平成24年12月定例会 一般質問(動画)

平成24年12月3日 一般質問

 1.予算(税金)の使われ方について
 2.安定的な財政運営について
 3.すべての人が安心して暮らせるまちづくりについて
 4.災害・事故に強いまちづくりについて
 5.生活環境の整備について
 6.水道行政について
 7.その他

◯坂下しげき君 皆様こんにちは。自由民主党、市川市選出の坂下しげきでございます。

 平成24年12月、今定例会におきまして一般質問登壇の機会をいただくことができました。このような貴重な機会をおつくりいただきました自由民主党の諸先輩、同僚議員の皆様方の温かい御配慮、御指導に心より感謝を申し上げます。まことにありがとうございました。本日も、市川市より少数精鋭で傍聴にお越しいただきましたこと、まことにありがとうございました。

 それでは、通告に従いまして県政一般について質問をさせていただきます。

 まず、通告第1の私たちが納めた税金の使われ方について、決算審査に鑑みてお尋ねをしたいと思います。

 この10月から11月にかけて決算審査特別委員会が開かれました。決算審査は、私たち国民、県民が汗を流して納めた税金の使い道を徹底的に検証し、非効率、不正をただしていく重要な審査であります。したがって、決算審査は議席を預かっている議員の重大な職務であると同時に、納税者である皆様方にとっても自分が納めた税金がどのように使われているかを見きわめる重要な審査となります。ところが、日本の国会、地方議会における決算審査は、予算審査よりも軽視される傾向にありました。テレビ中継や新聞でも予算配分に係る審議は華々しく報道されますが、決算審議については記憶にないことが多いと思います。予算偏重主義であります。そのような中、国で行われた事業仕分けは、税金の使い道について事業の必要性や本来あるべき姿を見きわめる有効な作業であったと思います。しかし、その前に、国会、議会がしっかり行うべき決算審査が軽く扱われてきたことが、国家予算の無駄遣いを放置し、借金大国を是認してきてしまったと言えるのではないでしょうか。現状の国家及び地方の財政力は弱まっています。財政力が弱まれば、県民が望む施策、政策、行政サービスが滞ります。このような事態を回避するためにも、大切な税金の使われ方を徹底的に見直していく必要があるわけでございます。決算なくして予算なしという言葉があるように、決算審査は私たちのこれからの生活に係る大切な審査と言えます。

 そこで、地方自治法第233条に照らして、平成23年度歳入歳出予算から予算の使われ方についてお尋ねをしたいと思います。

 まず、税金の使われ方を知るためには、どのように予算が執行されたのか、どのような効果があったのかなど、お金の使われ方が簡単にわかる詳しい資料が公開されている必要があります。地方自治法では、決算を議会の認定に付する場合は、関係書類をあわせ提出することになっており、様式は政令及び省令で定められております。このほかに本県では説明書等がありますが、これらの書類のみでは予算の使われ方の全容を把握することはほぼ不可能であります。先ほども申し上げましたように、県民の大切な税金の使われ方を示す資料と考えれば、執行額は細節まで公表し、予算の流用も節までわかりやすく示す必要があると思います。また予算どおりに執行しなかったもの、調定できなかったものなどの理由、あるいは契約方法などは明確にわかりやすく記載すべきであります。紙ベースでの公表が難しければ、ネット上での公表も可能であります。

 そこで今後、千葉県では、予算の使われ方を県民に対してわかりやすく示していくことができないのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、過去の議会で何度も指摘している不用額と執行率についてお尋ねをいたします。

 決算でも高額な不用額が多々ありました。不用額とは、予算を確保しながら使用しなかった額であります。予算を執行段階で精査した結果、不用額が生じたということであれば、決して悪いことではありません。しかし、なぜ余ったのかという課題は、次年度予算に反映させる必要があり、余った時期によっては速やかに減額補正を行い、県民が必要としている予算に迅速に振り分けていく必要があります。したがって、不用額についてその余った理由と確定時期は重要な部分になります。しかし、本県の説明書では、不用額の理由を「不用額は執行残である」と記載しています。そもそも不用額は執行残のことを言うもので、同じ意味の言葉を言いかえているにすぎません。私の母はお母さんですと言っているのに等しいのであります。あるいは、不用額の理由は、「不用額は物件費等である」というものもありました。人件費、扶助費のない予算では、そのほとんどが物件費でありますから、これもまた富士山は山であると当たり前のことを言っているだけであり、説明しようという気が本当にあるのか、疑問に思います。

 また、執行率については、50%、60%というものもありました。執行率が著しく低いということは、元来、予算の積算そのものの妥当性がどうであったのかということになります。予算の使い切りの発想で執行率を高くすることは最も悪いことでありますが、決算における執行率は、次年度以降の予算編成につなげていく必要があります。

