駐輪場を建設する者に対して助成する制度である。
 効果については、一定の効果は上げているが、駐輪場利用者が限定される(スーパー利用者)ので抜本的な対策には繋がっていない。 
Q民間活力の導入計画
    A指定管理者制度、民間の自転車駐車場の活用。今後活用の場を広げたい。  
Q計画に基づいて設置されるそれぞれの駐輪場の駐車料についての考え方
A11100円が基本。施設系については、3時間無料(路上駐輪場等は1100円)原付は150円。(定期券、回数券がある。)これらの基準は、民間が管理の主体になったときも同様と考える。  
Q交通事業者との協力の具体的方法 
    A土地の借用を要請する。借り入れは有償で行う。  
Q複合サービス型駐輪場の内容について
    A「きらめき通り駐輪場」民間のショッピングセンターの隣に駐輪場を建設し、指定管理者に管理を代行させている。 
  Q指定管理者応募事業者について
   A8割がビル管理会社。指定管理者として指定された団体福岡新都心開発株式会社(ビル管理業)
 
2 指定管理者制度
  Q指定管理者制度適用施設と今後導入が予定される施設
A外郭団体改革実行計画に基づき、外郭団体を統廃合もしくは廃止するなど削減に踏み切るので、現在外郭団体等に383施設を管理委託しているので、これらの施設のうち民間で可能なものは民間に積極的に移していくことになる。
Q指定管理者の選定方法
  A原則公募で行っている。各所管局で事務を遂行する。
Q選定審査機関の構成について
  A局内の職員で構成する。専門性の高い施設については外部委員を入れるようにしている。附属機関の設置についても促進する。
Q外郭団体の取り扱いについて
  A平成184月から指定管理者制度に移行する。外郭団体が管理運営しているものを積極的に指定管理者制度に移行していく。外郭団体のプロパー職員の処遇については現在のところ方針は決定していない。
   外郭団体が43団体あり、団体概要・役員の状況・財務諸表・財政支出状況等について外部の監査法人に依頼して1年間掛けて、外郭団体改革実行計画を策定した。これに基づき外郭団体の整理(統廃合、廃止など)を行い、存続するものについては、民間と競争できるような経営体制を整えていくことになる。
 
Q指定期間の設定について
  A5年を超えない期間とする。ただし、PFIなどによる場合など合理的な事由がある場合はこの限りではない。
   募集要項で10年としたものを議会上程時に5年にすることなど常識的に考えて有り得ないことである。
 
3 市場について(福岡市回答は別紙2
売上高割使用料及び賃料
Q経営状況及び経営努力
  Q農協との連携 
4 入札制度について(郵便入札、電子入札) ※資料のみ
  郵便入札制度概要について
  郵便入札導入後の落札率について。また事務効率化について
  今後の電子入札以降予定と課題について
 
4        福岡市自転車駐車場(きらめき通り)現地視察
 

  
 福岡市(現地視察)
1、派遣日時 平成161117日(水)午前1000分~午前1130
2、場   所  福岡市博多区冷泉 「博多町家」ふるさと館
3、派遣議員 三橋 二三男・加藤 武央・坂下しげき
4、目   的
「博多町家」ふるさと館は、福岡市の「博多っ子」気風と独自の文化を持ち続けために作られた市民のための施設であり、同時に観光地の中心拠点として位置づけられ、福岡市の観光収入に役立っている施設の運営形態を視察し、市川市の向上に資することを目的とする。
5、視察内容
  施設の運営は、外郭団体による管理委託が行われている。
  自主事業は、外郭団体が行っている。
  今後指定管理者制度に移行されることになるので、従業員の接客姿勢、集客率を上げる為の事業展開などが積極的に行われている。
 同館での職員の接客態度が観光客の福岡市に対するイメージになってしまうので、市のイメージアップに繋がる接客に心がけている。
 
(民間活力の導入目的のひとつである外郭団体や職員の意識改革が現れている事例であると感じられた。)