 そこで、監査委員の審査では、不用額の説明、執行率の状況についてどのように考えているのか、お答えをいただきたいと思います。

 また、財政健全化計画に対する進捗状況の考察についてお答えください。

 次に、監査委員意見書において、今後の本県の財政運営は大変厳しい状況が続くことが見込まれるとありますが、これに対する財政当局の見解をお答えください。

 次に、決算審査を通じて全体的に感じられたことは、財務規則を初め土地の賃借料、使用料等の見直しが何年もされていないということでありました。財務規則の利率も10年近く見直しがされていません。また、現行の地方公共団体の予算は、原則単年度予算であります。いわゆる会計年度独立の原則であります。例外的に繰越明許費などがありますが、本県は繰越明許費が非常に多くなっているわけであります。中には、本当に当該年度での予算措置が必要であったかどうか疑問に感じるものもありました。

 見直しが必要と思います。見直しについてお答えをいただきたいと思います。

 かわりまして、通告第2の安定的な財政運営についてお尋ねをいたします。

 監査委員の御意見にあるように、本県の経常収支比率は94.7%であり、財政構造が非常に硬直化しています。知事の政策的経費がわずかしかないということであります。これでは、県民が望む政策を満足に行うことができません。早急に財政を立て直す必要があると私は思います。千葉県が自由に使うことができる財源は自主財源であります。自主財源の根幹は県税であります。安定的な財政運営を行うためには、歳入の確保、債権管理の徹底が必要になります。平成23年度決算で、県税の収入未済額・滞納分は336億8,891万円余り、不納欠損額、つまり徴収することを諦めた滞納額は21億4,856万円余りであります。仮にこの支払われるべき21億円があれば、県民の要望に1つでも多く応えることができたかもしれません。税負担の公平性を保つためにも、財政を安定化させるためにも、徴収率を上げることは重要な課題であり、克服していかなければなりません。

 そこでまず、平成23年度の千葉県の県民税及び自動車税の徴収率は、全国47都道府県中何位であったのか、お答えをいただきたいと思います。

 また、行政改革計画にあるように、県税、使用料、手数料などの徴収事務を民間委託することはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 また、納税の利便性を高めるため、ペイジー納付、クレジットカードによる納税を行うことはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 かわりまして、通告第3の全ての人が安心して暮らせるまちづくりについてお尋ねをいたします。

 千葉県は、県民から貴重な税金をお預かりしている以上、どんなに財政運営が苦しくてもこれを克服して安定的に県民が望む政策を実行し、サービスを提供し続けなければなりません。そのために、真剣な財政改革が必要であると何度も議会で指摘をさせていただいているところであります。県民の皆さんのニーズも多様化しております。子育て世代の方でも勤務時間、勤務日はさまざまであり、昼夜問わず活躍されております。お子さんも障害や病気をお持ちの場合もあります。全ての方に平等な子育て支援政策を行う必要があると思います。

 保育や放課後児童クラブは、直接的には市町村が実施することになりますが、全国的に県によって補助の内容が異なります。障害児に係る保育、放課後児童クラブ、病児・病後児保育、24時間保育、休日保育、延長保育、夜間保育に関して積極的な財政的支援等を行うことができないのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、ハートプラスマークの普及、周知についてお尋ねをいたします。日本では、内部障害、内臓疾患というハンデがまだ十分に認識をされていません。心臓、腎臓、呼吸器、膀胱、直腸、小腸、肝臓、免疫機能障害などの内部障害をお持ちの方は、外観からは一見してわからないため、電車の中、学校や職場で理解されずに苦しんでおられます。ハートプラスマークは、見えない痛みを視覚的に示し、社会全体の理解の一歩とするため生まれたわけでございます。ハートプラスマークの普及、周知によって、社会全体に理解が生まれるよう、障害者マーク、マタニティーマーク等と同じように、公共交通機関、公共施設に掲示することが必要であると考えます。

 本県の交通機関、公の施設、小・中・高校等に掲載し、さらに民間の交通機関に普及を呼びかけることはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、サービスつき高齢者向け住宅の普及についてお尋ねをいたします。高齢化が急速に進む中で、高齢の単身者や夫婦のみの世帯が増加しており、介護、医療と連携して高齢者支援サービスを提供するサービスつき高齢者向け住宅の確保は極めて重要になっております。このような状況を踏まえて、平成23年に高齢者住まい法が改正され、バリアフリー構造等を有したサービスつき高齢者向け住宅の都道府県知事への登録制度が始まりました。

 そこで、高まる需要に対応するため、施設の性格上、調整区域等でも建設できるように積極的に建設を認めるようにすることはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 かわりまして、通告第4の災害・事故に強いまちづくりについてお尋ねをいたします。

 県民の多くの方が不安に感じている震災等のリスクが身近に感じられております。平常時から着実に確保していかなければならないものに災害備蓄と避難所の確保があります。これらは地域防災計画に基づき市町村が一次的に確保するものですが、想定される大規模災害では、市町村のキャパシティーだけでは限界があります。備蓄も足りず、避難所も収容し切れません。千葉県内に11カ所の備蓄拠点がありますが、大規模災害では運搬も困難であり、課題があります。東日本大震災のときには、避難所になっていない県立施設に被災者が集まり、混乱が生じる場面もありました。被災者からすれば、県も市もないわけであります。駅に近い避難所等は、帰宅困難者の受け入れもあります。指定避難所からあふれた被災者をスムーズに二次避難させる体制の整備も必要であります。

 本年6月27日、災害対策基本法も改正され、避難所の運営支援等について市から県へ応援要求があった場合、県には応諾義務が課せられました。そこで、これらを補完するために、本県の備蓄体制を強化し、さらに現在市町村が指定していない県立施設も二次的避難所として整備することができないのか、お答えをいただきたいと思います。

 また、東日本大震災で明らかになったように、大規模災害が発生した場合の避難所運営、災害関係事務は膨大で、市町村の職員だけでは対応できません。県職員の派遣体制、参集体制は整備されているのか、お答えいただきたいと思います。

 また、お風呂施設や給水車等の確保は十分にできているのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、ペット同伴の被災者対策についてお尋ねをいたします。

 東日本大震災の教訓から学ぶことは多くあります。その中に、ペットの問題があります。避難所での動物の有無次第で被災者の心の状態に大きな差があることも指摘されているわけであります。

 そこで、同行避難時の避難所体制について指針等を示すことはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、自転車の無灯火対策についてお尋ねをいたします。

 千葉県の交通事故の約3割が自転車事故であると思います。全国的に自転車にかかわる事故が深刻化しております。自転車は、夜間無灯火で走行しているものが多く、大変危険な状況にあります。自転車の無灯火走行は処罰の対象となり、事故が起きた場合の代償が大きいことを周知する必要があると思います。また、現在はオートライトをつけることによって簡単に灯火できます。

 事故を未然に防ぐために、無灯火走行によるリスクの周知、教育とオートライトの普及促進を行えないのか、お答えください。

 かわりまして、通告第5の生活環境の整備についてお尋ねをいたします。

 まず、県民の方々が安心して生活するためには、必要最低限の生活環境の整備が必要になります。近年では、ゲリラ豪雨など都市独特の雨水冠水が所見され、早急の対応が必要となっております。

 そこで、この対策として真間川排水機場、秣川排水機場等のポンプ場の老朽化対策をどのように行うのか、お答えをいただきたいと思います。

 また、市川市の鬼高周辺と宮久保地域の排水対策について、お答えをいただきたいと思います。

 また、地元国分には国分調節池というものがありますが、草が生い茂り、本来の機能が損なわれ、周辺の生活環境へも影響が及んでいます。早急に草刈り等の管理を行うことはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、生活道路等の整備、管理についてお尋ねをいたします。

 市川市の大柏橋交差点は、慢性的に渋滞がひどい状況にあります。市道3・4・18号が開通するとさらに悪化することが予想されるわけであります。渋滞解消のための立体化など、解消に向けて対策を講じることはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 次に、過去に質問をさせていただいております市川広小路交差点、行徳橋、今議会の議案にあります妙典橋の進捗状況についてお答えをいただきたいと思います。

 また、大柏川の維持管理について、派川大柏川においては早速御対応いただきましたが、大柏川本体の管理についてどのようになるのか、お答えをいただきたいと思います。

 最後に、水道行政についてお尋ねをいたします。

 水道事業は、平常時から有事に至るまで、365日、24時間、県民の生活を支える重要事業であり、災害時においては最も迅速な対応が必要となる公共事業であります。しかし、もう一方では、効率的で質の高いサービスが行えるよう、経営努力もしなければなりません。このような事業は、官の力だけでは限界があることから、水道事業の公共性を鑑み、官が担うべきコア事業と民間事業者の創意工夫によって向上させることができる準コア部分を区分して、民間活力を生かし、おいしい水を安定的かつ経済的に県民に届ける仕組みを早急に整える必要があると思います。

 また、本県では技術者が大量退職を迎える時期に入ります。したがって、東京都、横浜市など近隣他県で行っているように、公共性を確保しつつ効率性を追求することができるような組織体制と官民の役割分担を検討していくことはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 また現状、本県では災害時の緊急資材備蓄体制が確保できていません。そこで、東日本大震災での教訓を生かし、早急に官民共同の緊急備蓄体制を整えることはできないのか、お答えをいただきたいと思います。

 以上、1回目の質問とさせていただきまして、御答弁によりまして再質問をさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

◯知事(森田健作君) 自民党の坂下しげき議員の御質問にお答えいたします。きょうは坂下議員の後援者の皆様、ようこそおいでくださいました。

 まず、予算・税金の使われ方についてお答えいたします。

 平成23年度決算を踏まえて、今後の財政運営の見通しをどう考えているかとの御質問でございます。本県財政は、今後も高齢化の進展による社会保障費の増や臨時財政対策債の発行による公債費の増などが見込まれる一方で、歳入は大幅な増額が見込めないことから、引き続き厳しい状況が予想されます。このため、徹底した事務事業の見直しなどにより歳出の抑制を図るとともに、県税の徴収対策の充実・強化や未利用県有地の売却など歳入の確保に一層取り組むことによって、健全な財政運営に努めてまいりたいと考えております。

 次に、災害・事故に強いまちづくりについてお答えいたします。

 大規模災害時の市町村への県職員による応援についての御質問でございます。県の地域防災計画では、市町村から災害応急措置への応援要請があった場合、給水や被災者の健康管理などに当たる県職員を派遣することとしております。また市町村が甚大な被害を受けた場合、応援要請を行うことが困難な状況も想定されることから、市町村からの要請を待たず、いわゆるプッシュ型の支援も行うこととしております。このほか、災害による道路の損壊や交通手段の途絶により県職員が勤務地に登庁することが困難である場合は、最寄りの地域振興事務所や土木事務所などに参集することとしております。今後は、これらの職員の活用で市町村を支援する体制について検討してまいりたいと、そのように思っております。

 私からは以上でございます。他の問題につきましては担当部局長からお答えをいたします。

◯説明者(高橋 渡君) 私からは、予算・税金の使われ方について、それから安定的な財政運営についてにお答えいたします。

 まず、土地使用料等の見直しについての御質問でございます。定額の単価を設定し、使用料や貸付料を算定している電柱や埋設管については、地価の動向や他県の状況等を総合的に勘案し、定期的に単価の見直しを検討しております。その結果、道路における単価は平成22年度に改定したところですが、道路以外については、近隣都県と比較して大きな差異がないなどの理由により、見直しを行っておりません。今後も他県の動向を見守りながら、適正な単価の検討を行ってまいります。

 次に、繰り越しに関する御質問でございます。繰越額が余りに多額に上ることは、予算の執行上、望ましいものではないと考えられることから、今後とも事業の必要性や緊急性を十分に検討した上で予算を措置するとともに、事業の計画的な実施に努めるなど、予算の適切な執行管理を行ってまいります。

 次に、平成23年度の県民税及び自動車税の徴収率は全国で何位だったのかとの御質問でございます。平成23年度の個人の県民税については全国で43位、法人の県民税については37位、自動車税については46位でした。自動車税、個人の県民税ともに徴収率向上の取り組みを進めた結果、収入未済額あるいはその増加幅は減少しておりますが、今後も引き続き収入未済額の縮減に向けた取り組みを徹底し、徴収率の向上に努めてまいります。

 次に、使用料、手数料などの徴収事務を民間委託することはできないのかとの御質問でございます。各種債権の徴収に当たり、債権回収のノウハウを有する民間事業者に委託することは、収入の確保と事務の効率化を図る観点から有効な方策の1つと考えております。そこで本県では、県営住宅家賃については平成20年度から、水道料金については平成21年度から滞納分の徴収業務の一部を債権回収会社に委託し、毎年度、一定の徴収実績を確保しているところでございます。なお、債権回収会社への委託については、その業務範囲が法令により納付案内や収納代行などに限られていることから、今後は一層の徴収額の確保を図るため、滞納者への催告や納付交渉なども行うことができる弁護士等への委託の可能性についても検討してまいりたいと考えております。

 最後に、ペイジー納付、クレジットカードによる納税を行うことができないのかとの御質問でございます。パソコン等を利用して納税ができるペイジー収納やクレジットカード収納の導入については、初期導入費用のほか、運用経費や他の収納方法での県の費用負担との公平性など解決すべき課題があります。一方で、休日、夜間でも納付ができるといった納税者の利便性の向上により、納期内納付の拡大を期待し、導入している都県もあります。今後、その費用対効果を見きわめながら検討を進めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

◯説明者(吉田雅一君) 私からは、災害・事故に強いまちづくりについてお答えいたします。

 まず、避難所の指定についての御質問ですが、市町村は災害対策基本法により災害時に避難が必要な場合、避難先を指定することとされています。また、県は、市町村の避難所の確保に対し協力することと地域防災計画で定めています。そこで、市町村が指定した避難所の収容能力を超える避難者が発生した場合などに備え、市町村から要望があったときには県立施設などを二次的な避難所に指定することについて、県として協力してまいります。

 次に、避難所における入浴設備などの確保についての御質問ですが、避難所などにおいて入浴支援を行うための組み立て式の入浴システムについては、県と自衛隊が保有しています。また、応急給水を行うための給水車や給水タンクについては、県水道局を初めとする水道事業体が保有しています。さらに、県内の保有資機材では対応できない広域的な応急給水が必要とされる場合には、必要に応じ、県外からの水道事業体や自衛隊による給水が行われることとなっています。今後も、他の都道府県や関係団体などとの災害時応援協定を有効に活用することにより、災害時における大型防災資機材の確保に努めてまいります。

 最後に、避難所におけるペット対策に関しての御質問ですが、県では災害時における避難所運営のあり方を示すため、「災害時における避難所運営の手引き」を作成しています。ペット対策については、その中で章を設け、ペットと避難生活を送る場合の課題や避難所におけるペットの収容場所、世話に関する事項など、定めておくべきルール等の例を示しているところです。避難所におけるペットの取り扱いに関する具体的なルールは、市町村が地域の実情に応じて作成すべきものと考えておりますが、県は必要に応じ助言等を行うなどの支援をしてまいります。

 以上でございます。

◯説明者(川島貞夫君) 私からは、全ての人が安心して暮らせるまちづくり関連2問につきましてお答えいたします。

 まず初めに、子育て家庭を支援するための財政支援についての御質問ですが、県では子育て家庭のさまざまな就労形態に対応するため、就学する児童が放課後を安全に過ごすことができる放課後児童クラブの運営や多様な保育需要に応えるための保育サービスの実施について、実施主体である市町村を通じ、国の助成制度や県の単独事業により支援しているところでございます。今後、保護者の就労意欲の高まり等により保育ニーズはさらに多様化することが見込まれますが、市町村においては、助成制度が必ずしも十分に活用されていないことから、制度の利用促進について市町村へ積極的に働きかけるとともに、子ども・子育て支援に関する国の新たな制度改正の動きについても注視してまいります。

 次に、ハートプラスマークの普及、掲示を働きかけることはできないのかとの御質問ですが、障害のある人に関するマークの普及は、駐車場やバスの座席などの優先利用といった支援の必要性が伝わるとともに、県民の障害のある人に対する理解につながり、大変意義のあることと考えております。現在普及している車椅子のマークは、国際シンボルマークとされ、全ての障害のある人への配慮を求めるものでありますが、個々の障害への配慮を明確にするため、例えば御指摘の、身体内部に障害のある人へ配慮を求めるハートプラスマークを普及、啓発していくことも重要であると考えております。今後、学校など公共施設等の関係機関に対し周知、啓発を図るとともに、各施設での掲示等による普及を働きかけてまいります。

 以上でございます。

◯説明者(戸谷久子君) 私からは、災害・事故に強いまちづくり関連のうち、自転車の無灯火走行によるリスクを周知できないか、またオートライトを普及促進できないかとの御質問にお答えをいたします。

 県では、児童・生徒に対する自転車安全教室などを通じ、無灯火走行の危険性を訴えるとともに、無灯火走行が5万円以下の罰金に処せられる重大な違反行為であること、また自転車が加害者となったときは多額の賠償責任が生ずることなどを周知しております。また、暗くなると自動的に点灯するオートライトは、交通事故の防止に大きな効果があるものと認識しており、先般、九都県市首脳会議を通じて、国に対し普及促進を図るよう要望したところでございます。今後とも、無灯火走行の根絶に向け、啓発を徹底するとともに、オートライトについてもその有効性を積極的にPRするなど、一層の普及に努めてまいります。

 以上でございます。

◯説明者(小池幸男君) 私からは、生活環境の整備につきまして6問いただいておりますので、順次答弁させていただきます。

 まず、真間川排水機場や秣川排水機場の老朽化にどう対応するのかとの御質問でございますが、真間川排水機場は昭和52年度、秣川排水機場は昭和54年度に建設され、いずれも建設後30年以上が経過しているため、平成23年度までに長寿命化計画を策定し、本年度よりエンジンのオーバーホール等に着手しております。

 続きまして、市川市宮久保及び鬼高地域においてどのような排水対策を行ってきたのかとの御質問でございますが、県道市川柏線市川市宮久保地域につきましては、平成20年度までに道路側溝の断面を大きくする改修工事を行いました。また県道若宮西船市川線市川市鬼高地域についても、平成21年度までに北原木橋排水機場のポンプの改修や冠水箇所において横断管の新設を行ったところでございます。

 続きまして、国分川調節池の草刈りについて対応状況はどうかとの御質問でございますが、国分川調節池は住宅地内にあることから、河川環境の保全に加え、生活環境や防犯上の観点にも配慮し、毎年雑草が繁茂する区域をほぼ全面にわたり除草しているところでございます。

 県道松戸原木線の大柏橋交差点における渋滞についてどのように考えているのかとの御質問でございますが、県道松戸原木線の大柏橋交差点につきましては、交通量も多く、朝夕を中心に交通混雑が見られるところでございます。今後、外環道の整備に伴って周辺地域での交通量の軽減も期待されるところであり、市と連携し交通の動向などについて把握に努めてまいります。

 国道14号市川広小路交差点、妙典橋、行徳橋の進捗について御質問がございましたが、まず市川広小路交差点につきましては、現在、県道若宮西船市川線側に右折レーンがない状況にあり、今後、一部用地の確保が可能であれば暫定的にでも右折レーンの設置について関係機関と検討してまいります。また、(仮称)妙典橋につきましては、外環道の開通に合わせ、下部工10基のうち4基が完成し、現在2基を建設中で、全体で約5割に達する見込みでございます。また、行徳橋につきましては、国が施工する江戸川の改修事業と合わせてかけかえることとしており、現在、橋の構造や取りつけ道路などの詳細設計を実施しているところでございます。

 最後でございますが、大柏川の維持管理につきましてどのように対応しているのかとの御質問でございますが、大柏川につきましては貝之花橋付近から倉澤橋付近の400メートル区間におきまして、川の中州に繁茂した雑草の除去を行ったほか、真間川地域懇談会を通じ、雨水浸透ますの普及促進を図るなど、流域水循環再生に向けて取り組みを展開しているところでございます。

 以上でございます。

◯説明者(田中 亨君) 私からは、サービスつき高齢者向け住宅の普及についてお答えいたします。

 施設の性格上、市街化調整区域でも建設できるようにできないのかとの御質問ですが、現在、市街化調整区域においてもサービスつき高齢者向け住宅が建設できるケースとしては2つございます。1つ目といたしましては、サービスつき高齢者向け住宅の中でも、食事や介護などのサービスを提供し、老人福祉法に規定する有料老人ホームに当たるものについては、開発審査会の議を経て建設が可能でございます。2つ目といたしましては、船橋市、市川市、佐倉市及び我孫子市を除き、市街化区域と一体的な日常生活圏を構成する条例で定めた区域では、サービスつき高齢者向け住宅の建設が可能となっております。

 以上でございます。

◯説明者(名輪淑行君) 私からは、水道に関する2問にお答えをいたします。

 初めに、組織制度等に関する質問にお答えします。

 水道局としては効率的かつ安定的に経営を持続していくため、従来から水道技術者の大量退職時期等も考慮しながら、浄・給水場の運転管理や窓口サービスの民間事業者への委託等を進めてきたところであります。今後とも引き続き、民間活力の導入も含め、事業の安定的・効率的な運営に努めてまいります。

 2つ目として、災害時等の緊急資材の備蓄体制を官民共同で整えることはできないかとの御質問ですが、震災時の資材調達につきましては、復旧工事を施工する千葉県水道管工事協同組合が手配し、公道漏水等の緊急修繕工事の資材調達については、請負業者が手配することとしております。しかし、災害時など資材確保が難しい事態に備え、使用の可能性が高い一定の資材については、水道局があらかじめ備蓄をしております。東日本大震災の経験を踏まえ、備蓄資材の種類、数量、配置場所の見直しを進めておりますが、その管理に当たりましては、民間事業者への委託も含め検討してまいります。

◯説明者(千坂正志君) 私からは、予算・税金の使われ方についての御質問のうち、監査委員に関する質問2問についてお答え申し上げます。

 まず、不用額、執行率の状況についての御質問ですが、決算審査に当たっては、決算の計数は正確であるか、予算の執行が議決の本旨にのっとり適正で経済的でかつ効果的に行われているか、また、財務に関する事務は関係法規に適合しているかなどの視点で審査を行い、不用額の状況など事業の執行状況についても確認を行っております。決算審査と同時に行った定期監査においては、事業の執行状況が低調であると認められた3つの基金について有効に活用し効果的な事業の推進を促すよう、意見を述べたところでございます。今後ともこのような視点に十分留意しながら監査に当たってまいります。また、決算説明書の不用額の説明につきましては、よく情報が伝わるように、わかりやすく記載することが大切であると考えております。

 次に、監査委員は、財政健全化計画に対する進捗状況についてどのような考察を行ったかについてでございますが、財政健全化計画に対する進捗状況については、当然には監査委員の決算審査の対象とはならないと考えていますが、計画に掲げられている具体的な取り組みとしての歳入の確保や歳出の抑制などを念頭に審査を実施しています。平成23年度会計の決算審査意見書においては、歳入の確保については、自主財源を中心とした歳入確保のために県税の収入歩合の一層の向上を図り、税収の確保に努め、県税以外の収入未済額についてもその縮減に向けて全庁的な取り組みを一層推進すること、歳出の抑制については、効率的な行財政運営のために徹底した経費の節減を図るとともに、歳出全般の見直しを行い、最少の経費で最大の効果を上げられるよう、予算の効率的な執行に努めることなど、計画的な財政の健全化に向けた取り組みを進めるよう求めたところでございます。

 私からは以上でございます。

◯説明者(大竹秀幸君) 予算・税金の使われ方の御質問のうち、2問にお答えいたします。

 まず、決算関係書類について、もっとわかりやすく示していくことができないのかとの御質問ですが、決算に当たっては、地方自治法及び同法施行令等に基づく各種調書を作成するとともに、参考資料として独自の決算説明書を作成しております。この決算説明書については、これまでも適宜見直しを行ってきたところですが、より明確でわかりやすいものとするため、次年度に向けその様式や記載内容について関係部局とも調整し、改善に努めてまいります。

 次に、財務規則で規定する利率について見直しすべきではないかとの御質問ですが、財務規則で規定する利率である違約金の率についてですが、他の都道府県の状況を調査いたしましたところ、政府契約の支払い遅延に係る率を準用している団体が多く見受けられましたが、一方で民法の定める法定利率と同じ率を適用している団体等もございました。今後さらに国や他団体の状況を精査し、その見直しについて検討してまいります。

 以上でございます。

再質問

◯坂下しげき君 それぞれ御答弁ありがとうございました。

 監査委員の御意見のとおり、財政当局の見解も財政は厳しいという認識でよかったでしょうか。

 はい。私も厳しいと思います。ですから、議会で質問させていただくたびに、財政改革について指摘をさせていただいているところでございます。

 財源を確保しなければ、県民の皆さんが望むサービスが実施できないわけであります。本県の県税の徴収率、収入歩合は、全国47都道府県中46位という御答弁もありました。いろいろ御努力はされているのはわかりますが、本県が置かれています状況を考えれば、まだまだやり足りないと思わないでしょうか。決算審査で私が個人的に感じたことは、議会で総務部長が御答弁されていることを各部、各課で共通の認識、問題意識を持っていない場面が何度もありました。県民から大切な税金をお預かりしている以上、県民の信託に応えられるような、県民の要望に応えていかなければなりません。やることからまずやってみていただきたいと思います。

 通告第1、予算・税金の使われ方についてでありますが、決算の認定は議会が行うものですが、議会を通じて県民、納税者の方にその使い道を示すのが大切なことだと思います。さらに詳しい決算関係書類を来年度に向けて作成していただけるという御答弁があったかと思います。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 また、不用額を例に挙げて質問いたしますが、本当に全く説明になっていないような記載が多く見受けられたわけでございます。書式だけ同じにして数字だけ変えているとも受け取れるようなところもあったものですから、そういったところ、しっかりと見直していただきたい。きっちり県民に説明できる内容を記載し、財源確保のため、早期の減額補正等をやっていただくよう要望をいたします。

 それから、財務規則等の見直しについてであります。

 今回、違約金と電柱等の使用料を例に挙げて質問しましたが、これは全てに言えることなんです。その時々の適正な状況を保つために常に見直しが必要になるわけでございます。違約金の率について御答弁がありましたけれども、要するに、現在千葉県の財務規則が定める率の8.25%は、政府支払遅延防止法に基づく昭和45年6月から適用された大蔵省告示の率になるわけであります。しかし、平成15年から財務省告示は3%台に段階的に見直されていますが、本県では放置され、10年近くそのままというわけなんです。これは、一事が万事であります。これだけではなく、全体的に見直しを図っていただくよう、よろしくお願いをいたします。

 繰越明許費についてでございます。

 自治体の予算は、弊害があっても現行は単年度主義であります。繰越明許費は、予算成立後に何らかの理由により年度内に支出を完了することのできない見込みのあるものについて認められているわけでありますが、予算成立前に、既に当該年度中に着手できないものを予算計上し繰り越していると思えるものもあったわけでございます。2月補正で計上し、年度内に何も執行しないで繰り越した事例が、総務部長、あったんですよ。適正かつ厳格な運用をお願いしたいと思います。

 通告第2、安定的な財政運営についてでございますが、自動車税の徴収率、全国47都道府県中46位、個人県民税は43位、法人税で37位。この債権管理の課題は非常に大きい問題であります。県税徴収率が98.2%で4年連続1位の島根県、これはインターネットを使った電子収納サービス、ペイジー納付、コンビニ納付の導入が収税確保につながったと言います。本県においては、経費がかかるだろうとかなんだとかと、非常に伺っていると悠長なことをおっしゃっているわけでございますが、何かしら大きなことをやっていかないと、財源をいつまでたっても都道府県中最下位レベルでやっているというのは、非常にいかがなものかと思います。しっかりとやっていただきたい。

 そういった中で、電子収納サービスの導入、財政健全化計画にある民間委託、公金徴収一元化等今後に向けた積極的な方策について、具体的な実施時期についての目標をお答えをいただきたいと思います。これは同時に、これらの手法を駆使して早期の改善を図っていただくよう要望するわけでございます。

 続きまして、全ての人が安心して暮らせるまちづくりについて。

 障害児に係る保育、放課後児童クラブ、病児・病後児保育、24時間保育、休日保育、延長保育、夜間保育についてでありますが、まだまだ県民の要望に応えられていない部分があります。国の補助率が低く、市町村で実施が進まない面もあります。さまざまな就労環境に応えられるように、さまざまな就労状況にありながらも所得があれば税金を収めなければいけない。でも、あいている保育園の時間は決まっているとか、それでは不公平感がそこにも生じるわけでございます。ぜひ平等になるよう予算を確保し、市町村に対して補助を行っていただきたい、強く要望します。

 また、ハートプラスマークについてでございます。内部疾患で苦しんでおられる方々がいらっしゃるわけでございます。これ、働きかけていただけるということでございます。教育委員会、そして各公共交通機関を所管している部長さん、ひとつ協議をしていただいて、各市町村、そして県の高校とか市町村小・中学校に普及していただきたいと強く要望させていただきます。

 それから、サービスつき高齢者向け住宅の普及についてでございます。市街化調整区域であっても、食事や介護のサービスを提供する有料老人ホームに当たるものは、開発審査会の議を経れば建設可能ということでよろしかったんですよね。

 よろしいということで、確認をさせていただいたということで。

 また、条例がある4市でその事実をしっかりと把握していないケースがあるようでございます。そこら辺の周知を徹底して行っていただきたい、これは要望しておきます。

 それから、災害・事故に強いまちづくりについてでございます。

 御答弁を伺っていますと、非常に県として及び腰になっているように私は感じをするわけでございます。災害対策基本法も改正され、避難所の運営支援等については、市から応援要求があった場合に県には応諾の義務が課せられたわけでございます。正当な理由がない限り断ることができないということであります。早急に、市町村を支援する体制、具体的な参集体制の構築等を行っておかないと、いざ実際、市町村から連絡がありました、それから、じゃあ誰がどこに行くのとか、そういう問題になりかねないわけでございます。ですから、そういった部分でしっかりと市町村とも連携、それをしっかりと県として主軸を持って市町村にやっていくということも課せられているのではないかなと私は思います。そして二次避難の重要性も認識をされていらっしゃるかと思います。県みずから実施方針を示していただきたい、これは要望しておきます。

 それから、ペット同伴の被災者の関係でございますが、市町村が行うべきということでありますけれども、災害は市町村を越えてあるわけでございますので、ぜひ、ある一定の統一したものを県で示していただく。そして、それ以上は市町村でやっていくというような形をしていただきたいと思います。

 自転車の無灯火対策についてでございますが、これは教育委員会、そして警察本部を通じて、例えば免許の更新時とかに、そういったときにも進めていただきたいですし、小・中学校、高校含めて普及をしていただきたい、周知をしていただきたい。

 そして、以前からやっております質問の関係でございますが、ぜひ前に進めていただきたいということを要望しておきます。

 また、水道行政についてでございますが、大規模災害などを前提として、官民共同体制を早期に構築していただくよう要望しまして、質問は1点とさせていただきます。

◯説明者(高橋 渡君) ペイジー等による収納の件でございますが、他の自治体の状況もよく勉強させていただきまして、その費用対効果等も見きわめながら検討を進めてまいります。

 以上でございます。

まとめ◯坂下しげき君 ありがとうございました。以上で終わります

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